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赤ニシ貝
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秋刀魚の糠漬け
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ちまき
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滝川豆腐
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毛蟹の甲羅揚げとギンポのてんぷら
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生麩菓子
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みなさまの口コミは軽く読みましたが、これほどのお店とは知らずに予約を
しました。1日2組しか取らないのも、食べログの和食部門第1位に輝いた
お店であることも。。。逆に先入観がないからこそ、あれだけ感動したのかもしれないけど。
秋田から、青森とまわり、いよいよ最終滞在の仙台にやってきました。
平泉の世界遺産中尊寺を見てから、仙台に着いたのはもう午後遅く。
伊達政宗の像と、七夕を見てから、電車に乗り30分で本塩釜駅に着きました。
タクシーにお店の名前を言うと、「ああ、料理屋さんだね」とすぐにわかってくださいました。
が、真っ暗な狭い道をひたすら登っていくので、かなり不安な気持ち。
お店はこんな住宅街に?と思うような場所でした。予約を入れた20時ちょっと前に到着。
迎えて下さるご主人と奥様の笑顔を見て、ちょっと一安心。
通された場所は、洋室の個室です。今は真っ暗ですが、大きな窓から、海が一望
できるのではないかしら。昼間に再訪してみたいものです。
今日は1万円のコースでお願いしてあります。ダンナと二人で来る予定でしたが
急に娘も一緒に来ることになったんです。人数が増える旨を電話した時に、お料理は
すべて予約制なので、追加はできませんがとおっしゃっていましたが、私達の料理に
合わせ、娘の分も少しずつ(全品ではありませんが出せるものは、と)用意して
下さっていました。お手間だろうに、感激。。。
◆カボチャに卵豆腐、ミョウガとズイキの寒天寄せ。
あずきとカボチャは相性がいいですね。とろとろの餡をかけ、天の川に見立てた前菜。
なんてきれいだこと。蒸し暑い日でしたが、汗がすーっとひいていくようです。
◆赤ニシ貝
私は名前も聞いたことがなかったし、初めて口にしました。
内側が茜がかったオレンジ色をしていて、きれいな貝です。
このレビューを書くにあたって調べてみたところ、「サザエを小さくしたような」という
形容が一番多く目につきました。サザエどころじゃない大きさなんですけど。。。
焼いたものは柔らかく、鮑とも勝負できるんじゃないかと思いました。
◆秋刀魚の前菜とちまき
糠漬けにした秋刀魚って、初めて食べたかも。
山形の「だし」みたいに、3時間ほど糠に漬けたの野菜を、細かく刻んで上にかけ
お醤油のにこごりをちらしてあります。青魚の刺身を、一度も食べたことのない娘が
こわごわ口に運んだ途端、目を丸くしあっという間に食べてしまいました。びっくり。
芸術作品かと思うほど、きれいに巻かれたちまきの中身は、いしなぎというお魚でした。
昆布〆にしたお寿司の、なんて美味しいこと。ちまきを巻いているひもは、畳に使う
いぐさで、それを細く割いて使うのだそうです。
◆お吸い物
粟を使ったおだんご、そうめんカボチャ、鯛を使ってあります。
松島で京料理をなさっていたご主人の作る出汁の味でいただくお吸い物は
本当に香り豊か。魚のくささもありません。大事に大事に飲みました。
◆お造り
きんじろうがれい、車エビ、ウニ、マグロ、ハゼの肝あえなどです。
かれいは、梅を使った醤油を別に用意して下さいます。車エビの頭はこんがりあぶり
特製のタレをつけていただきました。パリパリです!しかもみそと身の旨みたっぷり。
マグロは赤身と中トロ、どのお刺身も極上です。私がひっくり返りそうになったのは
ウニ。大人の男性の親指よりも大きくて厚い、こんなウニは今まで見たこともない。
もちろん殻から出したばかりのものです。その身は大味なのかと思いきや、口に
含んだ途端淡雪のようにさ~っと溶けてしまい、甘みだけが残るのです。
ダンナはハゼの肝あえを絶賛してました。小さな魚を、天ぷらにするのではなく
きちんとおろして、1品を作るのは並大抵な手間じゃありませんね。
◆いろいろ5品
秋刀魚の糠漬けを、干して、焼いたものをお寿司にしてあります。笹の葉にくるんで
焼いているのですが、葉の香りもさわやか。「おかわり下さい!」とお願いしたくなる
ような素晴らしいものでした。あとは茄子のお漬け物、ミンク鯨とししとうの炒めたの
モロッコいんげんの胡麻和え、油揚げときゃらぶき(かな?)
◆滝川豆腐
豆乳を加え、こちらのお店でお作りになるそうです。
ところてんのように、枠から押し出してこんな形になさるのだそう。いい箸休めだわ。
◆揚げ物
毛蟹に、ほぐした身や野菜を混ぜて味付けしたものを詰め、揚げてあります。
こ!これは!うまいべさ。もう我を忘れて食べてしまいました。
自分の中では、ウニの次に驚きだったお料理です。衝撃的旨さだわ。
こちらの地方ではほとんど食べられていないというギンポの天ぷらも出ました。
◆青い梅を甘く煮たものと、麹でできたお団子、じゅんさいの入った汁物。
ほんのりと甘く、冷たく、揚げ物の油が洗い流されるようでさっぱりしました。
◆煮物
マグロのトロと冬瓜を炊いてありました。魚の旨みを吸い取って素晴らしく
美味しい冬瓜でした。でももうこのへんで、さすがの私もおなかが限界です。
◆最後はウナギと山椒を炊いたものと、つやつやぴかぴかの白いご飯。
お酒を飲まない娘には、先に出して下さり、お心遣いが嬉しかったです。
ダンナは、うなぎをお茶漬けにして食べてました。
嗚呼、私も食べたかった!いかにも美味しそうにお茶漬けを平らげるダンナを
眺めるだけの私。
◆食後の甘いものは、これまた手を掛けた和菓子です。
あんこもお店で作っているそうですが、生麩だけは手が回らず、京都から送って
もらっていると奥様がおっしゃってました。笹の緑と、生麩の色の美しいこと。
ほとんど限界まで食べてしまったので、別腹さえ無理みたい。
娘にあげると、「やったー」と言いながら、一口で食べてしまいました。
(あまつさえ噛まずに飲んでしまったような気が。。。なんてことだ)
以上のおまかせコースで、一人1万円。娘の分は2500円で出して下さいました。
ビールと日本酒を飲んで+4300円、これに消費税やその他含めても
合計30950円でした。この素晴らしいお料理の数々が、このお値段で
食べられるなんて。。少なくとも、都内では絶対にあり得ないかも。
ほどよくお酒を飲んでいたせいもありますが、このまま仙台に戻る途中で
死んじゃっても、今なら悔いはないと思ってしまったほどです(笑)
東京から仙台は、JRの安いプランがいくつもあるので、嬉しい。
「そこで食べるためだけに飛行機に乗る」の代表格だった長崎のお店よりも
気軽に行けそう。またぜひ、季節をかえてうかがいたいです。
ちょっと気になったのが置いてある日本酒。
数はそんなになくてもいいから、もう少し違う傾向のものがあればいいのに。
それと、クレジットカードが使えないのを知らなかったので、ちょっと慌てました。
大目に持っていてよかったですけど。