7回
2024/09 訪問
【中目黒 宇田津鮨】このクオリティで8000円台! 奇蹟の鮨店は中目黒にあった!
とにかく宇田津さんは昔野球少年だった頃が容易に想像できるんだが、物凄く真面目。それプラス底抜けに明るい。
今日はキッチンで誰かがお皿を割ったんだけど、そういう時って怒鳴り散らすとか、あからさまに不機嫌になる大将っているじゃん。彼は真逆なんですよ。もう反射的にお客さんに向かって謝るのよ。せっかく食事を楽しんでいる所に「ガッシャーン!」ってやっちゃって本当に申し訳ありません! って天真爛漫なキャラのままスッと謝るのよ。これが自然にできるっていいなって思います。あ、このヒトはお客さんの事をいっつも考えてるんだなって、もうみんなわかっちゃうんです。
結構お高いお皿なんですよ。だけど、従業員には優しいのだ。こういうヒトにワタクシはなりたい(誰だよ、部下に真逆の対応しとるやろ! とか言ってるヤツは? 残念ながらその通りだよ!)。
この店、昔からお客さんがワールドワイドなの。だから、そこに変な甘えがないんだと思う。鮨屋の大将って、すぐ天狗になって偉そうにする症候群のヒトが多いんだが、それは日本文化独特の相互依存というか、甘えの部分だったりする。こちらのお店に来るお客さんは本当に何語を話してるのかもわからないようなバラエティ豊かな外国のゲストたちだ。フランス語、ドイツ語、ロシア語、トルコ語…もう英語がマイナーなぐらい。そうなると、江戸前の鮨屋はかくあるべしとか知識無しが当たり前、白紙状態で来るんで、もう裸の自分しか通用しない。もう誤魔化し無しで丸腰で板場に立つしかないわけだ。
たぶんこういうキャラなんで仲買いのヒトたちから可愛がられてるようで、毎回なんか新しいネタを挟んで来るんですよ。シブダイ、ヒゲソリダイ、ボラの白子、焼いてないエボダイ、岩手の石陰貝、ビワマス…などなど、ここんちで初めて食べたネタはかなり多い。勉強熱心だから、市場のヒトたちも色々と教えてくれるようだ。
という事で、今日も美味しかった。ご馳走様!
2024/09/18 更新
2024/08 訪問
真夏! 台風サンドイッチ状態で河岸にサカナがない時でもやっぱり旨い宇田津さん!
一人前の鮨職人にオレはなるんでい!って言って、寝食を忘れて修行に打ち込むという昭和なセンスの若者が居なくなり、鮨界の跡継ぎ問題はどの店も異常に苦心している。今の会社の人事部の苦悩と一緒やね。
ホントはこのレベルのお店で5年死ぬ気で修行させてもらったら、超一流になるかもしれないきっかけは必ず作れるのにね。
その事を本当に理解しているのはアジアの若者達なんだという事を思い知らされるのが今の宇田津さん。今二番手の人なんてベトナムの女性の方だからね。凄く真面目でシャイな可愛らしい方なんですが、一生懸命真面目に各種作業をこなしてらっしゃる姿が清々しい。お試しで一貫握って頂いたけど、ちゃんと江戸前鮨になってました! 美味しかった!
真夏は車海老が脱皮の時期で河岸では売るものがなくなり、養殖物でも一匹1400円の仕入れコストになる。コロナで九州の有力生産者が潰れたりしたこともあってモノが無いとなると仲買いはグッと値を上げてくるのだ。だから、ニューカレドニアの冷凍エビ使うって店まで出始めてる。
そんな中でこちらは立派な海老を出してきてくれる。さすがプロだ。普段から河岸に通って濃密なやり取りを行なっているからこそできる技だ。この辺りは日々お邪魔してるからこそ伝わってくる部分で、贔屓のお店に毎月毎月通う良さだと思う。
2024/08/23 更新
2024/04 訪問
ミシュラン星付きになった後もどんどん旨くなってる!
こちらはだいぶ昔から通わせて頂いている近所のお鮨屋さん。元々美味しい店だったんだが、宇田津さんの凄いところは年を追うごとに着々とレベルが上がってるところ。ミシュラン取ってからも、勝って兜の緒を締めるじゃないけど、むしろ進化のスピードが若干上がった。生産者の所に通って、ネットワークも着々と広げてらっしゃる。あの野球少年そのままみたいな笑顔で来られたら、生産者もそりゃ「宇田津さんとこには変なもん送れねぇなー」ってなっちゃうよ。
今日はこちらが初めてのゲストと一緒だったので、いつものやつも新鮮な気持ちで食べられた。
まずは名刺がわりの野菜巻き。その季節ごとのジャパニーズハーブ的なモノが入るので、季節が感じられるスターター。宇田津ワールドに今日も来たなーっと、ワクワク感が高まる。
最初は江戸前らしい塩の効いた締め方のコハダ。皮目が旨い。鮨の中でコハダが一番好きかも。
そしてタイ。真鯛ってほんとに店によってピンキリな傾向が強いネタだと思うんだけど、こちらのは安心して食べられる。
ヒラマサもエッジの立ったシャキーンとしたヤツ。こういったブリ族のサカナってあのやなブリ臭が気になってエシャロット欲しくなる事が多いんだけど、こちらは全くそんな必要もなく、素直に美味しい。
次はサクラマス。これが尋常じゃなく旨い。こちらは季節によってビワマスやマスノスケなど、サケ科の魚を必ず入れて来るのだけれど、今日のサクラマスは格別。上品な脂が乗った旨いネタだった。
そして太刀魚。こちらは炭火で炙ったような良い香り。掌にのるちっさな焼魚定食。
そしてシグネチャーの雲丹。海藻をクリスピーに揚げたモノを噛ませて握ったお鮨。今日の相棒は欧米人とのハーフの方だったんで、我々ニッポンの典型的なオッサンとは若干違う味覚を持ってらっしゃる(だけど橋本とか小笹とか行ってるマジな鮨ラバー)。そちらがおっしゃるには、雲丹の食べ方として欧米人にとってベストだと。この香ばしいクリスピーなブツが挟まる事で、非常にスムーズに食べられ、美味しさを感じやすいと。そう言われるとこちとらもそんな感じがしてくるわ(欧米か?)。いっつも食べててありがたみが感じられない鈍感力化してたかもね。
と反省したところでアオリイカのエンペラを細切りにして黄身醤油をかけ、オンザライスにした小鉢。もうスミイカが終わってアオリイカのシーズンか。初夏はもうすぐそこ。エンペラのパリッとプリっと感が活かされた一皿(というか鉢だけど)。
そして、そろそろ曲で言えばサビの部分。マグロ三兄弟。赤身→中トロ→トロたく。安定の旨さ。
そして活けを茹でてすぐ握った海老。火入れ完璧。これもスペシャリテだな。で穴子。そして玉子に和紅茶。ただただ美味かった。これで8800円なんだから、ボクが他に行かない理由、わかるでしょ?
2024/04/27 更新
2020/04/05 更新
ま、正直言って旨い以外書く事がないんだが…。この5年間毎月のように通わせてもらってて、だからこそわかる事がある。
まず向上心が凄い。全国津々浦々の産地に行くなんてのは当たり前。もっとこうしたら旨いんじゃないか? と常に考えてらっしゃる。だって九州から海水を取り寄せて塩までオリジナルで作ってんだよ。そういうアタオカ(頭がおかしい)な料理人がオレは好きだ。
世界中からやってくるお客さんにどうしたらもっと楽しんでもらえるか? そればっかいっつも考えてるんで、「塩からしてオリジナル」だったら面白いんじゃないか? 鮨って「魚を塩と酢を使って美味しく処理して食べる料理」という面が強いんで、「塩」って超重要じゃん! って事なんだよ。
あとね、江戸前鮨の技術に敬意を払いつつ、新しいネタにもチャレンジし続ける姿勢ね。「ヒゲソリダイ」とか「シブダイ」「琵琶マス」「鰡の白子」「ムール貝」などなど、それって鮨に使えるの? って言う魚を見事にちゃんとしたお鮨に仕上げてみせるのが見事だし、オイラの記憶にも強烈に残る。