2回
2021/10 訪問
ここの全てが好き
いつもはメインの食べ物をTOPにするけど、みの家は特別。絶対に見る価値有り。
町並みは変われど、みの家は変わらず。
美しいステンレスのテーブルに馬刺しの赤。
写真撮り忘れ..
廊下は狭いが天井は高い。なので閉塞感ゼロ。
この廊下も必見。
廁(かわや)も体験して欲しい。
小さいけど回遊式を模したような箱庭に馬頭観音。 日本の文化そのもの。
2021/11/07 更新
2008/10 訪問
昭和初期の下町そのまま。必見「入れ込み式」と「下足番」
幼い頃、この近くに住んでいたことがあり、当時から全く佇まいを変えないこのお店は
建物自体が「下町の生き証人」として保存指定されてもいいのではないか？と思う程、
昔の風情をそのままに残している趣の深い建物だ。
昭和２９年に建てられた木造建築は、昔は炭を使っていた為に天井が高く、
座敷はステンレス敷の長机が縦長に配置された入れ込み式。
卓袱台程度の低い、ひたすら長く列を作っている机に隣同士が腕をぶつける程に入れ込んで
かつては運河で働いていた人々や木場の職人の胃袋を満たしていた・・そのままの形。
下町の幾つかの老舗を除いては、今ではなかなか見られない造りだ。
そして下足番のおじさんがいる、という事も昔から変わらない。
神田のぼたんも古い造りでやはり下足番のおじさんがいるが、
あそこは卓袱台は辛うじて個々離れている。
昔から「さくら鍋」専門でそれは什器にも桜マークに「なべ」というロゴでも分るが
入口の上部の瓦にもその登録商標が刻まれており、今ではなかなか出来ない仕事を垣間見る事も出来る。
赤いフエルト状？毛氈絨毯が敷き詰められ、ありえないほど細い廊下。
はばかり等は思わず声を上げてしまうほど懐かしい、木の扉に横木をずらしてロックする方式。
大きい座敷の奥には小さな溶岩を使った庭があり、「馬頭観音」が鎮座している。
このような建物を味わうだけでも行く価値は十二分にあるのでお勧めだ。
器の話が長くなってしまったが
メニューは大きく鍋とさくら刺身の二通り。
あとは蕎麦屋のようにお酒を楽しむ方用に卵焼きや板ワサ程度。
ご飯、解き卵、お新香、汁、豆腐などは別料金となっている。
今回注文したのは
■さくら鍋（1800円）
八丁味噌と江戸味噌を混ぜ込みながらさっと煮て頂くが馬肉はあっさりしていて癖がない。
葱、麩、白滝がつくがこの葱は千住にある葱市場（昔のやっちゃば跡）でしか購入しいそう。
一般市場には出回らない葱なのでしっかり有り難味を噛み締めました（笑）
一人前はとても少ないが歯ごたえの違う部位が二種類入っている。
■肉刺（馬肉 1800円）
卸し生姜を生醤油に溶かしていただく。油は殆んどない赤味でさっぱりと柔かい。
■あぶら刺（タテガミ部位 1200円）
こちらはしっかりと脂ののった部位で歯ごたえはしっかりあるが、何しろ甘い。
■ご飯（200円）
白米そのものが美味しく、タレの混ざった解き卵が付くとこれがまた美味しい。
最後には残った卵で生卵掛けご飯にして最後まで頂く。
女性や小食な方なら２人で一つ注文して丁度いいと思う。
■解き卵（５０円）
これは何も言わなくても鍋を注文すると最初に出される。
最後にご飯にぶっ掛けていただくので途中で追加する事は必至かも（笑）
地元のおじさん方の寄り合いにも使われることが多かったのだろう。
この日もおじさんグループが和気藹々とビールを飲みながら会談していた。
いいなぁ。
私もこういう粋な老後を送りたい・・・ｗ
瓦の登録商標 ｂｙ すぷちん
下足札と卵 ｂｙ すぷちん
さくら鍋 ｂｙ すぷちん
千住の葱卸しの葱・麩・白滝 ｂｙ すぷちん
肉刺し ｂｙ すぷちん
あぶらさし ｂｙ すぷちん
今ではなかなかないお仕事ですね・・ ｂｙ すぷちん
細くて長い廊下 ｂｙ すぷちん
失礼・・・閂式です。 ｂｙ すぷちん
ｂｙ すぷちん
馬頭観音のある箱庭 ｂｙ すぷちん
長机の並ぶ座敷 ｂｙ すぷちん
2008/11/01 更新
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久しぶりのみの家さん。
私の幼少期の行動エリアながら
子供の頃はどぜう、蕎麦、寿司、たまに鰻と
親に連れていかれる選択肢に馬肉はなくて
大人になってから何度か母を伴ってお邪魔した。
隅田川は安宅の岸から木場に向かう位置にあり
労働者を＂入れ込み＂という隙間なく並べられた長テーブルに押し込んで、
とにかく精をつけろ、と食べさせた、
という話は知っていた。
しかし今や、
下足番さんが現在で、
店構えも昔からの下町風情が残り、
鬼瓦も設て、
毛氈の敷かれた押し込み式の店内で、
めちゃくちゃ狭い毛氈廊下、
年季の入った鉄鍋でさくら鍋をハフハフ言わせながら
頬張れる店は他にないだろう。
下足番の現存店は他にも2〜3は知っているけど
この入込み式でもなく、
値段的にももっと上級になるし
つっかけ下駄で助さんでもるんるん行ける
みの家の雰囲気が堪らない。
奥には庭があり馬頭観音も祀られる。
廁(化粧室)も未だに木製のドアではなく扉に
閂式木製スライド。
上段の閂(かんぬき）のスライド式の部分は外からも開けられ、
下段をスライドして閉めると外からは開けられない内鍵構造
きっと、今の若い方はここで初体験というケースもあるだろうが、
素敵な経験になるに違いない。
日本の文化そのものを残してくれるこのお店には
本当に、日本愛しか感じない。
肝心のさくら鍋の前に、
馬刺し、蒲鉾などを幾つか摘みながら(写真撮り忘れ)
たわいない話に酒を酌み交わす。
ちなみにみの家の肉は
旨みを出すためにお肉を2～3週間熟成させている、
とのこと。
〜以下HPより抜粋〜
熟成することによりたんぱく質が分解され、
アミノ酸（イノシン酸）が増し、
初めて肉が美味しく、やわらかくなるのです。
しかし、水分の多い馬肉はこの熟成期間の間に表面が乾いてしまい多くのロスがでてしまいます。
そのため、表面を削ってもできるだけ多く肉が残るように、できるだけ大きな馬を求めております。体重1～1.2ｔの大きな馬は、暑さに弱いため、比較的寒い地域で多く飼育されております。また、水、えさによって肉質、脂の味も変わってしまいます。
寒い地域、きれいな水、安全な飼料、さらにすばらしい自然環境、そして、私どもの肉に対する考えを理解していただける生産者かどうか。これらの条件を追い求めた結果、現在、青森とカナダの牧場から仕入れております。
〜以上、HPより抜粋〜
そろそろ鍋といくか、的な頃合いを見計らって
中居さんが世話を焼いてくれる。
火をつけたら即、
味噌をといて肉をほぐしながら馴染ませ、
続いてざく（ねぎ・白滝・麩）をすき間に入れ
玉子を溶いておく。
肉はさっと色が変わったら食べごろ。
このざくの白葱も北千住の千住葱とのこと。
なかなか一般の口には入らない江戸名物の柔らかい葱なので
この物語りを知って頂くと殊更ありがたい。
さくら鍋は味噌を溶かし肉に馴染ませながら煮るが
煮切る前に頂くのがコツ。
最後の締めは卵と白飯ですき焼きの〆と同じ。
こんな悠久の時間軸を超えた満足感はない。
みの家さん、有難う御座います。