レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/04訪問 2014/11/30
【再レビュー】 漸く店の名前は何度かに一回は噛まずにいえるようになりましたが、料理哲学の理解にはまだまだ時間がかかります。
去年ほどお伺いすることができなかった小林シェフのお店ですが、やはり、その質の高さは訪れるとその外的環境を含め満足度がたかいです。
以下は2013年11月にアップした2013年9月のレビュー
昨年ベストレストラン投稿ギリギリでアップしてから一年間に小林さんの料理を5度、(中目黒での機会を併せて)味わうことのできた幸せモノです。テレビでもその鬼才ぶりが取り上げられていましたが、やはり、ヘンタイですな。(くすっ)
テレビの映像では、ちょっと、「らしからぬ」ヌーベルキュジーヌのような見た目も華やかでメルヘンチックな色合いが画面を占めていて、意外な感じ、というか、やっぱり、テレビ向け?と思わざるを得ない部分もありましたが、お子さんの「美味しい」という言葉は演出のない、素直な言葉だなぁ・・・、やっぱり、素直にいただくとホントウに美味しい料理なのよねぇー、と共感したりもしました。
ヘンタイですが、テレビで見たように、お客に合わせ、メニューを考えられる工程や、自ら店のお掃除から一日を始められる姿をみたら、サービスの点数低かったな・・・と反省、変更させていただきましたが、そもそもワタクシごときが評点つけるのもおこがましいかも・・・
以前のレビューでも書きましたが、必然性を考えられて、五感に訴えかける味わいを追求されている、というのは、毎回ご説明を伺う度に私でもぼんやりわかるのです。
食の神様に試されない日が来るかどうかはわかりませんが、小林夫妻の料理をいただける、このご縁を大切にしたいと思います。
【前回のレビュー】 2012・11・30 (2012年10月訪問) 夜 総合☆4.5 料理4.7 サービス4.2 雰囲気4.5 CP 4.0 酒・ドリンク4.0→総合、料理、サービス、CPを改訂しました。昼は変えていません。
[b:あー、いつになっても名前は覚えられないのだ。。ソンナテイドジャ、マダマダリカイスルニハヒヨッコデダメダンダケド。。]
舌を噛みそうな店名をすらすらと言えるようになった暁には小林さんのぼそぼそ声でのご説明もちっちゃく並んだメニューのイタリア語の意味も完璧なんですけどねぇー。。
かつて、グルマンを自称する先輩が、それほどでもなかった。。。という感想を述べられていたのを聞いて、ふーん、一日一組ともいわれる限定された人数しか伺えないので、過去との連続性なく初めて伺うような私には敷居が高いし、お値段もそれなり(往復の値段考えれば、もっと。。)だし。。。。
・・と、まぁ、行けない理由を並べ立てていたわけですね。
ま、単純にツテがなかった・・・ということでもありまして・・
そのツテ筋からお誘いを受けることができて、今年は夏のトラットリアを含んで4度ほど、お邪魔することになったわけです。
一言でいえば、「小林さんの料理哲学を一瞬にして感じ取れる舌になりたいものだ!」であります。
でも、凡人的にも「ここまで考えて作られるこのディナーを一度味わってしまうと、他のイタリアンが凡庸に見えてくると感じる人が多くなるのはわかる。」であります。
美味しさは勿論です。
言葉にしてうまく表現することすら難しいけれど、とにかく食へのイメージの膨らませ方や、そのイメージを膨らませるにあたっての食材の選び方は繊細でかつ大胆(意外な組み合わせにびっくりさせられるわけなんです。
その思いはその日に選ばれる食前酒から、いや小林夫妻にとっては、今日の仕込みを始めた時、いや、お客様の予約を受けた時から始まっているのかもしれません。
なぜなら、たまに「何この小さいパンしか出さないなんて・・・!」なーんていう批判(以前そんなレビューを見たことがあります。。)だって、食事とのバランスを入念に考えられ、ベストと考えられた上での結果でしかないのですから。。それを理解しないと、わざわざ軽井沢まで食べに行く意味がないですよね。
職住隣接の贅沢な空間、だがしかし、決して広くはない、そのダイニングの中に、小林さんの世界、その日一日の一瞬を閉じ込めるために、喧騒を離れたこの場所を選ばれているのだということがしみじみと伝わってきます。
料理については、一皿一皿の説明をしていただくのですが、その言葉に気を取られてしまうと全体感を見失ってしまうくらい、まぁーいろいろな食材と調理法のコトバのごった煮状態(失礼)・・・にもかかわらず、口の中に広がったその味の妙味というのか、うまく表現できずすみません。書くのがいっつも追いつかないので、説明も書ききれないというところが問題なのですが、せいぜい書き留めることができるのが食前酒くらいかなぁ。。
例えば、シェリー酒につけたサルディニア産のねずの実のスプマンテ。
でも、じゃ、ねずの実の味がどうなのか、って普通わからないし、サルディニア産であることと他の場所産とどう違うのか。。。(・・というか、皆、よくシェフに産地を聞くけど、丹波の松茸と岩手産の松茸・・・の違いくらいはわかっても、外国産の食材の比較をできるほど経験が富んでいる人がどれくらいいるのかしら。。。って逆に思っちゃうくらい、日本のグルマンの方たちは皆熱心ですよねぇ。。
コチラのお話に戻りますと、浅い知識では丁寧に説明を聞き書きしたところで、更にどういう調理法でといわれて本当にわかるのか?といった料理人からの上から目線ではなく、何か淡々とご自身の今日の工程を復習するような感じで説明されているような気がします。
だから、こちらの知識と舌を試しておられるようには見えません。でも試されているよなぁ。。。食の神様には。
いずれにせよ、ひとつのお皿の説明を伺うと目が廻りそうなくらい多様な食材(地産地消・・と書かれている媒体を見たことがありますが、夏のトラットリアは確かに積極的に軽井沢の食材を取り入れられているようです。が、秋~初夏までのフォリオリーナの空間ではむしろ、イタリアの食材が中心のようです。)を遣い、オーブンで焼いたものを蒸したり、炒めた後にローストしたり、いや、その間にナンチャラカンチャラの用法を遣い。。。。まぁ、聞いてもわからない複雑な工程・・・それをする必然性をどう捉えておられているのか、理解するほどまでに頂きつくしていないので、まだまだ未熟ものです。
ですけど、おそらくは必然性がある、と判断されてやっておられるということと、それがその図面ないしシナリオ通り、香りや食感の妙や美味しさを引き出していること、更には、常に、美味しさの裏側に極微量の苦味(たとえば、よく使われるチリメンキャベツをわざわざ焦がして、その焦がした苦味を他の食材とあわせたときの効果を引き出すとか。。)や渋みなど、一般的なレストランんではなかなか好んで出すことのない、味わいというものを引き出していること・・・・これが小林夫妻の作り上げているフォリオリーナデッラポルタフォルトーナという空間であり、料理であるのだろうなぁ。。。ということがぼんやり判ったこの一年でした。
まだまだ、理解の度合いは低い今のレビューを後で振り返って、何言っちゃってるんだろう・・と後で振り返ることができるよう、今年のレビューをあげておきます。従って、他と同様、まだ満点をつけることは(私の舌と表現の技量からいって)できませんが、レベルの一段違うところにおられる料理人という判断だけはしております。
また年が明けたら伺うことになっています。どんな料理に出会えるのか今から楽しみにしています。
夏のトラットリア編は『アルベリーニ』(こっちは名前も覚えやすい♪)として一日何組かをお庭部分で受け入れておられ、この雰囲気も格別です。ただし、「トラットリア」といわれているように、食材の求道というよりは、アノ夏の軽井沢の陽光を愉しむにふさわしいメニューになっています。よってパンの大きさも違うし、これはこれで楽しい感じです。(昼の採点はトラットリアの方のみの採点です。)
ただ、舌に自信がある方は是非この舌をかみそうな名前の小林ワールドに一度浸ってみてはいかがかと思います。
2位
1回
2014/10訪問 2014/11/30
今年もベストレストラン駆け込みです。いつも一番書きたいのは12月に戴くベギャスなんですが、どうして、対象月ではないんだろう。。。とはいえ、今年は3月、10月もお伺いできたので、堂々と書けますがね。(12月にさかのぼって書くんじゃないから)なお、震災復興ランチは今年で、いったん区切りをつけるそうです。よって、昼を参考にしたい方、たぶん、もう、しばらくないと思いますのでお店にご確認くださいネ
以下は2013年11月に記載のコメント
すみません、もはや、昨年いったん区切りをつけるそうですので、究極についてのお話を書いてしまったから、再々再再レビューなんて書くのも、ベストレストランに載せたいが一心。
でも、やっぱり好きです、谷シェフのお料理。鹿のスープとハムは私の中では鉄板。勿論「生き物」なので、同じ産地といっても状態も違うでしょうに、水を使わないで仕立て上げるあの味は絶品ですし、やはり、素材を一番よいタイミングで調理する技術と情熱(もお味に反映していると思います。)、そのベストな瞬間を常に、クールに、が、しかし、楽しくてしょうがないというオーラをもって提供し続けられるこの空間は、いつまでも通い続けたい、と思わせる何か、を持っておられると思います。
以下2012年11月のレビュー 評点は変更していません
【再再々レビュー】 究極とは足すものがないのではなく、取り去るものがない状態。
タイトルの言葉を伺ったのは、昨年の終わりに、すっかり有名になった(イエ、私的に。。)チャロの鹿のコンソメを頂きつつ、レアな食材ベギャス(ヤマシギ)を戴きに伺った時。
益々色気のあるプレートを出される谷シェフが目指されているのはその極みなのですね。水の料理である和食に対し、西洋料理は「火」の料理であるということ、こういった違いを強く意識して、お店に泊まられる日も多いほど研究をされているとか。
でも、以前のレビューにも書いた通り、いつ料理をされているのか?と思うほどスタイリッシュなんですけどねぇー。その片鱗はお料理の話をされている時のきらきらした光が目に輝く時のみわかるみたいで。。
それはさておき、ベギャス。
胸、腿、脳みそ、くちばしの部分・など全ての部位をニガミを残しながら内臓のソースでまとめ、旨みを引き出す、その技量というのかお味に色気を感じるような素晴らしい一皿でした。
今年もまた頂きに行こうと思います。
今回点数刻みが増えたので総合と料理・味をUPしました♪ 総合4.5⇒4.7 料理・味4.8
【再々レビュー】 震災支援復興ランチも戴きに行きました。'11/11/29 ('11/11 訪問)
夜の点数☆ 4.5(料理・味 4.5 | サービス 4.0 | 雰囲気 4.0 | CP 4.0 | 酒・ドリンク 4.0)
昼の点数:☆4.5(料理・味 4.0 | サービス 4.0 | 雰囲気 4.0 | CP 4.5 | 酒・ドリンク 4.0)
【前説】
ベストレストラン2011の集計が迫っているので、慌てて追補。(写真後でアップします。すみません)
やっぱりこのお店が好きなもので。
夜はいつもの通り、日々研鑽を怠らない谷シェフの素晴らしいディナーに接すると幸せになります。
でも・・・・・・アチコチでコラボイベント等やられていたりして遠征もされているようなので、必ずしも遭遇できないかもしれないし、その時にどんな感じになるか・・・なんていうのもよくわからないのです。でも震災があってから、人づてに、どうやら月に2回程度土曜の昼のランチをしているらしい・・と聞いて・・HPを見たら、なるほどやっている・・・お昼だから、谷シェフ自らが厨房に立っておられるかどうかはわからないな・・・と思いつつ、やってきたわけです。初めてのお昼に!今回はその後にお伺いした夜ではなく、震災復興支援ランチのレビューを書き加えます。
【ここから追加レビュー】
そう、そういうわけで、お昼の「震災復興支援ランチ」(売り上げの二割とした寄付金も含め5800円)にいっぱいお酒が呑めるお友達たちとやってきました。真夏の頃で、昼の日差しがまぶしい時間の神楽坂エリア・・というのも、なんとも雰囲気が異なるものですね。夜とは違う、ガラスの美しい壁の反対側に小さな黒板案内板に震災復興支援ランチと書いてあります。
厨房には、谷シェフの姿が見えません。今日こそ・・・はおられないのかしら?
階段を上がって席につきます。
スタイリッシュな店のたたずまいは、中に入ると実に気持ちのよい明るい空間になりますね、昼間は陽光が差し、いい感じです。
さて、先ずはシャンパーニュをお願いし、震災復興支援ランチの構成は前菜にオマールが登場、サラダ仕立てということですが、サラダというにはまったりと濃い感じで、串揚げエスカルゴのほうがタレがサッパリしている様な気がしました。食事とは関係ないのですが、このオマールのサラダ仕立てが入っていた器を取り囲む、薄緑色の器が、プラスチックであるのには驚かされました。なかなかスタイリッシュで涼しげで、いかにもル・マンジュトゥー好みです。
相変わらず、シニフィアンシニフィエの特製パンが美味しいですね。白を注文して前菜2が登場しました。豚の三枚肉のテリーヌはケッパーエシャロットピクルスの薬味の上に更にセルバチコの泡がトッピングされた非常に薄く切られたおいしい逸品です、ラビゴットソースがベースですが、爽やかな夏にふさわしい味でした。やっぱりこちらは肉がいいですねぇ。
それを更に感じさせられたのは次に来た真鯛のソテー、フュメドポワソンをベースにしたサフランソースとパプリカにかかったニンニクソースなのですが、何故か中華の五香粉のようなものを感じました。入ってなかったそうですが・・・焼加減が素晴らしい真鯛の皮目を愉しむには少し濃い感じになってケンカしそうでした。この時点でもしかしてシェフいないのかしら?と思ったことは事実ですが、実際はいらっしゃいました。何か方向転換をされる気配なのかしら???
でも、やっぱり肉料理として鳩のグリルがだされたら、安心しました、鳩のささみ 腿肉 胸肉を夫々違う調理法でじっくり焼き上げておられていて、素晴らしい味わい♪これを食べたら、さっきのちょっと不安定な味を忘れ去るほどのインパクト。ビーツとカシスで作られたソースが実に良くマッチしていました。
最後に中にアイスの入った桃のコンポートを戴いている頃には他のお客様もお帰りになってしまい、更に出てきたミニメロンソーダやらお茶を愉しんであっという間に15時過ぎ。。。追い立てられるようなことはなく、にこやかに谷シェフ以下お見送り戴き、恐縮して帰る道はまだぎらぎらの太陽が出ている・・・ってなんか変ですけど、良いランチでした。肉のメニューは素晴らしく、お魚系が口に合いにくかったのは残念でしたが、鳩で全て吹き飛ぶほどの内容。二割を義援金に回されてしまうと、この手間のかかった料理をお試しで戴けるのは本当に素晴らしくありがたいことです。(悩みましたが評点は夜より食事を下げたもののCPを上げたので結果同じになっています。)
以下は2010年2月のレビュー
【再レビュー】 進化していっても・・・・恋する気持ちはかわらない
念仏のようにル・マンジュ・トゥー♪と唱えて、漸く行ったときの感動は頭の中から消えることはなくとも、時間のほうはなかなか、なくってご無沙汰してしまっており、誘ってくれる方に導かれ、漸く再訪を果たしました。今回はしっかり市ケ谷から牛込中央通りを登っていきましたから、ばっちり到着。
前回来た時には白い服装で「かっちょえー」感じで1階の入り口でにこやかに迎え入れてくれたと記憶する谷シェフは今日は黒いラフな服装。「1階はオープンキッチンで、谷シェフが料理する姿を見ることができる」とか書いてあるレビューなんかを見たりするんですが、若い衆はいわゆるコック服とネッカチーフとか帽子とかお召しになっているのに、前回も、全然「現在料理中」的な状態ではなく、スタイリッシュで余裕たっぷり、この方、いつ料理を作ってらっしゃるんでしょう??っていつもフシギに思ってるんですよねぇ。。。いつも遅い時間スタートだから?
つっこみはさておき、間が開いているうちに、あの特徴的な男性サービスの方は他に移ってしまわれて、女性お二人に。シェフも随分何度もお皿を運びに上がってきておられました。
先ずは坂上がり、もとい、坂登りの喉の乾きを癒すべく、エルダーフラワー(*)のシャンパン割りを。少し甘いこの泡はぐいぐいいけちゃいます。
(*)セイヨウニワトコ ヨーロッパでは万能薬とされるハーブだそうで本来苦いらしいんですが、甘く煮出してあるのでしょうか??
さて、今回は4名での会食。全員揃ったところで、前回も戴いたエスカルゴの串揚げ。前回はカップの中に入っていたけれど、今回は小ぶりの白い皿の上にフツーに横たわっていました。
初回と違って、見た目のインパクトは下がったけれど、口の中に入れたときの美味しい衝撃は変わらないですね。酸味のあるソースは、バルサミコを使っているそうで、それがスパイスとなって、串揚げにありがちな油っぽさが抜け、エスカルゴ好きには勿論、見た目や土くささを含めて嫌いだという人にもオススメの逸品。
パンは大好きな『シニフィアン・シニフィエ』の。パンだけでおなかふくれちゃう。
メインまでに6品あります、ということで、次の3品は白子のムニエル、チャロの鹿のコンソメポアプラード、ひよどり(網捕りではないそうで、それが故に処理がいいらしいんですね)のココット蒸し
まずは白子のムニエル。これがまた香ばしくて、そしてロックフォールチーズとハーブのソースが、白子とその土台の苦味の残った菜の花にふんだんにかけられて、目にも鮮やか。これが、口の中に広がると、その食感の妙と香りが鼻に抜けて、なんとも言えず美味しいのです。いやいや、コック服がどうの、ってもう、そんなこといいです、どうでも。。ごめんなさいって言いたくなるわけです。シェフ、確実に進化してますね。
そして蝦夷鹿を赤ワインで漬け込んで、水を一切使わずにコトコト煮込んだコンソメスープ。一滴たらしたトリュフオイルが、清涼剤のようになっているのでしょうかね。このスープは旨みと風味がぎゅっと詰まった命のスープですね。あわせられた鹿の生ハムと一緒にいただくとハムに詰まった滋味が溶け出して、単品でいただくコンソメとはまた違う深い味わいを感じることができます。シェフがこの工程を説明してくださったのですが、表情豊かに語られるときの目の輝きが、私たちが喜ぶような逸品を作り出す喜びを語っています。どうやって、美味しさと同時に、驚きをお客に与えることができるかを考えることが本当に楽しそう。シェフの生き生きと楽しそうな笑顔は単に素敵なだけでなく、テーブルの私たちに幸せ気分を運んでくれるんですね。
そして、次はヒヨドリが頭から入ったココット蒸しです。蒸しであるのにパリパリとした食感や、しっとりした肉部分など、お上品にフォークを使っているときちんと食べきれないので、最後はむしゃぶりついて、フィンガーボールのお世話になるしかないですね。
そして、真鯛のポアレとロワール産ホワイトアスパラです。卵白がベースのソースにここでもトリュフとトリュフオイルが使われているのですが、強い主張はなく、シーズン初物のホワイトアスパラにまとわせたソースが本当に美味しいです。
そして肉は霞ヶ浦の尾長鴨のロースト、トランペット茸が鴨の下に置かれていますが、赤ワインとコニャックで煮込んだソースの味がしみこんで、それだけでも美味しいのです。脇には同じ鴨の心臓と砂肝で作ったソーセージ。再びシェフのお話によれば、このソーセージは塩分が相当高い状態で熟成させているらしく、確かに単品では普段なら到底いただくことのできないしょっからさのハズなのに、強い塩気はあっても、本体の鴨の脂やソースと一緒にいただくとそれほど感じないのが不思議なくらいです。
いや、この味わいも、先ほどの鹿やひよどりとは全く違うアプローチでシェフの力量、ここにありという感じ。
最後は濃厚なバニラアイスクリームつきの、これまた濃厚なタルトタタンとハーブティーで〆た。おっと、こちらはカヌレやアーモンドフロランタンなどのプチガトーも美味しい。甘いもの好きとはいえない私が美味しいと思って食べられるのだから、たいしたものだ。
いやいや、またまた、やられました。ソースなどのベースは同じなのでしょうか、素人の私がこんなことを申し上げるのはおこがましいとはいえ、
総合力はどんどん進化しているように思います。ますます虜になってしまいます。
前回のレビュー:ひと目ぼれ。。。。恋は盲目だからねぇ。。(08/10/26 08/9訪問 総合☆4.5 料理・味4.5 サービス4 雰囲気4)
呪文のように頭の中で繰り返しながら、行くかどうかを逡巡されていたという
maffinさんのレビューを読んで以来、私も頭の中で念仏のように唱えることになりました。
ル・マンジュ・トゥー ル・マンジュ・トゥー ル・マンジュ・トゥーに行きたい・・・・・
ですから、飯田橋の駅から乗ったタクシーがなかなか辿り着けなかったり
(いや、結構難しいですね、慣れないと。。。一度通りすぎちゃいました)、
連れがなかなか来なかったり(同じく迷ったらしいです)の困難を乗り越えて (大袈裟?)、
ようやく食前酒、そして少し薬草っぽいグレープフルーツジュースとシャルトリューズを使った
アミューズ(?コースにおける食前酒という位置づけでしょうか)を口にしたときには、
まだまだ緊張が解けなかったのです。
でも、二品目のエスカルゴの串揚げで、一気に、ボルテージがあがりました。
文句なしに美味しい。
更に甘草を使ったコンソメジュレとフォアグラのムース。。。ジュレは結構濃いのに
このお味に恋してしまいそうな勢いです。
そして畳み掛けるようにドライトマトのソースの上に頭にパルミジャーノの傘をかぶったホタテ
がやってきました。ソースの一口ひとくちが大変においしい。ドライトマトはうまみとコクがあるのは
わかっていましたが、こんな味が出るのか?!というような、意外感のあるお味でした。
もう、この時点で完璧に深い恋に陥ったことを、認めざるを得ない私たちでした。
脇を固めるパンも大変美味しい。サービスの方に伺ったらシニフィアン・シニフィエのものだ
そうで、さすがです。
お次に出てきたのは小っちゃなココットに入ったポルチーニ茸とリードボーのグリエ。
実を言うと、私、以前 胸に詰まらせて以来 リードボーを戴くのは、ちょっと怖かったのですが。。
そのトラウマを充分吹き飛ばすだけの迫力と美味しさがありました。難を言えば少々油っぽい
感じだったかな。
そしてお次は「ハタ」 ロックフォールチーズとディルのソースがかかっています。
北海道のセルバチコ(ロケットみたいですね)に縁取りされてます。シェリー酒を使った
ビネグレットで味つけられてます。
そして、ご不満の向きの多い角煮でしょうか、サービスの方のご説明では塩漬けした
マネッシュ豚の皮付きだそうで、上にサマートリュフ、赤ワインソースがかけられています。
ラットという品種のじゃがいものグラタン状のものが付け合せとして出されており、
コンビネーションもよろしく、私には、これも美味しくいただけるお品に感じました。
デザートとして バイナップルのコンポートとフレッシュマンゴー
そしてチョコレートケーキのシフォンが登場。チョコレート濃い!
小菓子もいずれも美味しい。
。。。と、いうわけで、
テーブル間隔の狭いこの店で、隣の席のことが気になる人が多い事は
理解できなくもないですが、そもそも、それはあまりお行儀のよいことでも
ないですし、そんな他人のテーブルの中身に目をくれる時間もないほど、
料理の美味しさに引き込まれてしまった私たちにとっては、料理は大変に満足でした。
サービスも、確かにお二人だけなので、二人ともがフロアから居なくなってしまったり
してスムーズにいかないこともあったかもしれませんが、それをあまり気にしないで
いられたのもおそらくは料理の質の高さだったと思えます。
「大当たりー♪」
もし、アタリかハズレか2本しかないおみくじを引く運命だったのだったら、
オオゲサにそんなコトバを発することになったのでしょうが、
まぐれで引いたおみくじではない、と信じています。
また念仏唱えながら伺う日があると思います。
ゼヒ次回も美味しい料理をよろしくお願いします。
注:コースは皆さんが書かれているように12,600円なのですが、お酒を沢山戴いたので
2万円/人超えしてしまいました。
3位
1回
2014/10訪問 2015/03/27
【再レビュー】 フォロリレージュはフォアグラが楽しく美味しい♪
メトロミニッツにも出ていたので公開情報ですが、来年は移転されるそうですね。今のこじんまりとした雰囲気がどう変わるのか、リスクもあるだろうし、大きな飛躍にもなるだろう選択だろうかと思います。どんな雰囲気になったとしてもお料理に良い意味での進化はあるかと思いますが、基本的なおいしさに変わりはないと信じて来年もお伺いしたいと思っております。
以下は2013年11月にアップしたレビューです。
最近はランチに定期的にお伺いしています。
シグニチャーなアミューズや、基本のフォアグラとメレンゲのにコントラストなどはしっかり守りながら、常に季節の素材や、日々の研鑽の成果(料理人仲間との交流などのようですが)を反映して(?)新しいメニューを常に提供してくれているところが、とても好ましいと思うのです。
初めて伺う人にも、基本のフロリレージュがわかるし、旧人でもそこに立ち戻れる余地を残しつつ、でも新しいチャレンジにも触れられる・・・
メニューは日々(なのか、季節なのか、そのインターバルはわかりませんが)変わるけれど、常にカルト以外のメニューが用意されていますね。前菜もメインも。
そして、そのバリエーションの中に数多く登場するのがフォアグラ。他のメニューの説明を聞くと、ついつい、そっちにいってしまいがちなんですが、頼んだ人のお皿から一口いただくと、必ず「しまったー」と思うのです。いえ、自分が頼んだお皿だってとっても美味しいのに。
そしてプレゼンテーションの美しさはピカイチです。
(時々なんちゃって、フロリレージュ風にしてみようと思うけど、やっぱり素人には難しい。ご本も出版されたようですから、参考にしてみようかと思うけど、まったく別物になるだろうしなー。でも、それがお店に通いたくなる理由でもありますね)
皆から愛されていたサービスの方はお辞めになってしまいましたけど、また新しいスタッフがにこやかに頑張っているのが嬉しい最近のフロリレージュです。
使った金額が昼のメニュー4200円+サービス料10%より高いのはワインのデギュスタションにしていただいているからですので、あまり昼から聞こし召さない方はもう少しリーズナブルにいただけますのでご安心ください。
以下2011年11月(最終訪問2012年6月)の追加
新しさの中にしっかりした深みを感じる評判の店はやっぱり美味しかった♪
2011年11月28日 マイベストレストラン2011に間に合わせるべく夜の評点のみ更新。(写真とレビューは別途追加します。スミマセン!汗)
以下2011年1月のレビュー (昼 ☆総合 4.5→4.6 味☆4.5→4.7 サービス4.5→4.7 CP 4.0→4.5 酒3.5→4.0に2013年11月変更、本当は夜も自ずと
変更する必要がありますが、2012年6月以来夜は伺っていないのでゴメンナサイ)
色々な人からその素晴らしさを耳にする『フロリレージュ』に漸く初訪問。
スキーショップJIROの角を一本入って、右側に不規則な広い階段状の坂道がでてきたら、あと少しです。
登りきった右側の白い建物。毎日磨くというピカピカの銀色の帯に店の名前、その下に寄せ植えの花があるのが目印ですね。
白いドアを引くと中はモダンなダークな色合い。残念ながら広いウェーティングスペースはありません。
シェフがいらしたというカンテサンスのウェーティングスペースほどもね、ないの。
右側に白いクロスとテーブルセッティングの並ぶテーブルが壁際に寄せられた感じはカンテサンスにちょぴっと似ていますけどね。
でも、こちらはカルトブランシュではなく、大きなメニューを渡されます。
前菜 メイン デザート で4800円がランチのコース
ワインは相当数あるので、めげて、グラスでお願いしました。
グラス用にと食事に合わせられる可能性のあるワインを白赤3本ずつ提案された中から選ぶほうがラクですものね。
一杯1200円~1400円台です。
まずは、グリーンオリーブでできたケークサレのようなアミューズが、ガラスの器に載せられてやってきます。
香りと味はグリーンオリーブそのものだけど、卵もたっぷり使ってあるようで、粘りのある不思議な食感です。
前菜の「フォアグラとメレンゲ・・・」はシェフのスペシャリテなのだそう。そういえば赤い本にもそんなこと書いてありましたね。
サクサクしたメレンゲでできたほんのり甘い焼き菓子風にへーゼルナッツを成型して、周りにあしらった茶色いガラスの中央は
ガラスの中に閉じ込められた模様以外何も見えないので、ちょっとドキドキします。
そう、ローストしたフォアグラは別にサーブされるから。
フォアグラを色々戴いてきているけれど、こんな戴き方は初めてで、ちょっと面白いですね。
もちろん、火の通し方は絶妙で脂っぽくなく、香ばしさも口に入ることが計算されている感じ。
そして本日のメイン 魚 肉 内臓の中から選んだのは 鴨。だって、好きだから。そして、初訪問の
この店ではどんな鴨を出してくれるのか、知りたかったし。
これも赤い本に書いてあったし、人から聞いていたことだけど、同じ食材を違う調理で二皿作って出してくれるというのも
『ル・マンジュトゥ』で鹿の皿では戴いたことがあるけれど、数多いとはいえないフレンチ経験では
他で出会ったことのないプレゼンテーション。
まずは骨付き鴨をジューシーにローストした一皿目。お皿が平らでないため、添えられた豆を含む野菜を蹴飛ばさずに
切り分けるには若干苦労があったけど(筋があって切り分けにくかったのです)、確かにこれも絶妙な火入れでジューシー
且つ滋味深い。添えられた小さめのソラマメを始めとしたグリーンピーの兄弟たちが鴨から出たジュースのお風呂に
入るとこれまた、お味となる。皿の脇には塩も添えられていたけれど、残念ながら、塩なしでも十分塩気があります。
そして二皿目は今度は腿肉のコンフィ。これはまた表面がかりっかり、であまりの美味しさにバクついてしまうほど。
デセールは3種類から。温州ミカンのデクリネゾンは ババロア風だったり、一度液体窒素とかで急速冷凍して
破片のようにしたものとか缶詰にでもはいってそうな砂糖でくるんだような房みかんとか・・・まぁ色々入っていますね。
温州みかんは少し酸味があるんでしょうか。そのせいかもしれないけれどもう少し味がまとまっていたらなぁ、と思いました。
エスプーマをずいぶん使っておられるのは、最近の流行そのものですが、味の深みはフレンチの基本形をおさえている感じ、
いってみれば和食の出汁がしっかりしている・・というような感じを受けますね。
こちらに通いつめるような方のようにまだ詳しくは語れないけれど、今度夜挑戦してみよっかな・・・
いや、こちらもなかなか予約は大変そうなんですけどね。
4位
2回
2016/11訪問 2017/01/11
滋味って打とうとしたら、地味ってでちゃう。そう、確かに地味なんですね、凄く華やかなわけではなく、季節の素材を丁寧に調理して、素晴らしい御出汁と共に食べさせてくれる。ただそれだけ、でも、それが好き。お弟子さん2人も順調に育っているのを見るのも嬉しいです。
以下 2014年11月のレビュー
2014/11訪問2014/11/30
4.6 [ 料理・味4.8 | サービス3.6 | 雰囲気3.6 | CP4.0 | 酒・ドリンク3.5 ]
使った金額(1人) ¥20,000~¥29,999
【再レビュー】その雑味のないきれいな味に感動した夜・・・・
昨年笹田さんの魅力の再発見(大げさ)をして以来、多分今年は、一番、回数お伺いしたんじゃないかな。
相変わらず、淡々と、お弟子さんも優しく見守りつつの丁寧なお仕事ぶり。美味しいお出汁に美味しいものつながりのお友達は悶絶。感激してくれて私が嬉しい!というくらいぞっこんかな。来年もお伺いしますのでどうぞよろしくお願いします!
以下は、2013年11月にアップした10月最終訪問の再レビューです。
久しぶりに『笹田』さんに伺ったのは、奇しくも前日が『くろぎ』さん、翌々日が『星野』さんと、『京味』さんのお弟子さんのお店が続くスーパーウィークでした。それぞれ、評価の高い人気店で、鱧・鮎、そして早松(茸)のピークの時期。いずれもおいしい、それぞれの個性を存分に味わうことができたのは、大変な行幸。
その中で、雑味がなく、美しく丁寧なお仕事ぶりを久しぶりに堪能して、『笹田』さんの素晴らしさを再確認することになりました。
ハコも以前(今の『星野』さんのところですね)とは違って大きいので、時にお弟子さんの気が回らないこともあるやに見受けますが、そこは京味さん系、緊張感の中にも和やかさと優しさがあるので、こちらも安心していられます。
そして、相変わらず白ごはんの美味しさたるや・・・
使っているお水が年内くらいでなくなってしまった後にどれだけの変化があるかはわかりませんが、また定期的にうかがうことにします。
派手さがないので、その内容の割には予約も至難ではないように思え、それが却ってありがたい気が致します。
以下は2011年1月(2010年8月最終訪問)のレビュー 総合☆4 味4.5 サービス3.5 雰囲気3 CP3.5 酒3 からの変更です。
美味しいごはんと背中の引き戸
コチラも『くろぎ』さん同様、ご主人が有名な京味ご出身で ミシュラン☆を取っておられるという和食店。
そんな素敵なお店に行きつけているというお方におねだりして連れて行っていただいたある夏の夜。
期待に胸膨らませ、早めに行ってみると・・・
すし屋のような狭い白木のカウンターの席があるだけでいっぱいいっぱいのスペース。
背中の後ろは出入り口、化粧室もその出入り口を出なくちゃならない。大丈夫かな。ちょっとビックリ。
そのちょっとビックリな雰囲気とは無縁のように、ご主人は淡々と準備を始められている。ちょうど鱧の季節。
リズミカルに骨切りをされていたのだけれど、料理人オーラというのかな、なんだか、
店の狭さに拘泥している自分が小さく見えるような大きさ。
では、こちらもこれから出される食事に向き合いましょう。
戴いたのは・・・
うにと長芋に鯛の出汁のジュレ 一口戴いた時点で、うわーん、おいしいー。
水菜と揚げの炊き合わせ、や青柚須のかかった鱧そのもの・・・は、素材の良さ以外に特別な感じはしなかったけれど
穴子の八幡巻きは逸品でしたね。
そして、無花果の田楽の白味噌ベースの田楽味噌はやさしく手間のかけられた品の良い味
お造り(ぷりぷりのシマ海老やまぐろ、ほしがれい)の後には
先ほどの鱧のお吸い物、一番だしの濃い味がよくなじんでいます。松茸も添えられて季節先取りです。
そして、焼き魚は ぐじ。少々塩が濃いように感じたけれど、京味テーストということなのかしらね。
アンコウの肝、加茂なすと海老の冷たい炊き合わせ
そして、有名だという白ごはん。
おこげまで戴いて、ついでに卵かけごはんにまでしてしまったくらい確かに美味しいごはんです。
全体的に私にはちょっと塩が濃い感じでもあったのですが、素材とのバランスからいってギリギリのところを計算されている
感じでもあり、普通はこのくらいで皆さん受け入れられるのではないかな。
また季節の異なる時期に連れて行ってもらいたいなぁ。
帰る頃にはすっかりお店の狭さなど気にもならなくなっていましたよ。(ま、でも一応雰囲気点は星3つということで・・・)
5位
1回
2014/10訪問 2014/11/30
相変わらず膨大な味覚のデータベースと実際に手に入れたレア且つ旨いワインを武器に、素晴らしいマリアージュを提供してくださる坂田さんのソフトなトーンのご説明に魅了されておりまする。勿論、伊藤シェフも素晴らしい料理を提供してくださっているので、、若干お値段は張りますが、価値有る機会を今後とも逃さないでいきたいですね。
以下は2013年11月にアップした再レビューです。
おかげ様で、今年もワインとお食事のマリアージュを楽しむ会で何度かお邪魔させていただきました。
ますます感動する事は、オーナーソムリエの坂田さんの、イタリアワインへの情熱と知見、そして、その人脈の深さでしょうか。
あの大きな身体(失礼)に見合わないソフトで静かなお声で説明される、例えばシチリアでシャンパーニュ製法で作られる数量僅少のスプマンテ、それが、季節向きの香りと酸だからと、今日のこんな料理に併せて是非召し上げっていただきたい。
いやいや、そんな希少なスプマンテを惜しげもなくお出しいただくことは勿論、常にシェフの作られる料理に、数多くのワインの中からぴったりあったものを出してこられる、その想像力が素晴らしい。だって、お料理はメニューだけで、試食されないで、合わせてこられるというのですから、余程シェフの味への理解とワインの状態の見極めができないと外してしまいそうですよね。
ついつい、ワインの御見立についてばかり力がはいってしまいますが、お料理も十分以上に美味しいと思います。毎回色々なメニューを出して戴いて、美味しい(たまに、おちゃめな)お皿ばかりですが、今年頂いた中で、素晴らしかったのは鮎のパスタ。
こちらはお酒をいただいたほうがより楽しいお店ではありますが、それほど飲めないという人にも濃すぎない味だと思いますので、楽しめると思います。
以下2012年11月(12年10月訪問)のレビュー 評点は変えていません
オーナーソムリエの素晴らしいチョイスに感動します。
実はワタクシ、こちらには自分で予約して行った事がなかったのです、過去もね。
誰かの会で伺ったことがあったきり。
勿論美味しかったし、ワインのチョイスが素晴らしかった。。。のですが、レビューもあげず。。。
で、しばーらくお伺いすることもないまま過ぎていたのですが、再び別の方からワインの種類を食事にあわせていただけるような会を
企画しているから、とお誘いを受けて、今年は3度ほどお邪魔することができました。
どんな店もそうですが、少し多めの人数(6人とか8人とか)で伺うと一本750ミリリットルのボトルをお願いしても
1杯とれるか、とれないか・・となるので、沢山の種類をお食事にあわせることが容易になりますものね。
こちらのオーナーソムリエ 坂田さん(「坂田ビル」!の裏手の日本家屋のお店ですものね。)のイタリアワインに対する造詣の深さ、勿論プロですから当然といえば、当然だけど、イタリアワインのようにぶどうの種類も多く、生産量の少ないゆえに日本には輸入業者を通じて入ってきていないワインも含め、どんなお味の料理に合うのか、ということを実によく研究されていて、しかもお持ちで、毎度その解説に圧倒されてしまいます。
でも、全然厭味なんかないの。大きな体躯からささやきのようなソフトなお声で説明されるので、癒される感じです。
シェフのメニューを聞いて、きっとこのワインが合うだとうと想像してあわせてくださるの。
それがピッタリ!
勿論こちらには他にもソムリエバッジをつけられているような方がおられるのですが、坂田さんのチョイスがこのお店の凄みだと思います。
プチシューの中にシュー(キャベツ)が入ったアミューズ(キャベツの中にキャベツ・・・って、絶対○や○ギャグ狙ってますよね♪)から始まる
お料理も、色々な工夫があって、どれもとても美味しいと思います。
特別なシグニチャー料理が何かあるのかもしれないけれど、毎回どんな素材でも、素直に美味しかったなーと思わされるお料理が出てくるのです。
地方的にも例えば特にトスカーナということでもベネトということでもない感じ。
このレベルになってくると、油がオリーブなのかバターなのかの違いくらいだけでフレンチなのかイタリアンなのか境界線がなくなるような料理ですね。(とはいえ、写真並べてみるとパスタやリゾットが出てくるし、これでもかとトリュフ。。。最近、いろんなところで使いすぎ!・・な感じは否めないですね。やっぱりイタリアンだ。。)
三和土をそのまま靴を脱がずに赤じゅうたんの敷かれた居間に案内していただく、このフシギな感じだけは、なかなかなれませんけれど、いつも幸せな空間に入ったような、暖か味を感じることができるのは、この空間が、ひとつの樽(ラ・バリック)の中にいるような心地良い空間になるようにお店にかかわる全ての方の醸し出す雰囲気なのかもしれませんねぇ。
6位
1回
2013/11訪問 2013/11/30
念願かなって、松茸の時期に初訪問できました。
京都からクルマを走らせ1時間ちょっと・・・だったかな?
山間に着くと風情ある佇まいと『比良山荘』の看板とのれんのある入り口で、既にお店の方が待っていてくださいました。
上質なお店ということでしょうね。
案内されたのは二階の大きな広間のような座敷。
昼ですけど、お酒いっちゃいましょう。
松茸の季節というのに、少々暑い日。竹筒に入った冷酒はビジュアル的にひんやりして、良いですね。
座敷から見える若干の紅葉とのコントラストもよく。
お酒のお供にうるかも供され、先付に進みます。
さて、この日は岩手の松茸を頂こうという会。
ご主人が一番お好きなのが岩手の松茸とか。お店で出す他の食材には手をつけないけれど、これだけはシーズン中必ず頂くとか。
そんな松茸好きの松茸のプロが選んでいる松茸ですから、特別に良い松茸です。
巨大で、香り豊かで、美しい松茸が出てきただけでもテンションがあがりますが、ご主人が自ら焼いてくださる松茸が汗をかき始めたら準備完了。
手で裂きながら頂くその食感と口の中に広がる香・・・いやぁ、ありがとうございますと両掌を合わせたくなります。
そのほかにも栗の渋皮上げ、子持ち鮎の香味焼き、きのこのすき焼き風、鯉こく、鮎と松茸焼き、大きな器に入った炊き合わせと、いずれも素晴らしいお味。
今度は熊の季節にうかがってみたいと思います。
(すみません、せっかくの美しい松茸の写真がどこかに行って、みつからなーい!です。見つけたらアップします)
7位
1回
2013/08訪問 2013/11/30
インドカレー、基本好きです。
辛いの好きだしー。
でもね、多少の特徴はあっても、店によっての差は、他のジャンルに比べると付け難いように思えるんですよねー。
好きな店には、何度も訪れるわけですが、一番を選べといわれたら・・・・
私はここです。
だって、旨みの度合いが違うと思うんです。
インドカレーはいろんなハーブ使いをしているのでしょうけど、その使い方が、普通のところとは違う奥深い味わいが感じられるように思うんですね。
だから、本当はもっと頻繁に行きたいんですけど、難点がひとつ。
そう、終了時間が早いこと。だから、絶対早く行ける自信がないとね。
それと、こんなときに向いているというところに一応「一人で」って書いたけど、実際一人でこられてカウンターに座っておられる人もおみかけしますからね。
でも、四人(テーブルが四人がけだから)で来ると楽しいです。
季節によって変わるメニューを皆であれもこれもって頼むといっぱい試すことができるでしょ?
そして、お供に「レモンライス」・・・絶対、鉄板♪
シンプルなのに、それそのものが味わい深い。まねしてみようと思うんだけど、難しそうだなぁ。
書いていたら、また行きたくなってしまった。
ベストレストラン2012年でも予想したとおり、2013年は本当に忙しく、お店に伺う時間はあってもレビューを書く時間が殆どとれず、せっかく3年間書き続けていたベストレストラン2013の投稿は諦めようかと何度も考えました。でも締め切りが近づくにつれ、やっぱり、なんか残念な気がして・・・・
ちょっと、ずるしたような駆け込み投稿で、なんとか、ベスト7までは投稿できました。(ふぅ。)
投稿できたか、できないかによって、左右されてしまうので、忙しい中、定期的に通ったお店が中心にはなりましたし、去年にはトップ10に入れたお店でいけなかったお店もありますので、多少の入れ替えはありますが、上位はあまり変化なし。やはり、何度伺っても、ますます好きになるシェフとソムリエのお店ばかりです。今年の宝は『笹田』さんの美味しさへの再認識。あと、初めて伺ったお店は数多くあるのですが、印象に残ったのは『比良山荘』、前から伺っていても投稿したことのなかった『コチンニヴァース』はたまにしかいけないけれど、いつも行きたいなー、と頭に上るお店です。
まだ投稿アップできていない残り3店をアップすることも考えたのですが、締め切り間際なので、一旦ここで〆ます。夜遅くに書けたら増やすかな。。と思ったけれど、ムリでした。未投稿候補店としては和食「ちゃわんぶ」さん、「船生」さん、タイ料理の「ロムアロイ」さん、焼肉の「梁山泊」さん。アップデートしていないけれど、今年も通った和食「くろぎ」さん、フレンチ「ランベリー」さんが残りの3席を巡っての順位争いに入ってくる感じでしょうか。
しかし、対象期間に12月が入らないというのはどういうことなんでしょうねぇ。12月も次回は入れていただけるとやる気再燃なんですが。(トイイナガラ、また来年も忙しそうなのですが。。。)