ノバンディさんが投稿したnôtori(山梨/富士吉田)の口コミ詳細

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nôtori富士山/イノベーティブ、オーベルジュ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

見事なイノベーティブ

御殿場市内。
ジャンルはイノベーティブ。

食べ友と2名で訪問。

アクセスは少々不便で、自家用車かタクシーでのアプローチが一般的かと。
僕らは、宿泊したホテルからタクシーを予約しようとするも満車で、
無謀にも真冬の極寒の中、約1時間かけて歩くことを決断。
途中で偶然にも空車タクシーを見つけて、そこからはタクシーで。

本日の客は僕ら2名のみ。

いただいたのは、
【季節のコース】ペアリングドリンク付(30,000円・税サ込)
お酒を沢山出していただいたにもかかわらず会計は30,000円のみ。

結論から言うと、
・シェフとソムリエの兄弟が地元に帰還して巻き起こすイノベーション
・徹底した地産地消
・シェフは、卓越した調理技術を持ち、更に思いを料理にする表現力もあり
・ソムリエは、豊富な経験を活かしたお酒の提案の引き出しが実に奥深い
・都内のチャラチャラしたイノベーティブとは次元が違う骨太料理
・素材の組み合わせ方が秀逸で、さらにそこに御殿場の地の味を入れ、
 ここでしか食べられない料理に昇華
・仏あり伊あり和あり、さらにシェフとソムリエが子どものときから
 家庭で食べていた郷土料理まで形を変えて登場

イノベーティブも、ここまでやると凄いです。
感動しました。

この日のコース内容はこんな感じ。メニューからそのまま転記。
(1)鬼胡桃
(2)蟹 馬
(3)アマゴ 蕪
(4)鯉 八幡芋
(5)レバー 栗
(6)ヒメマス 白菜
(7)柿 油瀝青
(8)芽吹き
(9)羊
(10)やさいめし
(11)キウイフルーツ
(12)洋梨
(13)薩摩芋 サフラン

以下、料理の寸評です。

(1)鬼胡桃
胡桃から作った生地をロースト。
コースの準備運動として味覚を慣らします。

(2)蟹 馬
藻屑蟹ビスク、その上に藻屑蟹の身+藻屑蟹の味噌+馬肉のタルタル。
更にその上に、黒トリュフ。藻屑蟹も黒トリュフも地元産。
見事なバランス。めっちゃ旨い。藻屑蟹の旨み全開。
馬肉を加えることで動物的たんぱく質の旨みが付加され、恐らくこれでバランスアップ。

(3)アマゴ 蕪
アマゴのミキュイ。アマゴへの火の通し加減、完璧です。
生っぽさを残しながら旨み活性化。この中間的な状態は美味しいよね。
また皮の部分は、アマゴの皮のみを身から剥いて別に調理して焦がした状態にして、
提供する際に身にくっつける、という変態的な調理法。
こうすることで、身は身に合った調理ができ、皮は皮に合った調理ができ、
それぞれの個性を最大限に活かせる。
そしてこれらを一緒にいただくと、また別の旨みが生まれる。
また、無花果葉(いちじく)のオイルの効果なのか何による効果なのか分からなかったのだが、
森の中にいるような香りが漂ってきて、さっきまでこのアマゴが森の中の川で泳いでいたかの
ような印象をうけるような印象を受けた(アマゴは実際には養殖ですが)。
また、上に乗せられた蕪もいい役割。
ちなみにこの蕪の形状は、店名の由来ともなった農鳥(のうとり)をモチーフしたもの。
ここで、何の意味なのか分からなかった店名の由来がお店から明かされるという演出。
本日のナンバーワンの料理。

(4)鯉 八幡芋
鯉と八幡芋の揚げ真薯。鯉の出汁が下に。
上にエスプーマによる杉ソース。
真薯を崩しながら混ぜ合わせていただきます。
鯉ならではの味になっているのだと思うが、
鯉を煮付けや洗いにする以外の調理法での経験値が僕にはあまりないので、
鯉の味の存在にあまり気付けず。
八幡芋を揚げた強めの味の方に味覚が持っていかれます。
これはこれで美味しいので鯉はあくまで脇役と考えた方が良いのかもしれません。

(5)レバー 栗
栗のフラン、ホロホロ鳥の白レバームースのラビオリ。上の泡は酒粕エスプーマ。
ラビオリの皮が一寸厚めなので、この味がメインになり、栗や白レバーの味わいが
弱くなってしまうのが少々もったいないなという印象。
皮以外の食材や味の取り合わせはすごく良かったです。

(6)ヒメマス 白菜
ヒメマスに、香茸、葱。ヒメマスの味わいに茸の香りや葱の甘みが乗り、1つの味が完成。
そこに更にやってくるのが白菜の味。
発酵白菜の出汁で蒸した白菜という多重の甘みがここに加わると、味が更に広がる。
野菜のお出汁、すげーな。
茨城の「よし町」でも野菜出汁を使い分けて調理され極上の日本料理を出されるのですが、
野菜出汁を駆使する手法がこれから普及していくのかもしれません。

(7)柿 油瀝青
料理説明で「アブラチャン」と連呼されるので調べてみると「油瀝青」という植物。
クロモジ属ということで、クロモジに類似する香りがします。
この「アブラチャン」を使ったエスプーマ泡で柿を頂くと、柿に木の味が加えられ風味豊かに。
この山の感じ、凄くいいです。

(8)芽吹き
鹿シンタマ、真鴨モモ、熊ソーセージ。
この3つのジビエ食材が、シェフの抜群の調理センスでアクロバチックな一品に。
カプセル形状の竹墨生地は、まるで富士山の真っ黒い溶岩流。
その割れ目から芽生えてくる植物。
中には溶岩流に飲み込まれた先ほどの3つのジビエ食材。
芸術作品のような料理ですが、
竹墨生地を割って全体を崩していただいてみると、
すべてが絶妙なバランスで組み合わさり、各々に必然性があることが分かる、という演出。
この物語的な組み立ては素晴らしいです。
この料理でRed U-35のグランプリを受賞されたとのことで、納得の逸品です。

(9)羊
羊肉のミンチをジャガイモで巻く、という手法。
最初、豚肉か何かで巻いているのかと思ったら実はジャガイモだった。
このジャガイモはシェフの父親が地元で育てたものとのこと。
癖のないクリアな味わいの羊ミンチを、巻いたジャガイモや、発酵ジャガイモピュレや、
山椒ソースといった脇役がしっかりと周りを固めて味わい深い逸品に。

(10)やさいめし
昔、母親が作ってくれたという家庭料理。郷土料理。これをアレンジ。
父親が作ったコシヒカリのご飯の上に、茸や野菜など約30種類?くらいを乗せ、
各種オイルも加えて、それを混ぜ込んで作る野菜飯。
肉などの動物的要素は一切入らない、ヴィーガン仕様。
これだけだとサッパリしたサラダ飯に留まりそうですが、
トマト醤などの発酵調味料が加わることでコクが付加され、
また各種オイル(植物性)の効果で全体が調和しながら旨みアップ。
これ単独でも美味しいのですが、料理に使用した野菜の端材から抽出した
野菜出汁をかけてお茶漬け風にすると更に美味しさアップ。
腹パンなのに、何杯もおかわりしてしまった。

(11)キウイフルーツ
ゴールデンキウイの果肉をくり抜いてシャーベットにして、
残ったキウイの皮を器にしてシャーベットをここに戻したデザート。
完熟のゴールデンキウイの美味しさに、
ジンの香り付けや表面のキャラメリゼの甘さがプラス。
これもまた相当の手間がかけられていることが如実に分かる。

(12)洋梨
洋梨をテーマにしてこれまた相当の手間がかけられたデザート。
洋梨をメッシュ状の皮で巻いた揚げ春巻き。
ミルク+クロモジを煮詰めたアイス。
ソースは、洋梨のピュレ、コンポート、フロマージュブラン。
洋梨の魅力を様々な形で伝える、素晴らしい一品。

(13)薩摩芋 サフラン
最後の小菓子まで一切の手抜きなし。

いや~、素晴らしかった。
最初から最後まで、全速力。
やりたいことがすべて料理に注ぎ込まれている印象。
シェフはまだ若く(30代)、その若いエネルギーがビンビンに伝わってくる。
それでいて、郷土愛や家族愛に満ち溢れていて、料理に温かみがある。
更に、卓越した調理技術に裏打ちされた必然性のある味の組み立て。
我々はこれを、イノベーティブというジャンルに押し込めてはいけないんだと思う。

また季節を変えて訪れたい。
いや、全く同じ料理でもいいかも。この料理を復習してもっと理解したい。

2025/12/28 更新

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