alex2000さんが投稿したラッテリア ベベ カマクラ(神奈川/鎌倉)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

Alexが食べた備忘録

メッセージを送る

この口コミは、alex2000さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

ラッテリア ベベ カマクラ鎌倉、和田塚、由比ケ浜/ピザ、イタリアン、パスタ

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.7
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2025/04 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.7
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

震えがとまらなかった一皿

午後の空気はじんわり暖かくて、オレはちょっと前から決めていた場所へ向かった。
駅まで歩いて5分、電車で5分。あっという間に鎌倉駅に着き御成口を出る。目的はただひとつ、チーズだ。

駅から3分の「ラッテリア ベベ カマクラ」
名前からして、少し肩の力が抜けている。ラッテリア、つまりチーズ工房。ベベ、つまりたぶん赤ちゃん。
でも、入ってみると店はぜんぜんベビーじゃない。背筋を伸ばした大人の食堂だった。木と石とガラスの質感が、空間の温度をほんのすこし高くしている。すべてがやさしいけど、甘くない。

実はこの日、オレの誕生日だった。リクエストして連れて行ってもらったのは自分だが、そこはまあ細かい話だ。
アンティパストの盛り合わせをしっかり頼み、ワインもしっかり。
ピザは「OKEI」も当然外さない。パスタは「ボロネーゼ」。しみじみうまい。
一皿ずつ、ゆっくり、満ちていくように味わう。

だが、なにより記憶に刻まれたのはこれだ。
「ブッラータとトマトのマリネ フランス産生ハム添え」
名前は長いが、見た目は潔い。真っ白なブッラータが皿の真ん中でじっとしている。
ふるふると震え、どこか厳かで、まるで「誕生日おめでとう」と言われているみたいだった。いや、たぶん気のせい。

ナイフを入れた瞬間、クリームが静かに流れ出す。皿の上に柔らかなミルクの川ができていく。
イタリアの朝の光がそこにあるような気がした。

甘酸っぱいトマトと合わせ、生ハムを添える。
塩気がねっとりと全体を包む。トマトが誘い、水牛?の乳がとろけ、生ハムが背中を押す。
三者が口の中で共謀し、オレの神経がほんの少しバグる。

言葉が止まった。フォークを持ったまま、3秒くらい静止していたと思う。
去年の夏、子供の頃の遠足、そして目の前の鎌倉の空が一気に口の中で交差する。
うまい、ではなく、記憶を揺さぶられる感覚だった。

デザートはプレートで出てきた。
甘すぎず、しっとりと終わらせてくれたから、余韻を壊さずに済んだ。

帰りはゆっくり歩きながら、ふと思った。
美味いものの余韻は、記憶の断片みたいに時々ふっと顔を出す。
とても良い誕生日。
また次の「ちょっとした旅」に出たくなった。

2025/06/01 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ