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オリーブ
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燻したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て
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燻したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て
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フォカッチャ、バケット パーネカラザウ
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トリッパ・ギアラ・小腸の煮込み
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牡蠣とカラスミのタリオリーニ
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秋トリュフのタヤリン
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秋トリュフのタヤリン
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黒毛和牛のロースト&秋トリュフ
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黒毛和牛のロースト&秋トリュフ
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マスカルポーネ
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ピエモンテ、トスカーナ等イタリア各地での修行の後、アロマフレスカを経て、カーザ・ヴィニタリアのシェフとして長く活躍された笹川尚平シェフが独立して、昨年1月にオープンしたお店です。
このような華やかな経歴を持った有名シェフがオープンしたお店ですから、当然、オープン当初より大きな注目を集めていました。
何度かのトライ失敗後、ようやく待望の初訪問を果たして来ました。
場所は、広尾駅から歩いて3分程。
下町の雰囲気が残る商店街を通り抜けた先の路地裏に建つビルの地下1F。
両脇の壁に趣のある写真や絵画が飾られた階段を降り、扉を開けると、店内が現れます。
8人程のカウンター席と4人掛けのテーブル1つのこじんまりとしたお店です。
オープンキッチンの向こう側には、笹川シェフの他、調理スタッフの男性とサービス担当の女性スタッフの姿が・・・。
照明は暗めで、壁や棚にはシェフの趣味であろう書籍や写真がセンスよく配されており、シックでありながらも肩肘張らない上質な大人の空間が広がっています。
フランチャコルタを戴きながらMENUに目を通します。
基本はアラカルトなんだと思いますが、前菜3+パスタ1+メイン1+デザート+ドリンクの構成で、10,000円と言うシェフのお任せコースもあるようです。
アラカルトは、前菜、プリモ、セコンド毎に各々5~6種のMENUが用意されており、どれもこれもすこぶる魅力的。
あれも食べたい、これも食べたいと本当に悩み、この時、これは何度か通わなくては済まないなと直感しました。
特に前菜は、次回まで待てない!今日、全部試したいと思う程、魅力的でした。
そして、迷った末、下記の通り、前菜2、パスタ2、メイン1を2人でシェアして戴きました。
■アミューズ(オリーブ)
■燻したメカジキと香草のカルパッチョ仕立て(2000円)
何これっ!と言う程、目にも鮮やかな一皿で、先ず、見た目のインパクトで心を持って行かれました。
軽く燻し、ぶ厚めにカットしたメカジキを幾層かに積み重ね、その上にディルやパクチー等の香草類やキュウリ等の細かく刻んだ野菜が重ねられています。
それをトマトのエキスで作ったと言う透明のゼリーで覆い包んだ、実に手の混んだオリジナリティー溢れる一皿。
身が引き締まって脂の乗った旨みたっぷりのメカジキと、香り豊かで爽やかな食感の香草類、そこにトマトソースの爽やかな甘味と、ピンクペッパーの苦み。
見た目に美しく、食材の組み合わせの妙が生み出す香り、食感、味わいのハーモニーが実に楽しい。
名前は同じカルパッチョでも、薄っぺらい白身魚を平坦に並べ、香草パラリ、塩&オリーブオイルたらりのよくあるカルパッチョとは全くの別物です。
■トリッパ・ギアラ・小腸の煮込み(2400円)
基本は、モツを香味野菜と白ワインで煮込んだ白いトリッパですが、前述のカルパッチョと同様、一般的なトリッパと名前は同じながら、実態は全く別の料理となっています。
トマトソースで煮込まない白いトリッパ自体はそう珍しくはありませんが、コチラのトリッパはそれらとは次元が違いました。
一般的なトリッパはどちらかと言うと粗野で癖のあるところが魅力の庶民的な料理ですが、コチラのトリッパは臭みや粗野なところは皆無。
食感はプリプリだったり、トロトロだったり、シコシコだったり・・・。
スプーンを置く場所によって食感も味わいも変わります。
そして、モツの濃厚で力強いコクや甘味、旨みを引き出しながらも、味わいは野菜の風味が利いたソースの優しい味わいも含めて、極めて上品。
しかも、ただ優しいだけでなく、複雑。
ですから、色々な味わいが楽しめ食べ進んでも全く飽きません。
■パン
・・・パンはフォカッチャ、バケット パーネカラザウの3種盛り。
■牡蠣とカラスミのタリオリーニ(2400円)
磯の香り漂うぷりっぷりの牡蠣がごろごろ、そしてたっぷりのカラスミ。
それらが滑らかでシコシコの麺と絡み合って・・・。
久々にパスタで感動しました。
やはり、自分にとってイタリアンの最大の楽しみはパスタです。
■秋トリュフのタヤリン(5000円)
恥ずかしながら、これまで、タヤリンはピエモンテ地方の訛りで、タリオリーニと同一のものだとばかり思っていました。
ですから、今回、MENUに2つのパスタ名が並んでいるのを見て、少々、戸惑いましたが、その2種のパスタを食べ比べ、呼称の違いだけでなく、作り方や食感、味わいの違いを理解出来たのは収穫でした。
さて、その秋トリュフのタヤリンですが、 サーヴするタイミングに合わせてパスタマシンから取り出された麺と、バターとパルミジャーノたっぷりの濃厚なソースが滑らかに絡み、その上にたっぷりのトリュフが振り掛けられたこの季節ならではの贅沢な一皿です。
テーブルに運ばれた瞬間から立ち上るトリュフの官能的な香りにくらくら。
そしてぷりぷりで歯切れの良い食感と滑らかな舌触りの麺が、マイルドな塩味と旨みの効いたたっぷりのソースと共に、つるんと喉を通る心地良さ。
いつまでもずっと食べていたいと思う美味しさで幸せを感じました。
■黒毛和牛のロースト&秋トリュフ(6200円)
黒毛和牛の部位はシンシン。
マルサラ酒と牛のブロード、ローズマリーの香りを纏った仄かに甘いソース。
そして、ここにも、これでもかっ!と言う程のトリュフが・・・。
お肉の柔らかさや美味しさは言わずもがなです。
トリュフの皿が続いても食材やソースが違うので全く飽きませんね。
■ドルチェ(マスカルポーネ)&コーヒー
ドルチェは3~4種類の選択肢の中から、マスカルポーネをチョイス。
濃厚でフレッシュなマスカルポーネにイタリア産の蜂蜜を掛けただけの超シンプルなデザートです。
敢えてティラミスにはせず、チーズそのもので提供する事の意味が十分理解出来る絶品マスカルポーネでした。
そして、コーヒーはメキシコ産の豆を使ったコクのある美味しいコーヒーでした。
そして、カップも素敵です。
<グラスワイン>
グラスワインは、白、赤、各々3種ほど用意されており、価格は1300円~2000円くらい?
戴いたのは、以下の5種。
どれも、シェフの料理に寄り添う美味しいワインでした。
●N.V. Franciacorta Brut Dosaggio Zero, Andrea Arici(フランチャコルタ ブリュット ドサッジャ ゼロ アンドレ アリチ):1500円
・・・ロンバルディア州のフランチャコルタ
●Chardonnay Marina Cvetic Masciarelli(シャルドネ マリナ ツヴェティッチ マシャレッリ):1800円
・・・アブルッツォ州のシャルドネ
●bressan carat2013(ブレッサン カラット):1900円
・・・フリウリの白(フリウラーノ、マルヴァジーア、ピノ・グリージョ)
●vino nobile di pontepulciano vendemmia 2010(ヴィーノ・ノビレ・モンテプルチャーノ):1300円
・・・トスカーナのサンジョベーゼ
●ceretto barolo 2014(チェレット バローロ):1800円
・・・ピエモンテのネビオーロ
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料理、店の佇まいや雰囲気、シェフのお人柄、全て気に入りました。
自分が求めていた理想のタイプに近い店に出会えたと言う感じで、とても嬉しいです。
笹川シェフの料理は単なる骨太な郷土料理ではなく、細部まで考え抜かれ、緻密で洗練されていています。
そして、カルパッチョやトリッパのように同じ呼称でも、まったく別物の独創的でオリジナリティー溢れる料理を生み出すセンスと才能が素晴らしいです。
しかし、緻密で独創的であっても、凝り過ぎて難しかったり、面倒臭さかったりのところは全くなく、どれも素直に美味しいと感じられるお料理ばかりでした。
会計を済ませ、帰り際、トイレを利用すると、ビートルズやジョン&ヨーコの写真、アントニオ・カルロス・ジョビンのレコードジャケット、開高健の書籍等が並べられていました。
階段脇の壁や店内にも趣のある写真や絵画が飾られていましたが、シェフの趣味が垣間見れた気がして、ちょっとほっこりしました。
そして満席で忙しい中、階段を駆け昇って来られ、ご挨拶戴きました。
その時、「広尾で店を維持して行く事は大変で、毎日が必死です。」と言われておりました。
「こんなに人気店なんだから、そんな事はないだろう」と思いましたが、こうしたシェフの謙虚さや実直で暖かい人柄がこのような素晴らしい料理を生み出し、この店が多くの人達に愛される理由なんだろうと思いました。
良い店に出会い、楽しみがまた1つ増えました。