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1位
1回
2010/03訪問 2010/03/14
銀座に誕生した新世代フレンチ。創造性豊かな料理を頂く至幸のひととき。
前回の訪問がなかなか良かったので、再訪の機会を検討しておりました。
時々、お店のホームページを確認していたのですが、1月末頃にホームページを見ると、
ランチ営業を開始するとの掲載がありましたので、早速予約して訪問してみました。
春の陽気に誘われて、やって来たのは銀座3丁目。
暖かな日差しと心地よい風の中、街行く人は誰もが幸せで楽しそうです。
店頭の階段を降り、前回と同様に2つの扉を開けて入店しました。
お店の方に案内されて着席すると、目の前には、店名が刻まれたあのガラスの器に一輪の薔薇の花。
目の前には、壁いっぱいに広がる美しい曲線のオブジェ。この日も優雅で上品なお出迎えの演出です。
ランチタイムだけあって、客層は女性のグループが多く、
その他には、カップルや男性のみのグループの方もいらしたようです。
頂いたのは5000円のコース。口頭で説明を頂きましたので、正式な料理名は不明です。
【飲み物】
「ポール・ジローの葡萄ジュース(PAUL GIRAUD JUS DE RAISIN)」 ※900円です。
コニャックを作る時に使用する葡萄をジュースにしたもので、
濃い金色から薄い金色へと美しいグラデーションを描き、輝いています。
口に含むと、葡萄の上品な甘さと香りに、僅かな炭酸の泡の刺激が広がります。
【アミューズ】
「ホワイトアスパラのロースト カラフルなスナップエンドウ」
円形の透明ガラスの器で登場します。
左下にはホワイトアスパラのローストに、北海道産のウニと、京都産のオクラを添えたもの。
程よく焼けたアスパラの表面は焦げ目が香ばしく、アスパラの甘みとしっとりとした味わい。
ウニのとろみと海の香りに、オクラのねっとり感が加わって、なかなか面白い組み合わせです。
右下もホワイトアスパラ。薄くスライスして、黄色トマトのジュレが添えてあります。
こちらは表面が粘々しており、フォークで口に運ぶ際にもツルンと暴れます。
シャキシャキとした食感に粘々の舌触りは、ちょっと山芋の千切りに似ています。
上にはスナップエンドウ。僅か1センチ程の豆の鞘(さや)に、極小さな沢山の粒。
エンドウ豆、チーズ、マンゴー、マイクロトマトが盛り付けられています。
豆の鞘(さや)のパリパリ感に、それぞれの甘さと酸味が良く合います。
チーズも極僅かな粒なのに、特にインパクトの強い味わいです。
【パン】
「ポワン・エ・リーニュの5種類のパン。」
ポワン・エ・リーニュ(POINT ET LIGNE)の5種類のパンです。
パンは温められており、バターが付いてきます。
左上 「お店のロゴ入りブリオッシュ」 ロゴの部分はコーヒーのような香ばしさ。
左中 「具なしのパン」 小麦粉の風味(?)が際立つ。
左下 「クルミレーズンのパン」 クルミたっぷりで甘め。
右上 「オリーブのパン」 普通のオリーブ入り。
右下 「トウモロコシのパン」 フレッシュなトウモロコシが印象的。
【スープ】
「金美人参のスープ 向日葵の種 エゴマ油の香り」
はすの花を模した模様が刻まれた、面白い形状の器。
底が半球形になったコップ部分は、方向と角度を様々に変える事ができ、
円形に盛り上がったお皿がそれを受け止めます。
スープは一見、コーンのポタージュスープのようですが、人参のスープと説明がありました。
上には向日葵の種に砂糖を絡めたもの。ほんの少しだけエゴマ油が掛けてあります。
口に含むとスープは滑らかな口当たりで、人参の甘さを感じます。
時折、向日葵の種をカリッと噛むと、表面の砂糖の甘さに種の風味が広がります。
【前菜】
「色とりどりの野菜 ホタテのロースト チーズのリゾット」
こちらの料理が運ばれて来た時、少々驚きました。
石のような黒い器で表れたのは、色とりどりの各種野菜。見た事がない野菜も沢山です。
お店の方に説明して頂きましたが、馴染みの無い名前のものが多く、覚え切れませんでした。
覚えている限り紹介させて頂きます。
画像左下から右下へ、ソラマメ風、ホタテのロースト(?)、タラの芽風、サヤインゲン、小さいカブ風、
ナッツに砂糖を絡めたもの、赤と小豆色の珍しいキャベツに乗ったゴルゴンゾーラチーズのリゾット。
画像左上より右上へ、ユリネ風、人参、筍(タケノコ)、西洋っぽいレタス、カリフラワー、
赤いマイクロトマト、ホタテのロースト(?)の2個目、芽キャベツ。
画像左中から真ん中辺りに掛けては、あまり聞いた事の無い和洋の野菜でした。
いずれもロースト(?)だったり、茹でて(?)あったり。
野菜それぞれの甘さや苦味は何れも異なり、僅かな味付けが施されています。
【魚料理】
「メカジキのミキュイ キイチゴのソース」
デザートのように可愛らしい盛り付けのこちらの料理。まさか魚料理とは思いませんでした。
円形の透明ガラスの器に、ピンクの綺麗なソースが敷かれ、その上にメカジキの細切りが2つ。
その向こう側にはチーズと、透明感があり繊維質っぽい野菜(名称失念)が置いてあります。
早速メカジキにナイフを入れてみると、魚ではないようなちょっと変わった感触が手に伝わってきます。
口に含むと僅かに繊維質を感じるのですが、魚と言われなければ気が付かないと思います。
これは面白い食感です。ピンク色のキイチゴのソースで、酸味のある甘い味わいです。
付け合せもやや固めのスポンジのような食感のチーズに、甘酸っぱく味付けした野菜。
それぞれの味も食感も、まるでスイーツのような魚料理です。
【肉料理】
「茨城産ハーブ豚のロースト 葉玉葱 バナナのソース」
魚料理を食べ終わってのんびり談笑していると、大きな肉の塊が運ばれてきました。
黒い器の上には、太もも、もしくは丸太のような巨大な豚肉。
表面はこんがりと焼き目が付いており、裏は骨が付いたまま。
お店の方によって、飼育方法や調理方法などへのこだわりについて、説明がありました。
お話を伺い、こちらの料理に対する期待と興味もますます深まって、さらに待つこと数分。
四角い形状の白い器に、先程の豚肉が薄くスライスされて再登場です。
肉の厚みは4ミリか5ミリ。ピンク色の肉質と、透明感のある脂身の色合いが見事です。
表面には炭塩と、乾燥させたトマト(?)が掛けられています。
左上のゴロンとした茶色の塊は、豚肉の骨の部分。
付け合せには、葉玉葱、シメジ。右下にバナナのソースも付いています。
早速、豚のスライスにナイフを入れると、柔らかな感触が伝わります。
口に含むと半生状の肉質はふわふわで、炭塩の僅かな塩分が味を引き締めます。
骨の部分は手に持ってかじり付くと、スライスの部分よりも肉の味が濃く、
しっかり焼けてパリパリになった部分や、とろみのある部分など、いくつもの味わいが広がります。
葉玉葱は程よく火が通って、玉葱の甘さを楽しめます。
バナナのソースはペースト状で、ねっとりとした味わいの中にバナナの風味を感じます。
スライスした豚肉を上品に頂いたり、ワイルドに骨にかじり付いたりと、なかなか楽しい一品です。
【デザート】
「皮むきトマト香草の香り チーズのシャーベットとルッコラ」
不思議な組み合わせの透明ガラスの器。
上は半円球の底状で、真っ赤なトマトに透明なスープと何かのオイルも入っています。
側面に目を移すと、よく冷えてややくもり掛かったガラス中には、白いチーズのアイス。
添えてあるのはスライスしたナッツに、ちょっと多めのルッコラです。
まずはトマトから頂くと、トマトは皮が剥いてあり、スッとナイフが通ります。
トマト自体には(たぶん)味付けはされておらず、
やや甘みのあるスープと共に頂くと、ほんのりハーブのような香りもします。
チーズのアイスは程よい柔らかさになっており、口に含むとヨーグルトのような風味です。
【小菓子】
「コーヒーのエスプーマ チョコレート葡萄とタピオカのビネガー」
薄茶色のムースのようなものは、コーヒー(?)のエスプーマ。
表面には葡萄をチョコレートでコーティングしたものが乗っています。
下のピンク色の部分は、ビネガーで味付けしたタピオカが入っています。
スプーンですくって頂くと、極小の泡のクリームはとても滑らかで、コーヒーの香り。
チョコのコーティングをカリッと割って葡萄を食べると、葡萄の甘みにチョコの香ばしさ。
程よい酸味のタピオカの粒が、締めの爽やかさを演出しています。
【食後の飲み物】
紅茶です。レモンかミルクが付いてきます。
【小菓子】
フィナンシェ、ブラックオリーブの塩クッキー、小さなキャラメルです。
フィナンシェは、中までしっとりとしており、表面の香ばしさにねっとりとした味わいが広がります。
クッキーは、とても香ばしい味わいで、表面の塩が口の中をキュッと引き締めてくれます。
キャラメルは、ほんの1センチ四方なのに濃い味わい。キャラメルの風味をしっかりと感じます。
美しい壁のオブジェと、丁寧なサービスが生み出す清らかな空間は、とても穏やか。
緩やかに流れる刻(とき)に身を委ね、幾重にも続く可憐な料理の数々を味わうと、
終盤のデザートを頂く頃には、この幸せが永遠に続いて欲しいと願う事になりました。
最後に、参考までにどの位の時間が掛かったのかお知らせ致します。
13:00ごろ 入店
13:15より アミューズ
13:30より スープ、前菜
14:10より 魚料理、肉料理
15:10より デザート、食後の飲み物、小菓子×2皿
16:00ごろ 終了
計 約3.0時間
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2009年12月のディナータイムに訪問した際のレビューは、コメント欄に移動しました。
2位
1回
2010/04訪問 2010/05/01
西新宿のフレンチ。ハイアットリージェンシーでトロワグロの精髄を堪能。
前回の訪問の際、店内の雰囲気と、窓から見える景色が非常に良かったので、再訪してみました。
春の爽やかな日差しの下、やって来たのは西新宿。大都会の巨大ビル郡の真っ只中です。
前回と同様に都営大江戸線の都庁前駅で降り、歩くこと数分。
お店の方に名前を告げ、着席したのは、店内に入ってすぐの丸テーブル席。
大きな窓のすぐそばで、目の前には外の景色が良く見えます。
特に指定した訳ではありませんが、ちょうど景色の良い席に案内して頂けました。
実を言うと、この日はこの景色を楽しみに、このお店を訪れたのです。
先述の通りこの地域は巨大ビルが沢山並んでおりますが、
4月下旬ともなると、お店の窓から見える景色は緑でいっぱい。
お店の横の緑地帯には、ツツジの淡いピンク色の花も咲いています。
その向こうの立ち並ぶ街路樹。遠くに見える新宿中央公園に生える木々は森のよう。
新緑の枝や葉は春風になびき、太陽の光でキラキラと輝いています。
何と、爽やかで気持ちの良い光景なのでしょう!
入店早々、「ここに来て良かった。夏の暑い季節にも訪問してみたい。」という気分になりました。
さて、目の前の円卓には、白のクロスに、やや渋めの銀色の器、
ERCUIS(エルキューイ)のナイフとフォーク、ワイングラスと水飲みグラスが準備されています。
店内は、奥の方はわかりませんが、見える範囲は既に満席。
振返ればガラスの壁越しにキッチンの中が見え、多くの料理人の方達が働く様子を見る事ができます。
客層は30代から40代。落ち着いた雰囲気の方たちが多いようです。
頂いたのは「CHEMINS TRACES...案内のある旅」、5300円のコースです。
【飲み物】
「ラフランス」 ※900円です。
ソフトドリンクです。丸ごとのラフランスをミキサーにかけた時のようなトロトロです。
梨の中でもラフランスは特に上品な甘みと香りですが、味わいをそのまま残した美味しさです。
ラフランスはフランスでもラフランスと言うのだろうか?と、ふと考えてしまいました。
【アミューズ】
「プチトマトのキャラメリゼ(正式名称は不明)」
透明なガラスの器に入った2つの揚げ饅頭風のもの。
綺麗な茶色で、白ゴマが振られています。長い竹串が刺さっており、下には氷水。
一口でパクッと頂くと、中からトマトが現れて、爽やかな甘酸っぱさが広がります。
【アミューズ】
「リンゴのサブレ(正式名称は不明)」
下はクッキーかサブレのようなもので、やや塩分を感じます。
意外と崩れやすいので、気を付けて持ちましょう。
上にはスライスしたリンゴ。爽やかな食感と香りです。
透けて見える緑色はホウレンソウのペーストですが、自己主張は控えめです。
「クスクスと玄米(正式名称は不明)」
たぶん外側の粒々が玄米で、中がクスクス。
外の粒々はサクサク、中はしっとりでフワッとした食感です。
上に柑橘系のフルーツを小さく刻んだものが乗っています。
【アミューズ】
「3種の貝のスープ(正式名称は不明)」
あさり(?)、ツブ貝、何かの小さな貝柱。下にはトマトのピューレが敷いてあり、
上には香草をすりおろした物が添えられています。お店の方により、後から白いスープが注がれます。
それぞれの貝に、トマトの酸味と香草の香りに、塩分控えめのスープの味がよく合います。
【前菜】
「サーモンのタルタルとアスパラガス ハーブのラッシー」
お花のように可愛らしい料理です。
白く大きな円形の器で登場のすると、ふわっとミントの爽やかな香りがしてきます。
中心部分に鮮やかなオレンジ色のサーモンと、ピンクグレープフルーツ、
グリーンアスパラが、それぞれ小さく刻まれて盛り付けられています。
周辺には卵の黄身が散りばめられ、器の端には、グリーンアスパラの薄切りが3枚飾られています。
早速口に含むと最初に広がるのは、ねっとりとしたサーモンの脂の旨みとアスパラの繊維質。
プチンと弾けたピンクグレープフルーツの粒々から、爽やかな甘酸っぱさが追加されます。
アスパラの薄切りは生のような味わい。パリパリとした食感で、青い香りが心地よく感じます。
【お口直し?】
「豆腐 トリュフ風味の赤ワインソース(正式名称は不明)」
数ミリの薄さの白いゼリー状のものが、白の四角い器に乗って登場です。
真ん中の部分はやや盛り上がっており、目玉焼きのような形状です。
頂上部分は少々切込みが入れられて、中のソースのようなものが見えています。
ナイフを入れると確かに豆腐のように軽い切れ心地。
口に含むと、ツルッとした舌触りで、咀嚼するまでもなく崩れ行きます。
濃紺のソースは赤ワイン。トロッとした味わいにトリュフの香り。
豆腐の下にたっぷりと置かれたマスカルポーネチーズが、コクと旨さを追加しています。
【肉料理】
「香ばしい木の香りの仔羊 アプリコットのクルスティアン クミンとリコッタ」
肉料理が登場する前に、透明な紫色のラギオールのナイフが準備されます。
まだ殆ど傷が無く、刃の部分に店名が刻まれ、簡略化された蜂の紋章が面白いです。
あまりの格好よさに、私も連れの者も一目で気に入りました。
先日のお店に引き続き、またナイフの話題で盛り上がっていると、
やって来たのは、白く大きな丸い器に乗った見事な仔羊肉。葡萄の枝で焼き上げたとの事です。
2つのブロックに分かれた羊肉は、表面は薄茶色に焦げ目が付いて、内側は美しいピンク色。
少し見ただけで、しっとりでふわっと仕上がっているのが判ります。
大きな方の羊肉のブロックからは、一本の骨が天に向かって力強くそそり立っています。
付け合せには、不思議な縞々の三角形が2つと、薄茶色の春巻き風の三角形。
エシャロット(だったような)のピューレ状のソースと、岩塩と黒胡椒も添えてあります。
まずは仔羊に先程のナイフを入れると、やはり良い焼き加減。
口に含むとフワッフワッと柔らかな食感で、しっとりとした肉の舌触り。
羊の香りはかなり控えめで、苦手な方にも食べやすいでしょう。
肉自体はかなり薄めの味付け。添えてある塩と胡椒を付けるとキリッと引き締まった味わいです。
時折、ふわっと燻製のような香り。仔羊この香りが良く合うなと感じます。
ソースはフルーツのように甘く、少々の渋み。肉だけでなくパンに付けても美味しく頂けます。
付け合せの不思議な縞々三角形は、トマトと不明(紫色のもの。名前がわかりません)。
酸味のあるさっぱりとした味付けで、肉を食べた後のお口直しに最適です。
春巻き風の三角形は、極薄い衣が三角に折り畳んで揚げられており、
中にはチーズと刻んだ赤黄のパプリカが入っています。
可愛らしい見た目からして、デザートのようなお楽しみ感です。
【アヴァンデセール】
「パイナップルのシャーベット ココナッツのアイス(正式名称は不明)」
面白い形状の小さなガラスの器に、数ミリ大のサイの目状に刻んだパイナップルと少量のキャラメル。
その上にシャーベットとアイスが乗せられています。
【グランデセール】
「イチゴのマリネの軽いミルフィーユ シトロネルのグラス」
イチゴのデザートが好きなので、どんなものが出て来るのだろうと楽しみにしていると、
現れたのは期待通りの見た目がとても可愛らしい一品。
上にはミルフィーユの二枚の生地。生地の間に丸く小さなバニラクリームが沢山絞られています。
下は刻んだイチゴをゼリー寄せにしたもの。半透明の赤いゼリーがとても綺麗です。
横にアイスも添えられており、ずっと見ていたくなるような可愛らしさです。
こんなに可愛らしいのに食べるのが勿体無いと思いながら、
早速、生地にフォークを入れると、パリッパリッと心地良く崩れます。
クリームと合わせて頂くと甘さは控えめで、イチゴのゼリーはプルンプルンとした食感。
アイスは既に食べ頃の柔らかさ。スッとスプーンが入ります。
口に含むとミルクの風味にレモングラスの爽やかな香り。
ミルフィーユ、アイス共に、もっと食べたくなるようなさっぱりとした味わいです。
【食後の飲み物】
紅茶です。
【小菓子】
可愛らしい小さなお菓子が、細長く透明なガラスの器に乗って現れました。
5種類のお菓子が1人1個ずつ、合計10個。いずれも名称は不明です。
「ややミッキー型。茶色のフワフワ。」
上はココアクリーム風とコーヒークリーム風の2層構造。ムースのようなフワフワの食感です。
下はクッキー風。サクサクの食感です。
「ゆがんだドーナツ型。砂糖をまぶしたもの。」
サクサクの食感で、油で香ばしく揚げてあります。
「白のサイコロ型。金箔に南国の海の色。」
マシュマロです。南国の海の色のような緑色が綺麗です。金箔が乗っています。
「黄色の金鍔(きんつば)風。上にクリーム2つ。」
黄色の部分はパリパリで、中の茶色は羊羹(ようかん)風の食感です。
「やや雪ダルマ型。茶緑色の焼き菓子。」
下はしっとりとしたフィナンシェ風。上はサクランボの洋酒漬け風です。
この日は天候も良く、新緑の景色を楽しみながら、
ゆったりとした時間の中で食事を楽しむ事ができました。
フランス人(?)の方がサービスを担当して下さいましたので、
帰宅時に、NHKで覚えた拙いフランス語で一言二言ほど挨拶させて頂きました。
しばらくしたら、また訪問してみようと思います。
前回の訪問は総合評価4.0にしましたが、今回は4.5にしました。
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2010年2月に訪問した際のレビューは、コメント欄に移動しました。
3位
1回
2010/04訪問 2015/03/27
南青山の大人気フレンチ。流行の最先端の街で堪能するアンソロジー(詩華集)。
昨年のオープン当初に偶然お店のホームページを発見し、
お店の存在は知っていたのですが、訪問は今回が初めてです。
変わった食材を提供すると聞いていたので、長らく訪問を見合わせておりましたが、
ちょっと気が変わったので、ディナータイムに訪問してみる事にしました。
場所は、東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩10分。
駅からお店までの道のりは少々複雑ですが、私は方向感覚が良いのか迷わず辿り着きました。
概観はマンション風。住宅街にある白い壁の建物で、隣は公園。
看板は控えめで、入り口もどこにあるのかわかり難いです。
本当にこんな所が大人気のフランス料理店なのかと悩んでしまいますが、
逆にそれが隠れ家風の良い雰囲気を出しています。
店内は控えめな照明で、テーブルは大きめ、テーブルの間隔も広め。
シンプルで近代的な内装で、壁にはお店のロゴマークが散りばめてあります。
場所柄、客層は20代くらいの女性ばかりなのではと勝手に想像していたのですが、
この日は30代から40代くらいの落ち着いた雰囲気の方が多かったような気がします。
料理は税込み10500円。
メニューはなく、何れの料理も口頭で説明して頂きましたので、正式な料理名は不明です。
【飲み物】
「ポールジロー(Paul GIRAUD)のグレープジュース(JUS de RAISIN)」 ※1050円。
微炭酸で葡萄の甘みが良いソフトドリンク。グラスの底から沸き立つ泡が綺麗です。
「スルジーヴァ(Surgiva)」 ※840円(2人分)。
イタリアのミネラルウオーターです。
【アミューズ】
「桜海老」
美しいオレンジ色の一口大のもの。
テーブルに置かれた瞬間から、海老の香ばしい香りがしてきます。
二枚のチップ状の間に、クリームとキャビアが置いてありますので、
チップで挟むように掴んで食べましょう。
チップはパリパリしたものを想像していたのですが、口に含むと意外にしっとりとした柔らかさ。
やや強めの塩分で、海老が非常に香ばしい味わいです。
チップの塩分が強めなのでキャビアをあまり感じませんでした。
【アミューズ】
「グリーンオリーブ」
3センチか4センチ四方の立方体のこちらの料理。
不思議な形状のガラスの器に乗っており、オリーブの良い香りが漂っています
フォークを入れるとスポンジケーキのようなフワッとした手応えの柔らかさ。
中は意外と暖かくしっとりとした感触。フワフワの優しい食感で、オリーブの香りが心地よい一品です。
【パン】
3種類のパンが出てきます。バターが付いています。
パン1 円形のパンです。上面に星のような模様が付いています。
パン2 干し葡萄とくるみの入ったパンです。オレンジピールも入っています。
パン3 ブリオッシュのようなパンです。画像はありません。
バター フランスのバター。ミルクの香りが良く、やや酸味を感じます。
【前菜】
「ホワイトアスパラ」
白の円形の器です。中央のくぼみ部分が少々歪んでいます。
器の中央にはホワイトアスパラのムース。その向こうの細長いのも、たぶんアスパラ。
左側はホワイトアスパラのキンピラ風。白くて薄いものは春トリュフ。合計5枚か6枚乗っています。
ムースは生クリームのように沢山空気を含んでおり、滑らかで優しい口当たり。
表面に振りかけられた少々の塩分が、味わいをキュッと引き締めます。
細長いアスパラは、皮一枚を乾燥させたような、ペラペラの薄さ。
パリッとした食感で甘みが非常に良く、アスパラの香りもしっかり感じます。
キンピラ風はシャキシャキとした食感で、酸味のある味付け。
春トリュフは香りはそれほど強くはありませんが、キンピラ風と合わせて食べると良いでしょう。
【前菜】
「フォアグラとメレンゲ」
半透明の茶色のガラスの器。器の上には、ベージュ色の角状の渦巻きが3つ。
2つは立てて、1つは横に転がして配置されています。
この時点では、まだフォアグラは置かれていません。
渦巻きはメレンゲで作ったもの。中にはナッツが入っています。
白い粉上のものはナッツを砕いたもので、粉雪のような美しさ。
お店の方により、後からフォアグラが器の上に置かれると、
早速、焼けたフォアグラの香ばしい香りが漂ってきます。
なかなかの厚みのフォアグラで、表面は茶色の良い焼き色が付いており、
内側はやや赤みの残る色に仕上げられています。
まずはフォアグラにナイフを入れると、表面はパリッと割れて、
内側の柔らかな部分から美味しそうな油が湧き出てきます。
口に含むと濃厚な油にフォアグラ独特の癖が少々。やや強めの塩分が美味しさを引き立てます。
メレンゲは、強めに摘むと崩れてしまう程の繊細さ。
不用意に先端部分を摘んだ所、ボロっと崩れてしまいます。
卵を持つ時よりもさらに慎重な力加減でメレンゲを持ち、
口に含むとサックリとした心地よい食感に、砂糖(?)の程よい甘み。
咀嚼するまでもなく口の中であっという間に溶け去って、中から現れたナッツのサクサクが残ります。
フォアグラをそのまま頂いても十分美味しいのですが、メレンゲと合わせて同時に頂くと、
フォアグラの濃厚な油と少々の癖がメレンゲの甘さで中和されると共に、
ナッツの旨みも加わって、また違った味わいのフォアグラを楽しめます。
フォアグラの手前にある小さな白い粒は、酸味のあるナッツっぽいもの。
濃厚なフォアグラを堪能した後の、お口直しに丁度良い味わいです。
【魚料理】
「真鯛」
硯(すずり)のような黒く美しい石で作られた器に乗った、結構な大きさの真鯛。
こんなに大きなサイズで登場するとは思っていなかったので、少々驚きです。
皮は良い色に焼かれており、身は表面は火が通っていますが、内側は生に近い状態です。
ソースはエシャロットで作ったもの。付け合せはカリフラワー。
早速、真鯛から頂くと、身の表面はしっとりとした味わいで、中心部分は生の甘み。
塩分は少々控えめですが、ソースに含まれるバターの香りが旨さを引き立てます。
上手に焼かれた皮の部分は、極薄いのになかなか弾力のある噛み応え。
咀嚼の度に旨みが増して、香ばしさも非常に良く、見事な味わいです。
カリフラワーは、普段食べるようなしっかり茹でてあるものとは違い、生のような味わい。
極薄くパリパリとした食感で、野菜の青い香りを感じます。
【肉料理】
「鴨肉のロースト」
肉料理が登場する前に、ラギオールのナイフが準備されます。
その他、数種類のカラフルなナイフを見せて頂き、好みの色のものを選ばせて頂きました。
ナイフの話題で盛り上がっていると、登場したのはかなりの大きさの鴨肉。
とても細長い形状で、15センチ以上あったのではないかと思います。
その向こう側にやや小さめの鴨肉が添えてあり、ソースはコンソメだったような気がします。
鴨肉は皮がパリパリで、身もしっとりとした噛み心地。
咀嚼のたびに皮の香ばしさが広がり、徐々に崩れ行く身の繊維から鴨の旨みが出てきます。
皮と身の間の白い脂の部分はトロトロで、脂の甘みが良く出ています。
やや小さめの鴨肉は幾分柔らかで優しい噛み応え。もちろんこちらも良い味です。
付け合せの野菜は数種類あったのですが、ナイフに気を取られ過ぎて、
お店の方に説明して頂くのをすっかり忘れてしまいました。
ゼンマイ風、ホワイトアスパラの薄切り風、タラの芽風、
極細ネギ風のものが添えてありましたが、野菜の名前は不明です。
【肉料理】
「鴨もも肉のコンフィ」
肉の大きさは10センチ弱くらい。良い色に仕上がっています。
赤ワインソース、何かのピューレが添えられて、
数枚のオクサリス(オキザリス。クローバー風の葉)で飾られています。
コンフィは、ナイフを入れると皮がパリッと割れて、身はしっかりと火が通っています。
口に含むとパリパリの皮の食感に、ギュッと詰まった身の旨み。
赤ワインソースのコクが、鴨に濃厚な旨みを追加してくれます。
ピューレは少々セロリの香り。オクサリスは僅かに酸味を感じます。
【デザート】
「ココナッツとマンゴー」
中央にボッカリ穴の開いた不思議な形状のガラスの器で登場します。
穴の底にはココナッツのプリン風。その上にスライスしたマンゴー。
粉上のものはミルクのシャーベット。僅かな大きさの緑の葉が2つ乗っています。
ココナッツは香りは控えめで、マンゴーは極薄くやや青みの残る香りです。
【デザート】
「チョコレートのオムレツ」
円形の白い器に10センチほどの黒い不思議な物体が乗っています。
コーヒーの泡のソースと白いクリームが添えてあります。
スプーンで割ってみると、中からトロトロに溶けたチョコレートが現れます。
口に含むとオムレツは温かく、チョコレート生地のような味わい。
生地と中のチョコ共に甘さは控えめですが、しっかりとチョコのコクを感じます。
【小菓子】
「イチゴのパートドフリュイ」
こちらもガラスの器です。イチゴが2つ(2人分)置いてあります。
イチゴの表面はゼリーで覆われており、下の部分は砂糖が付けられています。
テーブルに落ちたイチゴの影2つがとても不思議に感じます。
食べ終わった後は、器の上にヘタと少量の砂糖を置き、影を作って楽しみました。
【食後の飲み物】
紅茶です。
帰宅の際には、お店の前でシェフにご挨拶させて頂きました。
場所は少々分かり難いですが、料理も雰囲気も非常に良く、
お値段の割にはとても楽しめました。特にフォアグラが良かったです。
もちろんまた訪問してみようと思います。
4位
1回
2010/11訪問 2010/11/05
秋晴れの休日。青く澄んだ東京の空には、雲ひとつありません。
こんな気持ちの良い日のランチには、このお店が良く似合います。
場所は銀座4丁目。
東京メトロ日比谷線の東銀座駅のすぐ目の前にある、PIAS銀座の12階です。
エレベータに乗り12階まで上ると、その先に広がるのは天井が高く開放感のある店内。
窓が大きくとられており、窓から差し込む太陽の光がとても優しく気持ち良い。
やはり今日、このお店を選んでよかったと、入店早々に感じます。
お店の方に案内されて着席すると、壁のオブジェが良く見えるテーブル席。
出迎えてくれるのは、ベルナルドの器とクリストフルのカトラリー。
久しぶりのフレンチにこころも躍ります。
頂いたのは、「Menu Confection(4800円のコース)」です。
【飲み物】
「ジンジャーエール(1000円位)」
「グレープフルーツジュース(1000円位)」
【アミューズ】
「野菜のタルトとチーズのグジェール(正式名称は不明)」
タテルヨシノの定番アミューズ。
こちらのお店に来る前から、最初はこれを食べる事を期待してしまいます。
グジェールは、とても軽い口当たり。ふわっとした食感でチーズの香りが良く、
このお店にまた来る事ができたんだと、改めて感じます。
野菜のタルトは、小さいながら見事な色使い。
わずか3センチ程のタルトの上に、赤白緑の野菜が乗っています。
親指と人差し指でそっと摘んで口に運ぶと、
こんな小さなサイズなのにそれぞれの野菜の風味をしっかりと感じます。
このわずかなサイズの2品を食べる事によって、普段使われていない五感が刺激され、
この後に出てくる料理を味わうための、心と体の準備が整う、そんな感じがいたします。
【アミューズ】
「鯖(正式名称は不明)」
数枚のパイ生地に、鯖の切り身を並べて少々焼いたようなもの。
その上には数種の香草とパルメザンチーズ。
周囲に散りばめられた香辛料が、色合いに華やかさを加えます。
早速ナイフを入れると、鯖の表面は軽く火が通っており、
しっとりとした鯖の旨みと食感に、パリパリとした香ばしいパイ生地の風味が良く会います。
鯖なので独特な風味をほのかに感じるのですが、
香草やパルメザンチーズと合わせると、奥深い味わいに感じます。
小骨は感じないので安心して食べられます。
【パン】
「バゲット」
直径3センチ位のかなり細めのバゲットです。
「フォカッチャ」
少々塩分濃い目。油の香ばしさとバジルの香りが楽しめます。
「ライ麦パン」
結構お気に入り。弾力が強く、ライ麦も香ばしく感じます。
「バター」
クリストフルの器に入ってきます。
【前菜】
「仔ヤギのカルパッチョ」
仔ヤギを食べるのは初めてです。
メニューに記載されているのを見て、思わず注文してしまいました。
透明なガラスの器に乗って現れた、仔ヤギのカルパッチョ。
薄切りの仔ヤギは、直径5センチから6センチほどの円形状。
器の上に12枚位が並べられ、その周囲に緑のペースト。
上には数種の野菜に、スライスしたチーズとニンニクチップが乗っています。
まずは仔ヤギから頂くと、周辺の白い部分はやや弾力があり、
内側の赤身の部分は程よい柔らかさ。仔羊にも似た少々野性的な風味と、
ほんのりした味付けで、チーズや野菜にも良く会います。
仔ヤギの独特な風味を苦手に感じた方は、
ニンニク風味の緑のペーストと一緒に食べると良いかもしれません。
【肉料理】
「子羊のロースト クルミのペルシヤード風」
子羊に、クルミと○○(失念)を塗って焼き上げたもの。
外側は綺麗なキツネ色に焼かれ、内側も見事なピンク色。
肉の繊維の色合いを見るだけで、柔らかく仕上がっていそうだなと感じます。
早速ナイフを入れてみると、やはり見事な焼き加減。
それほど力を入れなくとも、スッとナイフが通ります。
まずは脂の部分から頂くと、とろけるような脂の旨みに、ほんのりと癖のある仔羊の香り。
クルミのシャリシャリとした食感も感じます。
脂身と比べると、赤身の部分は大人しい味わい。しっとりとした優しい味と食感です。
荒く砕いた黒胡椒の粒を噛む度に、ビリッと刺激が沸き立って、肉の旨さを引き立てます。
一番美味しいのは骨の部分。骨を手に持ち、かぶり付くと、
ナイフとフォークを使って上品に食べていた時よりも、
ますます美味しく、よりいっそう楽しく感じるから不思議です。
付け合せは、カリフラワー、仔羊の脂の部分、不明1、カブ、不明2、ニンニクです。
「フランス産仔鴨のロティ 旬の果実のキャラメリゼ」
連れが注文したものです。
鴨の肉と皮の間にフォアグラを詰めて焼いたもの。ソースの照りが見事です。
付け合せは数種のフルーツ。
私は頂いていませんので味はわかりませんが、
とても美味しそうだったので、正直言って食べたかったです。
【デザート】
「マロンのエクラゼに軽やかなメレンゲを添えて」
ガラスの器でやってきますが、一目見ただけでは、どれがマロンなのかわかりません。
実は、中央付近に置いてある、3つのフワフワした綿のようなものがマロンです。
その奥に、円筒状に焼いたメレンゲとクリームで作ったもの。
アイスとナッツも、砕いたピスタチオも添えられています。
まずはマロンから頂くと、しっとりとなめらかな舌触り。
よく見かけるモンブランにも糸状のマロンクリームが乗っていますが、
それをさらに上品かつ繊細にしたような食感です。
味わいは、もちろんほんのりとしたマロンの風味。
メレンゲは、ナイフを入れるとサクサクと心地良い音。
やや緩めに仕上げられたクリームとともに頂くと、
優しい甘さを残して口の中でスッと溶け、儚く消え行きます。
さて、お楽しみはまだ続きます。
デザートと一緒に提供された、小さいガラスの器に入っている
ウイスキーボンボンをガリッと割って、デザートの上に注ぐと、
アルコールの風味も加わって、一気に大人の味わいに変化します。
ちなみにアイスはシナモン風味です。
【小菓子】
「キャラメルのマカロン」
しっとりしたメレンゲに、とろけるようなクリーム。
やはりキャラメル味のマカロンは美味しいです。
「リュバーブのマカロン」
こちらもしっとりしたメレンゲに、とろけるようなクリーム。
ほんのりと、リュバーブの酸味を感じます。
「オレンジリキュール?風味のチョコレート」
口に含んだ瞬間にフワッと感じる、爽やかな柑橘系の風味です。
「ナッツ入りのチョコレート2つ」
味は普通です。
いずれも甘さは控えめです。
【食後の飲み物】
「紅茶」
やはりこちらは良いレストランです。
今回も期待を裏切る事なく、楽しませて頂きました。
もちろん、また訪問してみようと思います。
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以下は、2009年8月に訪問した際のレビューです。
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2009年8月のある日、銀座でランチでもと言う事になり、
以前から気になっていたこちらのお店に行く事にしました。
吉野氏のお店に伺うのはこれが始めてです。芝、汐留も訪れた事はありません。
場所は銀座駅から徒歩2分。東銀座駅からなら徒歩1分。
昨年完成したばかりのPIAS GINZAの12階です。
客層は30代から50代の女性が多く、銀座だけに品のある方ばかりです。
テーブルの間隔は広く、連れとの会話も安心して楽しめます。
内装はモダンで、興味を引く装飾品が多く、見ていて飽きません。
天井が高く、とても開放感があります。
窓側の席なら、空が良く見え、晴海通りを見下ろす事ができます。
たとえ奥まった席に案内されたとしても、壁に吊るされた大型のオブジェや、
らせん状(?)で不思議な形状の照明が良く見え、視界に飽きる事はなさそうです。
ただし、これは意見が分かれる所かも知れません。
総じて居心地の良い店内。この後の料理に期待が高まります。
メニューを決めると、サービスの方からメニューのコピーを頂きました。
頂いたのは4800円のコースです。
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★2009/11/16
過去の画像を整理していた所、未投稿の画像が見つかりましたので、投稿する事にしました。
今回新たに投稿したのは、下記の3点です。
「3種類のパン(追加分)」 画像1枚
「本日のスペシャリテ(ウズラとフォアグラのパイ包み(正式名称は不明))」 画像2枚
また、この3点の画像についてのレビューも追記しました。
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【パン】 ★2009/11/16追記
両端の尖った細長いパンと、バターです。
食べ終わると、追加のパンを頂く事ができ、下記の3種類のパンが選択可能です。
・両端の尖った細長いパン(最初に頂いた物と同じ)
・丸みを帯びたパン
・長方形のパン
【アミューズ1】
チーズのシューと野菜のタルト状のもの(正式名称は不明)。
画像はチーズのシューを1つ頂いた後のものです。
チーズのシューを頂くと、チーズの香りがとても良いです。
【アミューズ2】
鰯(?)とナスのミルフィーユ状のもの(正式名称は不明)。
サイズは小さいですが、侮れない味です。
まだアミューズにもかかわらず、この時点でかなりの満足感です。
【前菜】
「人参をまとったフォワグラのフォンダン トリュフ風味」
たぶんフォアグラの合間の黒い3本線が、薄くスライスした黒トリュフです。
※違っていたらご指摘下さい。
イチジクのジャムのような物が添えられています。
また、赤ワインのソースが器の左から上にかけてに塗られており、
香草の花びらがいくつも散りばめられています。見た目がとても美しい一品です。
フォアグラのみで食べたり、ジャムやソースに付けて食べたりと、いくつもの味を楽しめます。
もちろん、花びらと合わせ、香草の香りを感じながら食べても面白いです。
【メイン】
「仔鴨のロティ エピス風味」
鴨は、なかなかの大きさです。
画像ではわかりにくいですが、鴨の皮と身の間に、フォアグラが詰め込まれています。
付け合せは、桃、茸、香草などです。
程よい鴨肉の弾力に甘めのソースが良く合い、噛み締めるたびに鴨の旨味が広がります。
好みにより塩・胡椒を追加し、味を変えてみても美味いです。
「本日のスペシャリテ(ウズラとフォアグラのパイ包み(正式名称は不明))」 ★2009/11/16追記
連れが頼んだものです。
メニューを決める際に、お店の方から本日のスペシャリテを紹介され、
「フォアグラ好き、かつ、パイ包み好き」の連れの者は、迷わずこれを選択していました。
テーブルにこちらの料理が置かれると、まず、その形状に驚きます。
円柱状のその姿は、直径およそ6センチ、高さおよそ8センチ。
180ccのコップ位のサイズで、何か圧倒的なものを感じます。
外側はパイで包まれ、中には鶉の肉がぎっしりと詰まっています。
さらにその中に、フォアグラまでもが詰まっています。
ソースは葡萄のソースだったような気がします。
さすがにこの量は多すぎなのでは思ったのですが、
とても美味しかったようで、残さず全て平らげていました。
ウズラとフォアグラをこころ行くまで堪能した連れの者は、
以降、すっかりウズラのファンになってしまいました。
【デザート】
「アプリコットのタタンにラベンダーの香りを添えて」
画像の茶色いジャム状のもの2つが、アプリコットのタタン。
2種類のアイスが添えられています。
手前のソースはカラメル(?)です。
器の奥側に、ピスタチオ(?)の刻んだ物と、ラベンダーのつぼみ(?)が散りばめられています。
木の枝の用な細長い物はバニラ(?)です。
【紅茶と小菓子】
画像は二人分のもので、マカロン、チョコレート、ウイスキーボンボン状のものです。
洋菓子でありながら、日本庭園を彷彿させる美しい盛り付けです。
漆黒の器に映りこむ空の色は、季節や時刻によってさまざまな色に変わるでしょう。
偶然の賜物か、緻密に計算された物なのか。いずれにしても、食べてしまうのが惜しいです。
黄色のマカロンは、中にレモン(?)のクリームとジャムのようなものが挟んであります。
口に含むと、メレンゲの生地と共に三位一体となりふわっと溶け、レモンの爽やかな香りが広がります。
これまで、マカロンを食べて美味しいと思った事がありませんでしたが、
こちらのお店のレモン(?)のマカロンは相当美味しかったです。
最初の料理から最後の小菓子まで、全て美味しく頂く事ができました。
銀座駅から程近く、この味と雰囲気を4800円で楽しめるのなら満足度は高いです。
今回は星4.5としますが、鴨と飲み物がもう少し良い物であったら、星5つにしたい所です。
5位
1回
2010/11訪問 2010/11/24
青空の気持ちの良い休日に、3度目の訪問です。
ランチタイムに訪問するのは初めてです。11階のカウンター席に案内されました。
この日の客層は、見える範囲内ではほぼ女性。男性は僅かに2人か3人です。
頂いたのは、「Menu de Confiance(2890円のコース)」です。
【パン】
パンとバターです。
料理の味は、過去のレビューをご参考下さい。
【アミューズ】
「生ウニの貴婦人風(+980円)」
ウニの殻ではなく、ガラスの器に入っていました。
殻に入っていた方が雰囲気が出るのにな・・・と思いますが、色々事情があるのでしょう。
料理の味は、過去のレビューをご参考下さい。
【前菜】
「フランス産 ウズラの冷製バロティーヌ
二層になった栗のムースとフォワグラのピューレ添え」
横長の四角い器でやってきます。その上に2つの器。
左の器はウズラのバロティーヌ。円筒状に包まれた後、スライスされたものが3つです。
手前は何かのジュレで、粒状の綺麗な色合い。奥は数種の香草です。
まずはウズラをそのまま頂くと、生ハムのようにしっとりとした食感。
柔らかくて食べやすく、口の中で味わっていると、
肉が温まるにつれて、旨みが徐々に湧き出します。
ジュレ、ムース、ピューレを付けなくとも、このままで十分美味しいです。
右の器は栗のムースとフォワグラのピューレ。
ウズラと共に頂くと、ウズラの肉に甘みが加わってなかなか良い味。
どちらかと言うとウズラに付けて食べるより、パンに付けて食べる方がお気に入りです。
【前菜】
「山梨県産 無農薬野菜達 28-30種の盛り合わせ」
器の上に並んでいた野菜は、下記のもの(画像と同じ順。多少失念および不明)です。
キュウリ+インゲン豆、レンコン、豆風、ジャガイモ風、不明、カボチャ風、豆風、ベーコンのピューレ、
不明、豆風、シイタケ、グリーンアスパラ、カリフラワー、紫キャベツ、
ゴボウ、ズッキーニ、パプリカ、カブ風、ブロッコリー、不明、山芋、
カボチャ風、春菊、里芋、不明、ニンジン、紫イモ風、トマト。
料理の味は、過去のレビューをご参考下さい。
【メイン】
「スコットランド産 野生山鳩のロースト
フォワグラと血でリエしたサルミソース(1/2羽+1600円)」
4種類か5種類の部位に、キノコを刻んだパイが付いています。
たぶん、胸肉、ササミ、モモ肉などではないかと思いますが、
鳩を食べるのはこれが2度目なので、イマイチどこの部位なのか良くわかりません。
なので、部位の名称は間違っているかもしれません。
胸肉は、器の上で一番大きな肉。
やや赤茶色の血が滴りそうな色合いで、しっかりとした食感。
口に含んだ瞬間は、それほど味はしないのですが、
咀嚼を続けていると徐々に湧き出す鳩の旨み。癖は無いので安心です。
フォワグラと血が入ったコクのある濃厚なソースが、肉の旨さを引き立てます。
ササミは薄くて細長く、赤茶色の綺麗な色合い。
優しい食感でしっとりとしており、食べやすい感じです。
モモ肉は、足先の骨まで付いていて、生きていた時を想像させる生々しさ。
皿の上方に飾り付けられている鳩の羽も見ていると、
食べ物(特に肉類)は、大切に食べなければいけないと考えさせられます。
こちらの部位も柔らかい食感で食べやすく、肉の味は胸肉とササミの中間ほど。
お手拭も準備して頂けるので、骨を持ってかぶり付きましょう。
皿の手前側に置いてある小さめの2個の肉は、もはやどこの部位なのかも想像できません。
とりあえず手に持って口に含むと、かなりの硬さ。
小さくて持ちにくく、骨から肉を外すのも大変で、味わいもそれ程ではありませんが、
こんな部分まで楽しませてくれる鳩さんに感謝しつつ、大切に頂きました。
付け合せにはキノコのパイ。さっくりとした食感の香ばしいパイ生地が、
キノコの旨みをたっぷり吸っており、こちらもなかなか良い味です。
【デザート】
「ヴァローナ社のチョコレートを使ったアイスとケーキ(正式名称は不明)」
3種のデザートから選択可能です。
器の手前側にはチョコのケーキ。表面はしっとりとした輝きを放ち、見た目にも綺麗です。
中央の、白と黒の波形の模様を挟んでその向こうには、チョコのアイス。
頂点部分にm字を模したチョコが刺さっています。
ケーキはスッとフォークが入るほどの柔らかさ。
口に含むと優しく溶け、心地良い苦味と風味、ほのかな甘さが広がります。
アイスはケーキよりもさらに爽やかなチョコの風味。
ナッツのカリカリとした食感が、良いアクセントになっています。
【食後の飲み物】
紅茶です。
今回も、やっぱり満足できました。いつ来ても雰囲気が良く、料理は特に鳩が良かったです。
ちなみに初回の訪問時からこっそりと懸念していたサービスは、かなり向上したような気がします。
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以下は、2009年11月に訪問した際のレビューです。
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前回(2009年10月)、訪問した際に、カウンター席の景色とメニューを見せて頂き、
とてもよさそうでしたので、この日のディナータイムに再訪してみました。
カウンターは角の席が一番景色が良さそうでしたが、
この日はやや奥まった端の席に案内されましたので、景色はまずまずと言った所です。
カウンター席でもダイニングと同じコースメニューを頂けるようです。
私達は先日の訪問の際にコースメニューを頂きましたので、
この日は、カウンターにおいてある黒板のメニューから選択しました。
※テーブルチャージが500円×人数分必要です。
※サービス料は不要です。
【飲み物】
「ジンジャーエール」 ※700円です。
「ジンジャー アンド レモングラス」 ※700円です。
【パン】
「バゲット(リエット・タプナード・バター付き)」 ※600円×2人分です。
こちらは人数分注文しなければなりません。
リエット・タプナード・バターが一人につき1つずつ頂けるので、沢山楽しめます。
リエットは豚肉(?)、タプナードはオリーブの風味です。
バターにはお店のマークが付いています。
バゲットは、無くなると追加のものを頂けます。
【アミューズ】
「オリーブと○○○(名前がわかりません)」 ※無料です。
オリーブはニンニクと唐辛子が効いており、なかなか美味しいです。
オリーブを食べて美味しいと思った事があまりないのですが、
こちらのお店のものはとても良い味付けでした。
○○○(名前がわかりません)は、見た目は四角い何かの生地風。
やや弾力があり、味はチーズ、香りはバジル。こちらもなかなか良い味です。
【前菜】
「有機野菜のグリーンサラダ」 ※980円です。
大きなガラスの透明な器に、沢山の野菜が入っています。
たぶん、塩(?)、チーズ、オイルの味付けです。
サラダだけに、お味は普通です。
【前菜】
「プラチナ豚 大腸・直腸・胃の白ワイン煮 カーン風」 ※1200円です。
ル・クルーゼ(と言うメーカー)の、色鮮やかで可愛らしい器に入っています。
http://www.lecreuset.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=1_9&products_id=123
ホルモン煮込みバジル風味と言うと、想像しやすいかと思います。
ホルモンが柔らかくなるまで煮込まれており、タマネギとニンジンも入っています。
器もスープも熱々で、ホルモンの風味がスープに良く出ています。
これはなかなか美味しいです!
これから寒くなる季節。ホルモン煮込みがお好きな方に、オススメです。
【メイン】
「北海道産 野生鹿ロース肉のロースト ポワグラードソース」 ※4800円です。
メニューに鹿肉があったので、思わず注文してしまいました。
大きめの白い器の上には、鹿肉のさまざまな部位(下記)が置いてあります。
ロース (器中央。スライスしてあるもの)
フィレ (ロースの右側)
挽き肉 (ハンバーグ状のもの。ロースの上)
脂身 (挽き肉の上。クレソンの左下)
骨 (器左側)
秋らしく栗(クレソンの右側)も付いており、その下にはソースが敷かれています。
ロースは、切り目からも想像が付くように、しっとりした焼き具合。
赤身で、脂身も癖も全く無く、さっぱりとした味わいです。
フィレは、ナイフを入れようとすると、お餅のようにフワフワで、あまりの柔らかさに驚きます。
こんなに柔らかな肉は、見た事がありません。食感も、とにかく柔らかです。
挽き肉は、何か木の実が練り込んであります。
脂身は、少し癖があり、野生の肉を食べてるぞ!と言う気分になります。
骨は、良く焼けた脂と赤身が楽しめます。手に持って、ワイルドにかじりつきましょう。
栗は3つほどついており、ポクポクの食感。
ソースはシナモンが効いた栗(?)のピューレのようなものです。
景色は少々残念でしたが、ホルモンと鹿肉がとても良かったです。
ダイニングのコースでも鹿肉を頂けるようですので、
また訪問してみようかと思います。
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2009年10月に、12階に訪問した際のレビューは、コメント欄に移動しました。
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最後に参考情報をお知らせします。階数を選択する際に、参考にして頂ければ幸いです。
12階(ダイニング)
豪華な内装とシャンデリアがあります。
贅沢な気分を味わいたいのであれば、こちらをお勧めします。
テーブル数はおよそ10卓、20人程度が座れそうです。別の場所に個室もありそうです。
窓からは夜景が見えますが、薄いカーテンが引いてあるため、はっきりは見えません。
照明がかなり赤みを帯びているため、デジカメの画像も相当赤く写ります。
私はこれ程の赤みの照明の中での撮影は初めてでしたので、
残念な画像(ぼやけている+画像が赤い+画像を修正しても今ひとつ)になってしまいました。
11階を見下ろす事ができるので、若干の優越感を感じます。
真ん中の列のテーブルの間隔は広くはありませんが、
窓際の席は隣の席がありませんので安心です。
11階(ダイニング、バーカウンター)
帰宅前に、少しだけ11階の様子を見せて頂きました。
白金の店舗(行った事はありませんが)と同じような、白を基調とした内装です。
赤みを帯びた照明ではなさそうでしたので、
デジカメで鮮明な画像を写したいのであれば、こちらの階の方が良さそうです。
中央通り側はバーカウンターになっており、
shez tomo系列のお店、ラ・ピッチョリー・ドゥ・ルル(下記)の料理が頂けるそうです。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13018826/
このバーカウンターからは中央通りの眺めが良く見えます。
6位
1回
2009/12訪問 2009/12/31
東京駅前。感慨深い思いを胸に抱いて頂く、しとやかなフレンチ。
前回の訪問が大変印象深かったため、この年、最後のディナーに再訪してみました。
場所はJR東京駅のすぐ目の前。丸の内の、新丸ビル5階です。
私の場合は、東京メトロの大手町駅から地下道を通り、
新丸ビルの地階から、エスカレータで5階まで上ります。
外観は薄茶色のレンガ(?)の壁に、鉄(?)とガラス(?)で作られた重厚感のある扉。
店頭には、小さくメニューが掲げられています。
早速店内に入り、お店の方に案内されて着席すると、
大きくとられた東側の窓からは、JR東京駅が眼下に大きく見えています。
東京駅がライトアップされて光り輝いていた時期もあったのですが、この日は真っ暗。
現在の東京駅は、昭和の戦災で失った元の姿に生まれ変わるべく、数年がかりの大工事中。
歴史ある東京駅の赤レンガは見えませんが、周辺の近代的なビルの青い光が美しく輝いています。
店内は若干狭いのですが、他のお客さんをあまり気にしなくても良いように、
テーブルと椅子がうまく配置されています。
狭いお店が非常に苦手な私ですが、この圧迫感の無い配置と開放的な窓のお陰で、
こちらのお店の狭さは、逆に居心地がよく感じられます。
この日の客層は20代から30代。ナイフとフォークはChambly Trioです。
頂いたのは「Menu de prelude」。9000円のコースです。
【飲み物】
「Jus de raisin(微炭酸ブドウジュース)」 ※700円です。
メニューの表記によると、フランス産ワイン用葡萄の、ストレート果汁を使用したジュースのようです。
【アミューズ】 ※メニューには記載されていません。
「粒マスタードのフィナンシェ(正式名称は不明)」
メニューを手渡される前に出てきます。表面に粒マスタードの粒が見えています。
マスタードとチーズの香りが爽やかな一品です。
【アミューズ】
「鳴門金時(サツマイモ)のクレームブリュレ(正式名称は不明)」
四角く白い小さな器には、少量のクレームブリュレ。
その上には、帆船の帆のような飾り付けがされています。
表面の砂糖部分をパリッと割って頂くと、滑らかなクリームの舌触りに、サツマイモの甘い風味。
焦げた砂糖の僅かな苦味と香ばしさに、何かスパイシーな刺激も相まって、食欲が増してきます。
帆の部分は特に味は無いのですが、パリパリの食感で、こちらもスパイシーな風味がします。
【パン】
温められた2種類のパンに、バターが付いてきます。
ツヤありのものは具なし。ツヤなしのものは表面に白ゴマが付いています。
【前菜(本日のシェフお勧めの一品)】
「ペドロヒメネスビネガーのジュレに包まれたホウボウ(正式名称は不明)」
透明なガラスの器に盛り付けられた、こちらの一品。
透明なゼリー状のものや、ミョウガやベビーリーフで飾られて、見た目はとても爽やかです。
まずは、白いスープの部分から頂くと、フルーツ(?)のような甘い酸味のあるスープ。
ジュレはぷるんぷるんの食感に、スープとはまた別の味わいの酸味が広がります。
中にはホウボウを刻んだもの。
生の白身の魚には、やはり酸味のあるスープとジュレが良く合います。
器の底には真っ赤なビーツが置いてあり、混ぜると白いスープは程よく赤く染まります。
渋みの強いビーツやミョウガも、スープの酸味で美味しく頂けます。
【前菜】
「ガトーフォアグラ イチジクの香る滑らかな北海道産クリームチーズ」
ショートケーキのような形状で、一見するとフォアグラとは思えません。
そこに黄色い三角形のチップが、高々と誇らしげに飾り付けられています。
ケーキ部分は3層構造。
表面の部分はイチジクのソース。赤ワインのように深い赤色で、艶がとても綺麗です。
その下の白い部分はクリームチーズ。土台のベージュ色の部分がフォアグラです。
黒いお皿の表面に、糸のように引かれているのは、レモンビネガーのソース。
ナイフを入れると、フォアグラはしっとりねっとりとした舌触り。
舌の上でしばらく味わうと、時間が経過するにつれ、徐々に溶け出します。
やはり独特の癖があるのですが、クリームチーズのまろやかさと、
レモンビネガーのやや強めの酸味を加えると、爽やかに頂けます。
付け合せの丸いオレンジ色のものは、金柑(キンカン)のマリネ。
金柑を食べるのは初めてですが、柿の皮ような弾力のやや硬い皮と共に頂くと、
皮の渋みに、柑橘系の実の甘みと酸味。濃厚なフォアグラを頂いた後のお口直しに最適です。
【魚料理】
「ラングスティーヌ、豚足、安納芋によるクルスティアン、ラヴィゴットのピュレと共に」
続いて目の前に現れた料理も、魚料理とは思えないほど可愛らしい一品。
クルスティアンとは、カリカリの歯ごたえに仕上げる事の意味(?)のようです。。
切干し大根状の衣に包まれたコロッケ風のものが、器の右上に配置されており、
カイワレの葉(?)のようなものが、頂点に飾られています。
ナイフを入れると、中にはラングスティーヌ(手長海老)や豚足を刻んだものが入っています。
口に含むと、カリカリとした衣の歯応えが良く、豚肉の味に海老の魚介の風味が混ざり合い、
なかなか奥深さのある味わいです。安納芋(あんのういも)の味はちょっとわかりませんでした。
ソースは、たぶん緑色のものがラヴィゴットのピュレ。僅かにピクルスの酸味を感じます。
ピンク色の泡は○○(失念)のビネガー。泡だと思って油断して味見をすると、酸味が強くて驚きます。
お皿の羽の部分は、海老を磨り潰した粉と唐辛子の粉で、可憐に飾られています。
【肉料理】
「北海道で仕留めた”エゾ鹿”フィレの低温調理、<シヴェ>ソースで・・・(お二人様より)」
最近、鹿肉にハマっているので、こちらでももちろん鹿肉を注文しました。
黒い器の上には鹿のフィレ肉が2切れ。切り目は真っ赤で、しっとりと輝いています。
表面には、何か黒い粒々の入ったものが塗られています。
ソースは鹿の血を使ったもの。赤茶色の艶がとても綺麗です。
ナイフを入れると肉はとても柔らかく、旨みのジュースが滴ります。
口に含むとふわふわな食感に適度な塩分。
火の通り具合がちょうど良く、噛み締める度に鹿肉の味わいが広がります。
さらにソースを付けると、その味わいはますます深く濃いものに変化します。
黒い粒々は何かのキノコ。時々ふわっと森の香りを感じます。
緑色のものはたぶんホウレン草。その下の紫色は、たぶんサツマイモ(?)。
2つの丸くて白いものは、たぶんカブ(?)にチーズを乗せて香ばしく焼いたもの。
チーズの焦げ目が香り高く、パリパリとしたカブ(?)の甘さも楽しめます。
【デザート】
「コンベルサション 洋ナシの香り 現代風に・・」
私は結構、デザート運が良い方なのですが、今回も「当たり」のデザートです。
目の前に現れたのは、不思議な盛り付けの一品。
格子模様の入ったパイ風のもので肝心な部分が見えなかったので、
お皿を90度ほど回転すると、そこには雪だるまのような可愛らしい物体が。
上の白い部分は何かのアイス。下はタルト風の生地。
真ん中のやや透明感のあるピンクの部分は、洋ナシのコンポート(?)です。
まずはパイ風の部分を頂くと、甘さを抑えた素朴な風味。
粉砂糖の甘みが素朴さを引き立てます。アイスは何の味かわかりませんでした。
洋ナシはかなりの大きさ。ジュワッと梨のジュースが口いっぱいに広がります。
タルト生地もまた素朴。僅かな甘みに小麦粉の軽さを感じます。
赤いソースは少々酸味のあるフルーツのソース。
味もサイズもなかなかのもので、食べ応えは十分です。
「クランブル”サレ”仕立てのリンゴのキャラメリゼ 塩キャラメルとそのシブースト」
こちらは連れが頼んだもの。私は頂いていないので、お味の方は不明です。
【食後の飲み物】
紅茶です。レモンかミルクが付いてきます。RAYNAUDの器です。
【小菓子】
「クレームダンジュ マンゴーソース(正式名称は不明)」
RAYNAUDの器です。
白い部分はクレームダンジュ。爽やかなミルクの風味に僅かな酸味。
そこにオレンジ色のマンゴーのソースが濃厚な旨みと深みを追加します。
上のベージュ色のものはメレンゲで、サクッとした食感で、儚く溶けて行きます。
東京駅とその周辺を眺めながら、様々な思いを胸に抱いてフレンチを頂くこのひととき。
他のお店と同一の基準で採点すると、総合評価は星4.5になるのですが、
若干個人的な感情も加わって、今回も総合評価は星5つとさせて頂きました。
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2009年4月に訪問した際のレビューは、コメント欄に移動しました。
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7位
1回
2010/03訪問 2010/03/21
帰ってきた厨房のピカソ。素晴らしき景観と共に堪能する芸術的フレンチ。
ガニェール氏が新しい店舗をオープンするとの情報を聞き付けて、早速ランチの予約を入れました。
場所は赤坂、ANAインターコンチネンタルホテル東京の36階。
東京メトロ銀座線の溜池山王駅13番出口を利用すると、すぐ目の前です。
ホテル2階からエレベータで36階まで上がるとすぐ横にお店があり、受付の方が声を掛けてくれました。
名前を告げて店内に入ると、お店は建物の周辺に沿って奥に長く作られています。
一番奥の厨房に近いテーブルに案内されて着席すると、窓からは大都会の素晴らしい景色。
テーブルの上に目を移すと、白のテーブルクロスに、波紋のようなデザインの白い器。
正円かつ同心円ではなく、全てが異なる形状の波である所に、デザインのこだわりを感じます。
店内はほぼ満席で、女性のグループ、カップルなど。
ナイフ・フォーク・スプーンはクリストフル。表面には殆ど傷がなく、とても綺麗に輝いています。
器は(たぶん)NIKKO。曇りのない真っ白な器は、色鮮やかな料理の美しさを引き立てます。
ランチコースは3種。その中から、セゾン(La Saizon...)(6000円のコース)を選択しました。
【飲み物】
「ウィルキンソンのジンジャーエール」 ※750円位です。
【アミューズ】
長方形の黒い石のような器に乗った、4つの一口大のもの。
白い四角のもの、薄茶色の細長いもの、緑色のもの、あずき色のチップが乗ったものの4品です。
白い四角はマシュマロで、赤いものはシャリシャリした食感に、ほんのりとした酸味。
薄茶色の細長いものはクッキー風。練りこまれた香辛料の香りが、食欲を増進します。
緑色のものはマドレーヌ風。くり抜かれた部分にヨーグルト状の白いものが入っています。
あずき色のものは、紙のような薄さのビーツ(?)のチップ。その下はクッキー状のものです。
【パン】
パンは3種類。丸く布で包んだような形状のバターが付いてきます。
まずは、中華まん風の形状のもの。表面は白い粉がついており、下には紙(?)が敷いてあります。
既にナイフで半分に割ってあり、中には薄茶色の粒々が見えています。
細長く表面にツヤがあるものは、やや甘みがあり、好みのタイプ。
その隣の茶色っぽいものは、ちょっと懐かしいような香りです。
【小前菜】
5種類の小前菜が、同時にテーブルの上に置かれます。
小前菜①「フレッシュハーブの香りを付けた 温かいブイヨン グリンピース、ソラマメ、イベリコハムと共に」
泡立ったスープ状のもの。数ミリ大に刻んだ具が入っています。
グリンピースとソラマメの食感と豆の僅かな甘みに、ハムの僅かに癖のある香りが良く合います。
小前菜②「サクラマスのコンフィー 柚子の香りを付けたグレープフルーツのジュレ」
色鮮やかなオレンジ色が印象的なこちらの料理。カイワレ(?)の緑がその美しさを引き立てます。
ゼリー状のグレープフルーツは程よい酸味で少々苦味もあり、ピンクグレープフルーツ風に感じます。
サクラマスは生に近い食感。マスのトロッとした脂の旨みと味わいです。
小前菜③「さまざまな春野菜を抹茶とアーモンドのソースで」
中心のくぼみには緑色のソース。まわりの羽には、カブのスライス、カリフラワー、
ラディッシュ(?)、ニンジンの千切り、不明(緑色の細長いもの)。
ソースは極僅かにザラッとしており、豊かな抹茶の風味を感じます。
抹茶に野菜と言うのは初めての組み合わせ。なかなか面白いなと感じます。
小前菜④「マッシュルームのギリシャ風 柔らかく煮たタコと共に」
中心のくぼみには赤いソース。まわりの羽には、2枚のタコ。
まずはソースから頂くとトマト(?)の風味。刻んだ各種野菜(?)の甘さと食感に、
白い丸い粒(マッシュルーム?)のクニクニとした食感。パスタ風の馴染みやすい味わいです。
タコは生タコを食べた時のような程よい柔らかさで、咀嚼の度にタコの旨みが広がります。
小前菜⑤「ローズマリーの香りを付けたウサギのリエット マンディアントーストを添えて」
薄いトースト(?)の上に、細長く刻んだ不明(緑の葉)。葉の下にウサギのリエットが隠れています。
まずはリエットから頂くと、柔らかなペースト状の質感に、僅かな繊維質。
ウサギのリエットを食べるのは初めてでしたが、特に抵抗なく頂けます。
葉の中にこっそりブルーチーズが隠れており、予期せず刺激的な味わいを感じます。
【肉料理】
2種類の肉料理が、同時にテーブルの上に置かれます。
肉料理①「白金豚ロース肉のグリエ 茄子のポワレ 酸味の効いたチョリゾーとコリアンダー」
大きな円形の白い器で登場したこちらの料理。真ん中には豚ロースのグリエ。
1センチほどの厚みにスライスされたものが、7枚か8枚乗っています。
その周囲には、赤と白が綺麗な野菜風(?)のもの。コリアンダー(パクチー)の緑も綺麗です。
手前側には半分にして焼いたナス。その上にカリカリに炒めた細かな豚肉(?)と、赤くて細長いもの。
早速豚肉にナイフを入れると、程よい柔らかさ。中はしっとりと焼き上がっています。
赤と白の野菜は何かわかりませんが、タマネギ風の食感で、味と香りはあまり感じません。
その代わり、コリアンダー(パクチー)の香りをとても感じます。
コリアンダー(パクチー)は一般的に好き嫌いが激しいものかと思いますが、私は結構好きな方です。
茄子は程よく火が通っており、茄子のしっとりとした甘みと食感に、カリカリの豚肉(?)の香ばしさ。
たぶん、赤くて細長いものがチョリゾー。燻製風の香ばしい香りとコクのある味わいです。
肉料理②「イカスミのピューレ ニンニクを効かせた豚足と豚舌」
イカスミが入ったマッシュポテト(?)、その上に豚足のテリーヌ風(?)。
更にその上に、何かのチップと緑の野菜が乗っています。
豚足を食べるのはこれが初めて。好き嫌いの分かれる味と聞いています。
少々怯えながら、まずは豚足にナイフを入れると、ねっとりとした感触。
口に含むとかなり香草が入っており、同時に少々癖のある肉の香り。
マッシュポテトはイカスミが入っているためか、少々コクのようなものを感じます。
チップは僅かに柑橘系(?)の香りに、パリパリとした食感。
野菜と共に頂くと、口腔内をさっぱりとリフレッシュしてくれます。
【デザート】
「5つのデザート パッションフルーツのソース(正式名称は不明)」
中心のくぼみには、パッションフルーツのソースに黒い種。
羽の部分には5つの一口大のデザートが置いてあります。
パッションフルーツのソースはオレンジ色が鮮やかで、爽やかな甘みと極僅かな酸味。
黒い種をガリガリと噛んで頂くと、コレって食べてもいいのかな?と思います。
黒く平たいものは黒豆のケーキ。しっとりとした黒豆ペーストが乗っています。
口に含んだ瞬間はわかりませんが、良く味わうと確かに黒豆の風味がします。
茶色く細長いものは、透けて裏が見えそうな極薄い生地を、筒状に折り畳んで焼いた物(?)。
咀嚼しなくとも、唇で軽く挟んだだけで割れてゆき、甘さと香ばしさが広がります。
透明な飴細工は、口に含んでバリッと噛むと、広がるのは梅(?)のような甘酸っぱい香り。
円筒形のチョコレートは、緩やかなミルクのチョコレート。
筒の中にはオレンジの皮を薄く刻んだもの(?)。やはりチョコにフルーツは良く合います。
白く四角いものは、上には薄い白い砂糖菓子風のものが乗っており、
その下は生キャラメル風(?)のものを挟んだケーキ。砂糖菓子をパリッと割って頂くと、
中から甘くトロッとした濃厚なミルク(?)の香りの生キャラメル(?)が溶け出します。
【デザート】
チョコレートで作った2種類のデザートが、同時にテーブルの上に置かれます。
「フォンダンショコラ チョコレートのムース ラムレーズンのソース(正式名称は不明)」
中心部分に3つのチョコレート、羽の部分にもチョコのソースが置いてあります。
フォンダンショコラは表面にツヤがあり、照明の光で輝いており、少量の金箔も乗っています。
フォークを入れるとねっとりとした感触。濃厚なチョコレートの味わいを想像させてくれます。
口に含むと、チョコの濃厚な味わいと心地よい甘さを残してとろけます。
ムースは雲のように軽く、スッとスプーンが通ります。
味わいも軽く、口の中で、一瞬の間にふわっと溶けてゆきます。
その代わりソースは濃厚。クラッと来そうなラムレーズンの、激しい洋酒の味わいです。
「チョコレートのクッキー オレンジのソース(正式名称は不明)」
中心部分に数種類のチョコレートを使ったクッキー風のもの。その向こう側に円形にチョコのソース。
甘みを抑えた板状のチョコが2枚。その間にはコーヒー(?)のチョコ。上にはオレンジ風のペースト。
クッキー自体はしっとりとした柔らかさ。幾つものチョコの味わいと、爽やかな柑橘系の香りです。
【食後の飲み物】
紅茶です。
柚子、抹茶、梅(?)など、和風のちょっと面白い食材も使われており、なかなか楽しめました。
場所と景観は素晴らしく、サービスも上品かつ丁寧に対応して頂けました。
世界中で活躍しておられるガニェール氏や、
フランスからいらしたマネージャ(?)の方と一言二言お話しできた事は、
ビジネスマンの私にとって、とても良い刺激になりました。
肉料理にはもう一工夫欲しいように感じたので、総合評価は星4つにしてみます。
8位
1回
2009/12訪問 2009/12/20
代官山と言えば、渋谷の隣の駅であり、お洒落な人が住む街としてとても有名です。
その街にある老舗のフランス料理店がこちらのお店。
ダイニングにある暖炉が有名なようですので、寒い時期に伺ってみようと考えておりました。
季節は冬になりそろそろかと思い、この度、訪問してみる事にしました。
場所は東急東横線の代官山駅から徒歩5分。
旧山手通り沿いに、お店の看板とメニューが掲げられています。
日光が降り注ぐ、半地下状になったお店の庭を通って、店内に入ります。
お店の方に案内して頂き、テーブルに着席すると、店内は老舗の雰囲気が漂う内装。
テーブルクロスは白ですが、器は少々懐かしい感のある花柄が描かれています。
椅子や絨毯も花柄模様。壁際には大型の胡蝶蘭も飾られています。
壁には女性の絵が刻まれた大きなガラスや、
シェフが描いた(?)と思われる絵画などが飾られています。
客層は40代から50代の方が多く、海外からの方もいらしたようです。
ダイニングの奥には、例の暖炉が置いてあり、
めらめら燃える暖炉の炎が見え、パチパチと音を立てて焼ける薪の音が聞こえてきます。
そこでは、白いコック服を着たお店の方が、肉を焼いています。
時々1m弱もありそうな薪をくべながら、肉の位置を変えたり、肉を裏返したりしています。
頂いたのは、メニュー・グルマン(4200円のコース)です。
【飲み物】
ジンジャーエール ※650円です。
厚めにスライスしたライム(?)が入っています。
【パン】
よく見かける普通のフランスパンです。
温めてあるかどうかは確認しませんでした。
バターが付いてきます。
【アミューズ】
「赤ピーマンのムース アンチョビのパイ(正式名称は不明)」
透明なガラスの小さな器には、2種類の赤いムースが入っています。
下の層のややピンク色のムースは赤ピーマンのムース。2センチほど入っています。
その上には3ミリほどのトマトの赤いピューレ。
さらにカニの身をほぐした物が少々と、緑色の葉が乗せられています。
器の飾り付けに、赤い実が付いた木の枝と、深い緑色の葉が付いています。
まずはトマトのピューレを頂くと、トマトの皮の部分を頂いたときのような爽やかな香り。
次に赤ピーマンのムース。控えめな酸味に赤ピーマンの香りが少々。程よい味わいです。
カニの身の優しい弾力と少量の塩分が、ピューレとムースに味と食感の変化を与えます。
ガラスの器の横に置いてある小さなパイは、中にアンチョビが入っています。
バター(?)の香りが良く、サクサクの食感の甘いパイ生地に、
アンチョビのやや強めの塩分が良く合います。
【オードブル】
「カキのグラタン 茸のデュクセル シャンパーニュのオランデーズソース」
器の羽の部分は鮮やかな赤色で、幾重もの白い線が引かれています。
器の中央には、大振りのカキの殻に乗ったグラタンが2つ。
グラタンのソースの部分は黄色く、表面に付いた焦げ目がとても美味しそうに見えます。
その上に乗せられているのは、フランス産のマスの卵。
カキの下には、赤、緑、白の、3色の海草が敷かれています。
これを頂くためにここに来たようなものです。早速スプーンですくって頂きます。
黄色いソースはバター(?)のような風味と香りで、意外とさらっとしています。
カキの身は大降りでなかなかの食べ応え。やや火が通っており甘みが増しています。
ソースとカキを同時に頂くと、ミルクのようなカキの甘みとバター(?)の風味。
これはなかなか美味しいです!
殻の底には、シャンピニョン、タマネギ、エシャロットを、
細かく刻んで炒めたデュクセル。茸の香りと食感がたまりません。
マスの卵はイクラほどではありませんが程よい濃厚さで、こちらもソースに良く合います。
【スープ】
「赤カブのスープ(正式名称は不明)」
ほんのりピンクに色付いたスープ。白い器に入っています。
上には小さく刻んだパン(クルトンのような揚げたものではありません)と、
カブ(?)の茎を小さく刻んだものが乗せられています。
スープは、慌てて頂くと火傷しそうなほどに熱々です。
塩分は薄めで、クリームのように滑らかな優しい風味。
スープを沢山含んだとろとろパンと、カブ(?)の茎のさくさく感が、食感に変化を与えます。
【メイン】
「骨付仔羊肉の暖炉焼き フレッシュタイム風味」
この日、2番目に楽しみにしていた料理です。
暖炉焼きと言う名前からして、ダイニングにある暖炉で焼いているのだと思います。
私たちのテーブルから暖炉まではかなり離れていたので、
この肉を焼いている光景を間近で見る事は出来ませんでした。
さて、目の前に置かれた白く四角い器の上には、骨付きの仔羊が2切れほど。
肉の向こうには、緑と赤の2種類の付け合せが置かれています。
ソースは、お店の方が私の目の前で肉に掛けてくれます。
早速、ラギオールのナイフを入れてみると、
表面はカリカリで所々に焦げた部分があり、中はやや赤い色が残る焼き加減。
暖炉で焼いた肉にお目に掛かる事は初めてですが、
ややワイルドで、いかにも暖炉で焼いたと言う雰囲気が出ています。
お味は、少々羊の臭みが残っており、柔らかく仕上げられた程よい羊肉の風味。
甘みのあるソースを付けて頂いても美味しいです。
ほんのり燻製のような香りがするのは、暖炉の煙で燻されたためかもしれません。
最後は手に持って、骨の周りの部分まで楽しみました。
付け合せは2種類。赤いものは赤ピーマン。
緑のものは、ズッキーニ/トマト/ナスを薄くスライスしてミルフィーユ状に重ねたもの。
見事な円形に揃えて重ねられています。
「エゾ鹿のポワレ ポワブラードソース」
こちらは連れが頼んだもの。
最近すっかり鹿肉がお気に入りの連れの者は、迷う事無くこちらの料理を選択しました。
テーブルに置かれた赤い器には、鹿肉が2切れ。ソースの照りと艶がとても美しく感じます。
付け合せにはサツマイモ、栗、洋ナシ。
秋から初冬まで(?)が旬の食材を使った、季節感のある料理です。
お味の方もなかなかのもので、しっとり焼かれた鹿肉に、
さっぱりとしたソースがとても良く合っていたそうです。
【デザート】
「洋ナシのキャラメルソース キャラメルのアイス(正式名称は不明)」
緑色の器の上には、洋ナシをキャラメルで煮込んだ(?)ものが2切れ、
キャラメルのアイス、棒状のクッキー風のもの。
左上部には、粉砂糖がまぶしてあります。
洋ナシは、梨の甘さは控えめで、キャラメルソースはかなりビターな味わい。
キャラメルアイスも同様で、やや大人向けのデザートです。
アイスの横の粒々は、ナッツに砂糖を絡めたもののようです。
【食後の飲み物】
紅茶です。
砂糖入れには、「AP(たぶんシェフのイニシャル)」と刻まれています。
【小菓子】
上段左 「チョコレートのムース」
泡立てて(?)あり、とても滑らかな口当たりになっています。
極薄くスライスしたチョコレートが、上に添えてあります。
口に含むと、甘さは控えめで、儚く溶けて行きます。
これはなかなか美味しいです!小菓子の中で、一番良かったです。
上段右 「3種のマカロン」
たぶん、フランボワーズ、ピスタチオ、コーヒー(?)のマカロンです。
下段左 「オレンジのタルト」
皮が付いたままのオレンジのスライスが2つと、ピスタチオが乗っています。
タルト生地は素朴な味わいに、オレンジの皮の苦味が香ります。
下段中 「アーモンドのヌガー」
中に赤いジャムが入っています。
下段右 「○○○(正式名称は失念)」
日本語で耳と言う名前の焼き菓子です。
小麦粉を耳の大きさに伸ばして揚げたものに、粉砂糖を振りかけたもの。
かりんとうのような素朴な味です。
食事の後半になると、パッションさんがダイニングを度々訪れ、
他のお客さんに声を掛けたり、一緒に写真を撮ったりしておられました。
暖炉からだいぶ離れた席でしたので、暖炉焼きの光景を見る事は出来ませんでしたが、
料理の方はなかなか楽しむ事が出来ました。
最近出来たお店と比べると、店舗(建物)にやや古さを感じてしまいますが、
お店の方は若い人が多く、上品で丁寧な印象。老舗のお店はまだまだ健在です。
9位
1回
2010/05訪問 2010/05/16
1年ほど前から、いつかはこちらのお店を訪問したいと思っておりました。
丁度、記念日がありましたので、その際に訪問してみました。
場所は東京メトロ銀座駅から徒歩数分。
銀座駅出口を出て、並木通りを南に数分程歩くと、お店の前まで辿り着きます。
銀座も7丁目付近まで来ると、人通りは少なめ。少々静かなエリアです。
概観は、白い壁に、重厚感のある黒いドア。ファサードは美しい緑でいっぱい。
何度かこの場所の前を通り掛った事がありますが、今日も優美で素晴らしく、高級感のある店構えです。
早速、ドアマンに入り口の扉を開けて頂き、名前を告げました。
1階から2階へと天に昇るような気分で白い螺旋階段を登り、ダイニングに案内されて着席しました。
目の前には、白のクロスに、白地に黄色の模様の器、ワイングラスに水用グラス。
PUIFORCAT(ピュイフォルカ)のナイフとフォークが用意されています。
内装はなかなか良いようなのですが、私の席からはあまり見えなかったので良くわかりません。
客層は、若い方から年配の方まで。広い世代の方々に支持されているようです。
頂いたのはBLEU(ブルー)。6800円のコースです。
【飲み物】
ウィルキンソンのジンジャーエール。800円です。
【アミューズ】
「フォワグラのチェリーソース チョコレート風味のスティック(正式名称は不明)」
金色のリングが付いた、白い小さな器で登場したこちらの料理。
下に2枚の器が敷かれており、更に高級感が増しています。
器の中には赤いソースが入っており、上には2本の黒い棒状のものが乗せてあります。
お店の方の説明によると、ソースの下にフォワグラをすり潰したものが入っているとの事です。
早速スプーンですくってみると、ソースの下は茶碗蒸し風の手応え。
気泡が多く、ややザラッとした舌触りで、僅かにフォワグラの風味がしてきます。
フォワグラの癖のようなものは感じないので、安心して食べられます。
チェリーソースは少々甘めですが、パリパリのチョコレートスティックは結構苦め。
フォワグラ、ソース、スティックを3つ合わせて食べると、不思議でなかなか面白い味です。
【パン】
メゾンカイザーのパンです。8種類位の中から好きなものを選択可能です。
普通のバゲット…選択しておきながら、食べませんでした。
海苔を練り込んだバゲット…海苔の風味が良く、バターを付けても良い味です。
フルーツを練り込んだもの…何のフルーツかは失念。種の粒々感が心地良く感じます。
バターは2種類。粉状の赤パプリカが乗ったものは、たぶん無塩バターです。
塩が乗ったものは頂きませんでしたが、たぶん有塩バターです。
やはりメゾンカイザーのパンは美味しいです。
もっと食べたかったのですが、後々の事を考えて、控えめにしておきました。
【前菜】
「フォワグラと青森県産シャモロックのテリーヌ ヘーゼルナッツのオイルと春野菜を添えて」
細長い料理なのに、何故か縦向きに置かれるこちらの一品。
横置きした方が食べやすいような気がしますが、何かこだわりがあると推測されます。
真ん中の長い棒状のものがテリーヌで、数種類の野菜とソースが添えてあります。
テリーヌは18センチ位の長さ。説明によると、シャモロックは鶏肉のようです。
手前から、鶏肉、フォワグラ、鶏肉、フォワグラ、鶏肉、フォワグラ、鶏肉と、7つの層に分れており、
上にはナッツをスライスしたものと、刻んだ小ネギ風の緑のものが掛けられています。
まずは一番手前の鶏肉にナイフを入れて、何度か咀嚼してみます。
鶏肉なのでそれ程期待していなかったのですが、鶏肉の旨みが濃く、なかなか良い味です。
フォワグラのテリーヌは結構好きなのですが、後からやってくる癖が少々苦手。
こちらのフォワグラは癖がやや控えめで、鶏肉の旨みとフォワグラの濃厚さが交互に楽しめるので、
最後まで美味しく頂けました。ちなみになぜ縦置きなのかを考えてみましたが、結局解りませんでした。
私自身はシャモロックと言うのをこの日初めて知ったのですが、
気になったので帰宅後に調べてみると、良く聞くブランド鶏に負けない旨さのようです。
http://syamorock.jp/syamorock/
http://o-wani-shinkou.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/青森シャモロック
【肉料理】
「ホロホロ鶏のロースト 黒オリーブとレモンのファルシィ ローズマリー風味」
この料理が登場する前に、蛍光グリーンのラギオールのナイフが準備されます。
器の上のホロホロ鶏は、かなりの大きさの円錐形。
長さは12センチか13センチ位、直径も4センチか5センチ位。巨大な肉の塊です。
肉の穴の部分には何か黒いものが詰めてあり、ソースが掛けられています。
添えてあるのはマッシュポテト。上に何かが刺さっています。
他にはグリーンピースが10数粒で、ソースが円弧を描いています。
まずはホロホロ鶏にナイフを入れると、しっとりとした柔らかさ。白い身がとても綺麗です。
口に含むとやはり良い食感。ホロホロ鶏はこの柔らかさと、さっぱりした軽い味わいが魅力です。
ソースはややエスニック風。少々癖のようなものを感じます。
穴の開いた部分には、トランペット茸、黒オリーブ、レモンなどが入っており、
特にトランペット茸とレモン(の皮?)が良く香ります。
マッシュポテトは濃厚な味わいで、ミルク(チーズかも)の風味が良く合います。
また、マッシュポテトには板状の鳥の皮が3枚刺さっており、これが良い味。
油の香りが良く、お煎餅のようにパリパリの食感で、咀嚼を続けていると徐々に鶏の旨みが出てきます。
ただ、前菜も鶏肉だったので、メインは他の肉が良かったなと思います。
【プレデセール】
「オレンジとバニラのムース ブラッドオレンジのシャーベット(正式名称は不明)」
小さな牛乳瓶のような透明なガラスの器で登場します。
下にはオレンジとバニラのムース状のもの、その上にブラッドオレンジのシャーベット、
他にはオレンジピールも入っています。
同時に下記の5つのお菓子も出てきます。
クレームブリュレ×2個。
小さな白いカップに入っています。
表面はそれ程パリパリではありませんが、卵の風味が非常に濃厚で良い味です。
底にバニラビーンズの黒い粒々が沢山入っています。
メレンゲとキイチゴ×2個。
一口大のメレンゲの器に、白いクリームとキイチゴとミントの葉が乗せられています。
気を付けて掴まないと、メレンゲが崩れてしまいます。
下の金色のものはリング状のゴム(?)の器で、食べられません。
赤いゼリー×3個。
砂糖の粒々が塗してあります。良く見ると平べったいゼリーがグルグル巻きになっています。
竹串にゼリーが刺さっており、さらにガラスの台座の穴に差し込んであります。
マカロン×5個。
5種類のマカロンです。食べ切れなかったので、お持ち帰りにして頂きました。
サクサクの粒々菓子×2個。
透明なビニールの袋に入っています。食べ切れなかったので、お持ち帰りにして頂きました。
【デセール】
「いちぢくのコンポート グリオットチェリーのジュレ スパイス風味のテュイル添え」
羽の部分が緑色の、ガラスの器でやってきます。
赤く四角いものはイチジクのゼリー。中にくり抜いた部分にイチジクの実が入っています。
添えてあるのはバニラの粒が入ったアイス。薄茶色のテュイル(チップ状のもの)が3枚刺さっています。
たぶん、手前の赤茶色の少々のソースが、グリオットチェリーのジュレです。
ゼリーにスプーンを入れてみると、かなり緩めの硬さ。
あっさりと崩れ、イチジクの実がこぼれて出てきます。イチジクとゼリーの甘みは控えめですが、
蜂蜜のように粘度の強いグリオットチェリーのジュレと合わせて頂くと、味に深みが増してきます。
アイスはバニラ風味だと思いますが、何か他の風味も感じます。
テュイルはスパイス風味との事ですが、特に辛味のようなものは感じないので安心。
テュイルとアイスを合わせて食べると良い味です。
【小菓子】
ワゴンに乗って現れます。好きなものを好きなだけ選択可能です。
ハート型のクッキー風。
可愛らしいハート型です。小さい割りに結構硬く、ガリッとした歯応えです。
チョコレートのタルト。
金箔が乗っています。タルト部分は以外にしっとり感があり、チョコレートはムースのように滑らか。
チョコは結構苦めで、甘みは控えめです。
チェリー。
ピンク色の四角いものです。上はチェリーの洋酒漬け。こちらも金箔が乗っています。
下はチェリー風味の砂糖が掛けられており、その中はフワットしたものが入っています。
粉砂糖(?)のチョコレート巻き。
布状のチョコレートが巻いてあり、中に白い粉が包まれています。
白いムースのタルト。
タルトの上に白いムースが置いてあります。表面にカラメル状のドロッとしたものが塗ってあります。
ナッツのサクサクチップ。
カエデの葉のような形状の薄茶色のチップ。ナッツが沢山含まれています。
メレンゲのグルグル渦巻き。
口に含むと柑橘系の爽やかな香りを残して、儚く溶けてゆきます。
【食後の飲み物】
紅茶です。レモンが付いてきます。
ネットの評判どおり、やはりサービスは良かったですが、
値段の割には料理の皿数が少なく、肉料理は味が少々残念に感じました。
ただし、プレデセール以降は非常に楽しめましたので、また訪問するかもしれません。
10位
1回
2010/04訪問 2010/04/11
銀座6丁目のフレンチ。心地良い空間と美しい料理が生み出す第六感への刺激。
以前伺ったこちらのお店のカフェがなかなか良かったので、
レストランの方も訪問してみようと思っておりました。
場所は東京メトロ銀座駅C2出入り口から徒歩3分。
春の暖かな日差しを浴びながらお店の前までたどり着くと、カフェには5人程の行列が出来ていました。
名前を告げて、店内のカフェの横にある扉を開けて頂き、レストランに入るとそこは以外と小さな空間。
窓は無く、赤みを帯びた照明で、薄暗い雰囲気とカフェから聞こえる雑音が、
穏やかで安心感のある、居心地良い空間を作り出しています。
テーブルは白いクロスに、(たぶん)ベルナルドの器、クリストフルのカトラリー。
飲み水用のカップには店名が刻まれて、
店名にも使われている「6」の文字の形状の花瓶には、淡いピンクのガーベラが飾られています。
ダイニングは20人程の容量がありそうですが、この日は半分ほどの席が空いていました。
椅子はキツネ色の皮製で滑りやすく、少し座りにくいかもしれません。
客層は男女2人組が多かったようです。
頂いたのはメニューB(6000円のコース)です。
注文を終えると、お店の方からお持ち帰り可能な小さいメニューを頂きました。
【飲み物】
「ウィルキンソンのジンジャーエール(800円)」です。
【アミューズ】
「アナゴのフリット タケノコとホタテ レモンビネガーとトマトの香り」
白い器の中央に、一口大のものが盛り付けられています。
上にはアナゴのフリットをカットしたものが3つ、下はタケノコとホタテで作ったもの。
さらにその上から、刻んだトマトとレモンビネガーを合わせたソースがかけられています。
まずはアナゴから頂くと、衣はサックリとした心地良い食感。同時に油の香ばしさが広がります。
中から現れたアナゴはふっくらと仕上げられており、ちょうど良い塩加減。
少々アナゴの皮もついており、クニクニした弾力のある食感もたまりません。
そこにレモンとトマトの香りと酸味が、爽やかさを追加しています。
下の部分は細かく刻んだタケノコが入っており、カリカリとした良い食感。
ホタテはちょっとわかりませんでした。
【パン】
ライ麦パン(丸いもの)、紫芋パン(紅芋だったかもしれません)(赤くて細長いもの)、
ホウレン草とカルダモンのパン(緑色の葉のようなもの)の3種類のパンです。
エシレの有塩バターと無塩バターが付いてきます。
【前菜】
「和牛ホホ肉のコンフィとアスパラガスのガトー仕立て ピメント・デスペレット風味のゼリー添え」
長方形の白い器で登場します。器の上の料理も長方形。これが和牛ホホ肉?と目を疑ってしまいます。
下の茶色い部分が和牛ホホ肉。見事な長方形なので、チョコレートのようにも見えてしまいます。
画像では見えませんが、その上にフランス産のホワイトアスパラと、国内産のグリーンアスパラ。
オレンジ色のソースはマヨネーズ。上に被せてある透明なものは、チキンブイヨンのゼリー。
和牛ホホ肉の両端には、白いプリッツ風のものが刺してあります。
早速、和牛ホホ肉にナイフを入れると、肉とは思えないような手応え。
ムースのように、力を入れなくともスッとナイフが入り、中から肉の繊維質が現れます。
口に含むとやはりムースのようにトロトロで咀嚼の必要は一切無く、
牛肉の香りと味わいを残して、一瞬の間に消え行きます。
ホワイトアスパラもトロトロ。少々の繊維質に、マヨネーズの風味とゼリーの食感が良く合います。
グリーンアスパラはややパリパリとした食感。どちらかと言うとグリーンアスパラの方が好みです。
プリッツ風のものは、やはりポリポリとした食感。和牛ホホ肉を付けて食べても楽しめます。
【スープ】
「フキノトウとサクラマスのスープ 青海苔の香り」
透明なガラスの器に入った緑色のスープ。いかにも野菜を使っていそうな色合いです。
お店の方の説明によると、フキノトウを使ったスープとの事です。
器の中央には鮮やかなサーモンピンク色のサクラマス。その上に青海苔が少々。
さらにその上に、フキノトウを縦半分に割ってフリットにしたものが乗っています。
かなり苦そうな雰囲気のスープから。少量をスプーンですくって口に含むと、
広がるのはやはりかなりの苦味。同時にフキノトウの渋みも広がります。
私はちょっと苦手ですが、ゴーヤー程ではありませんので、それを食べられる方なら平気でしょう。
サクラマスは、脂の乗ったトロトロの味わい。青海苔の磯の風味が良く合います。
フリットは衣の中に綺麗な黄緑色のフキノトウが見えています。
口に含むとサックリとした食感。衣の油の香りが良く、フキノトウの心地良い苦味が広がります。
こちらも苦そうな見た目ですが、スープ程の苦味ではないので、なかなか楽しめます。
【肉料理】
「若鶏胸肉とカツオの炙り ガーリックのフランと共に」
料理を置かれる前、テーブルにはラギオールのナイフとフォークが準備されます。
メニューを選択する際、肉料理が鶏肉でしたのであまり期待しないで待っていると、
予想外に鮮やかな盛り付けの料理が現れて、少々驚きます。
ほぼ正方形の白い器には、左下に若鶏胸肉。クリーム色のソースが掛けられています。
鶏肉にナイフを入れると、肉自体は非常に柔らかに仕上げられているのがわかります。
しっとりとした食感で、ソースに含まれているほんのりとしたガーリックの風味が広がります。
右上にはカツオの炙り。1センチ程の厚みです。このまま頂くとカツオの臭みを少々感じるのですが、
ハーブのゼリー(後述)と合わせて頂くと、不思議と臭みは無くなり、カツオの旨みだけが残ります。
その他には、左上から右下に向かって下記の通りです。
ハーブのゼリー…緑の立方体。計3個。カツオに合わせて食べて下さいと説明がありました。
インカの目覚め…半月形の黄色いジャガイモ。計2個。甘みの強いジャガイモです。
モリーユ茸…小さなスポンジ風の茸。計5個。食感もスポンジ風で、香りの良い茸です。
コゴミ…渦を巻いた山菜風。パリパリとした食感で、渦巻き部分から粘々の液が出てきます。
ニンジン…甘く茹でてあります。
ガーリックのフラン…プリン状のもの。チーズ(?)で作った薄く香ばしいパリパリが刺さっています。
他…エンドウ豆風のもの、赤い小さいカブ風のもの、ヤングコーンなどです。
【デザート】
「アプリコットのコンポジション ドライフルーツのアイスクリーム」
網模様のガラスの器に乗ったデザート。こちらの料理も美しい盛り付けです。
手前のアイスクリームの上には、細く歪んだ棒状のチョコレートが飾り付けられています。
その向こう側には、アプリコットの4層ケーキ。
最上段は何かパリパリのもの、その下に、3つのアプリコット、
さらにその下にアプリコットのムース、最下層はココア(だったような)の生地。
周囲には、鮮やかなオレンジ色のアプリコットのジャムが添えられています。
ケーキの高さに不思議な形状のチョコレート。立体感のある見事な盛り付けです。
まずはアイスから頂くと、まろやかな甘さ。中に入っているアプリコットの粒が、
味と食感に変化を与えており、ジャムが少々の酸味を追加してくれます。
崩してしまうのが勿体無いチョコレートはパリッと砕け、
甘さと苦さは控えめで、ほんのりとチョコの味わいが広がります。
ケーキのアプリコットは、ナイフを入れるとサックリとした手応え。
口に含むとかなりの酸味が一気に広がって、梅干と同じように口が酸っぱい形状になります。
その下のアプリコットのムースと生地はマイルドな味わい。
先ほどのアプリコットと合わせて頂くと、刺激的な酸味は優しい酸味に変化します。
【小菓子】
画像は2人分です。黄緑・オレンジ・黒の3種類のお菓子と、チョコレートです。
ガラスの器に、6つの穴が開いた透明なプラスチックの容器が置いてあります。
その穴に3つのお菓子が刺さっており、また、チョコレートも置いてあります。
下に映っているお菓子とチョコレートの影がとても綺麗です。
黄緑…外側=ホウレンソウのチップ。内側=オリーブのアイス。
オレンジ…外側=トマトのチップ。内側=赤ピーマンのアイス。
黒…外側=イカ墨のチップ。内側=コーヒー(だったような)のアイス。
チョコ…表面には店名が印刷されています。中は洋酒の味がします。
【食後の飲み物】
紅茶です。レモンに刺してある銀色のものもクリストフルです。
料理はいずれも美しい盛り付けで、特にデザート・小菓子の盛り付けに心を奪われました。
お味の方もなかなか良かったです。また、値段は税込みでサービス料も無く、お得に感じました。
何よりお店の内装や雰囲気が特徴的なので、他のお店とは違う感覚を感じます。
この一年もいつの間にか沢山のフランス料理店に行ってしまいました。
しかし、それももう終わりです。(たぶん)徐々に他のジャンルにシフトします。