Mr.noone specialさんが投稿したボンシュマン(東京/学芸大学)の口コミ詳細

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ボンシュマン祐天寺、学芸大学/フレンチ、洋食、ヨーロッパ料理

2

  • 昼の点数:4.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
2回目

2018/07 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

初夏のボンシュマン

春先に食べた美味しさが忘れられず、結婚記念日を祝う食事に出かける。前回と同様、ランチのシェフのおまかせを予約し、期待に胸を膨らませて入店。

アミューズはビールのムース枝豆乗せとトウモロコシのピュレ。まさにじめっと暑い陽気だったので、喉がビールを欲していたところにビールのムース!味わいはともかく、季節の切り取り方の鮮やかさに感服。

冷前菜は季節の野菜のカスパチョ風に鮎のテリーヌを添えたもの。ガスパチョなのにトマトはほとんど感じず、あさりの出汁と爽やかな柑橘が利いていて汗も引くようなさっぱり味。そこにワタのほろ苦さが利いた鮎が一味利かせて口の中の調子を整えてくれる。

続いて温前菜はフォワグラのテリーヌとポワレ。未だかつてフォワグラを美味しいと思ったことはなかったが、テリーヌの舌に無限に広がる濃密な旨味といい、ポワレされて軽みを獲得したフォワグラのふわふわ感と後口の良さといい、今までに味わったことのないレベルのもので、フォワグラは適切に料理されてこその素材なのだな・・・と初めて実感。

魚のメインは確かまながつお、肉のメインは牛ランプステーキ。こちらは予想通りの美味しさ。ステーキはわずかに火が通りすぎた感があった。

デザートはほうじ茶をパフェに仕立てたもの、それにお茶請けでマカロンなど。確かに蒸し暑い気候で、舌をさっぱりとさせるにはほうじ茶の香ばしさとかすかな苦みが適役だった。

今回も特に前半は収穫の多い献立でとても満足して店を後にした。ジビエを楽しみに秋冬を待ちたい。

2018/12/06 更新

1回目

2018/04 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

季節感と卓越した調理を存分に堪能

自分の誕生日が年度末に近いので、その打ち上げもかねて祐天寺にある「ボンシュマン」に初めて赴く。駅から離れた住宅街の賃貸マンションの1階が店になっていて、その立地から昨今飲食店が頭を悩ませるアベノミクスの悪弊=店賃高騰の影響は少なく、きっとリーズナブルだろうと思っていたが、果たしてその通りで嬉しくなった。

こじんまりした店内は幸いにも隣の席が空いていたので圧迫感はあまり感じずに済み一安心。ネット予約でシェフのおまかせコースをお願いしていたところ「メニューを変更したいとのお申し出を承っているようですが・・・」とマダムから言われ、その覚えはないのですがと答えると、問題なく当初予定通りのおまかせコースにしてもらえて安堵した。

アミューズはめひかりのベニエに白インゲン豆のマッシュが添えられた一品。今まで見たことがないような大きさのめひかりで期待が高まるが、これは流石に大きすぎたようで、どうしても骨が気になってしまいちょっと残念。あの身の霧散ぶりを味わうにはもう少し小さい魚体でなければならないようだ。大丈夫かな・・・と少し不安がもたげたところで、鰹のマリネと春野菜のサラダ仕立て。

わずかに添えられた蕗の薹がどうにも香ばしく、それでいてきちんと苦みのアクセントを利かせていたり、根ごと供された分葱が抜群の歯応えと想定外の甘みを湛えていたりと、いつもはぬた和えなどで常食する食材の異なる一面が覗けて嬉しい驚き。また、鰹もむっちりねっとりとした官能的な身質で、凡百のものでは避けがたい舌にひっかかる雑味が皆無という清冽無比さに思わず唸る。

温前菜は食べられたらいいなぁと思っていたホワイトアスパラガスのマルテーズソース。マルテーズソースというのは、オランデーズソースとは違ってオレンジの果汁で仕上げたものとのことで、なるほど春の陽光を思わせる橙色が際立って美しく、また穏やかな酸味がどこかほのぼのとした春の陽気を連想させるものでとても良かった。

魚のメインはアカムツのポワレ。春の野を思わせる見事な濃緑が保たれたソースは青臭さが皆無でさらりとしているのに味の凝縮感が突き抜けていてちょっと吃驚。吃驚といえばアカムツもそうで、精妙な焼き加減によって口に入れるとこの魚の真味が充満した肉汁が奔出してきて、思わず「なんだこれ・・・」と呟いてしまう始末。普通の店はその身の脂ばかりに焦点を当ててしまうが、ここのものは身と皮の間でその脂と肉汁を乳化させてしまっていて、その意味ではソースの二重奏を味わっている心持にもなった。

肉のメインはうずらの温製ガランティーヌ。これまた絶妙に火を通されて薄桃色を保った断面が美しく、フォークをぬぷぬぷと沈んでいく感覚を久々に味わう。うずらの肉は昔香港で食べた酔鴿を真似るべく取り寄せて湯煎したことがあったが、小さいだけにあっという間に火が入ってしまってカチコチになってしまった苦い思い出があって、卓越した技術で仕上げるとこうも違うのか・・・と嘆息しきり。心憎いことにうずらの小味を殺さないように、詰めた肉に施したスパイスも抑えめにしてあって、お互いがお互いを補完しあうように出来ていて舌を巻く。

デザートは春らしくイチゴのパフェで、登場とともにオルゴールでハッピーバースデーの曲を流すという粋な計らい。この歳で誕生日を祝うというのは気恥ずかしかったが、控えめな演出が妙に心に沁みた。お茶菓子に小さなイチゴのマカロンが出されてコースは無事大団円。

美味しいフレンチをしばらく食べていなかったので、実に一皿一皿が新鮮で発見があり、フランス料理の沃野に眩惑され続けたひと時となった。お陰でもっとフランス料理を知りたいという気持ちが芽生えたので、さっそくシェフの共著を図書館で借りてきてしまう有り様。ともあれ、バスで来られるという気軽さもあるし、季節感を大事にする気風も共感できるし、今後ともお世話になりたい店を知ることが出来て率直に嬉しい気持ちになった。歳をとるのも悪くはないものだナ。

2018/11/25 更新

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