『吟花 その4:亀の海』一級うん築士さんの日記

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一級うん築士のレストランガイド

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日記詳細

こちらはあの神田駅近くにある六花界のオーナーが経営している秘密の隠れ家。食べログ掲載禁止なので日記で。ただし料理写真の撮影はNGなので一部のみ。

その店は謎だ。導かれるままに神田駅から歩く。神田で飲むことは多いが、この辺りはまったく未知の世界。住宅街でも、オフィス街でもない。小さな商店や飲食店が点在する。あまり賑やかさを感じない。そういう意味では閑静なエリア。路地を曲がりしばらく進むと杉玉が見えた。

もしかしたらここかもしれない。しかし、もちろん看板もない。しばらく待つと若い着物姿の女性が登場。靴を脱いで中に入ると暗い。なにやら妖しげにも思える。べんがら色(暗い赤みを帯びた茶色)の遊郭のような世界。しかし、突然灯りが点ると、一瞬で煌びやかな空気が漂う。

コの字型にステンレスの鉄板を囲む。その先に主人の高橋さんが座り、当日の日本酒と料理の説明を1つずつ、一皿ずつしてくれる仕組み。酒は1つの酒蔵のいろいろな種類を。そして料理はそれに合わせるが、基本は肉料理。それを上手くアレンジして、肉らしくない料理に。いや肉料理の進化系か。

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11某日は亀の海(長野県佐久平の土屋酒造)

佐久平は冬季の冷え込みが厳しく。また長野県において最も高品質な米を栽培する産地。従って日本酒の醸造に最適ともいえる土地柄。土屋酒造はその佐久平で江戸時代より長く醸造を続けている。

主力銘柄は「亀の海」とし、伝統と技法を継承。加えて常に醸造技術の向上に力を入れてきた。昭和40年代には長野県下で最初に吟醸酒を栽培している。近年では五郎兵衛新田で農薬無散布、有機農法で酒米を栽培している。

今回も高橋さんの優れた選択と、逸品ぞろいの肉料理で大満足した。

○が酒、●が料理

○GOROBEI ひやおろし
佐久にある浅科五郎兵衛新田で栽培された良質米
○細雪 純米吟醸 直汲無濾過生
旨口純米
赤い切り子(辛口純米)とピンクのグラス(旨口純米)
両方ともヒトゴコチ59%まで磨いて
●一皿目 鴨ロースト
鶏むね肉を山葵と柚子胡椒で。クリームチーズを出汁に漬けたのを添えて
●二皿目 ハツとレバーの刺身
ハツは牛の大きな心臓を、一番質の良い部分を使用。大葉と辛味大根を添えて
○山廃 純米吟醸 MODERNIZE
今年初めて山廃を
●三皿目 とも三角
実山椒と塩で
●四皿目 牛たんホイール酒蒸し
●ご飯の酒粕茶漬け
酒粕は1年かけて熟成し、味噌と同じ色彩
○佐久乃花×亀の海 純米吟醸 assemblage
亀の海の佐久の花のブレンド酒
佐久平の13の酒蔵から買い取りブレンド酒を造る
一期一酒
●和牛ハラミ肉の陶板焼き
●フルーツカクテル
 シナノゴールド(リンゴ)、土屋酒造の柿
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