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1回
夜の点数:4.5
2012/01 訪問
天才だ・・・・
ピンと緊張感のある味わいである。素材のうまさをきちんと表現するという姿勢がどの皿にも貫かれている。相手にあわせて微調整もしている。 こんな話がある。 身だしなみの伝統がある某国,その流儀に沿ったおよそ最高級の装いでとある小さなホテルに赴いたところ・・・ ホテルのフロントマンが,ジャケットと靴をちらりと見て,(もちろん分かる人にはそれが誰の作でどのようなものであり,それを着ているということの意味が瞬時に分かるのである) 「どうぞ少々お待ちください。お部屋をアップグレードさせていただきたいのですが,ただいま準備中でございます。バーでお待ちいただけませんでしょうか?」 バーに入って,シャンパーニュとエスプレッソとシガーを頼む。翌朝も同じものを頼む。そうすると,ギャルソンが「いつまでお出でになるのか?いつもシャンパーニュとエスプレッソとシガーを楽しまれるのか」と向こうから聞いてくる。そうだ,と言えば,次回から最も良い席に黙って通してくれ,黙っていても欲しいものが出てくる。 スタンダードダブルの部屋がジュニアスウィートになった。事前の予約ではスタンダードツインしかなかったのである.スウィートは泊まってほしいお客にキープしてあるのだろう. しばらく滞在して,お勘定である。 !!! ・・・あなたのような方には,ふさわしいお部屋もありますし,そういう対応もあります。ここではそれができるのです。それをして差し上げたい。おそらくはそれを十分に楽しんでいただけたと思う。そしてあなたはその価値を十分に認めてくれたと思う。だからこの値段なのです。・・・ と,相手の瞳は語っているように見える. 最初から言えよ!とあるひとは言うだろう。だが,違う文化もあるのだ。金を払えばサービスを受けられるなどとは,現代資本主義の思い上がりかもしれない。自分が,本当にサービスを受ける資格があるのか問い直してもよいかもしれない。本物とはそういう緊張感の中でしか味わえないものだと僕は思う。いくらかお金もかかる覚悟は必要である。なにしろ,それだけの研鑽を積んだ方が,それ相応のサービスをしてくれるのである。牛丼というわけにはいかない。まあ,牛丼もうまいのだが。所詮僕のごとき庶民には縁のない世界のようではあるが,本物というのはそういうものののような気はする.相互のレベルが高くないと楽しくない. さて,ここである。 もし黙って食べているなら,中々すばらしいものが注文どおりに出てくるだろう。時価なのだから,お値段が気になる方は,不明朗などと言わず,あらかじめ宣告しておけばよろしい。僕にはよく分からないのだが,値段を表示していないところは日本のよき伝統の信頼関係があるのであり,不当請求などされないはずである。最初の訪問であれば特にそうだ。出す方だって気にしているし,訪問した方だって気にしている。相手に合わせて最高のものを出したい人にあまり無茶は言わないほうがよろしいのではないだろうか。京都流ならば,文句を言わず,二度と行かないだけである。 今回ははじめての訪問。とある方のお勧めでお伺いした。 こういう店は,信頼できる方の名前を出すのがまずは手っ取り早い。が,そうでない方でも虚心坦懐,感じたままを話してみれば良い。厚かましい常連さんが多くの時間をとっていたとしても,無視などされないし,素直な感想にはまじめに回答が帰ってくるだろう。そうではないところは,さすがに二度と行きたくはない。まあ,黙っていると向こうも話しにくいのは当然である。 出てきたものはメモがなくても思い出せる。碁や将棋で初手から並びなおせるようなものだろう。・飲み物はシャンパーニュを飲もうと決めていたので,聞いてみるとセラーを勝手に見てくれということ(笑)。大体値段は分かるので,貧乏な僕は一番安そうなものを選択。クリスタルとかローランペリエのロゼとか,まあうまいだろうけど,多分高いだろう。昨年訪問したVertusのラルマンディベルニエBl de Bl NVがあったので,これに。・自分であけようとしたが,さすがに栓は開けてくれた。ああ,うまい!04主体みたいな感じなのだろうか?ラルマンディベルニエ,現地では楽しくなかったけれど,これはデゴルジュマン後,1,2年経っているのだろう。気持ちが高ぶる。・まだあちらの筍と若布の煮物(筍がこんなにうまく,なぜ若布と一緒に供されるのか,原点から再認識できた。だしが軽やかでありしっかりしている。ある意味もだえそうなバランスだ)。・牡蠣の唐揚げポン酢(中まできちんと火が通るということはこういうことなのだ),・フッコのこぶ締めカルパッチョ風キャビア添え(Bl de Blのシャンパーニュにむちゃくちゃ合う!それ以上にこの値段でロシアのキャビア出して良いのか?塩とオリーブオイルと胡椒とポン酢と何とも驚くべきバランスである。出しているほうの才能に嫉妬してしまう)・牡蠣の唐揚げオリーブオイル風味(ぐっと牡蠣の味わいが良く出てくる。ちょっとした違いでこうも味わいの深さが違うものだろうか。)・鯨ベーコン(今まで食べていたものが疑問に思える,なんとも自然なうまさ。このあたりで,シャンパーニュはあらかた飲んでしまい,ルロワのブルブラン99を追加。セラーで目にして,シャンパーニュとどちらにしようか悩んだ。00もあったが,やはり99だろう。おそらくは別物と感じるような違いである。これは専門的過ぎるコメント.後日,2000も飲んだが実際,まったく別物)・鯛の卵とじ風リゾット(本当はここで終わりだったのかな?だしがうまいし,なんともにくい火入れである)・帰りの最終電車が気になりながらトラフグ。本日卸したばかりでまだ若い。でもフレッシュなうまさがきちんと凛としてあるのは楽しい。・仕上げの鴨団子のおじや。鳥の水炊きがおいしいそうですね,というと,今は鴨だからね,とのこと.今もその香りが口の中に充満している充実。撃った鴨なので、網取りとはうまみにおいて遜色はあるかもしれない。一応ワインのコメントも.ラルマンディ・ベルニエ:シャルドネが少しこなれてきていて,ふんわりとしたグレープフルーツのシロップ漬けみたいな香り.酵母の熟成度合いはまだトーストまでいっていない.味わいはやさしい柑橘の果実の旨みがすごく楽しい.余韻は程よくすっきり.ルロワのブルゴーニュブラン1999:色合いは濃い黄色. ここではカウンターでお話をしながら食べると楽しい。ちょっと敷居が高いご主人かもしれませんが,素直な反応には正直に答えてくれます。現代の先生と生徒みたいな感じで,もしかしたらコミュニケーションに問題が生じるかもしれません。でも,食べるほうに真剣さがあればそれは必ず克服できるはず。1万円も払うのだから,自分がうまいと思うものを気持ちよく出すのが当然,みたいに思っている方は止めたほうがよろしいかと。 味わいは最高点で問題なし。サービスはきちんとしているけれど過剰ではなく,楽しめる方にはくつろげるけれど,あわない人には緊張するものかもしれないので,かなり厳しい評価。雰囲気はまずまず良いほうです。こういうところはいつも自分から溶け込めないと難しい。コストパフォーマンスはそれでもちょっときびし目かな。飲み物は種類こそないけれど悪くはない。ワインも日本酒もたくさんあります。まあ,原価を知っている人には特別安くはないけれど,すばらしい状態で出してもらえるので決して悪くはない。ブショネだったら100%交換してもらえるはず。多分,選んだ酒により,料理をちょっとばかりアレンジしてくれる。その意味が分かる人には凄く楽しいはず。使用金額が高いのは,一人でワイン2本も開けたからです. ということで,また仙台に来る機会があり,いくらか財布に余裕があれば,100%再訪します。今まで知らなかったというのがなんとも痛恨の極みかも? 追記:始めて訪問してからもう1年たったのであるな。一体何度訪問したか分からない。色々習って、自分で試して、なぜ薄口醤油があるのか、濃い口とどう違いどう使い分けるのか、昆布出汁の強烈さ、魚を寝かすこと、野菜を搾ること、皿を暖めたり冷やしたりする意義、玉子の臭いの問題、鳥のうまさ、天然のものの意味、などなど、実感として理解できて来た。食べてはどのような仕事なのか疑問を感じ、聞きかじりで試しては、成功したり失敗したり・・・そうしているうちに自分の舌が覚えてくるのであります。毎週末はパパごとで大忙しである。
2013/03/03 更新
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夜10時以降入店OK
夜12時以降入店可
始発まで営業
朝食
カード可
個室
貸切可
駐車場
飲み放題
食べ放題
子供可
ペット可
クーポン
テイクアウト
家族・子供と
デート
女子会
合コン
大人数の宴会
接待
一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
ピンと緊張感のある味わいである。素材のうまさをきちんと表現するという姿勢がどの皿にも貫かれている。相手にあわせて微調整もしている。
こんな話がある。
身だしなみの伝統がある某国,その流儀に沿ったおよそ最高級の装いでとある小さなホテルに赴いたところ・・・
ホテルのフロントマンが,ジャケットと靴をちらりと見て,
(もちろん分かる人にはそれが誰の作でどのようなものであり,それを着ているということの意味が瞬時に分かるのである)
「どうぞ少々お待ちください。お部屋をアップグレードさせていただきたいのですが,ただいま準備中でございます。バーでお待ちいただけませんでしょうか?」
バーに入って,シャンパーニュとエスプレッソとシガーを頼む。翌朝も同じものを頼む。そうすると,ギャルソンが「いつまでお出でになるのか?いつもシャンパーニュとエスプレッソとシガーを楽しまれるのか」と向こうから聞いてくる。そうだ,と言えば,次回から最も良い席に黙って通してくれ,黙っていても欲しいものが出てくる。
スタンダードダブルの部屋がジュニアスウィートになった。事前の予約ではスタンダードツインしかなかったのである.スウィートは泊まってほしいお客にキープしてあるのだろう.
しばらく滞在して,お勘定である。
!!!
・・・あなたのような方には,ふさわしいお部屋もありますし,そういう対応もあります。ここではそれができるのです。それをして差し上げたい。おそらくはそれを十分に楽しんでいただけたと思う。そしてあなたはその価値を十分に認めてくれたと思う。だからこの値段なのです。・・・
と,相手の瞳は語っているように見える.
最初から言えよ!とあるひとは言うだろう。だが,違う文化もあるのだ。金を払えばサービスを受けられるなどとは,現代資本主義の思い上がりかもしれない。自分が,本当にサービスを受ける資格があるのか問い直してもよいかもしれない。本物とはそういう緊張感の中でしか味わえないものだと僕は思う。いくらかお金もかかる覚悟は必要である。なにしろ,それだけの研鑽を積んだ方が,それ相応のサービスをしてくれるのである。牛丼というわけにはいかない。まあ,牛丼もうまいのだが。所詮僕のごとき庶民には縁のない世界のようではあるが,本物というのはそういうものののような気はする.相互のレベルが高くないと楽しくない.
さて,ここである。
もし黙って食べているなら,中々すばらしいものが注文どおりに出てくるだろう。時価なのだから,お値段が気になる方は,不明朗などと言わず,あらかじめ宣告しておけばよろしい。僕にはよく分からないのだが,値段を表示していないところは日本のよき伝統の信頼関係があるのであり,不当請求などされないはずである。最初の訪問であれば特にそうだ。出す方だって気にしているし,訪問した方だって気にしている。相手に合わせて最高のものを出したい人にあまり無茶は言わないほうがよろしいのではないだろうか。京都流ならば,文句を言わず,二度と行かないだけである。
今回ははじめての訪問。とある方のお勧めでお伺いした。
こういう店は,信頼できる方の名前を出すのがまずは手っ取り早い。が,そうでない方でも虚心坦懐,感じたままを話してみれば良い。厚かましい常連さんが多くの時間をとっていたとしても,無視などされないし,素直な感想にはまじめに回答が帰ってくるだろう。そうではないところは,さすがに二度と行きたくはない。まあ,黙っていると向こうも話しにくいのは当然である。
出てきたものはメモがなくても思い出せる。碁や将棋で初手から並びなおせるようなものだろう。
・飲み物はシャンパーニュを飲もうと決めていたので,聞いてみるとセラーを勝手に見てくれということ(笑)。大体値段は分かるので,貧乏な僕は一番安そうなものを選択。クリスタルとかローランペリエのロゼとか,まあうまいだろうけど,多分高いだろう。昨年訪問したVertusのラルマンディベルニエBl de Bl NVがあったので,これに。
・自分であけようとしたが,さすがに栓は開けてくれた。ああ,うまい!04主体みたいな感じなのだろうか?ラルマンディベルニエ,現地では楽しくなかったけれど,これはデゴルジュマン後,1,2年経っているのだろう。気持ちが高ぶる。
・まだあちらの筍と若布の煮物(筍がこんなにうまく,なぜ若布と一緒に供されるのか,原点から再認識できた。だしが軽やかでありしっかりしている。ある意味もだえそうなバランスだ)。
・牡蠣の唐揚げポン酢(中まできちんと火が通るということはこういうことなのだ),
・フッコのこぶ締めカルパッチョ風キャビア添え(Bl de Blのシャンパーニュにむちゃくちゃ合う!それ以上にこの値段でロシアのキャビア出して良いのか?塩とオリーブオイルと胡椒とポン酢と何とも驚くべきバランスである。出しているほうの才能に嫉妬してしまう)
・牡蠣の唐揚げオリーブオイル風味(ぐっと牡蠣の味わいが良く出てくる。ちょっとした違いでこうも味わいの深さが違うものだろうか。)
・鯨ベーコン(今まで食べていたものが疑問に思える,なんとも自然なうまさ。このあたりで,シャンパーニュはあらかた飲んでしまい,ルロワのブルブラン99を追加。セラーで目にして,シャンパーニュとどちらにしようか悩んだ。00もあったが,やはり99だろう。おそらくは別物と感じるような違いである。これは専門的過ぎるコメント.後日,2000も飲んだが実際,まったく別物)
・鯛の卵とじ風リゾット(本当はここで終わりだったのかな?だしがうまいし,なんともにくい火入れである)
・帰りの最終電車が気になりながらトラフグ。本日卸したばかりでまだ若い。でもフレッシュなうまさがきちんと凛としてあるのは楽しい。
・仕上げの鴨団子のおじや。鳥の水炊きがおいしいそうですね,というと,今は鴨だからね,とのこと.今もその香りが口の中に充満している充実。撃った鴨なので、網取りとはうまみにおいて遜色はあるかもしれない。
一応ワインのコメントも.
ラルマンディ・ベルニエ:シャルドネが少しこなれてきていて,ふんわりとしたグレープフルーツのシロップ漬けみたいな香り.酵母の熟成度合いはまだトーストまでいっていない.味わいはやさしい柑橘の果実の旨みがすごく楽しい.余韻は程よくすっきり.
ルロワのブルゴーニュブラン1999:色合いは濃い黄色.
ここではカウンターでお話をしながら食べると楽しい。ちょっと敷居が高いご主人かもしれませんが,素直な反応には正直に答えてくれます。現代の先生と生徒みたいな感じで,もしかしたらコミュニケーションに問題が生じるかもしれません。でも,食べるほうに真剣さがあればそれは必ず克服できるはず。1万円も払うのだから,自分がうまいと思うものを気持ちよく出すのが当然,みたいに思っている方は止めたほうがよろしいかと。
味わいは最高点で問題なし。サービスはきちんとしているけれど過剰ではなく,楽しめる方にはくつろげるけれど,あわない人には緊張するものかもしれないので,かなり厳しい評価。雰囲気はまずまず良いほうです。こういうところはいつも自分から溶け込めないと難しい。コストパフォーマンスはそれでもちょっときびし目かな。飲み物は種類こそないけれど悪くはない。ワインも日本酒もたくさんあります。まあ,原価を知っている人には特別安くはないけれど,すばらしい状態で出してもらえるので決して悪くはない。ブショネだったら100%交換してもらえるはず。多分,選んだ酒により,料理をちょっとばかりアレンジしてくれる。その意味が分かる人には凄く楽しいはず。使用金額が高いのは,一人でワイン2本も開けたからです.
ということで,また仙台に来る機会があり,いくらか財布に余裕があれば,100%再訪します。今まで知らなかったというのがなんとも痛恨の極みかも?
追記:始めて訪問してからもう1年たったのであるな。一体何度訪問したか分からない。色々習って、自分で試して、なぜ薄口醤油があるのか、濃い口とどう違いどう使い分けるのか、昆布出汁の強烈さ、魚を寝かすこと、野菜を搾ること、皿を暖めたり冷やしたりする意義、玉子の臭いの問題、鳥のうまさ、天然のものの意味、などなど、実感として理解できて来た。食べてはどのような仕事なのか疑問を感じ、聞きかじりで試しては、成功したり失敗したり・・・そうしているうちに自分の舌が覚えてくるのであります。毎週末はパパごとで大忙しである。