1回
2012/04 訪問
恐悦至極
日本酒のグラスが素敵
胡麻豆腐(2013/10)
鰆の叩き (2013/10)
松茸姿焼(2013/10)
土瓶蒸し(2013/10)
土瓶蒸し 中身
帆立と銀杏の揚げ物(2013/10)
淡路産白身あしらい色々(2013/10)
八寸(2013/10)
焼物(2013/10)
萩饅頭 菊花餡(2013/10)
丹波京漬物盛り合わせ(2013/10)
味噌汁 九条葱(2013/10)
蕨餅(2013/10)
松茸御飯(2013/10)
蕗の薹豆腐(2013年2月)
(2013年2月)
酒粕椀 鰤 (2013年2月)
(2013年2月)
(2013年2月)
八寸 ばち子 柚べし(2013年2月)
鯛 魚素麺(2013年2月)
牡蠣照焼(2013年2月)
蕪蒸し(2013年2月)
うすい豆御飯(2013年2月)
2012/05/15 更新
春の嵐とまではいかないけれど、風雨強まる予報のある平日の晩。
初めて下車しましたのは、湯島の駅。
出口からすぐでわかりやすいはずなのに、行けども行けども飲み屋さん。
何往復かして、時間がせまり、店に電話すると、ちょうど今雨をよけて立っていた
玄関がそこじゃまいか。ここって店だったのね!
1階奥の個室に通されると、みなさんもう集まってらっしゃる。
今日はこの予約困難店を4ヶ月も前から押さえて下さっていたレビューアーMさんの
ご厚意で、私も参加させて頂けたのでした。胃が本調子でないものの
これに行かなかったら、絶対に後悔しちゃう。降って湧いた幸運をありがたく頂戴しました。
このおうちは先の震災でもしっかり立っていた強者。
築7~80年にはなるそうな。
●うすい豆お浸し
少々甘みのあるお出汁の中に浮かぶ翡翠色。
エンドウ豆の一種だそうですが、皮の触感がいい。口の中ではじけます。
●鹿児島県産ふきのとう豆腐
お醤油をさっとひとはけしてあって、見た目はお餅みたい。炙った香ばしさが
ふわっとたちあがるの。ふきのとうの苦みが味覚を刺激して。子供の頃は
分からなかった美味しさねえ。
●蛍烏賊沖漬け
いまだかつてこんなに軽やかな沖漬けを口にしたことあったかしら。
だってイカが透き通っている。ゆずの香りがさっと広がり、あふれ舞う。
●若竹椀
白子筍という京都の極上筍です。
店主みずからお見えになり、実物を見せて下さった。
いつも目にしているものとは全く違う色。掘り出してすぐを空輸で送るそうだから
本当に新鮮な物なのでしょうね。とにかくアクが少ないそうで。
鳴門の若布のとの、初物同士の組み合わせです。
豊穣なお出汁も素晴らしいけど、思わず言葉を失うほど筍がすごい。
うまみだけが突出してるもん。春の息吹がふんだんに感じられるお椀ですね。
●花見弁当盛り込み
身の厚い平目を使って薄焼き卵で巻いたお寿司が美味しかったな。
棒寿司は一夜干しの桜鯛(秋は紅葉鯛になるそうで)を一晩塩だけで寝かすんですって。
いいだこやら、菜の花木の芽味噌和え、桜エビのかき揚げ
酒粕とナッツを使ったお団子、桜の枝でスモークしたくちこ(なまこの卵巣)
などなど、楽しくて美しい、黒木さんの思い入れがこれでもかと詰まったお弁当ですわ。
一緒に小布施のワインを。薄濁りで、秋にでる限定ものだそう。
●ひしがに(わたりがに)
丁寧にほぐした甘みたっぷりの身。内子のこってりした美味しさよ。
●琵琶湖産稚鮎
揚げたのを1匹に焼いたのを2匹。
こしあぶらと行者ニンニクも天ぷらにして添えてあります。
稚鮎といえども、ワタの苦みが効いて。
会津の酒蔵、末廣酒造 の『嘉永蔵』をみんなで2合。
●豊後水道産造り 盛り合わせ
函館産大振りのムラサキ雲丹が秀逸。
なんて甘く、春の雪のように淡く口の中で溶けてくことか。
脂が乗っていながら、少しもくどいところのない関鯖。
桜鯛とばくだい(※梅の種状の干した実で、水に戻すとえらいことふくれる)
アルザスのリースリング
●焚合わせ
湯葉で出汁をとった精進料理にも使われるお料理だそう。
海老芋と蕗を添えてあり、器の蓋を開けると柚の香りが香り立つ。
ああ、至福の時。ほっこりした海老芋も、たっぷり汁気をふくんだ湯葉も最高。
●丹波京漬物盛り合わせ(4種類)
●白子筍御飯
土鍋で炊いたつやつや御飯の上ではんなりする筍。
胃の調子が悪いなんて、我ながら嘘じゃないかと思う。思わずおかわり。
●田舎味噌椀
お味噌汁って、プロが作ると別物。しみじみ納得のお味。
こちらもお代わり可能でした。胃が許せば食べたかったな~。
●葛きり 桜餅
ぬるっとした舌触りが官能たっぷり。カウンターではその場で作って下さるそうで。
黒蜜に浮かんだ桜の花は、塩気と酸味があって、まったり甘くなった舌を
リフレッシュさせてくれるわね。
見るからに美味しそうな桜餅ですが、私はもうギブ。
もちろん、その場で再訪の予約をしました。が、次に、カウンターでの予約が入るのは
9月以降だそうで、なんと5ヶ月先じゃありませんか。がっかりする私に、お手持ちの
予約をばお譲り下さった師匠。えええ、最高に嬉しい。
お店をあとにし、家路につきながら、遠くまで見送ってくださっていたご主人の姿を思い出す。
あの素晴らしいお料理の数々、あれは春の宵が見せた夢か幻だったのか。
いえいえ、手帳にしっかり残る8月の日付の○印。次はダンナのお誕生日祝いに再訪しますわ。