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万寿貝のバター焼き
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のどぐろ&ガスエビのお造り
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のどぐろ&ガスエビのお造り
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赤イカの生げそ&しめ鯖
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赤いか
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鯛の昆布締め
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甘エビ
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鯵
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バイ貝
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鯛のアラの味噌汁
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うに
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きす
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トロ炙り
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小鯛
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蒸しアワビ
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アナゴ
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ネギトロ巻き
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ネギトロ巻き
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昨夜は、念願だった「居酒屋こいで」で極上の食材を使った素朴で豪快な料理を戴き、この日は、これまた念願だった「志の助」で、一人酒ならぬ、一人鮨を楽しみ、ルンルンなヲイラです。
ヲイラが「志の助」の存在を知ったのは、未だ、お店が小松で営業していた頃。
「かの小松弥助で修行し、未だ30歳台と若いながらも、素晴らしい鮨を握る職人が居る」と言う情報を得て、機会があれば、是非一度、伺ってみたいと思っていた鮨店でした。
金沢市内に移ってから、もう、5年になるそうで、そんなに時が経っていたのかと、少し驚きました。
これは、もう、念願の初訪問と言っても大袈裟ではないですよね。
金沢駅からタクシーで10分ちょっと。
メイン道路を少し中に入った辺りに建つ一軒屋の前で、車は止まりました。
着いたのは、お昼の12時過ぎ。
まだ新築のように見える一軒家の玄関先には、水が打ってあり、白い綿に黒い文字で、「鮨 志の助」と書かれたシンプルな暖簾が掛かっていました。
店の周辺は、殺風景な郊外の景色ですが、「志の助」の玄関先だけが、凛とした空気が漂っているように見えました。
中に入り、名前を告げると、和服姿の美人の奥様が笑顔で出迎えてくれました。
白を基調とした、明るく、清潔で、広々とした店内は、無駄なものを一切排したシンプルでモダンな空間が広がっています。
銀座の高級鮨店とかには行った事がないので分かりませんが、少なくとも、ヲイラが普段行っている鮨店とは、かなり異なった雰囲気です。
鮨店と言うより、お洒落なフレンチやイタリアンレストランのシェフズ・テーブルの様な雰囲気と言ったら良いでしょうか・・・。
席は、檜を贅沢に使った幅広で、深い奥行きを持った、L字型のカウンター席のみ。
キャパは8人程。
椅子は、ゆったりとして、座り心地の良いアイボリーの革張りのチェア。
小上がりなんぞは、ありません。(笑)
鮨は、まな板や笹ではなく、カウンター奥の一段高くなったスペースにある「志の助」の店名入りの特注の正方形の陶板の上に置かれます。
そして、BGMは、琴の音。
聞こえるか聞こえないか位の小さな音量で流れています。
カウンターの向こうには、紺色の着物に白い前掛け姿のご主人が、華麗な手つきで、ネタを裁いています。
客はヲイラ以外に、おば様グループが2組。
一組は地元の方、もう一組は、此方を目当てに訪れた観光客の方でした。
席に着き、ビールをお願いすると、ご主人が、「握って宜しいですか? それとも、何かおつまみをお出ししますか?」
と聞かれたので、おつまみは何が出来るのかを尋ねると、「うちは割烹ではないので、鮨ネタを刺身でお出し出来るくらいなんですが・・。」と言う返事が帰って来ました。
つまみでお酒を飲む店ではなく、お鮨を食べる事に重点を置いた店のようです。
■万寿貝のバター焼き
好物の万寿貝のバター焼きがあると言う事なので、それとお刺身をお願いしました。
以前、近江町市場で万寿貝を買って、オリーブオイル + ニンニク + 鷹のつめ + 塩コショウ + 醤油でソテーして食べた事がありますが、バター焼きも美味しく、ビールのアテにぴったりでした。
■刺身①(のどぐろ&ガスエビ)
のどぐろもガスエビも前夜に「こいで」で戴きましたが、美味しいものは、続けて食べても、飽きませんね。
大きなカットで、脂が乗り乗りのガッツリ系の「こいで」ののどぐろに対し、「志の助」の方は、脂が乗っていながらも、気品ある旨みを持ったのどぐろでした。
昼間から、のどぐろ食べて、ビール飲んで、幸せで~す。
■刺身②(赤イカの生ゲソ&しめ鯖)
まだ、握って貰う気分ではなく、もう一皿、刺身を戴く事に・・・。
供されたのは、赤イカの生ゲソ&しめ鯖でした。
こりこりした歯ごたえの生ゲソには、数粒の白ゴマが振り掛けられており、ゴマの香ばしさがとても合っていました。
そして、鯖は、確か、しめ鯖と聞こえたのですが、酢の香りや味が感じられませんでした。
ここで、ビールをお茶に変え、いよいよ握って戴く事に・・・。
客席から見えるネタケースなどは、勿論なく、基本は、お任せのようです。
そして、ご主人が握ってくれたのは、この11巻。
↓
全ての鮨には、予め、仕事が施されていますが、物足りない人の為に、一応、塩と醤油が置かれています。
ヲイラは、そのままで十分でした。
■赤イカ
イカ素麺のように、細い包丁(切り込み)が入っている為、こりこりした食感とねっとり感を同時に感じる事が出来ます。
イカは甘みたっぷりで、しゃりに少量付けられた隠し味の白胡麻の香ばしさともベストマッチ。
■鯛の昆布〆
鮨が口の中から無くなった後も、昆布の美味しい味わいが余韻として、長く残ります。
鯛の昆布〆は、家でも時々作りますが、比べようも無く、上品で美味しいです。 食材が違いますものね。
■甘エビ
このターコイズ・ブルーのような美しい子を付けた甘エビを、初めて見た時の感動を思い出しました。
■鯵
しょうが、わけぎが乗っています。
■バイ貝
塩が掛かっています。
■ウニ
ウニは軍艦巻きではなく、しゃりの上にウニを、そのままの乗せたスタイル。
予め、塩が掛かっており、そのまま戴きます。
しゃりの握り方は、極ゆるで、手で摘まんだ途端に、はらはらと皿にこぼれてしまいました。
敢えて、質問はしませんでしたが、ウニの食感に合わせて、しゃりは意識的に、ゆるく握っているのでしょうか?
■きす
きすのお鮨、初めて食べました。
「きす」の料理って、天麩羅くらいしか思い浮かびませんし、天麩羅だったら、「きす」ではなく、「こち」を選びたいヲイラです。
ところが、これがメチャクチャ繊細で、美味しくて、びっくり。
梅肉?をベースとした味付けがベストマッチ。
■トロ炙り
今まで、食べた中で、最高の「炙りトロ」でした。
■小鯛
小鯛の握りのイメージが変わりました。
魚の旨み、磯の香りが堪りません。
■蒸しアワビ
柔らかくて、弾力があり、味わいも深く、文句の付けようもない美味しさ。
■アナゴ
タレではなく、塩で戴きます。
これ以上ない程のふわふわ感。
このアナゴでお任せのコースは終了です。
<追加>
■ネギトロ巻き
お腹は十分でしたが、次また、いつ来れるか分からないので、ネギトロ巻きを追加でお願いしました。
此方のネギトロ巻きは、中落ちを叩いて練り状になったネギトロ巻きではなく、トロの塊を大きめにカットしたスタイル。
海苔に巻き、そのまま、手渡しされました。
〆に相応しい極上の1本でした。
<感想>
一通り戴いて、此方のお鮨、しゃりは小さめで、まんまる、ふんわり握られており、お酢は関東に比べて、やや浅め。
全般的に、優しく、繊細で、淑女を思わすようなエレガントなお鮨でした。
そして、使用しているネタですが、勿論、基本は、北陸産のものを使用していますが、イクラ、トロ、そして、あと1つが何だったか失念しましたが、地元産以外のものを使用しているそうです。
そして、トロは、カナダ産の天然物を使用しているそうで、これは意外でした。
さて、初訪問の印象ですが、訪問前に抱いていたイメージを、良い意味で裏切られました。
ご主人は、「典型的な職人肌の方で、神経質で、寡黙で、修行僧のようにストイックに鮨だけに向かって仕事をする近づき難い方」と言うイメージを持っていました。
ですから、当然、店の雰囲気も、静寂感が漂い、ぴんと張り詰めた緊張感のようなものが広がっているのだろうと想像していました。
しかし、実際のご主人は、神経質な感じはなく、口数こそ多くはありませんが、こちらの質問や話にも気さくに応じてくれますし、笑顔で、お客と談笑もしていました。
奥様の柔らかな接客も含めて、若い夫婦が力を合わせ、2人3脚で頑張っている姿が爽やかで、お店は、お穏やかで暖かな温もりさえ感じられました。
ゆったり落ち着ける店内で、こだわりのネタと卓越した技によって生み出される鮨を戴き、幸せなランチタイムでした。
最後に、ご主人より名刺を戴き、奥様には、外までお見送り戴きました。
お会計は、12,000円、納得です。
ご馳走様でした。