『まさに究極のショパン』くいしんぼうヤマゲンさんの日記

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くいしんぼうヤマゲン (60代前半・男性・埼玉県) 認証済

日記詳細

2010年6月12日

17時からツィメルマンのオールショパンプログラムによる、ピアノリサイタルが
所沢ミューズアークホールでありました。
S席7000円とサントリーホールの半額以下ということもあり、完売でした。
プログラムはノクターン5番、ソナタ2番、スケルツォ2番が前半。
後半がソナタ3番、舟歌というものでした。

演奏はどれも素晴らしいものでしたが、ツィメルマンは良い意味で、
観衆に媚びることのない辛口の演奏家だと思います。
もちろん彼は素晴らしいテクニック、音色、個性すべてを兼ね添えていますが、
それらの要素が誰にでもすぐに受け止めることができる演奏ではないと感じます。
ですから聴き手も彼の演奏に接するときそれなりの覚悟がいる時もあります。
昨年同じミューズホールで行われた彼のリサイタルはバッハ、ベートーベン、
ブラームス、シマノフスキというかなりヘビーなものでした。
この時も大いに感銘を受けましたが、やや疲れてしまいました。
妻は体調のこともあり受け切れなかったようです。

しかし今回は旋律が元来美しいものが多いショパンでしたので、
辛口の演奏でしたが、聴き手も魅了されたと思います。
なかでも自分はスケルツォとソナタ3番の第3楽章に魅せられました。
特に後者は、あまりに凄くて意識ごと音楽に持って行かれそうな、催眠術にでも
かかった気分になりました。正に究極のショパンでした。
アンコールはありませんでしたが、演奏終了後熱狂的なスタンディングオベーションに
応えるツィメルマンの笑顔も印象的でした。
妻も今回は大いに彼のピアノに感激してました。

このような素晴らしい音楽をライヴで聴くと、おなかが本当に減ります。
妻も聴き終わった後「おなかへった。」と申しておりました。
暑い日でもあり、帰りに伺った彩鳥での最初のビールのおいしかったこと。
また焼き鳥もおいしくいただいたことは口コミに記した通りです。

ツィメルマンは日本にも住まいを持っているとのこと。秋にもハーゲンSQとの
共演で聴くことができるかもしれません。
このような世界的なピアニストをこの値段で二年連続接することの素晴らしさは
所沢ならでは。ありがたく思わなねばなりませんね。



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