ノバンディさんが投稿した石臼挽き蕎麦香房 山の実(長野/山ノ内町その他)の口コミ詳細

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石臼挽き蕎麦香房 山の実山ノ内町その他/そば

2

  • 昼の点数:4.7

    • ¥2,000~¥2,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 3.3
      • |雰囲気 3.7
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
2回目

2017/07 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス3.3
    • | 雰囲気3.7
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

駆け抜ける若草の薫り(そばつゆと共に)

再訪。

世の中に数多く蕎麦屋あれど、
こちらの蕎麦と方向が同じ蕎麦に出会ったことがない。
まさに唯一無二の蕎麦。

11:30に予約しての訪問。

頂いたのは、
「山の実」(2,200円)。
これはセットもので、以下の構成。
・手挽きそばがき
・生粉打ち蕎麦
・季節のピッツァ、もしくは須賀川そばピッツァ

「手挽きそばがき」は、鍋で熱湯で捏ねて仕上げ、
湯に浸さずそのまま提供するタイプ。
これにより、蕎麦の薫りが湯で閉じ込められることもなく、
また、粗挽きの蕎麦粉の味が湯に溶け出すこともなく安定。
味の構成的には、粗挽き粉に水分が吸収され熱で糖化され、
これによって粘り気と旨みが出るというシンプルな組み立て。
最大の特徴は、凝縮感のある粗挽き蕎麦粉がこれにより活性化し、
若草のような力強い息吹が感じられる点。
蕎麦粉の個性と水分量や熱量や捏ね加減など様々な要素が
ビシッと決まった上で成立するそばがき。
すごいです。

「生粉打ち蕎麦」は、蕎麦粉と水だけの生粉打ち。
そばがき同様に若草のような力強い息吹が感じられる。
その個性は、綺麗に打ち揃えられた蕎麦そのものからも存分に感じ取ることができるが、
そばつゆと合わさったときに更に増幅し、芳しさを兼ね備えて広がる。
具体的に言うと、水分量が若干少なめの蕎麦が口の中で咀嚼される際に
蕎麦1本1本の間に適度な隙間を作り、その隙間を、
蕎麦を啜った際に抜けていく空気が蕎麦の表面に絡んだそばつゆを気化させて通り抜けていく。
それがまるで、若草の薫りが駆け抜けていくかのようなのだ。
しかも、見事なバランスの薫りが。

こんな蕎麦が他にあるだろうか。
いや、僕が知る限り、存在しない。唯一無二だ。

玄蕎麦をもっと熟成させれば、あるいは茹でてもっと蕎麦粉の旨みを引き出せば、
もっと旨みの強い蕎麦になるんだろうけど、
でもそれは他店がやってることと同じこと。
だからこちらのお店は他店とは違う方法で個性を引き出す。
その方法は単純で、収穫直後の玄蕎麦をすぐさま冷凍保存して、
当日必要分のみを挽いて粉にされる。
しかし他店が、同じことをやって同じ蕎麦を打てるだろうか。
いや、かなり難しいだろう。
玄蕎麦の質の良さに加えて、そもそも蕎麦打ち技術が卓越しているからだ。
また、そばつゆの完成度も非常に高い。
角の取れた円やかな旨みと、熟成感のある深いコクと、キレの良い軽やかな酸味が同居。
この蕎麦の特長的なポテンシャルをきちんと引き出せるそばつゆ。
すごいです。

「ピッツァ」は、季節のピッツァを選択。
この日は「旬の夏野菜4種とベーコン・トマトソースの彩り豊かなピッツァ」。
以前訪問した際に頂いたピッツァは、正直蕎麦と比べて見劣りしていたけれど、
この日頂いたピッツァは蕎麦粉の生地の魅力全開で、正直唸った。
チーズなどの具が乗っている部分も美味しいんだけれど、
具が乗っていないカリカリ焼けた部分が美味。
焼けてドライになることで、この蕎麦粉の特長がまたひとつ花開く。
小麦粉生地のピッツァには絶対に出せない穀物感。
そして滋味深い旨み。そして芳しい薫り。
すごいです。

12:30の退店時には、お店の入口には「そば売り切れ」の看板が。
あっという間だね。

当然のことながら予約必須。
(2ヶ月前に予約なしで訪れて売り切れの憂き目に遭ったばかり)

なお、写真では蕎麦の緑色が上手く表現できなくて白っぽいですが、
実際はかなり若草色をしています。

  • 生粉打ち蕎麦

  • 生粉打ち蕎麦

  • 季節のピッツァ(旬の夏野菜4種とベーコン・トマトソースの彩り豊かなピッツァ)

  • 手挽きそばがき

  • 無料のお通し

2017/07/18 更新

1回目

2014/06 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス3.3
    • | 雰囲気3.7
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

イキイキとした躍動感を感じる薫り高い蕎麦が秀逸

やっぱり蕎麦は東京だよね、という方がいらっしゃる。
蕎麦屋ではお酒を飲まなきゃお店の実力が分からない、という方もいらっしゃる。
しかし僕としては、やっぱり蕎麦だけで言えば東京よりも地方の方が遥かに美味しいと思うし、
蕎麦屋の実力を蕎麦以外のもので評価したってしょうがないと思うんだよね。
つまり、東京の蕎麦屋のスタイルは、東京の蕎麦は酒肴と酒をくっつけなければ
地方の蕎麦に太刀打ちできないということを意味しているのではないか。

また、東京の蕎麦は、どこかの系統というのが幅を利かせて面白みがない。
何処へ行っても、どこかで食べたことがあるような味なのだ。
だから、蕎麦だけで言えば、突き抜け感に乏しくなる。
その点、地方の蕎麦は、どこかの系統というのがあったとしてもそのバリエーションが豊富で、
しかも蕎麦粉や水や気候や温度によって更にバリエーション豊富になるので、
何処へ行っても新たな味と出会ったりして新しい発見がある。

こちら「山の実」の蕎麦も、こうした新しい味と新しい発見のある蕎麦。
イキイキとした躍動感を感じる薫り高い蕎麦が秀逸だった。

頂いたのは、「山の実」セット(2,100円)。
前菜、手挽きそばがき、生粉打ち蕎麦、須賀川そばピッツァという構成。

前菜は、根曲り筍、鞍掛まめ、わらび。
出汁の染みこませ方が素晴らしくいい。
素材のえぐみを出さず、それでいて素材の良さをアシストする出汁の旨み。
素朴な一皿であるが、丁寧な調理で一切の手抜きなし。

手挽きそばがきは、上質の蕎麦の実が丁寧に粗挽きされ、丁寧に調理されている。
蕎麦の実のざらざら感、蕎麦の実の甘み、蕎麦の実の香り。
舌の上で、粗挽きされた蕎麦の実の1つ1つに存在感があり、主張がある。
このとき、蕎麦の実に、ほんの少し青々しさを感じたのだが、
それが次に出てきた生粉打ち蕎麦でいよいよ本領発揮。

生粉打ち蕎麦は、端正に打たれた見事な手打ち。色は、少し緑がかっている。
口に含むと、その香りが一気に広がる。この香りは、他のどの店にもないもの。
単に他店の蕎麦の香りの延長ではなく、全く異質とも思える青々としたもの。
そばがきで感じた青々しさを、蕎麦切りで更に強く感じる。
これこそが、東京の蕎麦にはありえない、地方の蕎麦ならでは個性だし、突き抜け感。
水切りも素晴らしく良いので、蕎麦を口に含んだときに、蕎麦の味がダイレクトに伝わる。
蕎麦つゆも、蕎麦の味を決して邪魔しない、あくまでアシスト役。
それは単に薄いということを意味しているのではなく、相性がよいということを意味する。
いや~、美味しい。

そして、最後は、パリパリの蕎麦ピッツァ。
これはこれで美味しいのだけれども、蕎麦の後ではちょっと見劣りするかな・・・。

それにしても、美味しかった。
こちらのお店の蕎麦は、全国何位とかそういうランキングには全く似つかわしくないと思う。
この蕎麦はあくまでひとつの方向性であり、旨いというだけで十分のように思う。

こういう蕎麦に出会えるから、各地を回って蕎麦を食べ歩くのは楽しい。

  • 生粉打ちそば

  • 生粉打ちそば

  • 粗挽きそばがき

  • 前菜

  • 須賀川そばピッツァ

  • 須賀川そばピッツァ

2014/12/13 更新

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