焼肉姉妹さんのマイ★ベストレストラン 2016

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焼肉姉妹の店名しりとりの旅

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焼肉姉妹 (女性) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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2016年は「店名しりとりでレビュー」にチャレンジ!
あまり人には気付かれない地味なシリーズでした。。(笑)

全国を旅しながら美味しいものを追い求める生活は2015年と変わらず。
その中で出逢い心揺り動かされた10店をここに。




マイ★ベストレストラン

1位

バローレ (美瑛町その他 / イタリアン)

1回

  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥4,000~¥4,999

2016/07訪問 2016/12/26

きらめき。


北海道に行こうか。
初めてそんな話をされた時は、気まぐれか冗談かと思っていた。
まだ訪れたことのない北の地。
其処はあまりにも遠すぎて。

けれど。
それから半年後、わたしは北海道にいた。


*************

朝早いうちに旭川を出発し、富良野を回った後、訪れたのは美瑛にある
イタリアンレストラン、『バローレ』。
抜けるような青空の下に佇む一軒家レストラン。

こちらは美瑛のオーベルジュ『エルミタージュ』で腕をふるっておられた才田シェフが
2007年にオープンしたお店。
こじんまりした造りで、店内はテーブル5卓ほど。
とても素敵な雰囲気。
今回は2100円のパスタコースを予約し、「季節のお野菜の盛り合わせ」を追加オーダー。

・本日のスープ
・前菜の盛り合わせ
・季節のお野菜の盛り合わせ(予約して追加。1人1100円)
・パスタ
・デザート
・飲み物


パスタは6種類ほどの中から選べる。
今回は以下のお品をオーダーしシェア。

・美瑛産ブロッコリーと自家製ベーコンのスパゲッティーニ
・びえい和牛と美瑛産椎茸のラグーソーススパゲッティ(+500円)


一皿目からぐっと心惹かれる香りと味わい。
コールラビのスープにきゅうりのジュレをあしらったもの。
初めていただいたコールラビはまるでキャベツのような風合い。
甘みと香りが口いっぱいに広がる。
何てフレッシュな。

前菜の盛り合わせも秀逸。
旬のホワイトアスパラガスを使ったムースは滑らかで甘みの中にほんのりとした苦み。
甘海老のライスコロッケは濃厚で美味!

予約で追加をお願いした「季節のお野菜の盛り合わせ」は圧巻だった。
丁寧に下味がつけられたお野菜は瑞々しく力強く。
ここでしかいただけない、大地の恵みを全身で感じられる素晴らしいお皿。
(ポーションが多いのでかなり満腹になってしまうけれど^^;)

パスタはラグーソースのものが心に残った。
和牛はほろほろとよく煮込まれているしワインの香りも立っている。
ベーコンとブロッコリーのパスタはあっさりな風味。
ベーコンはもう少し塩分があってもいいかなという印象。

何と言ってもこちらの真髄はその野菜の力。
この土地で採れる野菜へのシェフの愛が伝わる珠玉の料理。
幸せな時間を約束してくれるレストラン。


初めて訪れる北の大地。
景色はどこまでも美しく、胸の奥までいっぱいに心地よい風が吹き抜ける。
4日かけて廻ったこの地での想い出は、今もきらきらと胸の中で光を放つ。

体の不調が著しく、動くことも叶わなかったこの頃。
もう、旅することは難しいだろうと諦めていたし、
このひととこうして旅をすることはないだろうと思っていたのに。

人生は何が起きるか分からないということ。
そして人と人との関係はやり直しができるということ。
生きていれば、何度でも。
そのことをわたしに教えてくれた旅だった。


*************

このレビューで、ちょうど900件目。
800件目のレビューを書いた時には、正直もうたべろぐをやめようと思っていたのだけれど、
不思議なもので今もこうしてわたしは書き続けている。
それはたぶん、いや間違いなく、その間に縁あって出逢った皆様のお陰なのだと思います。
これまで一緒の時間を過ごしてきた皆様に、心からの感謝をこめて。:..*.゚:..


  • コールラビのスープ
  • 前菜の盛り合わせ
  • 季節のお野菜の盛り合わせ(要予約)

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2位

鮨菜 和喜智 (円山公園、西28丁目、西18丁目 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2016/07訪問 2017/01/15

札幌の雄。


生まれて初めての北海道の旅。
バローレ』も楽しみだったけれど、こちらへの訪問もめちゃくちゃ心待ちにしておりました。
鮨菜 和喜智』。

鮨通の友人達の多くが絶賛する鮨店。
遅刻厳禁、写真撮影禁止ということを聞いていたのでちょっと難しいタイプのお店なのかな・・・と緊張しながらの訪問。

18時~、20時半~の二回転制。一斉スタート。
白木のL字型カウンターに鮮やかな赤のお盆、金の箸置きという美しいセッティング。
カウンター8席のみのこじんまりした空間。

ひと月以上前に予約を入れたが、すでに20時半の回は満席。
遅刻厳禁のようだけれど、実際は少し融通が利くようですね。
この日は他のお客が遅れて到着していたし。

ご主人の田村さんはまだお若い。
饒舌なタイプではないが、こちらが話しかけるととても丁寧に対応してくださる。
しっかりと自分の向かいたいところがあり、芯を持った仕事ぶりが随所に感じられる。

夕張のお酒、まる田をいただきながらコースがスタート。
このお酒がめっちゃ美味しい♪

この日はご主人の体調不良により、つまみがメインのコース構成。
事前にお電話でその旨を伺い不安を感じていたが、実際いただいてみると一品一品が素晴らしすぎて、
むしろこれはこの日しかいただけない稀少なコースだったのではと思わざるを得ない。

最初の一品は「相模湾の煮鮑」。
ぷりっぷりの弾力。出汁の旨みに三つ葉の香りが寄り添いぐっとくる。

さらに、毛蟹の雲丹和え、湯通しした金目、縞鯵のづけ、黒むつの塩焼き、螺貝の肝和え、
バチコの炙り、鮟肝と奈良漬、鯖の炙り、クエとじゅんさい、紫雲丹と馬糞雲丹の丼と続く。

「湯通しした金目」「黒むつの塩焼き」「鯖の炙り」は神がかった抜群の火入れ。
「縞鯵のづけ」は非常に旨みが深く、脂と旨みのバランスも凄い。
「螺貝の肝和え」は肝の旨みに悶絶。肝は鮑のそれよりも淡白だが口の中に残る薫りが素晴らしい。

そしてお出汁がめちゃくちゃ美味しいのです。鰹と昆布で丁寧に取っておられるお出汁。
「クエとじゅんさい」はこのお出汁に支えられ旨みが花開いた逸品。

ここで、紫雲丹と馬糞雲丹の丼が目の前に供された。

ここまで、ご主人と産地や仕事について様々なやり取りをしながらいただいていたが、
この小さな美しい丼を見て、思わずお聞きしてしまったの。
「あの、お写真を撮るのはダメでしょうか・・・」と。
すると、「いいですよ」とご主人。
ありがとうございます!
恐らく通常であればお許しいただけないことだと思うのだけれど。
ご主人の懐の広さにただただ感謝。めっちゃ嬉しい♥


握りは、葡萄海老とキンキ。
葡萄海老はねっとりと甘く、とろりととけゆくような旨み。
キンキは軽く炙られ、官能的な脂感に心奪われる。

そして舎利が素晴らしすぎる。
まさにほろっと口の中でほどける舎利。
まろやかでやわらかな酢の塩梅。
タネとのバランスも、温度感もぴったり!
使っておられるのは、京都から取り寄せた米酢と赤酢のブレンド。
最近酢を変えたのだそう。
きっと絶えず研究を重ねておられるのだろうなと推察する。

葡萄海老の頭で出汁を取ったお味噌汁、車海老、穴子で〆。


とにかくご主人のお仕事が非常に丁寧で誠実。
どうすればもっとも素材の持ち味を引き出せるかを熟知した仕事ぶり。
素晴らしい。ため息しか出ない。
ただただ感動。


本当は★5.0をつけたいお店なのだけれど、今回は握りは2貫のみだったのでそれは次回のお楽しみに。
でも2貫だけでこちらのお店の凄さがぎゅんぎゅん伝わってきました。
ご主人に「舎利が本当に素晴らしいですね」とお伝えしたら、「いつもはもっと美味しいんですよ」って。
そう言われたらまた来なきゃだよね。(笑)

近いうちに、必ず伺います。
今度は握りをガッツリいただきに。

北海道に来る理由になる素晴らしいお店。大好き。


  • ムラサキウニとバフンウニの丼
  • (説明なし)

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3位

魚信旅館 (尾道 / 日本料理、料理旅館)

1回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.9
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2016/08訪問 2016/12/31

そして、尾道に恋をする。


おのみち。
その名を口にするだけで、なぜか懐かしいような、とても落ち着くような心持ちになる。
ずっと前から訪れたいと希っていたこの街にようやく訪れる機会を得たのは、今夏。
じりじりと肌を焼く音が聞こえそうな真夏の尾道。

魚信旅館』。
数寄屋造りの建物は築100年を超えるものなのだそう。
この街にしっとりと溶け込む佇まい。

何と言ってもこちらの名物はオコゼのお料理。
そしてオコゼの旬は夏。
まさにベストな時季の訪問となった。
今回は信頼のおけるレビュアー様のレビューを参考に、「オコゼづくしのコース(8800円)」を事前に予約。

通されたのは何と個室。
しかも目の前は尾道水道。
きらきらと輝く水面、ゆったりと往き交う船。
美しい。。
思わず昨年訪れた『湖里庵』を思い出す。懐かしいナ。

コースは全8品。
その名の通り、オコゼのお料理が次から次に繰り出されるコース構成。

・先付:オコゼ煮凝り 木ノ芽
一品目からやられた!(笑)
ぷるっぷるでオコゼの身も皮も旨みもぎゅっと詰まっていて大変美味♪

・刺身:オコゼ薄造り 紅葉卸し・青葱
夏フグとも言われる魚。もっと淡白かと思っていたがそんなことは全くなく、
ぷるんとした食感の奥からその旨みが押し寄せる。
いや~、うんまい!

・煮物:オコゼ煮付け 里芋 竹の子・絹さや
これがもう最高!
オコゼをまるまる一尾使った煮付け。
ぷるんと弾力があって、煮るとさらにとろんとして。
上品な出汁の利いた煮汁がまた素晴らしいの。皮がまたゼラチンでとろんとろんなの。
美味しすぎる♪

・油物:オコゼ唐揚げ 串銀杏
パリッパリサクッサクに香ばしく揚げられた身と骨と頭。
頭の部分はやや揚げ切れていなかったけれど。
対照的に身の部分はふわっと柔らかい。
美味!

・蒸物:オコゼとろろ蒸し 山葵・銀あん
オコゼの身に、手を加えたとろろを掛けて蒸し、銀あんをあしらったもの。
上品なお出汁がまた素晴らしい。
おこぜがぷりっとろっ☆とろろに大変よく合います。

・吸物:オコゼ赤出し 針葱・順才

・御飯:ウニ御飯
雲丹は生のものを乗せ、さらにうずらの卵黄を落としてある。
北海道よりも北の雲丹らしい。
雲丹の甘みに卵黄の濃厚さがとけあってもうもう♪

・氷菓:こもんバニラアイス


ただただ感動、でした。
一つの食材をここまで多様な調理法でいただける面白さ。
そしてそのどれもが有無を言わせぬ美味しさ。
素材だけでなく、調理の技術も素晴らしい。

尾道が大好きになった瞬間。
ぜひまた訪れてオコゼを堪能したいな^^*


*************

これが2016年最後のレビュー。
本年も大変お世話になりました。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください^^


  • オコゼ煮凝り 木ノ芽
  • オコゼ薄造り 紅葉卸し・青葱
  • オコゼ煮付け 里芋 竹の子・絹さや

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4位

Restaurant Satoshi.F (名鉄岐阜、岐阜、田神 / イノベーティブ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2016/09訪問 2016/12/27

岐阜の光。


夏の夜、待望の再訪。
前回訪れた時もその素晴らしさに胸を打たれたが、1年ぶりに訪れて
さらに進化したお料理に驚嘆し感動を覚えた。
全9品の物語。

・原木椎茸のローストとビーフン
一皿目から完成度が高すぎて圧倒される。
胡麻油の香りに心躍り、原木椎茸の瑞々しさと抜群の塩分濃度に唸る。

・ポルチーニと黒トリュフのスープ
ボンダボンのペルシュのコンソメと茸の競演。
蓋を開けた瞬間の香りが素敵すぎて昇天してしまう。
コンソメの味わい深さ、香りが折り重なるこの素晴らしさ。

・6年かけて発酵させたかんずりで調味したチョリソー、じゃがいものソース、ブラウンマッシュルーム
運ばれて来た時から強い肉の香りにぐっときます。
(つくづくこちらの料理は香りでまず食べさせる料理だなと思うの)
肉の旨みとじゃがいもの甘みの融合。

・鮑のメロッソ
蒸した鮑の水分、ポルト酒とバターで作られた一品。
磯の豊かな香りが胸いっぱいに広がる。
シンプルなようで素晴らしく奥行きがあって感動。おいしすぎる!(笑)

・郡上和良川の鮎のスープ
鮎、塩、水のみで作られたスープ。
鮎の肝の苦みと、身の味わいが凝縮!
舌の上にいつまでも旨みが残り続けるこの幸せ。

・三河のノドグロのソテー、賀茂茄子のソース
2時間かけて火入れしたノドグロはとろうり。
茄子の甘みと相まってうまし!

・天城黒豚のタン元のロースト
肉は弾力があり、脂と肉汁の旨みがぎゅんぎゅん。
ソースの酸味が加わり旨味が深まり広がる。

・揖斐川の夏の猪のロースト
バラ肉を1週間漬けてオーブンでローストしたもの。
これは中華風の甘めな味つけ。
美しく澄んだ脂がとろりととろけてゆく。

・炭火で焼いた無花果のエクラゼと紹興酒のアイス、ラズベリーパウダー
エクラゼ、というのは「潰す」という意味。
これも香りがめちゃくちゃいい。
炭火で焼くことで無花果の甘みがぎゅっと濃縮。素晴らしいデセール。


再訪して改めて感じたのは、ファーストインパクトがどのお皿もすごいのね。
まさに七色の香り。
さらに構成や流れが完璧で非の打ちどころがない。
決して奇を衒うことなく、素材同士が必然性をもって出逢い、そこで紡がれる一篇の物語。

実は、今回はパンが供されなかったが全く違和感がなかった。
シェフによると、客が料理に向き合うための仕掛けでもあり、パンで満腹になることを
避けたかったためでもあるらしい。
そのためにリゾットを入れ、ソースも掬いやすいように固形に近い形にしたとのこと。
この計算と意図には脱帽だよね。

そして、盛り付け。
今流行のモダンフレンチのお店のようにソースや様々な素材を散らすのではなく、
全て中心にまとめているのは、もっともその料理を美味しくいただける最適な温度帯を
逃さないために、というシェフの意図。
実際この日のお皿は全て絶妙な温度で提供されていた。

最後にたくさんシェフとお話しさせていただいて、ここ最近フレンチを食べ歩きながら
感じていたもやもやした感覚が晴れたのでした。

シェフの哲学とブレのない方向性、それが体現されたお皿たち。
これほどまでの味を紡ぎ出せるシェフをわたしは他に知らない。


そして。
岐阜のお店を閉じ、明日、12月28日に銀座に新店『CHIUnE』がオープンする。
開店のお知らせをいただいて、すぐに予約を入れました。
岐阜に通う気まんまんだったわたしにとってはちょっと寂しくもあるのだけれど、
諭史シェフの新しい挑戦を心から応援したい。
1月の訪問が、今からめちゃくちゃ楽しみ。(笑)


■■2015年9月初訪レビュー

振り返ると今年は岐阜という土地に本当に縁のあった1年だった。
2月、6月、8月、9月、10月と旅行で訪れる機会があり、
そのどれもが深く胸に刻まれている。

そして、今年最も心を揺り動かされた至高のフレンチとの出逢い。
Restaurant Satoshi.F』。

古民家を改装したレストラン。
店内は個室3室のみ。

最初は8月に行きたいね、と話していたのだが、予約を入れたらお店の夏休みと
タイミング悪く重なっていたという不運があり。
今回、待望の訪問。

お昼に伺い、事前にお願いしておいた夜のコースをいただいた。

まさに地産地消。
岐阜の風、岐阜の空気、岐阜の香り。
地の食材が古田シェフの手によって形を変え、
驚くほどの洗練をもって立ち現れる。

「東濃の松茸と茄子のコンソメ」はセロハンをパチリと切った瞬間、
ふわぁっと松茸の香りに包まれる。
ボン・ダボン』の生ハムの出汁が松茸の香りとあいまって
悶絶ものの旨さ。

そして深い感動をもたらしたのは、「和良川の鮎のスープ」
炭火焼きした鮎に胡瓜とクレソン。
この鮎の風味の何と濃いこと!
旨みと苦みが絶妙な塩梅で絡み合い口の中を満たしてゆく。
この鮎の料理はここでしかいただけない、まさにスペシャリテ。

もうひとつの感動は、火入れの素晴らしさ。
「5日間寝かせた金目のソテー」は、レアさも残しつつ香りが立つように
火入れがなされている。
大和の蛤のスープがさらにその香りを膨らませる。
めちゃくちゃ美味しい。(笑)

デセールまでの流れるような構成に圧倒される。
どの皿も食材と食材の掛け合わせに必然性があり、コースに物語がある。

素材の輪郭をくっきりと浮かび上がらせる料理の数々。
自分の味覚がどんどん広がり、この味わいの全てを受け止めたくなる。
そんな心躍るフレンチとの久々の出逢い。

サービスもとてもあたたかく心地良い。
カトラリーの置き方が斜めなの。だから取りやすい。
これはサービスのセンスだなあと思う。

最後に古田シェフとたくさんお話させていただきました。
瑞々しい情熱を持ち、非常に勉強家。
たかむらさんしのはらさんとも交流があるという。
多くの方に愛されるシェフというのが分かる気がした。

岐阜のことがもっと好きになっちゃった^^
岐阜を訪れる理由になる名店。
文句なく★5.0。


  • 天城黒豚のタン元のロースト
  • 6年かけて発酵させたかんずりで調味したチョリソー、じゃがいものソース、ブラウンマッシュルーム
  • 鮑のメロッソ

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5位

炭火焼うなぎ 東山物産 (鵜方、志摩横山 / うなぎ、弁当)

1回

  • 昼の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 3.4
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2016/06訪問 2017/01/04

私の愛した鰻。


ウナギスキー肉子。
鰻が好きすぎて昨年も全国を行脚いたしました。
その中で最も心を鷲掴みにされた輝ける鰻店がこちら、『東山物産』。

それにしても遠かった。(笑)
近鉄特急に乗り込み鵜方駅下車、そこから歩いて数分。
11時過ぎに伺ったところ、すでに5組待ち。
入り口のウェイティングボードに名前を書いて待ちます。
その間も鰻が焼けるいい香りがして食欲倍増♪

店内はテーブル席と小上がり。
今回は小上がりに通されました。
鰻屋ではいつも肝焼きをいただくのだけれど、この日は既に売り切れとのこと。残念無念。
蒲焼やうざく、う巻きなど他にも一品料理があり昼酒をちびちび行きたい誘惑に駆られましたが、
この後大事な用事を控えていたのでがまんがまん。

メニューはうなぎ丼が小、並、中とあり、それ以上は上重、極上重になる。
うなぎの量で値段が違う模様。
そうなるとやっぱりこれでしょう♪

・極上重(2880円)

いえい!
鰻5切、ミニう巻き、ミニうざくがついております。

焼き色が美しくうっとり。この色は裏切らないね。
一口頂いて昇天。
サクサクッ、ほろほろっと口の中で香ばしさとともにほどけ、ふわっじゅわっと鰻の脂が広がるの。
鰻自体も上質だし、焼き具合も素晴らしい。
感動的な美味しさです。

この辺りは関西風の焼き方なのかなあ。
強めに火を入れているように思うのだけれど、鰻自体が非常に肉厚でぷっくりしているので
この火入れにも耐えうるのでは。

カリカリふわふわな鰻はこれまでも数多くいただいてきたけど、こちらの焼き方は独自のものを感じます。
甘めのタレも大変好み。
ご飯もほどよい炊け具合。
思わず笑顔になってしまう。
うんまい♪

やっぱり日本酒きゅっとやりながらいただきたいなあ。(笑)
しかしこれほどの鰻重が3000円を切る価格とは。良心的すぎる。

退店時には長蛇の列。
行列を避けたいのであれば11時頃までに訪れるのが吉。
肝焼きは取り置きできるようなので次回はそうしよう。
また訪れたい素晴らしい鰻店。最高じゃ。


  • 極上重(2880円)
  • 極上重(2880円)
  • ミニうざく

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6位

鮨 縁 (西川緑道公園、柳川、郵便局前 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2016/08訪問 2017/01/09

ひとえにご縁なのです。


岡山駅から少し歩いたところにある鮨店、『鮨縁』。
日本中を食べ歩いている食通の友人Kさんから、今岡山で最も勢いがある鮨店ということで
お勧めいただいた。
昨夏、岡山を旅することが決まった時に早速予約。

白壁造りの外観、美しく凛とした佇まい。
店内は横一列のカウンター8席。綺麗に整えられており気持ちが良い。
18時~と20時~の二回転制。

ご主人はまだお若い。
フレッシュさも物腰の柔らかさもありとても素敵な方です。

こちらは熟成系の鮨店。
喜邑』、『初音鮨』と熟成系の鮨とは相性の悪さを感じていたが、こちらを訪れて全く真逆の印象を持った。

つまみからの握りという流れ。
瀬戸内のものを多く出してくださるのが嬉しい。
素材の質は素晴らしく、丁寧に手を加えてありどれも酒が進む。

つまみで特にぐっと来たのは「愛媛の白甘鯛」。
10日寝かせており、ねっとりとして旨味が十分に乗っている。
「瀬戸内の鮑の蒸し物」も、肝のソースが濃厚!
身はぷっくりと肉厚で柔らかく、ソースと素晴らしく絡む。
そして「瀬戸内の塩雲丹」「白甘鯛のリエット」は超絶な美味しさ。
雲丹の旨みをこれほどまでに凝縮した食べ方はないかも。
そして「海苔の茶碗蒸し」の柔らかな着地でつまみが終わる。

ここからは握り。

瀬戸内の鱸、白甘鯛、鱚の昆布締め、北海道の鮪、中とろ、天草の小鰭、淡路島のしめ鯖、
渡り蟹、瀬戸内の天然車海老、和歌山の縞鯵、黒むつ、高知の金目の炙り、岡山の穴子の炙り、玉。

一貫目の鱸に舌を巻く。
まず何と言っても舎利が素晴らしい。
酢の加減は柔らかめ。タネの旨みを引き出し、ほろほろと解けながら絡まり合って一体感を見る舎利。

タネはどれも熟成を掛けてあるが、旨みが強すぎず心地よい味わい。
鮪は定置網のものを1週間寝かせたそうだが、割とあっさりした味わいで好ましかった。
中とろは脂の甘みが感じられ好対照。

終盤は炙りものが出されたが、旨みに香ばしさが加わり、とろうりとした食感も相まって悶絶。

舎利は赤酢1種類、米酢2種類のブレンドで、全て京都の飯尾醸造のものを使用。
「同じ蔵なのでケンカしないんです」とご主人。

本当に素晴らしい鮨だった。
ご主人が心を尽くして仕事を施し、握っておられることが伝わってくる。

いや~、タネのこの熟成の感じがね、凄いんだわ。
深浅さまざまで、「熟成ありき」ではなくどうしたらそのタネを最も美味しくいただけるかを
よく研究されているように感じたの。

この日は隣に座っておられた若い男性と、ひょんなことから意気投合。
ご自身でジビエを狩猟・解体して居られるということで様々に興味深いお話を伺うことができた。

この日、こちらのお店に出逢えたことも、
この方と隣り合わせたことも。
全てが縁だと思わずには居られなくて。

様々なご縁の繋がりと広がりを感じた夜。
季節を変えてぜひ再訪したい、岡山の星。


  • 瀬戸内の鱸
  • 白甘鯛
  • 鱚の昆布締め

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7位

田代 (尾張瀬戸 / うなぎ)

1回

  • 昼の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2016/01訪問 2017/01/05

臨場感の勝利。


尾張瀬戸の鰻店、『田代』。
こちらのお店との出逢いは、2015年2月に遡る。
ちち部のメンバーで意気揚々と訪れたものの、何と夜営業は既に終了。
その時の部長の落胆ぶりは大変激しく、「よっぽど鰻食べたかったんだねアナタ。。」と色んな意味でせつない気持ちになったのであった。

それから約1年後。
ちち部の旅、ふたたび。

朝早く東京を出発し、多治見の『信濃屋』でころうどんを堪能した後、尾張瀬戸へ移動。
今回は12時過ぎに訪問したが、既に何人かが列をなしている状態。

こちら、店内でいただく場合は名前と人数を伝えないといけませぬ。
13時半頃なら入れるということだったので、いったん近くの和菓子屋に寄った後、ふたたびお店へ。
どうやら14時くらいで昼の受付は終わってしまうよう。

焼き場は外に面しており、ご主人が鮮やかな手つきで次々に捌いて串打ちし、炭で焼いていく様を見ることができる。
それはもう豪快の一言。
炭と串の距離が近いのでかなりの強火でガンガン焼けてゆく。
BBQ感があるわね。(笑)
焦げた部分はご主人がひょひょっと摘まんで取って行く。ダイナミーック!
ちなみに近くの商店街までいい匂いが漂ってきます。うっとり♪


メニューは4種類のみ。
鰻丼の並(一匹分)と上(一匹半)。
長焼の小(一匹分)と大(一匹半)

長焼の大で丼2つ作ってくれるらしい。
どう注文しようかとみんな混乱してしまっていたのだが、わたしの提案でこちらを。

・鰻丼(上・3800円)
・長焼(大)で2人前の丼(4000円)


鰻もいっぱい食べたいし、ご飯も食べたい。
だったらこれが正解でしょ?(笑)
でも後から考えると鰻丼の上を2つでも良かったなあ。
そのくらいめちゃくちゃ素敵なボリュームだったから。(笑)

店内にようやく通され、わくわくしながら待つ。
ほどなくして着丼!!

鰻丼(上)はさすが一匹半、蓋を取るとすっごいボリューム!!
鰻が丼からはみ出しとる。(笑)

長焼(大)の丼はこじんまり。それでもなかなかボリューミー。
どちらも香の物、お吸い物がつく。

鰻は豪快に火を入れていたように見えたが、その素晴らしい焼き具合に唸った。
表面がめちゃめちゃ香ばしく、さくさくっと音が立つような焼き目。
焦げているところが実に旨い。
脂が適度に落ちていて鰻の旨みが凝縮。
甘めのタレが絡んで最高!

その間にも目の前でガンガン鰻が焼けてゆく。
まさに臨場感の勝利。

ていうか帰る時に肝を焼いているのが見えたし!!
メニューにないけど頼めばあるのか!?(きらーん)

この時全身に鰻の脂と匂いがついて、車の中が鰻屋さんのような匂いに。(笑)
そういうところも含めて、ウナギスキーにはたまらないお店。またぜひ出逢いたい鰻。


  • 鰻丼(上・3800円)
  • 鰻丼(上・3800円)
          、長焼(大)で2人前の丼(4000円)
  • 長焼(大)で2人前の丼(4000円)(そのうちの1杯)

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8位

じどりや 穏座 (小野、堅田 / 鳥料理、焼き鳥)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2016/10訪問 2017/01/07

唯一無二の「食べ尽くし」。

長らく訪れたかった滋賀県大津の『じどりや穏座』。
養鶏を手がける「かしわの川中」直営の地鶏料理店。

テーブル席とカウンター席があるが、何とカウンター6席でしかいただけないコースがあるという。
それが淡海地鶏を堪能できる『淡海地鶏食べ尽くしコース』(3800円)
カウンターの予約は至難。
今回、リーダーの指令のもと気合いで予約をもぎ取りました。いぇい。

コースを通して感じたのは、圧倒的な素材力。
新鮮で瑞々しく、煌めくようなお造り。
肉の旨みと脂が溢れ出るような焼き物。
創作的な色合いを持たせた揚げ物や炒め物。
どれもご主人の思いと手が掛かった逸品ばかり。
ぶるんと撥ねるような弾力と滲み出る旨み。
淡海地鶏ってこんなに美味しいんだ・・・。

そしてご主人の素材への拘りが随所に見える。
塩も手作り。
味わい深く地鶏の刺身によく合う。
ご主人の説明も丁寧でとても面白く、料理をより楽しめる。

コースの内容は以下の通り。

・鮴(ゴリ)と鮎の飴炊き
味が凝縮していてお酒に大変合う一品。

・雌の首皮、首肉のすき焼き

・胸肉のスモークをサンドしたポンデケージョのミニハンバーガー、ささみのジャーキーのサラダ、北海道の手作りチーズ、蜂の巣添え
ささみのジャーキーはクミンが利いておりパンチがある。
蜂の巣は初体験!!深い深いコクのある甘みにとろけそうになる。
チーズと相性抜群。

・こりこり3種。砂ずりのいちかわ。やげんなんこつ。オスのトサカの生
魚醤で味付けし、鯛の酒盗で和えたもの。
調味の旨みとこりこりの食感。面白いし美味しいし!

・前菜6種
①ピクルス
②雌の笹身を蒸したものにへべすを添えて。鮪のジュレ
③雌の胸肉のヅケ。山芋。白肝黄身醤油
④雌のもも肉(下もも)の藁焼き(もも肉の弾力と旨みが凄すぎる!)
⑤雄雌混合のそぼろの出汁巻き
⑥雌のもも肉(上もも)の味噌漬け(11日目)

・お造り盛り合わせ
(雌の肝、雌の心臓、雄の砂肝、雌の脾臓、雄の笹身、雌のもも肉(膝から上)、ソリレス、雌の胸肉)

雌の脾臓はもう、これだけで今日来て良かったと思える味。
新鮮でぷるぷるとろとろ、圧倒的に瑞々しい!!
そして白肝は圧巻!
まるで良質なバターを食べているような。こっくりしていて濃厚で甘みがあるの。

・雌の手羽先の塩焼き。香川県のかめびしのフリーズドライ醤油、山山葵
これは炭火でなく、敢えて醤油の香りを楽しむ料理。

・サラダ

・雌のもも肉、手羽元、ひざの軟骨の唐揚げ中華ソース

・もついため:きんかん、雌レバー、雌砂ずり、脾臓、背肝

・ぼんじり

・鶏の鎖骨

・雌のもも肉のお尻

・ハラミ

・白まいたけのご飯

鶏のお出汁が染み渡った御飯。包んでいただき翌日の朝ご飯にいただきました。

・無花果、ドライマンゴーを自家製ヨーグルトで戻したもの


いや~、すごい品数。(笑)
次から次に繰り出される圧巻のコース。
淡海地鶏を雌雄余すところなくいただける。生でも焼きでも揚げでも。

味が濃く力強く、それなのに繊細で美しい味わいの鶏に感動。
(量が多めで最後は食べきれなかったのが残念。。)

まさに唯一無二の食べ尽くし。
これだけのものをいただいて、お会計は6000円弱。
破格です。

ちなみにこの日は飲みすぎ&寝不足で最後はカウンターに撃沈。
大変お見苦しい姿をお見せして申し訳ありませんでした。。

是非また近いうちに再訪したいお店。
予約、頑張ってみるか。(笑)


  • こりこり3種。砂ずりのいちかわ。やげんなんこつ。オスのトサカの生
  • (説明なし)
  • もついため:きんかん、雌レバー、雌砂ずり、脾臓、背肝

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9位

茶寮 宝泉 (松ケ崎、茶山・京都芸術大学 / 甘味処、和菓子)

1回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥2,000~¥2,999

2016/10訪問 2016/12/30

日本三大わらびもち。(勝手ながらw)


今年の秋は、東海・近畿ぐるり2000kmの旅。(笑)
以前から気になっていたこちらに立ち寄る機会を得ました。
茶寮 宝泉』。

和菓子の老舗、『宝泉堂 本店』。
そちらのお菓子は昨年いただいたのだけれど、そのほど近くにある茶寮には
今回初めての訪問。

大変趣のある日本家屋。
休日のお昼ということで行列を覚悟していたのだけれど、幸い待ち席には10人もいない状態。
ラッキー!!(ガッツポーズ)
わたしはうっかり何となく待ってしまったのだが、ウェイティングリストに名前を書かねばなりませぬ。

悩みつつ、こちらの二品をいただきました。

・栗きんとん(1000円)
・わらび餅(1100円)


ほどなくして奥のお座敷に通されたが凛としたしつらえに背筋が伸びる。
どの卓も横並びの仕様で、どこからも美しいお庭を望めるような配置になっている。
本来ならばもっと客を入れられるだろう広さなのに、そうしないところがとても好ましい。


まずは栗きんとん。
なんて滑らかな口当たりなの!
口の中でねっとりと広がり埋め尽くしてしまうかのような粘度。
甘みは最低限、というかほとんど足してないんじゃないかな。
素朴で素材そのものの甘みを存分に引き出した造り。
丹波の栗を使用。
風味といい味わいといい、これほど素晴らしい栗きんとんは他にないんじゃないかな。
うんまい♪


そして、わらび餅はさらに感動の逸品でした。
注文してから練るため15分ほど時間がかかる。
運ばれてきたわらび餅は真っ黒。
こういう色合いのわらび餅は初めて見たかも。
黒蜜が添えてあるがまずはそのままで。

一口大のまあるいわらび餅。
つるん、ひいやり、ぷるん、ねっとん、とろ~。
そんな風に次々に擬音が聞こえてくるような。

すごいです、このわらび餅。
最初はぷるんと跳ねるようで、口の中に広がりながらねっとりして、同時にひいやりした冷たさもくる。
蕨粉の香りが口いっぱいに広がる。
うんまーい!!
これはときめく。恋に落ちるしかない味だわ。

このしつらえ、この御菓子。
京都ってすごいナ。

そしてこの瞬間。
わたしの中の日本三大わらび餅が決定したのでした。(笑)

ツバメヤ(岐阜)
腰掛庵(山形)
茶寮宝泉(京都)


  • 栗きんとん(1000円)
  • わらび餅(1100円)
  • 栗きんとん(1000円)

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10位

いと重菓舗 本店 (彦根 / 和菓子)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2016/11訪問 2016/12/01

心躍る銘菓。


ある方からお土産にいただいた。
滋賀県彦根の銘菓、『いと重菓舗』の「埋れ木」

「世の中をよそに見つつもうもれ木の埋もれておらむ心なき身は」

若くして両親を亡くし、先の見えない部屋住みの身となった井伊直弼公が
自身を埋れ木に喩えて詠んだ歌。
10代でこの歌を詠むとは。相当苦労したのねぇ。。

この菓子の名は、井伊直弼公の修養時代の住まい「埋木の舎」を由来とする。
不遇の中でも文武両道の修練に励み、茶の湯生け花和歌俳句に勤しんだという、
何とも志高き生き方をした御仁なのですね。

説明書を見ると、大手亡(白いんげん豆の一種)の餡を求肥で包み、抹茶の風味が香る
和三盆糖をまぶしたお菓子とのこと。

ころんとした丸っこいフォルム。
噛むと抹茶の香りがまずふうわりと立つ。
表面は抹茶粉と和三盆のざらっとした感触、さらに求肥と白餡ならではの官能的なねっとり感。
多様な食感と味わいが重なり溶け合って口福をもたらす。
やや甘みは強めで熱いお茶にとてもよく合う。
大変上質、かつ美味であります。

こちらをいただいて、三重を訪れる度に購う大好きなお菓子、
深川屋 陸奥大掾』の「関の戸」を思い出しました。
抹茶と和三盆の組み合わせの妙。

その土地ならではの銘菓はやっぱり心躍りますね^^
ごちそうさまでした。


  • 埋れ木
  • 中には大手亡の餡が入っています
  • (説明なし)

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