2回
2017/12 訪問
こだわり抜いた上質で滋味深い一杯
西新橋の街は抜けるような冬青空。
いつのまにか大門から移転したくろおびさんを訪問。
新橋からは烏森通を直進し日比谷通を超えた先。
近くには田中そばさんなどが並ぶ激戦区です。
明るい木の格子戸に白暖簾、上部は横木ルーバー、
犬矢来をあしらった純和風の洒落たファサード。
店内に入ると、午後1時半過ぎでほぼ満席。
手前右手に厨房とカウンター、左手にテーブル席。
さらに奥に進むと4人掛テーブル席もあります。
白木で厚手のカウンターが上品な雰囲気を醸し出す。
ハイチェアは膝が物入れに当たり座りにくいけど…
メニューはサイドやおつまみが増強された感じ。
メインのラーメンはほぼ同じラインナップ。
「くろおびラーメン 塩」(1,000円)を注文。
くろおび=全部載せバージョンです。
厨房は年配と若手の男性2名、サブに女性1名。
ジャズが流れる店内、お客さんは近隣の方中心。
回転良く入れ替わり立ち替わり人が訪れます。
5分ちょっと掛かって登場です。
ネギにスプラウト、糸唐辛子の赤が映える。
スープを飲んだ瞬間、優しい旨みに包み込まれる。
うわぁ、美味しいなぁ…
角なく柔らかでミネラル感溢れる出汁。
利尻昆布の存在感は消し、旨みとして溶け出し、
動物、乾物、野菜系など複雑な素材を引き立てる。
かすかに漂う和の甘みが上質感を演出。
塩すら主張なく、旨みだけが体内で消散していく。
あっさりながら何とも深い味わいです。
麺はややウェーブ強めの細麺。
つややかな口当りでヤワめだがコシの残る食感。
小麦のほのかな甘みとスープの旨みが絶妙に合う。
やや引き上げが重いのが難点だが、上品な仕立て。
具材たち。チャーシューは2枚。
肩ロースとバラロール風厚手で肉の味が美味い。
しっとりとした食感がどことなく和の煮豚風。
海老ワンタンが2個。これがまた美味しい♫
むきえび丸ごと1個と少量の餡が包まれてます。
ぷりっとしたえびは品良く下味が付いてる。
皮は短めで、やや厚め。存在感あります。
味玉は半身にカットされ、黄身がとろり半熟。
その上品な甘みとコクがたまりません。
メンマは穂先メンマ。しっとりとした口当り。
ふわりとろけるような柔らかさでおいしい♫
縦長にスライスされたネギ、スープに良く合う。
水にさらしたのかエキス感は弱めで品の良い味。
こだわり抜いた上質で滋味深い一杯。
丸く優しく旨みだけが流れ出す秀逸なスープ。
昆布の海の恵みという単純な設定ではなく、
旨み成分が体にシンクロするような一体感。
各具材もバランスの良い仕立てになっていて、
出来上がった一杯はじわりと染み入る味わい。
くろおび1,000円は新橋としては高価格。
飲食激戦区ではどういう評価をされるのかな。
ただ、食べれば納得できる内容です。
また定期的にうかがいたいお店です。
2017/12/21 更新
【再訪です】
正月明けの西新橋。
くろおびさん、虎ノ門店は実に2年ぶりの再訪。
オフィス街に佇む純和風な外観。
午後1時、3.66点という超高得点ながら並び無し。
2人掛席が空いていたが、今片付けます、と外で待機。
5分も待ち、その間カウンターが空き結局そこへ案内。
でも後のお一人は2人掛席へ案内って、なんかなぁ…
厨房はやや若手の男性お一人、フロアに女性。
お客さんは近隣の若手サラリーマン主体のようです。
ここは醤油・塩2系統で、全部載せ"くろおび"が評判。
デフォも850円、くろおびは1,100円という高価格。
さらに限定九条ねぎ? 揺らぐなぁ…値段が高いなぁ…
意を決し「九条ねぎラーメン」(1,200円)を注文。
10分くらい掛かって登場です。
うおー、丼ぶりが緑色のねぎで埋まってます。
ねぎしか見えない、なんともシンプルな眺め(笑)
かき分けてスープを飲むと、うーん、美味しい♫
出汁自体からは昆布の和風な味わいはしないけど、
深いミネラル感が舌にジーンと染み込んで来ます。
複雑な素材で形作られた旨味はなかなか繊細です。
大量に盛られた九条ねぎ。
青い部分が斜めにスライスされ、2~3センチ楕円。
食べると、かなり乾いた食感でパサついてる。
黒種太ねぎ系と思われるが、しなやかさは無し。
味は苦味が強く、九条特有の甘みは感じないなぁ…
切り置いたのかライブ感がなく、柔らかさもない。
乾いてスープに馴染みにくいので、浸して待つ。
麺はつややかで弱いウェーブの細麺。
加水率高めで口どけよく、スープとの相性が良い。
しかし、食べてる横から青ねぎが混じってくる。
スープを飲んでも、常に青ねぎが混じってくる。
うーん… 正直、後半飽きて来ます。
で、具材。ねぎに隠れて全く見えないが… まさか、
小さな鶏チャーシューと穂先メンマだけ!?
くろおびに九条ねぎプラスをイメージをしてた。
いや~ これでデフォ+350円って、高すぎです。
九条ねぎが美味しかったら、少し納得したけど…
とにかく九条ねぎまみれの限定麺。
普段は限定を食べないのだけど、やっちまった。
この高価格だからこそ、余計に悲しい。
限定と呼ぶのに、デフォに九条ねぎを載せただけで、
特段の創意工夫がないのも正直残念かなぁ…
せめてねぎだけでも味や質にこだわって欲しかった。
やはり、"限定はタブー"は家訓にしよう。
今度はレギュラーメニューでもう一度楽しみます。