LO間際の入店でしたが、オリジナルのカクテル「アルカディア」を戴きました。卵黄も入った、とても美味しいカクテルでした。ヘルシンキで行われたコンペに出られた時、街にあった通りの名前にちなんで命名されたそうですが、もちろんヨーロッパでは牧人の楽園=理想郷を意味していて、その名にぴったりの味わいでした。ダヴィンチ・コードにも出て来たニコラ・プッサンの『アルカディアの牧人たち』には墓石にラテン語で"Et In Arcadia Ego"(我はアルカディアにもある)と書かれていますが、これは並び替えると"I Tego Arcana Dei"(立ち去れ! 私は神の秘密を隠した!)となることから、「聖杯」への鍵とされているそうです。ますますこのカクテルにふさわしい。
一杯目は、アルカディアを戴きます。多くの人が、特別なカクテルの背後に個人的なストーリーを持っている。僕にとっては、一番大切な人の思い出に繫がる大事なカクテルです。生クリーム、卵黄とチョコ。ゆっくりと啜りながら、胸がいっぱいになりました。
風薫る5月。二杯目にミント・ジュレップを戴きました。バーボン、クラッシュドアイス、ミントをたっぷり。綺麗な形のボトルに入ったバーボンは、濃厚な蜂蜜色が印象的でした。ミントの葉を丁寧に潰してからステア。サンルーカル・バーのミント・ジュレップは、甘くなくて、とても美味しい。ミントの風味の奥に、バーボンのスパイシーで、洋梨のような林檎のような蜂蜜のような香りを感じます。上に載ったミントの葉を摘まみながら飲んだら、嵌まってしまいました。おつまみで出て来たドライ・グリンピースとのり巻きおかきの塩味やドライ蜜柑の甘味との相性も、とても良かった。
毎年5月にルイビルのチャーチルダウンズ競馬場で開催されるケンタッキーダービーでは、出走馬の本馬場入場の際にミント・ジュレップを飲み、My Old Kentucky Homeを観客全員で歌うのが習わしになっているそうです。
明日への希望を胸に、爽やかな気分になりました。