4回
2019/11 訪問
離れで炭火に癒やされる
時は休日の夜。カントナ主催の「お礼の会兼お祝いの会」を開催しようと計画し幾つかのお店を頭の中に浮かべるのでありますが、やっぱり思いつくのはこちらのお店だけなのであります。
「個室でゆっくり」「高級感」「囲炉裏で休まる心と身体」等々の気分が高揚するキーワードが、カントナの琴線に触れるのでありました。
早速予約の行為をおこなって迎えた当日。車を操って到着した九つ井敷地内の駐車場。間接照明等が効果的に使われており雰囲気良く、リッチな雰囲気を醸し出しているのはいつもの通り。気持ちを高ぶらせる効果の間接照明を浴びて、整備された小道を通りますと、益々気持ちはノッてくるのであります。
そんな素敵な雰囲気に包まれたカントナ一行は帳場に到着いたします。そんな帳場も相変わらず雰囲気良く整えられていて、気持ちは最高レベルにまで高ぶらせられるのでありました。
帳場にてカントナ一行である旨を伝えますと、雰囲気ある姉さんが静静とやってきてカントナ一行を離れに案内してくれます。
お姉さんの後を着いて、整備された山道を登ってゆきます。「ここでお姉さんに気の利いた小噺でもひとつ言えたら素敵なのであろうに」と思うカントナなのでありますが、気の利いた事は何も思い浮かばない、つまらない男カントナなのでありました。
そんな人知れぬ苦労を忍ばせながら辿り着いた離れ。離れの名前は失念してしまったのではありますが、本日も素敵な離れに案内いただきます。畳敷きの広間には雰囲気の良い調度品が飾られており、事前にお願いしたお礼とお祝いを兼ねた飾りもしっかり準備されているのであります。そして離れの主役と言っても良い「囲炉裏」。炭火からは遠赤外線効果というものをしっかりとじんわりと感じさせてくれるのであります。気持ちが落ち着くのと高揚するのとが共存する、不思議な気持ちにさせる炭火なのであります。離れには清潔なトイレも完備されており、生活出来るくらい居心地の良い離れなのであります。
掘りごたつ方式であるのも喜びながら着席完了。まずはドリンク関連で乾杯であります。ドライバーのカントナは、いつもの通りノンアルコールビールで乾杯する事にいたします。
乾杯も無事に済んで、いよいよ料理のスタートであります。予約したのは「いろり焼きBコース」。
まずは食前酒の梅酒からコーススタートであります。「丁寧に造られた」ような気がする上品な梅酒。この梅酒の上品さが、ここから続く宴の成功を確信するカントナなのでありました。
突き出しに前菜にサラダと続くイントロダクション。カントナ一行が特に感銘を受けたのがサラダのドレッシング。カントナ父はそれをいたく気に入り、お土産として買って帰ったほどなのでありました。
そんなイントロダクション系を食しておりますと、炭火関連の食材が続々と姿を表すのであります。
まずはホタテ。とても大きなサイズのホタテ。殻も大きければ、貝柱も比例して大きくて立派なのであります。垂らされた醤油が焦げた際に発する芳醇な香りに鼻をクンクンさせてながら気分をアゲて、給仕されたホタテを大きな口を開けて咀嚼いたします。カントナは、貝柱から滲み出たエキスを火傷に注意しながら貝殻に口を付けてジルっと啜るのが、美味しいのであります。
それから大振りのシイタケに地鶏2種と合鴨。そして筍と蒟蒻。シイタケや鶏関連は期待と想像通りの味わいでカントナの胃袋に収められるのでありましたが、期待値以上であったのが蒟蒻。蒟蒻嫌いのカントナは「うげぇ〜・・・。」と、失礼なため息を吐きながら、とりあえず命じられるままに蒟蒻を焼いてみる事にいたします。
表面がカリッとなるくらいに焼いた蒟蒻には、九つ井特製の味噌ダレを付けていただきます。いわゆる「味噌田楽」なのであります。そんな味噌田楽を、蒟蒻嫌いなカントナが口にいたしますと、あら不思議。蒟蒻の臭みなんてものは無くて、外はカリッと中はプリッとの、クセになりそうな不思議な食感が広がるのであります。そんな蒟蒻を後ろ支えするのが味噌ダレ。この味噌ダレが抜群に良い塩梅にこしらえられていて、「味噌ダレを持ち帰って色んなものに塗りたくりたい」と想像力を掻き立てさせる一品なのでありました。
口直しの大根ジュースは相変わらずの透き通った美味しさ。ゴクゴクとイキたいジュースなのであります。
そして〆の蕎麦。こちらも相変わらずの良く締まった細くて歯ごたえがあって美味しいお蕎麦。ツユは醤油と鰹出汁がしっかりタッグを組んだ、バランスの良い深いツユ。蕎麦湯は、蕎麦の美味しさに比例するかのような、スープのように美味しくいただける蕎麦湯。身体も温まるのであります。
デザートは果物のゼリー寄せ。もう少し豪勢なものでも良かったのになと思うカントナなのでありますが、しっかりと平らげてごちそうさま。
他のお客さんを気にせずに一行のペースでゆっくりと広々と食事が出来て、食後も気の済むまでのんびりさせてもらえる離れは、やっぱりサイコーであるなと思うカントナなのでありました。
2020/02/09 更新
2017/01 訪問
祝いの宴で大活躍
カントナ一族で盛大なお祝い事があり、幹事であるカントナがウンウンと唸って決めたのがこちら。「離れがあって落ち着く」「畳で掘りこたつ方式」「長居が出来る」「高級感」等々。こういった好条件を揃えているのがこちらのお店なのであります。
電話で予約を入れて、当日は車で向かいます。日の落ちた夕刻は間接照明で上品に飾られた駐車場。テンションは上昇する一方なのであります。
母屋にて予約のカントナである旨を伝えて、しばし待ちの時間。陶芸品などを鑑賞しておりますと、シズシズと登場したお姉さんに導かれて、相変わらず素敵な山道を間接照明を頼りにシズシズと進み離れに到着。
一行が案内されたのは5名にしてはずいぶんと広めのお部屋。玄関先にはお祝い事を華やかに飾ってくれているお花が豪勢に用意されており、テンションは益々上昇するカントナ一行なのでありました。
囲炉裏からは炭火が力強く熱を発し、部屋は芯から暖かいのであります。掘り炬燵方式の席に座りますと、まずは食前酒として梅酒が提供。サッパリすっきりな梅酒はお酒が苦手な女性陣にも好評なのであります。卓上には紅白のお飾りの八寸。おめでたい事この上ないのであります。
各自ドリンク関連をオーダーいたします。カントナは運転手でありますので、アサヒのドライゼロで雰囲気を堪能する事にいたします。
前回訪問したのは10月。その前回と同じ値段のコースをオーダーしておりましたので、出てくる品々のベースとなるものは前回とほとんど同じ。「ちょっと残念ではあるな」と思うカントナなのでありました。
しかしながら、大振りで肉厚のホタテ。大分から輸送されたこちらも肉厚の椎茸。誰もが驚く大根ジュース。好みの味と焼き加減に調整出来る鴨肉。全員が絶品と堪能した九つ井本領発揮の蕎麦。2種類のデザート等々。前回とほぼ同じ構成であっても具合の良い食材を使った料理に飽きる事は無いのでありました。
全10品超の品数に、カントナ以外のメンバーはギブアップ寸前。食材もボリュームも満足してくれたようで何よりであるなと安堵するカントナなのでありました。
料理は終わっても、遅くまで雰囲気のある離れでお祝いの宴の余韻を楽しむカントナ一行なのでありました。
2017/08/08 更新
2016/10 訪問
雰囲気のある離れで囲炉裏を使ったお料理を
「お世話になっている先輩方と、とあるお祝い会を」と企画して、いつもの通りカントナがお店を選定いたします。幾つかの目ぼしいお店をチョイスした結果、目についたこちらは10年以上も前に同じ先輩達と訪問した事のある思い出のお店。美味しい料理はもちろんの事、離れの個室でゆったりのんびり騒がしく出来るのが他のお店とは違うユニークさ。
早速WEBサイトから予約をする事にいたします。その翌日、電話で予約OKの回答が来たのではありますが、とても名店には思えない素人のおばちゃん的な危うい電話のやり取り。横浜の片田舎のお店でありますので「そんなものであろうな」と自己消化しながら迎えた本番の休日の夜。
お店敷地の広い駐車場に車を停めます。駐車場も間接照明や和のテイストをふんだんに使って上等で高級な雰囲気を醸し出しているのであります。「接待」なんて言葉も浮かぶのであります。以前の訪問時からはずいぶんと綺麗になっており、駐車場から母屋までのアプローチも随分と雰囲気が出ていて「安くないぞ」と背筋を伸ばさせる効果があるのであります。
母屋で「予約のカントナである」旨を伝えます。しばしウェイティングスペースで待ったのちに、お兄さんに率いられて離れに向かいます。山道も雰囲気良く整備されて、所々に趣のある演出が施されているのであります。ワクワクドキドキ感と共に感じる現実離れ感が「お会計は高くても仕方ないな」と思わせ、納得感や諦め感を正当化させる雰囲気なのであります。
そんなお財布の心配事を抱きながら案内されたのが「大和」という離れの個室。
囲炉裏を囲むように座って足を延ばせるコタツ式が嬉しいのであります。床暖房も完備で温かくて嬉しい限りなのであります。トイレも付いておりますので、すぐにでも生活が出来そうな離れの個室。10年前はこういった離れはほんの少しでありましたが、仲居さんにお伺いいたしますと、トイレも付いた離れが今では幾つか建築されたとの事。
炭火の入った囲炉裏に手をくべて暖を取ってから、まずはドリンクを。カントナは生ビールをお願いし、先輩達は各自好きなものをチョイスいたします。
まずは乾杯の前にゴマ豆腐の到着。濃厚且つ旨味が強いゴマ豆腐は、弾力がしっかり。ゴマの香りは強烈で鮮烈なのであります。食前酒として提供された梅酒をいただきますと、さっぱり上品なのではありますが梅の味と香りが強く、「混じりっけ無し」という言葉がピッタリ当てはまる梅酒なのでありました。
ここで生ビールの到着。乾杯してから泡のきめ細やかさが秀逸な生ビールをグビグビといただきます。注ぎ具合も抜群なのでありましょうか、飲み口もキメが細かくて、喉をスゥッと下ってゆく美味しさなのであります。
炭火を肴にお酒を嗜んでおりますと、気持ちはすっかり定年退職した隠居の雰囲気。すっかりと心が開放されてリラックスしているカントナなのでありました。
先付をお上品にいただいた次に登場したのはホタテ。大人の手のひら以上の大きさの立派なホタテは、厚みも驚異的なのであります。仲居さんが囲炉裏にくべてくれますので、炭火でジリジリと火が入るのを見ながらじっくりと待つのであります。うっすらと火の入った分厚いホタテは食べ応え充分。立派な身だけあって、筋の一本一本までしっかりと噛みしめられるのであります。
椎茸。大分出身という椎茸は身が厚くて傘が大きくて、こちらもずいぶんと立派な椎茸。スーパーでは見る事の無いであろう立派さに、思わず手を合わせるカントナなのでありました。こちらも炭火にくべてもらい「汗をかいてきたら醤油をたらして召し上がれ」との指示通り、汗が滲み出た頃合いを見計らっていただきます。椎茸嫌いな人に食べさせて椎茸の概念を変えてあげられそうなくらいの、パンのようにふんわりとした分厚い身から染み出る大人の香りと旨味。歯ごたえと共に大満足の一品なのでありました。
鴨肉。備え付けのタレに漬けたり焼いたりを繰り返して自分好みに調理出来るのが楽しいのであります。タレは辛いのと甘いのと2種類。カントナは辛いタレをチョイスして付け焼きいたします。鴨肉から染み出る脂で囲炉裏はますます良い雰囲気を作り出してゆくのであります。中をほんのり赤いままでいただきますと、鴨肉だからか、しっかりとした歯応えの肉々しい肉。心なしか感じる血の感じもジビエっぽくて良いのであります。
続けて牛肉、鶏肉、ジャガイモ、ししとう。こちらも囲炉裏でお好みに焼いていただきます。どれも抜群の品質であろうもの。特にじゃがいもは甘味が詰まっていて、単体でしっかりと勝負出来る一品であったのでありました。
口直しの大根ジュース。説明をもらわないと大根だとは分からないサッパリとした柑橘系ジュースの様子。大根の泥臭さは皆無で、誰もが感嘆の声をあげた一品なのでありました。
お祝いごとなのでお赤飯。それから魚の煮つけに続いて、九つ井らしく〆は蕎麦。カントナでも香りを感じる蕎麦は、細めでしっかりした食感が素敵でツユが辛めなのも好ましいのであります。「九つ井の基本は蕎麦であるな」と実感させられる蕎麦なのでありました。
デザートはメロン。「最近は良いメロンが入らない中で、久しぶりに特上のものが入ったので提供した」と、嘘でも良いから嬉しい一言を添えられて登場のメロン。確かにサイズは大きくて身幅は厚くて甘味は濃厚な特上なメロンは、「どの辺りまでスプーンを入れるべきか問題」に悩まされる、美味しいメロンなのでありました。
スタッフの方はフレンドリーで楽しくて、余裕が感じられるので安心して食事が出来るのであります。食後に温かいお茶をいただきながら、個室で誰にも邪魔されずのんびりと長時間楽しい会話で過ごせた、とても良い記念日になったのでありました。
2017/03/07 更新
コロナ禍でありますので個室で楽しめる食事処を探していたところ、思い付いたのはやはりこちらのお店。離れの環境は他のお客さんを気にしませんので、のんびりと気兼ねなくやりたい時にはうってつけのお店なのであります。
予約の前に、離れでいただくコースを検討いたします。ほとんどいつも同じコースを選択しておりますので、そろそろ飽きが来てしまったカントナは、お値段を上げて未経験のコースにすべきなのか、深く悩むのでありました。
検討の結果、幹事の役得であると思って誰にも相談せず選択したのは、いつもよりもワングレード高いコース。
早速WEB経由で予約手続きを完了させるのであります。予約の完了は、後日電話が来て確定するスタイル。
さて、当日であります。相変わらず駐車場から始まる雰囲気の良さと高級感を体感しながら、期待値を高めてエントランスを経由して、帳場に到着であります。
少しの待ちを経てお姉さんに導かれて入山し、山の中腹に位置する離れに案内いただきます。
いつもながらしっとりとのんびり出来る、清潔感のある離れなのであります。囲炉裏には炭が煌々と光っており、その直火を肌で感じるのが落ち着くのであります。そして、トイレは男女別と言うのも良いポイントなのであります。
早速掘りごたつ式の囲炉裏を囲んで、炭火に顔を照らされておりますと、「このまま何もしないでボーッとしていたいな」と思うカントナなのでありました。
赴くままにボーッと過ごしておりますと、スタッフさんがやってきてテキパキと整えてくれるのであります。話し上手なスタッフさんのおかげで場は段々とエンジンがかかってきて、「お店の選択は正しかったな」と安堵する幹事なのでありました。
予約したコースは「いろり焼きミックスコース」。まずは定番である食前酒の梅酒であります。純粋な梅酒は甘くて濁りなく美味しいのであります。
そこから先付けと続いたところで、オーダーしていた「アサヒプレミアム熟撰」の到着であります。手酌で美味しくやりながら、先付けをアテにしてグイグイとやっておりますと、どこからともなくタラバガニが鎮座するのであります。
その8Lサイズの巨大タラバガニを目にした一行は、これから始まるイベントを想像して、心ここにあらず状態になるのでありました。
そんなタラバガニは、お兄さんの手によって丁寧に時間をかけて炭火で焼かれてゆくのであります。8Lサイズに怯むような素振りは見せないお兄さんが、楽しい会話を交えながら調理するその様に「肝が据わっているな」と、慄くおじさんなのでありました。
そろそろタラバガニの時間であります。平常心で向き合う為のレクチャーを受けた一行は、指示通りにスルッと身離れさを成功させて、頭上に持ち上げてから大きな口を開けていただくのであります。
大振りに比例した太い繊維。大振りなのに繊維の密度が詰まったタラバガニ。火の入り具合が過ぎていないギリギリ感。焼きと生の間の加減に、お兄さんの給仕の完璧さを称賛すると同時に「コースのグレードを上げておいてよかったな」と、成功を確信するカントナなのでありました。
タラバガニを済ませますと、鶏肉や大振りのシイタケ、見た事の無いサイズ感で圧倒する何処ぞのゴボウ、そしてサブメインでもある霜降りの牛肉と続くのであります。特に霜降りは炭火との相性は当然抜群で、表面をサッと炙ってテキパキといただく事にいたしますと、滲み溶ける脂は当然の如く弱い咀嚼力でも消えてゆく上質な霜降り肉なのであります。「炭火と霜降り肉の親和性」なんて難しい事を考えてしまうカントナなのでありました。
炭焼きの途中には刺身やサラダ等の一品料理が場繋ぎをするのでありますが、その一品一品にも舌鼓を打ちながら、お腹は膨れてゆくのでありました。
途中でお酒を補給する事にいたします。「ここのついど」とネーミングされたオリジナルブランドらしき生酒。キンキンに冷えていて甘さと旨味が印象的なお酒は、カントナの酔いを急速に早める代物なのでありましたので、身の危険を感じたカントナは、残りは持ち帰りとさせていただいたのでありました。
コースの終盤は、名物の大根のジュースでお口直しであります。その後に、これまた名物のお蕎麦。そしてデザートでフィニッシュ。
落ち着いた離れ。床暖房でぬくぬくしながら、至れり尽くせりの数時間。雰囲気の効果と炭火の効果、そして素材のグレードの高さをしっかりと感じるお料理の数々。期待を裏切らない満足感は「幹事冥利に尽きるな」と深く思うカントナなのでありました。