1980年代の半ばから90年代の初頭にかけて、恐ろしい勢いで精力を伸ばしていたラーメンチェーンがありました。
第一旭。
そう、たかばしに新福菜館と並んで立つことで有名な京都の老舗・第一旭のチェーンです。
この第一旭本店の二代目となった佃栄子氏の実弟・佃功氏によってチェーン展開は行われました。
1986年株式会社第一旭創業、途中で社名を株式会社第二旭に変えて1997年に倒産しています。
基本的なメニュー構成とサービス―特製ラーメン(スペシャル)、厚切り豚バラ肉入り(デラックス)、甘辛く煮たバラ肉入り(ターロー)、学割―は功氏によるものだとされています。
フランチャイズ・チェーンと言えば必ず話題になる直営か否かですが、これは「本家 第一旭」が直営、「元祖 第一旭」がフランチャイズとされています。
第一旭チェーンは京都を中心に恐ろしいほどの勢いで行進していきました。
新店舗の立ち上げはもちろんのこと、地元の個人店が第一旭に変わることもめずらしくなかったほどです。
ラーメンに限定せずともあれほどの勢いで店舗を増やしていったチェーン店は思いつきません。
後者に関しては本部があまりうるさくなかったのか、本当に看板を借りただけのような店も結構ありました。
ひとつ例を挙げましょう。
私の実家から近くRというお店がありました。
地元のかなり繁盛店です。味はラーメン藤そっくりでした。
そこがあるときから第一旭の看板をかげるようになりました。
味は何も変わっていません。
メニューも何も変わっていません。
スタッフも何も変わっていません。
店名だけが変わったのです。
(追記 RではなくYだったようです。また本店2代目佃栄子氏の親戚筋だったとか。名古屋にその親戚がやっている同名のお店があるとのこと)
これ以外にも、ちゃんぽんなど独自メニューのある店もめずらしくありませんでしたし、定食などは店舗によって種類も献立もまちまちでした。
中でも印象に残っているのは深草店のキムチラーメン。
普通キムチラーメンといえば、単にキムチをのせただけのものです。
このお店は違いました。壺に入ったコチュジャンベースと思われるたれで麺も具も煮込み作っていたのです。
これがうまかった!
そして、これとまったく同じものを亀岡であたりの第一旭でも食べたことがあります。
同じオーナーだったのかもしれません。
もはや深草店もなく、もう一軒のお店も場所は覚えていません。
しかし、食べログを見ていると槙島展のキムチラーメンに見覚えがあります。
もしかしてあのキムチラーメン?
一度食べてみたいと思いつつまだ行っていません。
(追記 行きました。懐かしい味でうれしかったです)
倒産後の第一旭チェーンは直営店は寺田を除いてクーデションカンパニー傘下となり「たかばし」の名前で展開、一方フランチャイズは第一旭の名前を残したまま経営を続けている店がほとんどですが、閉店した店の方が多いでしょう。
第一旭の名前で営業しているお店では寺田店が一番人気のようですが、あまり縁のない城陽とあって未だ行く機会に恵まれません。
それにしても直営店でこの店だけが、第一旭の名前で残っていることが不思議でなりません。
これ以外にも第一旭は分家が多く、神戸、尾道、総本家広瀬家、そのほか、愛知、鳥取にもあるようです。
また本店で修行した人が始めた大栄や来来亭、麺を下ろしている関係からレシピを教えてもらったと噂されるラーメン藤などの弟子筋の店まで合わせると第一旭の家系図は複雑を極めており、この点では日本でもトップクラスではないでしょうか。
いずれにせよ、京都ラーメンといって多くの人がイメージするラーメンは第一旭によって作られており味の好みはともかくとてつもなく巨大な存在であることは疑いがありません。
■参考たぬきチャ様「2016/04/30 これまで訪れた「第一旭」
https://tabelog.com/rvwr/tanukicha/diarydtl/37192/お墨付き!「京都の老舗ラーメン店「第一旭」の違いがよく分かる写真 まとめ」
http://osumituki.com/hack/kyotokanko/kyoto-ramen/92951.html京都発祥のラーメン店「第一旭」の記事をまとめてみました
http://ina.i-ra.jp/e1094316.htmlたかばしラーメン京都南インター店(京都市南区)でラーメンを食し「第一旭」のルーツをたどる。
http://xn--jvrv1w3s0coia.jp/2014/03/09/たかばしラーメン京都南インター店京都市南区で
[四天王記] 第一旭 編
http://kyotocf.com/ramenuntiku/%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E7%8E%8B-%E7%AC%AC%E4%B8%80%E6%97%AD/商標審決データーベース
http://shohyo.shinketsu.jp/originaltext/tm/1093341.html