『ぐい吞いろいろ』うな重さんの日記

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九州は佐賀県の十四代続く唐津焼の中里太郎右衛門陶房。連綿と伝統を守ってきた、素朴で奇を衒わない作品が魅力的です。先日、陶房のオンラインショップを覗いていたら前から欲しかった絵唐津(皮鯨)が出ていて、残り1個の表示に即購入してしまいました。届いた商品を眺めていたら、昔から集めているやきものも引っ張り出してみたくなり、並べて悦に入っています。

中里太郎右衛門陶房を訪問したのは1999年、かれこれ22年前です。その折に求めたのが朝鮮唐津のぐい吞で、柔らかな形と白と褐色のコントラストに惹かれ今でもお気に入りのひとつです。十三代太郎右衛門作の絵唐津は東京のデパートでつる草の筆致と土味に一目惚れして求めました。

同じく九州は大分、日田皿山の小鹿田焼は山あいに数件の窯元が集まっています。現在でも唐臼と呼ばれる川の水を動力とした臼で陶土を搗き、蹴ろくろで成型、登り窯で焼成をするなど、電気やガスに頼らない手作業で作陶をしています。ここを訪れた時は谷間が尽きる地形に肩を寄せ合うように並んでいる窯場の風情に、唐臼のドン、ドンという音が響いておりとても印象的でした。

黄瀬戸は京都で作陶されている瀬津義雄さん。あるぐい吞み作品集に掲載されていた先生の黄瀬戸が私好みの風合いでした。15年前のことで手立てがなかったので失礼ながら直接やり取りをさせていただき送っていただきました。柚子黄瀬戸という通り、柚子肌の鮮やかな黄色、胆磐を葉に見立てた素朴な草文、しっとりとした手触りと予想以上の秀作でした。

現在の志野の第一人者、鈴木藏さん。ガス窯で焼成された作品は釉が高台にまでかかり線描がさわやか。緋色もきれいに出ています。加藤健さんの志野は優しくぽってりとした肌に山と松の下絵。地元の五斗蒔土を使っており土見せも白く、穏やかな印象の作品です。
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