『ワシントンナショナルギャラリー展』すぷちんさんの日記

レビュアーのカバー画像

すぷちんのレストランガイド~料理は芸術と夢を詰め込んだ宝箱☆

メッセージを送る

すぷちん (女性・東京都) 認証済

日記詳細

2011年9月5日まで、六本木(乃木坂)の国立新美術館で開催されている
ワシントンナショナルギャラリー展ですが、
米国ワシントンD.Cにある国立美術館(ナショナルギャラリー)が改装しているため、
常設展示をしていないお陰で、印象派の作品を中心に、
普段はギャラリーから一度には出さない貴重なコレクションが楽しめる絶好の機会です。


それまで宗教画など、貴族等特権階級の為にあった絵画を、
市民革命という時代の流れもあって一般市民に開放、古典から進化させた印象派ですが、
そこで世界的にも余りにも有名な
マネ、ミロ、ルノアール、ドガからゴッホの自画像、ゴーギャンの作品まで来日しています。
更にはキャンバスの絵画だけでなくスケッチや版画などレアなものも☆

更に、その先駆けとなったバルビゾン派・・・
私が惹かれて止まないギュスターヴ・クールベ、カミーユ・コロー、
実際に見て最高に惹きつけられたジュール・デュプレの「古い樫の木」なども見られます。


日本でも、海外に行った時も、美術館には頻繁に足を運びはしますが
絵に特別な造詣があるというわけでもなく、印象派の魅力がよく解らなかった私でも、
その時代背景を考えながら実物の絵を拝見すると、
百年以上前にその画板の前で画家がどのように絵を描いたのかと想像は広がり、
そこにあったであろう、苦悩や葛藤も人肌温度で感じられる気もします。

正直な話、ルノアールなど全く好みではなかったけど、
彼の描く透明なチュールなど穴が開くほど見ても、見足らない程・・・。
やはり写真と現物は、全くその迫力が違いますので、
是非、機会があったら足を運ばれることをお勧めします☆

この機会を逃したら、次に日本にやってくるのはいつのことか・・・永遠に無いかもしれません。
入場料1500円です。


私的芸術を楽しむポイントは、時代背景を知ること、
そして、その画家自身を知ること。
大家といわれる画家達の、その生き様が垣間見れることはとても興味深いです。

私自身、とある日本画家のガイドをしていることもあり、勉強中なのですが
最初は特に魅力を感じなかった一枚の絵が、
その人の歴史と共に時系列で見ていくことで
その人が目で見たものをどのように心で捉えて表現していったのか・・・
その心と時代の変遷を辿りながら「人間」を感じて、愛してしまうのです^^

これは実は食べログとも関係があります。
単なる生理的欲求の食事を、
その食材がどのようにテーブルまで来たか、
その生産者の工夫、苦悩、情報を知ることで、単なる食事が奥深いものになったりします。
CPも大切ですが、
日本のチームメンバーが苦労して作り上げた食材、食事なら尚更です。
同じように、単なる一枚の絵が、情報を得ることで奥深く心に染み入る一枚になる、
すなわち、心の栄養になるのだと思っています。


話は変わりますが、
ロンドンのナショナルギャラリーでも入館料は無料でしたし、ワシントンも無料のはずです。
この展覧会は「借りた絵」の企画展示なので、無料とはできないかもしれませんけれど
もう少し、日本の芸術鑑賞にお金が掛からないと民度もあがるのにね・・・^^;


しかも国立新美術館は国の美術館なのに、常設展示がないんだそうで・・・・
これって「箱物」以外の何者でもないよね(汗)
国が箱貸ししているだけの美術館です。

建物は確かに黒川紀章さんの芸術作品でもあるし、民間の力で質の高い芸術鑑賞はできるけど
この国の芸術教育のお面を被った実際は「利権の横行」が
国の芸術を始め教育水準の低さに繋がっているのではないかと、嘆きたい気分にもなりました。。。

なんだか小難しい話になってしまいましたが^^;
芸術って素晴らしい☆ですね~



写真が5枚以上見たい方は
http://ameblo.jp/longspring/entry-10929263857.html


ページの先頭へ