東京交響楽団は本拠地の川崎ミューザが東日本大震災で大ホールの釣り天井が落下、
大きく破損したため2013年4月まで復旧工事中です。
昨年度は新百合丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワでの公演でしたが、
音響の大きく異なるホールで懸命の演奏を繰り広げてくれたともいます。
また昨年11月には世界的な名指揮者ロリン・マゼールによる特別演奏会での、
ベートーヴェンとマーラーの1番交響曲での凄い演奏については日記に書いています。
今年度は「川崎定期」ですが横浜みなとみらいホールになりましたが、
やはりこちらが音響的にも優れたホールですから、妥当な判断だと思います。
さて今回の演奏会ですが、また意欲的でしたね。
特に後半のスクリャービンの2番交響曲はCDでも聴いたことのない曲。
でもより知名度のある「法悦の詩」と言われている4番交響曲より、
ロマン派の名残を残しているせいか、美しい旋律や親しみやすさも感じさせる
佳曲でした。もっと聴かれてもいいですね。
またマーラーの歌曲もバリトンも含めなかなか楽しめましたし、
ラフマニノフのヴォカリースはやはり何度聴いても名曲だと思います。
それにしてもオーケストラの経営は決して楽ではないはずでから、
もっとお客さん受けするプログラムにしてもいいかもしれないのに、
(実際今回は7割程度の入りでした。)
しかしテーマを決めて筋をとしたプログラムを演奏してゆく。
大変でしょうが、頑張ってほしいですね。
このオーケストラは音楽に対する適応力と音色の良い意味での温かさは
他のオーケストラにない特色だと思います。
この日も巨匠の風格も出てきた大友直人さんの指揮も素晴らしく、
コンマスの大谷康子さん率いるオケもそれによくお応えていたと思います。
微力ながらこのオーケストラを自分も応援してゆきたいと思います。