3回
2018/02 訪問
時が止まって
マイレビさんの要望で訪れました。数年ぶり、
石段下からお店までの距離は記憶より近かったです。
冬は初めて、さすが冬枯れですね。
まずは八寸、もろこ南蛮漬けは油を使っておらず、
ピンとした味でした。菜の花も手綱寿司も満足です。
明石鯛と寒ブリはしみじみと感じながら食べ
ました。小鮪はさほどでも。黄身醤油が面白くて。
鰈のカラスミ焼きのカラスミまで焼かれていたのが
面白かったです。
しし鍋は絶妙な具合の粕汁仕立てで、飲み干したい
くらいでした。トイレから帰ってくると
部屋に見事な香りを感じました。
御飯の代わりのみぞれうどんは洒落た
仕立てでした。
窓からは冬枯れの景色でしたが、杯を傾け
3時間話しました。室内は日溜りですね。
豊かな時間を過ごしました。
わさびを使い過ぎなどという話もありましたが、
いいじゃありませんか 笑
2018/02/18 更新
2012/06 訪問
総合力
歩いて菊乃井に行くは、祇園石段下から南東に上って行きます。細い路地があり、料理屋さんもいっぱいあり、京都人の営みを感じます。どこからかお香の匂いが漂い、途中、観光客とも出会います。期待がふくらみ、坂を登り切った突き当たりが菊乃井です。
地図を見ると高台寺の北側、お寺のように広い敷地面積です。自分の部屋以外は見ることができませんが、庭は手入れが行き届いています。
山椒の香りの食前酒が出てきました。甘くはありません。この日の趣向は虫籠に入った前菜です。自分で籠をあけると、黄色い花が目に付きます。胡瓜だそうで、もろみで実だけいただきました。ゴリは一度揚げたものを万年煮にしたそうで、ややクリスピーでした。翡翠茄子、卵黄の味噌漬けです。味だけならイクラの方が美味しいでしょうけど、プレゼンテーションはこれですね。タコの卵はフレークのようでした。グジの酢漬けの胡瓜巻。身崩れしやすいグジを上手く胡瓜で補って、上品な薄い酢に漬けてあります。ほかの白身と区別は困難ですが、グジを食べた満足感があります。主張せずに寄り添う一品です。
ここで、青梅の白ワイン煮とソアベが出ました。結婚式の口休めのようです。そこへ、鮎が乱入です。仲居さんに「お写真は」と促されて撮りました。拡大してご覧下さい。右端の鮎は籠の端から、畳の上に落ちました。琵琶湖の北のものとのことです。
鯛の刺身、シマアジでジュレを包んだものです。シマアジはなるほどです。黄ニラも美味しかったです。トマトと塩味のサボテン?をすり下ろした飲み物も出ました。写真は失念しました。鱧の飛竜頭の山椒風味です。三度豆が添えてあります。柔らかな味でした。
ここで、鮎の焼き上がりです。以下、知人のY氏が覚えていた、女将による焼き方の説明です。「鮎を串刺しにして頭を下にして焼くと、胴体の油が流れて頭の骨が柔らかく焼ける。胴体も同時にパサパサにならないように焼き、さらにシッポの方は焼け過ぎにならないように調整してこんがりと焼く。一匹を食べる間に、頭・胴体・シッポと3つの食感と味の鮎が食べられる。」
なるほど小ぶりの鮎がカリッと焼き上がっており、頭も骨も食べられました。ただ、小ぶりだと柔らかい身の味がしない等、難しいものです。名物女将がひとしきりしゃべっていってくれました。最近、京都でも揚げた鮎を食べることがあるというと、話に乗ってきました。ズイキを薄ーい酢に漬けたものです。
スッポンの茶碗蒸しです。上に餡が下に卵があります。完成度が高いのと、相当酒が回っていたのとで、微細な味はわかりません。まろやかな、想像できる味です。
グジとジュンサイの鍋風のものが出てきました。これが一番理解し難かったです。炭はあるけどさして熱くなく、冷製でなし、酔った私が悪いのでしょう。タマネギのすり流しも出てきました。
御飯は、漬け物の寿司です。御菓子は、竹筒に瓜とチェリー等が入ったフルーツポンチ風、和菓子の水無月でした。
五人余のメンバーで話が弾み、極めて楽しくいただきました。お酒も手頃なお値段で軽い辛口でした。菊乃井オリジナル、和食を引き立てるお酒ですね。
昨今、結構な和食を食べたときに感じることは、何となーく終わってしまったなぁ、と言うことです。確かに洋食のように強く主張する料理ではありませんから。
水もいただいて、酒を流しながらゆっくり味わうべきかもしれません。でも、会話も楽しみたいですし、あらかじめ心せねばなりませんね。
心のどこかで、天麩羅とすまし汁が無かったなぁと思う、そのくせ、有ればあったで凡庸な組み合わせだったと思う、本当に難しいです。もう少し経験を重ねれば何か結論が出るでしょうか。この歳から、経験は積めるでしょうか。
さて、菊乃井の魅力は総合力でしょう。庭を楽しみ、部屋を楽しみ、料理の見かけを楽しみ、味を楽しむ。可能なら、会話も楽しむ。良き一日でした。
P.S. 写真のお料理は夜のメニューを昼に出してもらいました。
ゆったりと待ちました。
前菜アラカルトは虫籠の趣向です。
中身は上質。
青梅の白ワイン煮
【 鮎のジャンプ 】 篭から座敷に飛び出した瞬間、やらせではありません。
お店のおちょこ
鯛の刺身と、シマアジのジュレ巻き。黄ニラ
鱧落とし
鱧のヒロウスの山椒あん、三度豆
頭も骨も全部食べられました。
ズイキ 薄酢
スッポンの茶碗蒸し
鱧とジュンサイ
タマネギのすり流し
漬け物の寿司
この部屋の庭
2012/06/26 更新
久々に祇園東の菊乃井本店に行って来ました。前回がコロナ前なので久々です。
左上の八寸が料理の象徴かもしれません。ぎんなん、クワイのチップ、ウニ味のイカです。中央がカラスミ、黄色い小鉢に煮鮑でした。 コッペガニも完成度高く、右上は丹波真丈と称します。カマスの杉板焼き、うずら鍋です。残った御飯は持ち帰らせていただきました。
初めて2階のお部屋でした。窓の下も古い感じが良かったです。