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カントナ一族が鎌倉に集合。大事な用事を無事に済ませましたので「食事処を」と思って決めたのがこちらのお店。「幼子から長老まで全員を喜ばせられるお店は無いものか」と、数週間悩んで決めたお店なのであります。1カ月くらい前の予約であっても、希望通りの時間帯では予約が叶わなかったお店。「鎌倉モダン」のような雰囲気が響いて、料理もそれなりな感じがレビューからヒシヒシと伝わってきましたので、雰囲気重視で料理はそれほど期待せずの予約なのでありました。
電話予約からの印象は、何だか不安しか残らない電話応対。予約が取れたのか確信出来ず不安に怯えさせる、ぎこちない対応なのでありました。
さて、迎えた当日。約束した時刻では遅刻してしまいそうでありましたので念のため遅刻しそうな旨の電話を入れてみますと、予約時と同様にとても不安にさせるぎこちない電話応対なのであります。遅刻の電話ですら「本当に予約が取れているのか」という、そもそもの不安を増大させるぎこちなさなのでありました。
そんな不安を抱きながら紀伊国屋を右手に見て通り過ぎて数10メートルほど歩きますと、旗竿地のような細長い入口を発見。緑で囲われたアーケード的な構造物に黒板。オシャレでモダンな雰囲気が醸し出されているのがイメージ通りで、ホッと一安心するカントナなのでありました。
敷地に入りグングンと進んでゆきますと、立派な建物が目に入ります。カントナ一行を目にした店員さんが中から駆け寄ってきてくれて、ドアを開けてくれるのであります。とてもフレンドリーで丁寧な応対に恐縮しながらも「予約が取れているのか問題」を明らかにしようと、恐る恐るカントナの名前を告げてみる事にいたします。果たして、しっかり予約は取れていたようで、加えて遅れる旨も伝わっていたようでホッと一安心すると共に「疑って申し訳無かった」と反省するカントナなのでありました。
笑顔の素敵な店員さんに導かれて、窓際の大きなテーブル席にカントナ一行は案内されます。重厚だけれどもモダンなテーブル。しっかりフィット感のあるモダンな椅子。高い天井。大きな窓。思った通りの良い雰囲気なのであります。
そんな雰囲気包まれて、メニューを拝見いたします。料理のオーダーはカントナに一存されましたので、まずはドリンク関連のチョイスに入ります。アルコール摂取組は、アルトのMサイズをいただきます。「上面発酵」という文言に惹かれてのオーダーなのであります。到着したビールは、上面発酵らしい花のような香りと上品に抜ける炭酸。「まさしく上面発酵である」と確信出来るビールなのであります。
飲み物関連で喉を潤してから、料理をしっかり考えます。料理の種類はそれほど多くは無く「やっぱり雰囲気重視なのであろうな」と思うカントナなのでありました。
そんな中からオーダーしたのは・・・
ガーデナーズグリーンサラダ。
鎌倉野菜をふんだんに使っているのであろうと勝手に思うほど、「シャキシャキ」よりも力強い「シャクシャク」の強い食感と、野性を感じる適度な苦みを返してくるパワフルな野菜。そこに心地よさを引き出すためのドレッシングは、酸味と甘味と複雑なスパイスで味覚を多角的に攻める組合せ技。彩りは濃い緑が鮮やかで、インスタ映えしそうなビジュアル。それと比例した美味しさ。「野菜を食べている」と意識させ、力がみなぎりそうなサラダなのでありました。
鎌倉ソーセージのロースト。
大振りなソーセージが2本。テカテカに光っております。「プチっとすると脂が飛び散るであろうな」と、容易に想像出来る嬉しいソーセージに慎重にナイフを入れてみます。「プシュ!」の典型のようなサウンドを放って肉汁が溢れ飛び散る豪快なソーセージなのであります。口にいたしますと、肉々しいけれども清々しさもあり「美味い肉を豪快に上品に」というキーワードを思い付くカントナなのでありました。付け合せのマスタードは肉々しさへのアクセントに丁度良く、ザワークラウトは控えめな酸味が口内をリセットさせ、再び食欲を増進させる仕組みなのでありました。
フライドチキン。
ピッツァへの「つなぎ役」として、あまり期待せずにオーダーした代物。人数とチキンの大きさを勘案して「とりあえず3つくらいで」とアドバイスいただいて到着したフライドチキンは、思っていた以上に大きくて「アドバイスを素直に聞いておいて良かった」と思うカントナなのでありました。早速ナイフを使ってカットいたします。見た目以上に衣がしっかり付いているフライドチキンは、衣をカットする際のサウンドが気持ち良いのであります。「美味しいに違いないな」と思うカントナなのであります。「カリカリザクッ!」とシズル感溢れるカットの際のサウンドと、カット面から溢れ出る脂に期待値をグッと高めてかぶりつきます。果たしてサクサクでカリカリで、中はジューシーなフライドチキン。ビールがグングンと進むと同時に、食べる人を集中させ無言にさせる抜群のフライドチキン。「これだけでお腹いっぱいにしても良いかもな」と思わせる恐ろしい実力者なのでありました。
ビールが空になりましたのでお代わりをいたします。セッションという名のビールは、日本で一般的に飲まれているビールに近しいものの様子。しかしながら、ホップの感じがとても柔らかくて上品な仕上がりなのでありました。
ピッツアは3種。
釜揚げしらすと葉葱のピッツァ。
「鎌倉を感じさせてくれる」と思ってオーダーした一品。しらすの塩味、ネギの風味がしっかり和を成型しているもの。「日本ならでは」の食材で、抜群の出来のピッツァなのであります。
鎌倉ベーコンのピッツァ。
ここに来て頼まない訳が無い一品。鎌倉が誇る鎌倉ベーコンの品質は、ピッツアに乗せますと更にその美味さが明確になるのであります。一同目を輝かせながらピッツァを漁っているのであります。
オータムハーベストピッツァ。
秋の味覚のキノコ関連を集めたピッツァ。ピッツァの真ん中には玉子が落とされていて、マイルドさを演出しているのであります。キノコの風味をちゃんと感じられるのが、カントナ的にはなかなか珍しいというか貴重に思えたのでありました。
どのピッツアも生地はしっかり塩気があり、コルニチョーネも充分。フンワリとした生地の弾力も、食べごたえのある生地の厚みも、思った以上に出来が良いピッツアで感心するカントナなのでありました。
一同お腹も満足しましたので、一休みのドリンクでホットコーヒーを人数分オーダーいたします。皆さんのレビュー通り、大きなマグカップにたっぷりなみなみと注がれたコーヒー。コーヒー好きが多いカントナ一行はマグカップのサイズに驚き、コーヒーの容量に驚き、飲み切れないと騒ぎ、そうは言いながらも全員飲み干すという顛末なのでありました。
「雰囲気重視なのであろう」と思っていた期待値を、良い意味で大きく裏切った「料理もとても素晴らしい」お店。「外した」と思う料理は一つも無く、どれも「美味しい」のでありました。電話では不安にさせられましたが、対面での接客に関してはどの店員の方もとてもフレンドリーで、親身で丁寧。「鎌倉での良い思い出を作れそうなお店」であると思うと同時に「知り合いに勧めてみたい」と思うお店なのでありました。