3回
2019/02 訪問
讃岐うどんのトップ集団
時は夕刻。水道橋近辺での用事を済ませたカントナが急ぎ足で向かった先が丸香さん。讃岐うどんを愛する人々が長蛇の列を成す超人気店。カントナは数年振りの訪問なのであります。夜の口開けに近いこの時間では待ち行列も少なかろうという算段と、本日はこの後の用事はありませんので、もし長蛇の列で何時間並ぶ事になっても全く問題が無いという事情もあって、名店へ足を向ける決意を胸にしたカントナなのでありました。久々の訪問だと思うと鼻息荒く、勇ましく、足早に向かうカントナなのであります。
勢い良く到着いたしますと、案の定待ち行列は全く無し。ズンズンと歩きながらもちゃんとイメトレしていたカントナは、不意の待ち時間無しの入店であっても狼狽える事は無く、席に案内されると同時に「カケの並みとカシワ」と呟いて水をゴクリとやるのでありました。
以前の訪問時とは内装が変わったような、変わっていないような。そんな事を考えながら待っておりますと、やはりひっきりなしのお客さん。帰るお客さんよりも入るお客さんの数が多くなってきて、段々と待ち行列は長くなってゆくのであります。そんな様子を目にして「ラッキーなタイミングであったな」と心から感謝するカントナなのでありました。
待ち時間大体6分ほどでカントナのカケとカシワの到着。丁寧に折りたたまれたうどん、たっぷり湯を吸ってパンパンのうどん、黄金の汁、アクセントの青ネギ。その器に繰り広げられる景色は、万人が美しいと思うであろう光景なのであります。カシワは中くらいのものが2つ別皿で提供されます。
期待値マックスで早速うどんを持ち上げてみますと、決めた茹で時間までたっぷりのお湯で茹でられたであろうフワフワなうどん。それ故、お箸で摘ままれる圧力に身を任せる柔らかさなのでありますが、口内に吸い入れますと跳ねるような暴れる弾力のうどんなのであります。もう少し茹で時間が短くても良いかも知れないと思うカントナなのでありますが、これは好みの問題でありましょうか。何はともあれ人気店故の忙しさで茹で時間を短縮してうどんを不味くするという惨事にはなっていないのが嬉しい限りなのであります。
汁はしっかりイリコ。魚と塩を感じる黄金の汁は、うどんとベストマッチなのであります。 アクセントの青ネギが口内に侵入しますと、小麦とイリコの直球同士の正直な味わいに、青ネギのキレの良い変化球の組合せ。身体が震える美味さなのであります。卓上には天かす等が置いてありますが、これだけの完成度の高いうどんであれば、天かすは不要と言うか、入れたくないと思うカントナなのであります。「卓上から取っ払って欲しい」と思う、自分勝手なカントナなのでありました。
カシワは揚げたてでありましたのでジュージュー泣いている嬉しい具合。そんなカシワ自体の柔らかさとジューシーさをとことん追求したような出来栄え。「ここまで軟らかくしなくても良いのにな」とも思うカントナなのでありますが、カシワからジュワッと滲む美味さに黙々と噛み締めるだけのカントナなのでありました。
讃岐うどんの首都高松でも充分にトップクラスでやっていけるくらいに思う美味い讃岐うどん。数年振りの訪問でありましたが、現状維持というよりかは進化している感じがする讃岐うどん。「次回は釜揚げであるな」と、釜揚げ好きなカントナは心に誓うのでありました。
2019/05/17 更新
2010/05 訪問
美味くて嬉しくて涙が出る
仕事で近くまで寄ったので、帰り道を大幅にルート変更して訪問しました。ほんとご無沙汰の再訪で、ワクワクして仕事が手につきませんでした。あの讃岐うどんに逢いたくて、神保町を下車してからは鼻息荒く早歩き。
18時過ぎの中途半端な時間の訪問でしたので、待ち行列は3名のみ。ラッキーな事にすぐに入店の運びとなりました。
案内され席に座り、「かけ(温)」と「月見(冷)」、「ジャコ天」をオーダー。あまり訪問出来ないので、ダイエット中ではありますが二つオーダーしちゃいました。ただ、讃岐うどんは二玉くらいがデフォルトです。冷→温&ジャコの順番で届けてもらいます。
まずは冷たく絞められたツルッとしたうどんが丼の中でマルッとクルッと整えられた状態で到着。綺麗に盛られたうどんは、それだけで美味そうです。何も付けずにうどんだけすすりますと、表面的には柔らかく感じるうどんですが口の中での暴れ具合は前回同様。まさに讃岐うどんのコシを見事に表現しています。そしてもっちりした麺は歯に絡む心地良い弾力です。冷水での絞め方が若干甘い気もしましたが、誤差の範囲内だと思います。ダシ醤油はダシがよく効いています。色は薄いですが塩気が強いので、少しずつ量を調整しながらかけてゆきます。食べ進む内に興奮してきて、周りの目は気にせずに勢いよくうどんを啜って一気に完食。
調度食べ終わる頃に「かけ(温)+ジャコ天」到着。中々良いタイミングが嬉しいです。熱々の汁じゃないのですが、讃岐うどんはこれくらいの温度が調度良く、「熱いものは熱く」が基本のカントナですがこれは許容出来る「ぬくさ」です。刻み葱が振りかけられた緑のコントラストが美しい「かけ」は、シンプルなダシの美味さがストレートに味覚に響きます。汁とうどんを一緒に掻き込むと、汁を浴びて艶を増したうどんは口の中で暴れながら食道を通ってゆきます。揚げカスを入れたり、ジャコ天をかじったりしながらごちそうさま。
「今度来た時には何をいただこうかな〜?」と、もう次回のオーダーのイメトレをしているカントナなのでした。
〜〜〜2009年10月〜〜〜
昼時に用事があり、水道橋近辺へ。以前から気になっていた讃岐うどんのこのお店で昼食を。神保町から御茶ノ水方面へ進み、マックを越えたら左へ折れると小学校の前に行列が。13時くらいでしたが20名程の行列。
皆さんのレビュー通り、すぐに待行列は掃けてゆきます。回転早しです。待っている間、店員さんからメニューを見られますかと聞かれたので、メニューをいただきました。常連さん達はメニューは受け取らない模様ですので、初心者だと思われぬようにちらっとだけ一瞥し釜揚げうどんがあるのを確認します。
待行列の先頭に近づくと、店員さんがオーダーを取りにやって来ます。釜揚げうどんとかしわ天。初めてのお店ではカントナは釜揚げうどんで味のチェックをします。
あと数人となると、店内からイリコの素晴らしい薫りが漂ってきました。これはかなり期待出来そうです。
空いた席へスムーズに誘導されると同時にうどん到着。うどんの盛り方は素晴らしく、角の立ったうどんさん達が寝かされている姿は美しいです。
安っぽくない割り箸を割って、いよいよいただきます。…まさに讃岐うどんです。ただ固いだけのうどんをコシがあると勘違いしている数多のお店の人に食べてほしいと思わせる教科書的なコシ。噛むと口の中で暴れる弾力性をカントナはコシと言います。このお店は正にそれ。また、固いうどんは箸でつまむのが難しいですが、本当の讃岐うどんはそんなことありません。ダシも味が奥深く美味い。ダシの色も讃岐うどんのダシの色。食べ終わった後に喉が渇くくらいの塩加減も見事です。
美味くて嬉しくて涙が出ます。でも横浜からは遠くてあまり通えないのが哀しくて涙が出ます。ようやく巡り合った本当の讃岐うどんのお店です。
2015/04/18 更新
「外出先で夕飯を」と思って思案した結果、久々に訪問する事が叶った「まるか」さん。
電車を乗り継いで水道橋駅から徒歩で向かいますと、夜の口開け間近の訪問でありましたが既に満席の店内。待ち行列は5名。
カントナの番が近づいてきますと、店員さんがメニューを渡してくれるのであります。
趣向を変えて「きつねうどんにしようか」と思うカントナなのでありましたが、「やっぱり釜揚げであるな」と思いを改めて、いつもの通り「釜揚げ」を「大」でお願いいたします。それから「かしわ天」でオーダー完了であります。
そこから待つ事5分程度。いよいよ入店を許されたカントナ1名様が案内されたのは、奥のテーブル席で相席であります。
テキパキと案内された先には水も置いていてくれていて、その水が冷たいのも嬉しい接客スタイルなのであります。
そこから更に待つ事8分程度経過いたしますと、カントナの「釜揚げ大」が到着であります。
「大」でありますので2玉の大盛り。それからツユと刻みネギと生姜の薬味の構成。そして「かしわ天」であります。
まずはうどんから。久々にご対面となったうどんは丼の中で折り畳められている整った美しいビジュアルなのであります。
丼から盛りあがっているうどんのボリュームを目にいたしますと、「最後まで美味しく食べられるかな」と心配になるカントナなのであります。
早速気合いを入れてズルズルといたします。手打ち麺らしい麺の長さが嬉しくて、喉越しの軽快さも嬉しいうどんなのであります。
そんな麺の美味しさの要素の一つである抜群の茹で加減。ちゃんと手間と時間を惜しまずに茹でている結果の、柔らかさとモチモチな弾力とエッジが両立された素敵なうどんは、鼻孔を強く揺さぶる小麦の香りも美味しくて、揚げたてであるアチアチさも野性味溢れて美味しいのであります。
「やはり釜揚げで食べるべき美味しいうどんであるな」と、己の選択が間違っていなかった事を自画自賛するカントナなのでありました。
そしてツユであります。カツオの風味が結構前に出ている気のするツユは、以前とはちょっと変わったのかなと思わせる変化なのであります。
それでも美味しい釜揚げである事には変わりなくて、箸を進めるカントナの勢いは増してきて一度につまみ上げる麺は段々と多くなり、茹で汁を飛ばしてツユを飛び散らしながらジュルジュルと吸い上げるうどん。勢い余って器官に入ってむせたりしながらも「周囲に迷惑は掛けぬように」と、それだけは何とか死守しながらも啜る、勢いが止まらない美味しさの釜揚げうどんなのでありました。
一段落したところで「かしわ天」であります。大きい子供のげんこつサイズのものが2つ。
口を大きく開けてかぶりついてみますと、「これ程までに上品でジューシーなかしわ天はいただいた事が無いな」とウットリするかしわ天なのであります。
「これが2つも提供されるなんて天国であるな」と満面の笑みを浮かべるカントナなのでありました。
かしわ天で勢いを追加したカントナは、同じテーブルで同じく釜揚げを中サイズでちくわ天のお客さんに圧倒的大差を付けてごちそうさま。
うどん一気食いによる血糖値スパイクなんて事を恐れながらも、久々の美味い讃岐うどんに元気が出たカントナは神保町近辺に繰り出すのでありました。