4回
2017/07 訪問
【再訪】静かさと力強さ
2017年7月 再訪☆
夏の松川さん。
この日一番驚いたのは、鰻と冬瓜のお椀。
少し生姜が強く香った部分が好みとは違うかなとも思ったのですが
丁寧に丁寧に炊かれた冬瓜の透き通るような美味しさ。
そして、下手したら臭みが出てしまいそうな、やわい扱い方(炙り方)の鰻。
この二つを御椀にしてしまう、松川さんの技量が、東京、いや、全国の
和食店の中でもこれほどまでに人気で愛されるお料理であるのも当然なのかも。
他にも、唐津の惚れぼれしちゃうくらいに甘くて美味しい雲丹だとか
炭火で真っ黒になるまで焼きあげたジューシーで素朴な甘みの賀茂茄子だとか。
旨味と脂ののった焼いたスッポンのこっくりとした美味しさだとか。
ひとつひとつが、確実に美味しくて、コースの流れもキレイな纏まり。
〆の御飯の相変わらずの甘みのあるつややかな美味しさには
お代りせずにはいられないし、デザートのすっと儚く消えゆく水羊羹までも
キリっとしつつも、柔和で、とても満足感を感じるものばかり。
予約は自力では不可だし、お値段もかなりの、、、なのでそうそうの訪問はできないけれど
優しい食べ友さんが声をかけてくださり、こうして訪問できるのはとてもシアワセ。
なんていうか、やっぱり、松川さんって、スゴイ。
未だにちょっと背伸びしている(自分が松川さんに伺うにあたって)感はあるのだけど
こうして伺うたび、仕事をガンバロウ!と自分に喝を入れることもできるのです(笑)
今回もとても美味しかった。
個室でのんびり、みなさんといただけたことも楽しかったし。
ありがとうございます。
ごちそうさまでした~
お一人様度:★★★
迷子レベル:★☆☆(坂がキツイのです。。。)
リピ度 :★★★
予約難度 :一見不可
☆4.4→4.6へ
2018/01/06 更新
2017/02 訪問
【再訪】静かさと力強さ
2017年2月 再訪☆
約1年ぶりの訪問となった晴天に恵まれた週末。
冬だっていうのにこんなにも日差しが眩しい。
明るい光が差し込む個室の部屋は、あたたかな空気感が流れている。
それは温度だけじゃなくって、、、なんだろう、よくわからないけれど。
久しぶりに伺えた松川さんに感極まってるジブンの体温かな。
それとも、窓際に座らせていただいたので余計にそう、感じたのかな。
よく、わからないけれど。
和食はカウンター!絶対!って思いこんでいたフシもあるのだけれども
こういう気持ちになれるのならば、個室もいいものだなぁとしみじみ。
さてお料理。
間人蟹がメインの2月の献立。
魅せ蟹からはじまり、途中に魅せモロコも。(笑)
あらためて、「魅せ」にはどきどきするものがありますね。
蒸したもの、焼いたものをそれぞれ愉しんだ間人蟹。
いくばくか繊細な香りと甘みが物足りない気もしたけれど、十分に美味しい。
去年いただいたもののほうが、今回よりそれらが顕著。
そして、フグ白子を入れた柚子釜。
香りがよくって白子も蕩ける。ただ、少しだけ柚子の皮の苦みが気になる。
御椀はホタテの真丈。
きくらげを入れているのが、個人的には面白かった。
このこからの塩味だろうか力強い御椀、ホタテ自体も結構味がする。
こういったくっきりとしたお椀は個人的にはなかなか近づきがたい部分があるのだけれども
それでも、きちんと調和感を感じさせるのは、流石だなぁ・・・・。
前回いただいて、感激した伊勢海老とその味噌、焼き餅を入れた一皿。
甘みとコク、焼いた餅の香ばしさのバランスが前回はドンピシャだったのだけれども
今回はやや味の輪郭が強調されていて、強めの印象に思えた。
もろこはテーブルで焼いてくれる。
焼き加減もとてもよく、美味しい。
味付けを施したすっぽんは炭火焼に。香ばしく焼かれていて身はジューシー。
スッポンってあまり食べる機会はないけれど、お肉みたいなのね。
筍には蛤をサンド、浸した出汁の風味がとても良かった。
蕎麦には山葵菜をたっぷりと。
辛みが強いので賛否はわかれそうだけれど、個人的にはこの辛みは好き。
でももう少し量を減らしても良さそうな気も。
御飯は前回同様美味しい。御飯のお供のいくら、からすみも。
このカラスミは、私は好きだな。
御飯よりもお酒に合わせたいカラスミ。
デザートの黒豆羊羹は前回同様、とても美味しい。
甘さの引き際がよくって、余韻の残る味。
前回はサービス面については特筆すべき何かを感じなかったけれど
今回は個室ということもあってか、女性のサービスの方の
丁寧な接客が心地よいと感じた。
対応も柔らかいし、とても良かった。
お会計が、ビールをいただき私は43,700円也。
なかなか行ける値段ではないけれど、素材力とその素材を生かす松川さんの力。
そして、静かさと力強さが同居する松川さんのお料理の世界観は
なんともいえないシアワセな気持ちになるのです。
美味しかったです。ごちそうさまでした。
●お任せランチのコース
・香煎茶
・ふぐ白子と雲丹の柚子釜蒸し
・間人蟹
・お造り(鯛)、柚子のこのわた
・ホタテ真丈のお椀、このこ、キクラゲ
・河豚とその白子のクリーム仕立てのソース、ポン酢
・イセエビ、焼餅、菜の花の餡
・みる貝蒸し、ふきのとうの天ぷら
・本もろこの炭火焼
・筍蛤波はさみやき、ふき
・すだち蕎麦、山葵菜
・お食事(御飯、自家製カラスミ、いくら、じゃこ、のり)
・黒豆羊羹、お薄
★4.5→4.4
お一人様度:★★★
迷子レベル:★☆☆
リピ度 :★★☆
予約難度 :★★★
2017/04/17 更新
2016/01 訪問
静かさと力強さ。
2016年1月 初訪☆
このたびとても有難いことにご縁があり、お伺いさせていただくことができた。
食べログをこうして続けていなければ私には程遠い世界であろう、こちらに。
場所は、赤坂アークヒルズ裏手の白いマンションの一階。
暗闇に橙色の灯りが見えるそれが、こちらの入口。
完全紹介制の超高級店。
この日はお誘いいただいて4名でカウンター席に。
御主人は寡黙ではあるが、きちんと説明もしてくださる。
そしてその、凛々しい佇まいに自信の表れを感じる。
コースはお任せ。アルコール代(ビール、日本酒)と合わせると1人43,000円程となった。
最高の食材を最高のレベルで最高の状態でいただく贅沢。
ましてや、和食食材としても良いものが沢山揃うこの季節。
本当に本当に「贅沢」であった。
こちらのお店。
単なる「金額の数字」だけでは、なんとも言い難いものがあるのはもちろんだし
こういったお店で、いわゆる「CP」なんていうのはナンセンスなのかもしれない。
ただ、ジブンにとってこちらのようなお店は俄然、ハードルが高く感じてしまったのも事実。
もっとも、、、
もう少し大人になって、たくさん仕事を頑張って(笑)、精神的にもう少し成長できたらばまた伺ってみたい。
と、今回はちょっと背伸びした感じでの訪問。
●今宵のお任せコース
○ほっき貝、ふきのとう素揚げ
肉厚なホッキ貝はほんのりレア。噛みしめると独特の甘さが溢れる。
そもそも、北寄貝ってこんなに肉厚なものあるの?と思うくらいに軽い衝撃。
○伊勢海老、焼餅、菜の花
表面にさっと火を通した伊勢エビは中はレア。
菜の花の入った餡はやや甘めで、そこに海老味噌でコクをプラス。
一番下には焼いた餅が敷いてあり、香ばしさがこれでプラスされる。
甘み、コク、香ばしさのバランスが絶妙。これは唸る。
○淡路島鯛、海鼠腸
鯛を海鼠腸(ナマコの塩辛)で巻いていただく。
とても上品な海鼠腸。
○間人蟹の真丈
ハジメにカウンターの上でお披露目された間人蟹(たいざがに)を真丈で。
この真丈はスゴイ。
蟹の身がたっぷり(中には蟹味噌)なのももちろんスゴイのだが
吸い地がまるで、細い線の上を歩いているかの錯覚に陥るかのような、ギリギリの塩梅な仕上がりなのだ。
なんのこっちゃ、というかんじだが(滝汗)、若干の甘みを感じるものの塩を感じるか感じないかの
ほんとうにギリギリな加減。
それによって、蟹の甘み・旨みがそのままで食べるより最大限に引き出されているという状態。
個人的には上に乗った柑橘がいくばくか余分に感じてしまったものの、このお椀は凄かった。
○山口ふぐとその白子をクリーム仕立てで
ふぐの薄造りにふぐの白子で作った白子クリームを合わせたもの。
白子クリームが優しい味。下に敷いてあるかんきつ類の入ったタレは若干酸味が角張っているので
もう少しまろやかな方が好み。とはいえ、この白子クリームにはこれ位の方がバランスがいいのかも。
○間人蟹とその味噌、もち米
贅沢に蒸した間人蟹。下にはもち米。上には蟹味噌。
いやー贅沢。
酢は土佐酢と出汁、生姜を合わせたものなんだけれども、この酢がまた最高に旨い。
出汁効果でまろやか、とろみのあって奥行きのある味。
思わずこの酢だけお代りしてのみたいくらい(笑)
○炭火で焼いた間人蟹
焼いたversion。甘みぎっしり。
○ぐじの焼き浸し
ぐじ(アカアマダイ)を焼き浸しに。
これも唸った。
上品なぐじの身、その甘みと旨味を最大限に引き出している出汁の塩梅がスゴイ。
○新潟鴨、白髪ねぎ揚げ、ちょろぎ
辛子醤油とポン酢で味を加えた新潟の鴨。
焼き加減が見事、辛子醤油とポン酢を合わせてしまうところが和食らしいのだろうか。
○すだちそば、わさび菜
すだちのきいた出汁に、喉越しがいい手打ちそば。
ぴりっと辛味のあるわさび菜がいいアクセントに。
どちらかというと、今までの流れの中では一番、くっきりとした輪郭を感じるお皿。
○河豚白子、湯葉、蕪おろし
とろりとした白子に、湯葉、蕪おろしを合わせて辛子を乗せたもの。
蕪おろしが雑味がなくとても純真な味わい。
○お食事
こちらの名物(!?)らしい、お食事セット。
自家製のカラスミ、いくら、じゃこ、そして海苔が並び、これらは御飯とともにお代り自由だとのこと。
カラスミはねっとりかつ滑らかで、今まで食べたカラスミとは風味も合わせて別格。
今までで一番ツボなカラスミ。
そしていくら。上品な味付けで、くどさがまったくない。
あの、いくら独特の味が苦手な方でも、これは食べられるんでは?と思うほど上品な味付け。
そしてじゃこものりもいい素材なのは当然だろう。
御飯は鳥取の「ヒノヒカリ」という米を使用。やや水分量が多く瑞々しい。
個人的にはもう少し固めの炊き加減が好きなのだが、偶にはこういった御飯も悪くない。
○水ようかん
黒豆を使用した水ようかんはグレーがかった色合い。
角がぴんとしているのに、スプーンですくい口に含むとあっという間に口腔内の熱で溶けてゆく。
絶妙なまでのやわさ。
甘味も、これまでの料理と同様、非常に繊細な味付け。
甘さを感じるか、感じないかの中間、引きのよい甘さの余韻が残る程度。
○苺ゼリー寄せ
こちらも口に含むとすぅっと溶けてなくなるもの。
甘さも苺のほんのりとした甘みに頼るとても上品な味わい。
ただ、水ようかんの甘みの余韻が残るので、順番はこの逆が個人的には嬉しい。。。。
○おうす
静かだけれど、奥底に感じるのは力強さ。
これが噂にきいていた「研ぎ澄まされた出汁」なのだろうか。
レストランで食事をいただいた際、レビュー(厳密に言うとレビューにはなっていないが。。。)で
うまい表現を書き連ねるのは難しいなぁと毎度毎度想うのだが、今回は特にソレを痛感した。
あぁ、イロイロにうまい言葉が見つからない(じゃ書くなというかんじですが、すみません。。。。涙)
改めてこうして書いていて想う。
とても貴重な経験をさせていただき感謝、感謝。
ごちそうさまでした!
赤坂アークヒルズのうら。
わー・・緊張しますなぁ。
エビスで乾杯
ほっき貝、ふきのとう素揚げ
伊勢海老、焼餅、菜の花
淡路島鯛、海鼠腸
間人間。凛々しいお顔ですなぁ。
横顔も素敵。
間人蟹の真丈
間人蟹の真丈。中には蟹味噌。
山口ふぐとその白子をクリーム仕立てで
間人蟹、もちごめ、味噌
間人蟹を焼いて
焼蟹もうまいですよねぇ
ぐじの焼き浸し
新潟鴨、白髪ねぎ揚げ、ちょろぎ
新潟鴨、白髪ねぎ揚げ、ちょろぎ。火入れがいい。
すだちそば、わさび菜
河豚白子、湯葉、蕪おろし
自家製のカラスミ、いくら、じゃこ、そして海苔
ご飯セット
贅沢~
水ようかん
おうす
苺ゼリー寄せ
2016/03/08 更新
2018年3月 再訪☆
半年ぶり?くらいの松川さん。
今回も個室、四人で。
松川さんのお料理は、全体的に力強さが増しています。
お椀もしっかりしているし、塩や酸味の使い方のメリハリには強いものがあります。
伺うたびにその強みを感じるように。
どちらかといえば、お椀は自分のツボからは少し離れているし、
メニューは予約の都合から伺う季節がほぼ同じなので構成もほぼ同じ。
それでも、昨年のこれは、、、これとこれは、、
とかの違いを感じるのは、それはそれで楽しいことなのだけど、
やはりどこか少し寂しさはありますね。(仕方がないですが)
それでも、やっぱり松川さんのお料理はおいしいし、ダイナミックさも予定調和。
力強さがありながらも、ただそれだけではないところが流石と言われるところなのか。。
そんな松川さんのお料理の世界観に触れる度に、なんだか背筋がぴん、と伸びます。
ごちそうさまでした。
お一人様度:★★★
迷子レベル:★★☆
リピ度:★★☆
予約難度:一見さん不可
★4.6→4.3