5回
2020/04 訪問
今、最も行くべきお店
再訪。4回目。
2年前に初めて訪れたとき、「今、最も行くべきお店」と感じたが、
2年経った今でもその印象は全く変わらない。
お客もそうだが、飲食店をやっている方にも是非訪れてみていただきたいと思う。
技法を学ぶとか参考になるとか、そういう観点ではなく、
・食材には元々こんな潜在的な引き出しがあること
・そしてそれを弛まない探究心で引き出そうとする料理人がいること
を感じ取れるのではないかと思う。
プロフェッショナル。
コロナ禍で、人々の価値観がいろいろ変わりつつあったり、
心の拠り所を求めていろいろな不安な気持ちを抱えていたり。
そんな中でこちらの料理を頂き、またご主人と奥様に接すると、
一筋の光明を見つけた感じで希望と元気を与えてもらった気持ちになる。
ご主人と奥様が、
自然を愛し、食材を愛し、料理を愛し、美しさを愛し、
それが料理として表現され、
僕が、
その料理を味わうことで、その気持ちを目で感じ、舌で感じることで、
同じように、自然を愛し、食材を愛し、料理を愛し、美しさを愛する気持ちになれる。
素晴らしいお店です。
2020/06/21 更新
2019/12 訪問
1年を振り返るクリスマスディナー
佐倉にあるイタリア料理店。
クリスマスに凄いのをぶち込んできた。
1年の春夏秋冬を料理で振り返る特別コース。
クリスマスディナーのために1年間仕入れた食材を急速冷凍機で凍らせておき、
クリスマスディナーに合わせて季節季節のスペシャリテで蘇らせる。
シェフスペシャルコース(15,000円+税)
コースは全24品。
食材も調理も盛り付けも一切妥協なし。
シェフの1年の集大成。
こんなクリスマスディナーが今まで他にあっただろうか。
更にシェフは、すべての料理1品1品に、その思いを直接語って下さる。
季節季節の食材への愛情をたっぷり込めて。
それを聞いていると、自分自身の季節季節の思い出が蘇るようで、
まさに自分自身の1年を振り返ることができ、感慨深くなる。
こんなクリスマスディナーが今まで他にあっただろうか。
2020/01/04 更新
2019/11 訪問
千葉の食材に愛が注がれた料理
再訪。2回目。
佐倉にあるイタリア料理店。
ご主人と奥様の愛に溢れる素晴らしいお店だ。
その愛の注がれ方は尋常ではない。
しかしそれがまったく押しつけではないので僕らも同じように愛を注いでみたくなる。
そんな素敵なお店。
千葉の食材への愛がハンパない。
ほぼすべてが千葉の食材。自家菜園の食材も。
調理もその素材の個性が活かされるようにあらゆる調理方法の中から最適なものを選択して。
そして季節感を大切にして。
また、食器への愛もハンパない。
料理の栄え方を考慮した形状、色彩、光の反射具合まで。
世の中にないものは、職人に依頼して作ってもらったり、
3Dプリンターを駆使して自由な発想の形状のものを作ってもらったり。
また、お客への愛もハンパない。
どうしたらお客に喜んでもらえるか、それを細部に至るまでよく考えていらっしゃることがよくわかる。
それでいて、驚異的に安い価格。
普通有り得ない。
この日は、ランチ5,000円のコースにジビエ4,000円をつけて、
写真に掲載した料理が次から次へと繰り出される。
この日の料理も大変素晴らしかった。
中でも特に、デザートが出色の出来栄え。
今年一番のデザートだった。
今回4人で利用。
グループでも楽しめるしデートでも楽しめそう。
2019/12/31 更新
2018/05 訪問
ガストロバック調理法を駆使した新しい味わい
千葉県佐倉市内にあるイタリア料理店。
僕が2018年に訪れたお店の中で、衝撃度で言えば数本の指に入る。
大きな特徴は3点。
(1)コースを通してガストロバック調理法を駆使し、他店にない味わいを表現
(2)ビジュアル的にも優れた少量多皿コースを、驚きの低価格で提供
(3)千葉の食材をふんだんに取り入れながらも、全くそれを感じさせないくらい自然体
ガストロバックやエスプーマを、これでもかというくらいに駆使。
特に、ガストロバックに関して言えば、
なんでもかんでもガストロバックにかけてしまう感じで、
ここまで徹底してくれると、もう参りましたというしかない。
同じ調理法だと、同じような味や食感になりそうなものだが、
ここまでマニアックに試行錯誤されているだけあって、
味や食感は全く異なり、飽きが来ない。
いや、それ以前に、各々の素材の味わいがきちんと活かされており、
ガストロバックにより各々の素材が更に個性的になっている。
最先端の技法を、シェフの最先端の調理技術で最大限に活かすお店。
都内のモダンイタリアン、モダンフレンチに飽き始めた方が、
今、最も行くべきお店ではないかと思う。
2019/01/04 更新
再訪。5回目。
佐倉にあるイタリア料理店。
今回の出色の一皿は、鱧(はも)のフリット。
これまで頂いたことのある鱧料理の中でダントツで美味しかった。
鱧を美味しく食べさせる調理法は数あれど、
ガストロバックほど鱧本来の旨みを余すことなく存分に楽しめる調理法はない。
それが、最終的な結論ではないかと思えるほど、素晴らしい一皿だった。
ガストロバックは、専用の減圧調理器を使用し、
減圧しながら加熱することで素材に味をしみこませる調理法。
更にいえば、素材本来の味を抜くことなく、
同じ味を重ねて染み込ませたり、別の味を染み込ませることができる。
こうした掛け算や足し算で、今までにない味わいを出すことができる。
また、調理前に素材の下拵えにより事前に特定の味を足したり抜いておいたり、
ガストロバック後にソースや衣で特定の味を足していけば、
まさに味の四則演算が逐次的にできてしまうという訳だ。
という訳で、上述の鱧のフリットは、
鱧のアラの出汁(同じ味)とヤマドリタケの出汁(別の味)をガストロバックで染み込ませ、
更にその後に、フリットの衣とマスタードソースという別の味を足し合わせることにより、
素晴らしい味わいを構築。
感動ものです。
今回頂いた鱧(はも)や鰹(かつお)や、以前頂いた鰤(ぶり)も美味しかったので、
こちらのお店の魚介料理はガストロバックのすごさを体験できる代表かも。