この口コミは、あつかんさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数:5.0
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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|雰囲気 5.0
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|CP 5.0
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|酒・ドリンク 4.0
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[ 料理・味5.0
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| サービス5.0
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| 雰囲気5.0
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| CP5.0
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| 酒・ドリンク4.0 ]
山のあなたにはたして幸は住んでいるのか?
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2009/03/28 更新
前回友人と三人で向かおうとしたお店なんですけど、その時はなんと山の中でエンスト。JAFの方は「オイルがありませんね・・・」と一言。そうですか。それはそれは・・・というわけで、再チャレンジ。今度は慎重に山道を登ります。富山市方向から来るといくつもいくつも峠を越える感じ。旧山田村って本当に山だ(さぶ。)
無事到着いたしましたら・・・混んでる。駐車場は大きいので停められないということはないんですけど、店の外にも何人かのお客さんが座って待ってる。人気店なんだなあ。どれくらい待つんだろ、と思っていたんですけど、ほんの数分で入れた。やっぱりそばなので回転が速いのか、あるいは13時くらいだったので客足がちょうど途絶えたからなのかな?いずれにしても待つのはキライなので良かった良かった。
二人で注文したのは、とろろそば、きじそば大、あつかん(1合5勺くらい)、山菜天ぷら(山盛り)、漬物盛り合わせ(これまた山盛り)、アイスクリーム(じゃがいものつぶつぶが入ってる)。全部で2900円!安い!これは一気に注文したんじゃなくて、「山菜天があるよ。頼んでみない?」とか「やっぱりあつかん下さい」とか「あー喰ったなあ・・・アイスがある!」みたいな感じでだらだらと注文したわけです。これで他のお客さんが並んでいたらこういう追加注文ってしずらいんですけど、ラッキーなことに並んでなかったのでこういうことが出来たのです。ちなみに店内は3卓10席で狭い。合席は普通。考えてみると、この客数で駐車場がいっぱいということは、お店のおばちゃんたちの車と客の車のほかに、店には関係のない車が停まっている・・・ということなのかな?まあ山の中なのでそんな細かいことどうでもいいんでしょう。
さてそばなんですが、自分はとろろそば、友人はきじそば大(いずれも温。山の中なので温にした。)とろろは自然薯に長いもを混ぜてさらっとさせたもの。以前、糸魚川の琴ざわそばで書きましたけど、やっぱり山の中は芋の使い方がうまい。どろをごしごしと落として皮付きのままおろすと本当にうまくなる。自然薯だけだと団子になるので長いもで伸ばすというのもいいなあ。これに自家製一味を入れて・・・からっ!すんごく辛い!入れすぎた!こりゃ自家製だわ。そのそばなんですけど、特に飛びぬけておいしいというわけではないというか(誤解のないように付け加えると、かなりのレベルにはあり、そんじょそこいらのそば屋ではかなわない味)、おそらくざるだとごつごつした感じになるのではないかな?やっぱり山間地はあったかいのにしといて正解だと思われ。そして山菜天。これがうまい!季節物なので、いつ行ってもあるかというとそうではないんですが、山菜のにがみがたまらん!山菜に詳しくないので一品一品の説明は出来ませんけど、おそらく行者にんにく、こごみ、ふきのとう、にんじん(これは野菜だけど)、しいたけ(これも山菜じゃないけどでかい)他、いろいろあって、おそらくこしあぶらと思われるものもあった。たらのめは時期的にないかな。今年は暖冬なので、この時期にたらのめは考えずらい。これらがサクサクと揚げてあって、そばに入れて食べるとうまい!そして漬物。これまたやまうどを何かで和えて味噌みたいにしたものが・・・酒にあう!わさびもうまい!なんだか分かんない山菜の漬物もグッド!もはや居酒屋状態。そして店内はにぎやか。なぜにぎやかかというと、店のおばちゃんたちが、客にちょこちょこ話しかけるんです。これは知り合いの客、知らない客かまわずに。これです。これが味を三倍にも四倍にもしている。決して丁寧な接客と言うわけではない。だけど「食べさせてやる」とか「食べていただく」という上下感がまったくない。この平衡感覚がこのお店の最大の特徴であり、美点。さらにそばがおいしい、天ぷらがおいしい、漬物がおいしい、アイス(自分は食べなかったんですけど、友人によると新食感で普通に都市部で売れば売れるだろうということらしい)もおいしい。幸福感は星10個です。
そんなこんなで宴会が出来るお店ではない(まあ、そば屋で宴会ってあんまり聞きませんけど)んですけど、酒を頼めば自動的に宴会になってしまうという、一茶庵系のそばやの対極を行くお店です。どちらが好みかは人それぞれでしょうけど、自分は修行のためにそばを食べたくはないので、食べるなら楽しくやりたいのです。こちらのお店、ポイントカードなるものがあって(紙で作ったやつ。そば以上に手作り感たっぷり)、500円ごとにハンコが一個、ハンコ30個で500円の金券として使えて、さらにそれを三枚ためると清水産コシヒカリ5キロと交換というすごいカード。「きいすむまでハンコ押しといていいよー」「ははは・・・!そいこと言うモンやから一個多く押してしもうたわ!」こんな気の利いた会話ができるそば屋がどれだけあるだろう?ブッセが書いたとおり、「山のあなたの空遠く 幸住むと人のいふ」はあながち詩の上の話だけではないみたいです。