2回
2017/05 訪問
鯛のうま味をこれでもかと堪能させてくれるお店
桜の咲く時期に時を同じくして海から桜鯛が釣れ出すといよいよ舟釣りも春を迎える。
鯛は春から初夏にかけてアブラのノリも最高になり、ウキ釣りでたまに釣り上げれば家族のヒーローになったものだ。
そんな遠い記憶から鯛の新鮮さと旨味は理解しているつもりだが人生の中でコイツをプロの手で食したことは無かった。
そんな思いがよぎり本日はこちら芝濱さんにランチでお邪魔した。
ただ土曜日の当日ランチで突然伺っても有りつけはしないだろうと勘ぐっていたのだがこの日はそう言う意味では恵みの雨、キャンセルでも出ればそこに入り込んでやろうと期待を込め午前中に電話予約で入りを探る。それが功を奏したかどうかは定かでないが、悲願の鯛尽くしランチに有りつけたと言う訳。
店内に入るとL字カウンターに案内され大将と挨拶をかわす。このキャッチボールから料理をより深く、おいしく食べる術である事は人生の経験から学んでいる。大将は早速本日の朝に生き締めした鯛を使用する旨を説明しながら調理に入る。ランチにプラス200円で付けた茶碗蒸しは一番初めに提供されシャモの卵で作られただけにコクもあるがこちらにも鯛のダシが効いていて胃の中まで熱々プルルンが染み渡る。
最初のお造りだが身と皮の間にこんなに旨味があるとは、あらためて感動。白だし醤油によく合っているが大将は言う。
「この個体は雌で卵を持っていたのでうま味はイマイチかもですが鮮度はいいですよ」と・・
ま、ご謙遜を、それでもわずかに皮を付けてカットされた刺身に旨味を最大限まで引き出している技に期待が増す。
胃の中が鯛の旨味を要求してきたところに鯛汁登場。勿論だが、アラに全く臭みがないのもプロの仕事。それどころか鯛のデリケートな旨味に味噌やダシ、タケノコとそのすべてがバランス良くお椀にまとまって春が咲いているではないか、素晴らしい。
次に先程さばいた厚めの鯛の炭焼きがタイミング良く提供される。こちらもさっぱりいただけるよう提供されるが、
骨と身をはずして焼くことでこんなに上品な旨味が引き出され、お口の中でいつまでもその旨味を主張し続ける・・皮も一緒にパリパリと味わえるよう香ばしく焼き上げられているのでガブリッと合わせて頬張るのが正解だ。
そして〆の鯛茶付けは白身が三切れ天ぷらで提供される。こちらは窯で炊きあげられたご飯と一緒に堪能した後、最後の切り身をたっぷりのだし汁で鯛茶づけとしていただく訳だ。ウマくない訳が無い。お新香もチョイチョイ投下しなながらサラサラと流し込めば、もう鯛の食レポ専門家の出来上がりと言っても過言ではない。
税込み2000円のコスパに更なる感動をしながら夜のお勧めはと大将に問えば、今は鯛カマでご飯を食すのが最高だそうだ。鯛もプロの手にかかるとこんなに美味しいものかと新たな気付きを感じながら、次回はぜひとも"雄の鯛"を堪能したいものだと心に決め、お店を後にした。
2020/10/16 更新
以前鯛づくし料理で気に入っていたこちらを数年ぶりに利用しました。
ランチの松竹梅で言えば竹に当たるコースを利用しました。
個室を利用してこの日は週末でしたが賑やかな喧騒を逃れ大切なお客様との歓談が出来たことはお値打ちだと感じました。
また料理の方も素晴らしいテンポで提供いただき、お相手の方にも好感をいただけたかと思いました。
コスパについては「まぁまぁ」と言った感じで以前ほどの特別感は感じません。
お寿司も上品で旬の物を上手にチョイスいただいてますが、すべてにおいて平均的だった感じが否めません。隠れ家的なお店としては◎です。