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kennnyの外食放浪記 since 2009/06
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1回
昼の点数：4.5
2021/08 訪問
釜揚げうどんなら関東ではベストではないだろうか
あまり予備知識なくこちらのお店でうどんをいただいたのだけれど、釜揚げうどんの美味しさには驚きました。関東で食べられる釜揚げうどんでは、多分ベストではないでしょうか。熱々のつけ出汁をまとったしなやかで美しくどこか儚いうどんをすすっていたら、香川の名店ですすった釜揚げうどんの記憶が蘇ってきました。お店があるのはつくば市、といっても筑波大学や最先端の研究施設が並ぶ学研エリアではなく、筑波山麓の旧筑波町北条地区。かつては関東鉄道筑波線の常陸北条駅がありました。バス通り沿いののんびりした古い商店街の一角に、ちょっと落ち着いた古民家カフェのようなこちらのお店があります。なんでも呉服屋さんだった建物をリノベーションされたのだとか。訪れたのは開店早々の10時過ぎでしたが、すでにちらほらお客さんの姿がありました。メニューは「釜揚げうどん」「ざるうどん」のみ、量は小・大・特大・白波を指定できます。麺は標準（太麺）の他に細麺のも指定できるようです（ざるうどんは細麺なるとのこと）。それ以外は白おにぎり100円のみ、天ぷらなどの副菜は一切なし、と潔い。これだけメニューを絞り込んでいるからか、調理から接客までまだ若い白衣の大将がお一人ですべてこなされています。ねじり鉢巻姿の大将は物腰柔らかで、堅苦しい雰囲気はありませんが、どことなく凛とした空気がありますね。釜揚げうどん、小にしようか迷っていると、小だと本当に量が少ないので大をおすすめされ、大を注文。注文が入ってから茹ではじめるので10分ほどかかるとのこと。生姜とおろし器を渡され、好みの分量を自分ですりおろして待ちます。他に突き出し的に昆布、カツオの佃煮。卓上には一味、胡麻、すだち汁があります。おしぼりやお冷、子供用の食器などは中央のテーブルに用意されています。運ばれてきたうどん。おお、美しい。そして、熱々のつけ出汁は大徳利に入っています。大徳利は熱すぎて手で持てないので、徳利の肩にかかっている針金部分を持って猪口に注ぎます。透明感のある熱々の出汁は、風味は純度が高く鮮烈なものの、それが強すぎない絶妙なバランス。濃厚なパンチの効いた出汁とはベクトルが違います。あくまでこれはうどんを美味しく食べさせるためのつけ出汁ですね。そしてそのままでもいくらでも飲めてしまいそうな、お吸い物のような魔力的な味です。そしてうどん。水で締めていない釜揚げなので、きゅっとした食感ではなくふわりとしていて、でも中心部で強すぎない粘りがあります。そして口の中に広がる小麦粉の風味たまりません。このうどんはそのまま食べても美味しいけれど、やはりつけ汁にひたして口に運ぶと数段美味しく感じます。汁は少なめに入れておき、薄まったら一旦飲み干しで、あらためて汁を注ぐと汁の味わいが変わりません。途中から薬味等で味変をというのがお店のおすすめの食べ方のようですが、今回はネギを少し投入しただけで最後まで夢中で食べきってしまいました。感動、というより頭をガンと殴られたような衝撃的な美味しさでしたが、気になってリサーチしたら、こちらの大将は大阪の釜揚げの名店「一忠」のご出身と知って、いろいろ納得しました。一忠のご主人は香川の長田うどんで修行されたそうで、なるほど正統な讃岐の釜揚げスタイルですね。一忠は数年前に閉店されてしまい残念ながら私はおじゃまできなかったのですが、先年お弟子さんのお店「一紀」には行ったっけ。あのお店でもつけ出汁が大徳利で提供されていたように覚えています。その他にも一忠を継いでいる流儀がいろいろと感じられました。都心部からは近くはありませんが、筑波山や笠間あたりへのドライブと合わせて立ち寄るのもよいかと想います。ごちそうさまでした。
釜揚げうどん 大 太
2021/08/28 更新
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あまり予備知識なくこちらのお店でうどんをいただいたのだけれど、釜揚げうどんの美味しさには驚きました。関東で食べられる釜揚げうどんでは、多分ベストではないでしょうか。熱々のつけ出汁をまとったしなやかで美しくどこか儚いうどんをすすっていたら、香川の名店ですすった釜揚げうどんの記憶が蘇ってきました。
お店があるのはつくば市、といっても筑波大学や最先端の研究施設が並ぶ学研エリアではなく、筑波山麓の旧筑波町北条地区。かつては関東鉄道筑波線の常陸北条駅がありました。バス通り沿いののんびりした古い商店街の一角に、ちょっと落ち着いた古民家カフェのようなこちらのお店があります。なんでも呉服屋さんだった建物をリノベーションされたのだとか。訪れたのは開店早々の10時過ぎでしたが、すでにちらほらお客さんの姿がありました。
メニューは「釜揚げうどん」「ざるうどん」のみ、量は小・大・特大・白波を指定できます。麺は標準（太麺）の他に細麺のも指定できるようです（ざるうどんは細麺なるとのこと）。それ以外は白おにぎり100円のみ、天ぷらなどの副菜は一切なし、と潔い。これだけメニューを絞り込んでいるからか、調理から接客までまだ若い白衣の大将がお一人ですべてこなされています。ねじり鉢巻姿の大将は物腰柔らかで、堅苦しい雰囲気はありませんが、どことなく凛とした空気がありますね。
釜揚げうどん、小にしようか迷っていると、小だと本当に量が少ないので大をおすすめされ、大を注文。注文が入ってから茹ではじめるので10分ほどかかるとのこと。生姜とおろし器を渡され、好みの分量を自分ですりおろして待ちます。他に突き出し的に昆布、カツオの佃煮。卓上には一味、胡麻、すだち汁があります。おしぼりやお冷、子供用の食器などは中央のテーブルに用意されています。
運ばれてきたうどん。おお、美しい。そして、熱々のつけ出汁は大徳利に入っています。大徳利は熱すぎて手で持てないので、徳利の肩にかかっている針金部分を持って猪口に注ぎます。透明感のある熱々の出汁は、風味は純度が高く鮮烈なものの、それが強すぎない絶妙なバランス。濃厚なパンチの効いた出汁とはベクトルが違います。あくまでこれはうどんを美味しく食べさせるためのつけ出汁ですね。そしてそのままでもいくらでも飲めてしまいそうな、お吸い物のような魔力的な味です。
そしてうどん。水で締めていない釜揚げなので、きゅっとした食感ではなくふわりとしていて、でも中心部で強すぎない粘りがあります。そして口の中に広がる小麦粉の風味たまりません。このうどんはそのまま食べても美味しいけれど、やはりつけ汁にひたして口に運ぶと数段美味しく感じます。汁は少なめに入れておき、薄まったら一旦飲み干しで、あらためて汁を注ぐと汁の味わいが変わりません。途中から薬味等で味変をというのがお店のおすすめの食べ方のようですが、今回はネギを少し投入しただけで最後まで夢中で食べきってしまいました。
感動、というより頭をガンと殴られたような衝撃的な美味しさでしたが、気になってリサーチしたら、こちらの大将は大阪の釜揚げの名店「一忠」のご出身と知って、いろいろ納得しました。一忠のご主人は香川の長田うどんで修行されたそうで、なるほど正統な讃岐の釜揚げスタイルですね。一忠は数年前に閉店されてしまい残念ながら私はおじゃまできなかったのですが、先年お弟子さんのお店「一紀」には行ったっけ。あのお店でもつけ出汁が大徳利で提供されていたように覚えています。その他にも一忠を継いでいる流儀がいろいろと感じられました。都心部からは近くはありませんが、筑波山や笠間あたりへのドライブと合わせて立ち寄るのもよいかと想います。ごちそうさまでした。