1回
2009/11 訪問
テーブルの上&お皿の上の遊び心も、お料理、サービスの素晴らしさも、驚異的なCPも全て健在でした
アンリ・ジロー(グラスシャンパーニュ)
リシャール・シュルラン(グラスシャンパーニュ)
3種の前菜(遊び心が潜む演出)
じゃがいものピューレ トリュフとウズラ卵
じゃがいものピューレ トリュフとウズラ卵
じゃがいものピューレ トリュフとウズラ卵
パン&懐かしの無塩バター
魚介のサラダを詰めた白菜のファルシ 生ハムのジュレ
魚介のサラダを詰めた白菜のファルシ 生ハムのジュレ
アルザスのリースリング
ホタテ貝と紅芯大根 2色のスープ
フランソワ・ラキエのメルキュレ
フォアグラのポワレ
フォアグラのポワレ
ウスバハギのソテー 肝ソース
ウスバハギのソテー ラルドンとピンクグレープフルーツと一緒に
ウスバハギのソテー ラルドンとピンクグレープフルーツと一緒に
ニュイ・サンジョルジュ ペリエール
イベリコ豚のロティ エピスのソース
イベリコ豚のロティ エピスのソース
マダムピュルゴーのシャラン鴨のソテー 白と赤のソース
マダムピュルゴーのシャラン鴨のソテー 白と赤のソース
ティラミス
熱々のフォンダンショコラ
エスプレッソ
ユニークな形状のエスプレッソのカップ
2009/11/14 更新
今年3月末、ル・ジュー・ドゥ・ラシェットを去った下野シェフの新しいお店です。
時間の問題で予約の取れない店になる事必至なので、その前にと、あわてて予約を入れ、
オープン1週間後の休日にランチでお邪魔しました。
結論を先に言いますと、テーブルの上&お皿の上での遊び心も健在。
お料理・サービスの素晴らしさも健在。
そして驚異的なCPも心配になるほど健在で、適度に緩い雰囲気の中、至福の時間を過ごさせてい戴きました。
次回は、同一の食材を2種類の異なる調理法で提供されるコース、「ムニュ・コンパレゾン」狙いで、ディナーにお邪魔したいです。
さて、詳細ですが、場所は、広尾駅西口から3分ほど、商店街を抜けたビルの1階にあります。
外観は、ル・ジューに比べ、ややインパクトに欠けるように感じましたが、店内は天井も高く、開放感があり、内装やインテリアも都会的でスタイリッシュです。
MENUの種類や価格は、ル・ジュー時代と似ています。
おまけに、営業時間や定休日も同じ。
中村支配人曰く、もともとル・ジューは、期間限定で始めたものであり、オーグー・ドゥ・ジュール・グループの既成路線にとらわれず、下野シェフと中村支配人の好みや考え方を前面に出したスタイルでやって来たので、ル・ジュー時代と共通点が多いのは至極当然との事。納得!
ソムリエが、中村支配人と島本支配人の2枚看板に強化されているところが大きな違いでしょうか。
ランチMENUは4種類・・・価格は税込み、サービス10%別途
1)ムニュー ドゥ シャンパーニュ(3500円)・・・食前酒+前菜+(魚 or 肉)+デザート+飲み物
2)ムニュー ドゥ ルクス(3500円)・・・前菜+魚+肉+デザート+飲み物
※1)&2)のコースは、プリフィクスですが、魚料理は1種類。
3)ムニュー ドゥ スペシャリテ(6000円)・・・前菜3+魚+肉+デザート+飲み物
※3)のコースは、お料理が決まっています。
4)シェフのお任せ(12000円)
※1)~4)全てにアミューズとパンが付きます。
この日のプリフィクスの選択肢は次の通り。
<前菜>
1)ア・ニュのテリーヌ グレックレギューム添え
2)ホタテ貝と紅芯大根 2色のスープホタテの摩り下ろし
3)山形県萩産 鰆の炙りマリネ 季節の野菜を添えて
4)スペルト小麦リゾット 茸とベーコンの泡
5)本日のオードブル(鴨のサラダ)
※プラス1000円で前菜をもう一皿追加出来ます。
<肉料理>
1)マダムピュルゴーのシャラン鴨のソテー 白と赤のソース
2)リードヴォーとムール貝のフリカッセ 季節野菜と共に
3)仔羊肉のロティ ピマン・デスプレットソース
4)イベリコべジョータのカルビ じゃが芋のソース
5)本日のお肉料理(失念)
<デザート>
1)フォンダンショコア
2)林檎のタタン バニラアイス添え
3)クレームダンジュのパルフェ 巨砲のソース
4)ティラミス
5)アイスの盛合わせ
6)本日のデザート
<食後の飲みのも>
カフェ、お茶、ハーブティー各々に書き切れない程の種類が用意されています。
メインに鴨を食べたかった相方はムニュー ドゥ ルクス(3500円)をチョイス、少しずつ色々試してみたかったヲイラはムニュー ドゥ スペシャリテ(6000円)をチョイス。
先ずは、グラス・シャンパーニュで乾杯。
こちらは1500円と1800円の2種類。
アンリ・ジロー(1800円)とリシャール・シュルラン(1500円)でした。
まもなく、アミューズが運ばれて来ましたが、そこには、いきなり得意の遊び心を潜めた演出が待っていました。
アミューズは、3種類の小さなガラスの器に盛られて運ばれますが、各々の器の底には凸状の突起が付いており、それを幾つもの穴が開いた白の大皿に自分で刺してレイアウトすると言う演出です。
ル・ジューのおはじき作戦に変わる遊びでしょうか。
ヲイラが選んだ「ムニュー ドゥ スペシャリテ」の構成と感想はと言うと。
■アミューズ・・・①鰆のマリネ、②豚のリエット、③ラディッシュ(ソースはバルサミコを煮詰めたもの)
■一皿目の前菜・・・じゃがいものピューレ トリュフとウズラ卵
・・・見た目も可愛いカプチーノカップの中には、ピューレ状にしたインカのめざめ、温泉卵状態のウズラ卵、そして黒トリュフのチップが詰められ、その上をベーコンのエスプーマが覆っているお洒落な一品。
これを、スプーンで、ぐちゃぐちゃに潰して食べます。
インカのめざめの上品でピュアな甘さと、ウズラ卵の濃厚な味わい、それらと黒トリュフのリッチで官能的な香りが一体となった至極の一品です。
エスプーマされたベーコンの風味が一味違う感動の一皿に仕上げています。
細かく砕かれた黒トリュフは香りだけでなく、食感のアクセントとしても、効果的。
■パン・・・懐かしの2つ並べられた無塩バター(1つには岩塩がトッピング)
■2皿目の前菜・・・魚介のサラダを詰めた白菜のファルシ 生ハムのジュレ
・・・白菜にナイフを入れると、中には海老やホタテを初めとする魚貝がぎっしり。
フレッシュな魚貝に、肉系である生ハムのジュレの組合せがポイント。
このジュレが効いています。
■3皿目の前菜・・・フォアグラのポワレ 茸のスープと共に
・・・お皿がテーブルに運ばれると、セップ茸の素晴らしい香りが広がり、生唾がごっくん。
ポワレしたフォアグラに、一度揚げてから蒸したと言うエポートルが添えられ、そこにセップ茸のソースが掛けられています。
そして、お皿の淵にもセップ茸の粉末が散らされています。
フォアグラとエポートルは相性抜群で、一緒に口に入れると、これが実に良く合います。
前半は、揚げたばかりのエスポールの香ばしい食感を、後半はソースを含んた柔らかな食感 をと、2種類の味わいを楽しめます。
エスポールとは、フランス語でスペルト麦のこと。
■魚料理・・・本日の鮮魚 ラルドンとピンクグレープフルーツと一緒に
・・・こちらもウスバハギを使ったお料理ですが、ウスバハギはラルドン(豚の背油)で覆われており、その下にピンクグレープフルーツが敷き詰められた1品です。
さっぱりしたお魚の淡白さを、こってりしたラルドンで補い、ピンクグレープフルーフの程よい酸味と甘みで、上品な味わいに仕上げると言うコンセプトでしょうか。
■肉料理・・・イベリア種75% イベリコ豚のロティ エピスのソース
・・・今まで食べたイベリコ豚の中で一番美味しいと感じました。
ガルニは、チコリと紫人参。 チコリは焼きネギのように甘く香ばしく、美味。
■デザート・・・ティラミス
・・・こちらも唯のティラミスではありません。 ここにも遊び心が潜んでいました。
お皿に配されたマスカルポーネ、タピオカ、カカオパウダー等を混ぜて一緒に戴くと、口の中でティラミスの味になると言う仕掛けです。
■食後の飲み物
これが、またビックリしました。
カフェ、お茶、ハーブティーの3つのカテゴリー各々10種類前後のMENUが用意されています。
食後の飲み物がこんなに充実している店は始めてです。
でも残念ながら、初めて聞く銘柄ばかりで、どれをチョイスして良いのか全く分からず、勘を頼りに、一番濃いと言う「アルペジオ」をチョイス。
次の相方が選んだ「ムニュー ドゥ ルクス」の内容です。
※恒例により、一口ずつ、つまみ食い
◆アミューズ・・・「ムニュー ドゥ スペシャリテ」と同一
◆前菜・・・ホタテ貝と紅芯大根 2色のスープホタテの摩り下ろし
◆魚料理・・・ウスバハギのソテー 肝のソース
・・ソースはウスバハギの肝を使ったものでしたが、肝の生臭さが少し残っている気がしました。
これが、この日唯一のマイナスポイントでした。
◆肉料理・・・マダムピュルゴーのシャラン鴨のソテー 白と赤のソース
・・・所謂、皮ぱりぱり、中ジューシーと言う良くあるパターンとは違う初めての食感です。
皮の香ばしさが半端なく、中もレアって感じではなく、しっかり火が通っているのですが、
滋味深いがっつりした美味しさです。
白と赤のソースの正体は、白が玉葱のピューレ、赤がビーツです。
それにしても、凄い肉のボリュームです。 これを3500円のコースに出して良いのでしょうか?
◆デザート・・・フォンダンショコラ
・・・濃厚で熱々!
◆食後の飲み物・・・「ダルサオ」
・・・ブラジル産の本種だけを使った「シングルオリジン」コーヒーだそうです。
そうそう、ワインは、ボトル、グラスワインの他に、お料理に合わせて数種類のワインを提供して頂けるデギュスタシオンのシステムがあり、ヲイラは、グラス3種類のコースをお願いしました。
■アルザスのリースリング・・・一皿目の前菜に。
■フランソワ・ラキエのメルキュレ 2006・・・3皿目の前菜&メイン(魚)に。
■フランソワ・ルグロのニュイ・サンジョルジュ 1er Cru ペリエール 1998・・・メイン(肉)に。
このコースのCPが滅茶高、お会計で、値段を見てびっくり。
プリュミエ・クリュが入ったこの3種類で、たったの2500円、1杯800円ですっ!
開店と同時の11:30に入店し、食事が終わったのが2:30、何と3時間もの時間が経っていました。
別にだらだらと食べていた訳ではないですが、ゆったりとした居心地の良い時間を過ごさせて戴きました。
大変ご馳走様でした。