kanamilkさんのマイ★ベストレストラン 2010

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呑兵衛年寄りの呑み喰らい放浪記

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kanamilk (60代後半・男性・東京都) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

洋食 三浦亭 (武蔵関、東伏見 / 洋食、オムライス、ハンバーグ)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 ¥1,000~¥1,999

2014/12訪問 2016/05/05

【再訪】自分にとっては基準点となる店

【再訪2014.12】
「この前いらしたお客さんが鶏の料理を食べて、美味しいですねぇこの鶏はどこの地鶏なのですか? と聞かれたんです」とシェフ。
「奥様、この鶏は地鶏でもなんでもなく、普通に肉屋さんに売っている鶏ですよ。皮目からきちんと焼いて、基本をちゃんと踏まえて焼けばそういう鶏でもちゃんと美味しくなるんです」と解説されたとか。
このやりとりにこの店の基本姿勢が表れています。
客席6つの小さな個人営業の店。
ハンバーグ900円、ビーフカツ1,530円、ポークソテーきのこソース1,150円、本日の魚料理は1,250円で出すこの店は、素材に高級なものなど使えるわけがありません。
「高級な素材を使って美味しく作るのは当たり前で、普通のものを使っていかに美味しく作るかがプロですから」というのがシェフの考え。
基本を守って丁寧に作る姿勢が表れています。

昨年も、ハンバーグ、ビーフカツ、ポークソテーきのこソース、ずわい蟹とホタテのパイ包み、牡蠣のベーコン巻、牡蠣のグラタンなどをいただいてきました。
どれもシェフの腕前が発揮されてます。

「年のせいかちょっと疲れるようになったんで、営業時間を少し短くしたんです」と、夜は9時閉店になり、休みも月曜日と火曜日になりました。
そんなことを言っても厨房でのシェフの動きは、相変わらずの見事なパフォーマンスを見せてくれます。
今年も時々食べに行かせていただくつもりです。


【再訪2011.10】
西武線沿線ということでなんとなく集まったメンバーの第3回オフ会。
今回はコロタンさんが幹事となって企画をしていただきました。
会場は、西武線沿線の名店の一つ、三浦亭。
カウンター6席だけの店を90分間独占して、みんなで美味しいものをシェアして食べてしまおうという企画です。

この日、参加者6人でシェアして食べたのは次のもの。
カキのベーコン巻 2皿
メンチカツ 2皿
グリエールチーズハンバーグ 3皿
牛ヒレのカツレツ 2皿
オムライス 2皿
ズワイガニのトマトクリームスパッゲッティー 2皿
クリームブリュレ 2人前
昔ながらのカスタードプリン 2人前
アプリコットタルト 2人前
ガトーショコラ 2人前
都合6種類13皿の料理と4種8人前のデザート。
よく食べました。
通常の2人分の料理を食べてしまえるところがこの店の実力です。

最初は、「料理はどれも1人前ですからそれをどれだけ注文されるかは、お客様がお決めになることです」と、相変わらず素っ気なかったシェフ。料理が進むにつれて、この日はどんどん饒舌になって、みなさんがビックリするほど語ってくれました。

一番最初に食べたのは、カキのエキスが口の中に広がるカキのベーコン巻き。
写真で、この日のカキのベーコン巻きと以前のカキのベーコン巻きの盛りつけが違うのがお分かりいただけますでしょうか?
今日は盛りつけがいつもと違うねというと、「普段は一人の方が食べるのであの盛りつけです。今日はみなさんでシェアされるので、取り分けしやすいようにこういう盛りつけにしています。これを分かってほしいなあ」とシェフ。
なかなか細かいご配慮痛み入ります。
さて、この発言の後、シェフは次々に料理を作り、そして語り、質問に答えます。

メンチカツとハンバーグの、ナイフを入れた瞬間に相変わらず溢れかえる肉汁には、「これがうちのやり方なんです」。
今回もすごい肉汁。
ライスをもらって肉汁ライスにしたいという声もあったんですが、今回は種類を食べることに力点を置いたので、ライスはなし。

メンチカツとハンバーグのソースが同じであることについて、「料理は調理法や素材の組み合わせによって何通りにも変わります。だからソースが同じでも味が違うように感じられるのです」。
確かに、チーズハンバーグとメンチカツではソースの感覚がちょっと異なるんですが、それもシェフの計算なわけですね。

オムライスの中のご飯がトマトソースのリゾット風になっていることについて、「うちのはべちゃべちゃにしちゃうのがやり方なんです」。
しっかり焼いた薄焼き卵の中にはリゾットという食感の違いがシェフのこだわりなのかもしれません。

牛ヒレのカツレツが柔らかいのは国産牛なのか、叩いたりしているのかとの質問に、「いえ、輸入ですよ。コスト的に和牛はこの値段では使えませんよ。それになにもしてませんよ。みなさんご覧になってたでしょ。塩コショウして調理するだけです」。
限られた食材を美味しく料理に仕上げるシェフの自負ですね。

残り時間が迫っている中でデザートをどうするか迷っていると、「4種類を全部お出ししますからみなさんでシェアされたらいかがですか」。
ただちにクリームブリュレの表面をバーナーで炙るシェフ。
短時間に全4種類のデザートを用意するスピードはさすがです。

昔ながらのカスタードプリンが大きな器から取りだされるのをみんなが見とれていると、「全部くれとか、丼持ってくるからそれに作ってくれとか言うお客さんもいますよ。でもそんなこという人に限って絶対丼なんか持ってきませんけどね」。
お客さん観察も相変わらず鋭いシェフです。

我々に対しても、「いきなり写真をバシャっは、ちょっと待ってくれと言いたくなりますよね。気持ちの通じ合いですから」、 「隣で奥さんがずっと写真を撮っていてちっとも旦那さんが食べられないという人もいるんですけど、いつ食べるんだと思っちゃいますよ」、 「料理人としては料理は温かいうちに食べてほしいですよね」、 「みなさんも(レビューを)書く人なら、どう作っているかもよく見てほしいですよね」 などなど、 いろんなお話をしていただきました。

今回はシェフの鮮やかな料理製作の手さばきとパフォーマンス、そしてどれもみんなが納得する美味さの料理、さらに珍しく饒舌なおしゃべりと、90分間のシェフのショータイムを満喫でしたオフ会でした。
ショータイムのお代は、ビールやソフトドリンクの飲み物を入れて、6人分で23,000円せず。
これまたCP高し。
それにしても90分できっちりショーを演じきるシェフの仕事の段取りは、いつも爽快です。
ご本人は、「私は手が遅くて」とか謙遜してますが、そんなの今回見ていた6人は誰も信じませんよ。


【再訪2010.05】
4月からはまた春・夏メニューに、メニューが変わっています。
写真にある、カキ、子羊、ポークヒレソテーはベンチに下がりました。
ある意味ここは、自分にとって基準点として考えているお店。
同等のCPでここよりも感動するような美味しい店なら、★5でもいいかなと。
牛ヒレのカツレツ、かきのベーコン巻、ハンバーグは、それくらいの感動を与えてくれました。
ビーフシチューもポークヒレのソテーも、シェフのこだわりを感じる一品でした。
今回食べに行って、気がついた点を一つ。
シェフはオーブンをよく活用しますね。
ハンバーグも子羊もポークソテーも真鯛のソテーもカキのベーコン巻きも、みんな表面をフライパンで焼いてからオーブンに入れて、じっくり火を通します。
ビーフカツの場合も少なめの油でオイル焼きのようにしてから、オーブンに投入します。
このオーブンが料理の旨みを増幅させる、シェフの魔法のオーブン。
シェフの手際とともに、このオーブンが強力な武器になっている気がします。

ビーフカツは美味しかったですよ。
中はレア。でもオーブンの力できちんと火が通って、中の旨みが活性化したレア。
真鯛のソテーは、まず皮目をしっかり焼いてからひっくりかえしてちょっとしたらオーブンへ。
トマトソースは、塩を加えたらバターでコクを出しバジルを加えて味を確認したら真鯛の上へ。
相変わらず、そんなシェフの見事な料理ショーは、食べる前の期待値を確実にアップさせてくれます。
またときどき行きますね。
この間に食べたものの写真をアップしてなかったので、まとめて公開しました。


【11月2日再訪】
カキのベーコン巻(900円)と子羊のソテーマスタードソース(1300円)を食べて来たので、写真をアップしました。どちらも秋からのメニューです。
カキは程よく熱が通って、少し厚めに巻かれたベーコンと一緒に食べると、カキのジュースが口の中いっぱいに。カキの下に敷かれたフランスパンにはソースがしっかりしみ込んで、これまたカキの余韻が楽しめました。
子羊は、一口食べると「私間違いなく羊でしょ?」と、ちゃんと羊であることを自己主張します。でも香草のいい香り。脂もけしてくどくなく、美味しくいただきました。最後は骨についている肉までしゃぶってしまうほどです。
「香草は肉料理の基本ですからね、羊には羊のための基本の処理があるので、それをきちんとやるかどうかですよ。でも脂が嫌いという方には、脂を取るんですけどね。」というシェフ。基本をきちんと守るお仕事ぶりが味に出てますよね。
この日は、急に寒くなったせいか、8時半頃から貸し切り状態。料理をいただきながら、マスターの修業時代の話もいろいろ聞かせてもらいました。ポケットにマイスプーンを忍ばせて、先輩の目を盗んで味見をしまくっていたという話。皿洗い時代は必ず残ったものを口に入れて、いつか自分もちゃんとしたものを食べるようになってやると思っていたという話。昔のレストラン厨房と今のレストラン厨房の人間関係の違いの話。「自分でも美味しいものが食べたいし、お客さんにも美味しいものが出したいんですよね」というシェフ、ちゃんと基本を守って手抜きをしない姿勢がにじみ出てます。
そんなシェフも、お話に熱が入って、今回は「パンの焼き忘れ」が。お皿のソースの御掃用に注文したパンを子羊焼くのとお話するのに集中しすぎて飛んでいたご様子。「ついうっかりパンはよく忘れちゃうんです。すいません」。
いやいや大丈夫です。前回同様これもシェフの味。今日もとても美味しかったです。


【最初のレビュー2009.10】
武蔵関でこの店を見つけた時はホントに掘り出し物だと思いました。住んでいるところは一つ隣の駅の方ですが、一駅分歩いても食べに行きたくなる店です。10月からは秋メニューになっているので、前菜にカキが出てきましたね。カキのベーコン巻(900円)がまた美味しいんです。カキの火の通しかたがぴったりで、うま味が凝縮されたタイミングで焼きあがって目の前に出てきます。ビーフカツレツ(1380円)もちょうど肉のうま味が活性化された揚げ上がりで、かけられたデミグラスソースも美味しいです。
テレビに出たのはハンバーグの時でしたが、シェフ曰く、「切った瞬間の肉汁が湧き出てくる感じを大事にしている」通り、ナイフを入れると肉汁が飛び出してきます。肉は合びきですがその配合比率があの肉汁のポイントの一つとか。テレビで紹介されたほかのお店は、「うん美味しい」「ああ美味しい」という感想でしたが、三浦亭のハンバーグ(880円)は「うわっ、美味しい!」という感じでした。
そんな巨匠のシェフでもたまにはミスをする時があります。この前行ったとき、ハンバーグにナイフを入れると、肉汁がいつもより少ないなと思ったのですが、切ると中がまだ若かったんですね。そのことを指摘するとシェフは、すぐさま「申し訳ありません、作り直しますね」と言って、即座に若いハンバーグをゴミ箱へ。ちょっとデミグラスソースで煮込めば美味しいかなとも思ったのですが、「お客さんが時間がないから煮込めばいいと言っていただいた時はお言葉に甘えるときもありますが、やっぱり納得できないので作り直します」と言って、新しいのを作り直してくれました。もちろんいつも通りに肉汁が飛び出すものをね。「たまにやっちゃうんですよ」というシェフ。いえいえそんなことぐらいでこの店嫌いにならないから大丈夫ですよ。いつも美味しいもの御馳走になっているんですから。そんなシェフの人柄もこの店の味ですしね。
夜はシェフ一人で切り盛りしてます。カウンターだけなので、目の前で素材に下味をつけ、ソテーし、グリルし、ソースをかけて盛り付ける姿が見られます。その手際も見ていて颯爽としています。また行きますね。
そうそう、ハンバーグ頼んだらパンも一緒に頼んで残ったソースでお皿を御掃除するのも好きです。オムライス(850円)もみなさんおっしゃる通り美味しかったです。

  • ハンバーグ
  • ビーフカツ
  • ずわい蟹とホタテのパイ包み

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2位

津久志亭 (上大岡、港南中央 / 洋食、ハンバーグ)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.1
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.1
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥2,000~¥2,999 ¥1,000~¥1,999

2013/05訪問 2016/05/05

ポークソテーとポークチャップは私たちも大好きなんです、と女将さんは語る

【再々々訪2013.05】
5月に昼と夜に再訪したので写真を追加しました。
ここのポークソテーはやっぱり美味しいです。
夜に伺ったときは、ビールのあてにまずはオムレツ。
葱がちょっと入ったプレーンのオムレツで、中はトロリと半熟です。
生クリームもちょっと入ってるのかな?
ふんわりとして甘味のある、基本に忠実な誰もが好きな味のオムレツでした。
もう一品はエビフライ。
カラリと揚がっています。
悪くない味だと思いますが、でも正直なところ、レストランサカキ七條の方が上かな。
この日は、ウィスキーの水割りも始めていただいたのですが、ウィスキーはジョニ黒でした。
今はジョニ黒なんて珍しくなくなりましたけど、こういう銘柄を出してくるところが老舗らしいところです。


【再々訪 2011.04】
またまたここのポークソテーが食べたくなってランチに寄ってしまいました。
やっぱり200gはデカイ!
脂身も甘い!
にんにくの香りが効いたデミグラスソースが美味い!
今回はライスと味噌椀もいただきました。
女将さんの接客は相変わらず、気配りがきいてます^^


【再訪2010.11】
横浜の上大岡で再びお仕事。
3時半に仕事を終わって、近所の喫茶店でノートパソコンで報告書作成等々の作業。
なんですぐ帰らないかって?
それは、この店の洋食メニューでビール一杯飲みたいからです。
5時の夕方からの営業時間を待って再訪です。

先回の訪問時にポークソテーをいただいたので、今回はもう一つの看板メニューであるポークチャップ。
息子さんであるシェフの作業を眺めながら、ビールをちびちびやって出来上がりを待ちます。
厚く切った豚肉を丁寧に筋切りし、10数回叩いて軽く伸ばしたら両面にたっぷり塩コショウ。
粉をつけて、熱したフライパンに投入です。
じっくりと焼きあげたら、ブランデーを投入してフランべショー!炎がボンと上がります。
炎が収まったら、ケチャップを投入し、続いてデミグラスソースを投入して味を絡めたら出来上がり。
お皿に乗せられ出てきたのが写真にあるポークチャップです。
「少々甘いですか?」と女将さん。
ポークソテーに比べれば甘いですが、甘ったるさは全然ありません。さっぱりした甘味でコクがあります。
肉も柔らか。幸せな気分になる一皿です。
それにしてもソースが美味しい。少しお皿に残ったのがもったいなくてもったいなくて^^;

さてこの日はもう一皿。
他の方からの評判もいいハンバーグも追加してしまいました。
やはりフランべで仕上げて出されるハンバーグは、味がしっとり滑らか。
肉はかなり丁寧に挽かれて、とても柔らかく食べやすいハンバーグです。
「もっと肉の味が強くするハンバーグもあるようですけど、うちはずっとこのやり方なんです」と女将さん。
このハンバーグなら子どもでもお年寄りでも食べやすいだろうと思います。
街の洋食屋さんならではの安定感のある、広く支持者を集めそうな昔ながらのハンバーグです。

ビールにこういう洋食って合いますね~。
上大岡来たらまた食べたいメニューです。


【最初のレビュー2010.04】
横浜は上大岡で昼から仕事。
その前に腹ごしらえ、と訪問したのが、この界隈で評価の高いこの店でした。
カウンターに案内され、この店はポークソテーとポークチャップが美味しいとお聞きして来ました、と言うと、女将さんが丁寧にいろいろと教えてくれました。
そのお話を伺って、今回はポークソテー(1050円)とライス(250円)をお願いしてみました。

ポークソテーとポークチャップは、もうこの地で48年も営業しているこのお店の看板メニュー。
それが食べたいと言って、3代も4代も通ってくれるお客さんもいるそうです。
使う肉はリブロース。1枚が200グラムだそうです。
「家族経営なのでこの値段でなんとかやっています。どこかのビルに入ったらやっていけないでしょうね」とのこと。
厨房の中で料理の腕をふるうのは、息子さんでしょうか。そしてホールを手伝いうのはお嫁さんかな、お嬢さんかな?

塩コショウし、粉をはたいた豚肉が、フライパンの中でじっくりソテーされるのをカウンターから見ることができます。
丁寧なお仕事ぶり。時間をかけてじっくりと火を通しています。
さて、待つこと10分ほど。
カーリックの香ばしくてよい香りを放って、湯気を上げるポークソテーが登場しました。
さすがに200グラムはなかなかの迫力です。
丁寧に筋切りを目立たないようにしてあるのでしょう、肉が反り返ることもなく、きれいにお皿の上に乗っています。
ナイフを入れると柔らかな感触。断面を見ると厚さは1.5センチくらいでしょうか。
その肉は口に入れてもやはり柔らか。肉にも旨みがあり、脂が甘いです。
あっさり系のデミグラスソースも、肉の旨味を引き立てます。
粉をつけて焼いてあるので、ソースがうまくからんでいい味をだしています。

ポークチャップとポークソテーの違いは、このソース。
ポークソテーは自家製デミグラスソースですが、ポークチャップはデミグラスソースにケチャップを加えて、少し甘めに仕上げるのだそうです。
「私たちもポークソテーとポークチャップが大好きでよく食べるのですが、冬場の寒い時はポークチャップが食べたくなって、夏場の暑い時はポークソテーが食べたくなるんです」とママさん。
なるほど、そういう味の違いなわけですね。
このポークソテー、ビールにも絶対合いますね。
「夕方は5時からやってますから、よろしかったらまたどうぞ」とママさん。
次回は夕方来てみたいです。

ご常連さんも多いようで、ママさんは気さくに顔なじみの方と言葉を交わしていらっしゃいます。
この日は4月なのに朝雪が降った寒い日。
カウンターの下に暖房が入っているので、足元が温かくて助かりました。
そんな配慮もある優しい店ですね。

  • ポークソテー201305
  • ポークソテーとライス201305
  • エビフライ

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3位

洋食入舟 (大森海岸、大森 / 洋食、ハンバーグ)

2回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/12訪問 2018/01/07

【再訪】天使の国に旅立ったおばあちゃん

昨年の年末、ずいぶん久しぶりに大森で仕事。
何気に大森は美味しい店の多い街。
迷った結果、7年ぶりにこの店にやってきました。
11時30分開店。
10分後に来たときにはすでに先客6人。
お一人様は必ずここになる、入口すぐの2人前の席に座らせてもらったすぐ後から続々お客さんがご来店。すぐに満席になってしまいました。
予約していたお客さんは、「お座敷にどうぞ」と奥の座敷席へと案内されます。
この辺りは昔の三業地ですから、座敷席があるというのはその頃の名残でしょうね。
予約していないお客さんは、「申し訳ございません、ただ今満席でございます」ということになっていました。
いやいや危ないところ、盛況ぶりは相変わらずです。

相変わらずの様子なのですが、以前に来店した時とちょっとだけ雰囲気が違います。
このお店のアイドルだったおばあちゃんの写真が厨房の前に飾られていたのです。
あれっ?いくら人気者のおばあちゃんでも前はあそこに写真はなかったような、と思って、おばあちゃんはどうされてますか?とお店の方に質問すると、「この前の2月に…、寂しくなりました」というご返事。

7年のご無沙汰のうちに、残念ながらおばあちゃんは別の世界に旅立たれてしまいました。
天使の海老の海老フライをいただいたときは、「頭から尻尾まで全部食べてね」、岩中豚のポークソテーをいただいたときは、「脂身まで全部食べてね」とアドバイスしてくれたおばあちゃん。
「美味しいところを残すなんてもったいない」と、優しい笑顔と自信を持った口ぶりでお話していたおばあちゃん。
今回はどんなアドバイスをしてくれるかな、とお会いすることも楽しみにしていたのにとても残念。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

おばあちゃんを偲びつつ、今回いただいたのは広田湾の牡蠣を使ったカキフライ。
カキフライライスにせず単品にしてもらって、オムライスを別にいただくことにしました。

食材にこだわるこの店の今年の牡蠣は、岩手県の広田湾産。
森の栄養をしっかり溜めこんだ牡蠣がいただけます。
お皿の上には大ぶりのカキフライが5個に自家製タルタルソース。
ナイフで切ると、牡蠣の身にしっかり弾力があることが刃先から伝わってきます。
プリンプリン。
だらしなくデレッとすることのない身の締まった牡蠣。
それでいて旨味のある牡蠣のジュースはちゃんと中に閉じ込められています。

オムライスは薄焼き卵でくるんだオーソドックスなタイプ。
中はケチャップ味のチキンライス。
黄色い卵の上にかけられたケチャップの赤が鮮やかです。
鶏とケチャップの旨味を感じる安定的なオムライスでした。

この牡蠣フライやオムライスをいただくときに、おばあちゃんだったらどんなアドバイスをしてくれたかな?
昭和と平成を生きて、この店を支えてきたおばあちゃんに敬意と弔意を表して、7年間の歳月とゆく年を想いながらランチをいただいた2017年の暮の一日でした。
【再訪2010.11】
嬉しいことにまた大森で仕事。
入船のランチがまた食べられる~♪
今回の日替わりランチは、月曜日なので岩中豚のポークソテー。
岩手県の中部で飼育している豚だそうです。
そして今回もおばあちゃんのアドバイス。
「肉に脂身がずいぶんあるでしょう?これも食べてね」
うん、脂身が甘いんです。
肉ももちろん、繊維が細やかで、柔らかくて美味しいです。
脂身もその肉に負けない美味さがあります。
甘い、コクがあり、でもしつこくなくさっぱりと脂が溶ける。
「せっかく美味しいのに、脂身残す人いるからね」
いや~、おばあちゃんのアドバイスは素直に聞きましょう。
今回も、おばあちゃんのご指示通りで十分堪能させていただきました^^
次回は水曜日のビーフカツになんとか大森の仕事を組み込みたい^^;


【最初のレビュー2010.06】
大森でお仕事となりました。
それならお昼ごはんは、前から一度行ってみたかったこの店です。
通りを歩いて行くと、目立たない一軒家のような家のところに「洋食入船」の文字。
本日のメニューの看板も通りに出ていました。
メニューの看板がないとうっかり通り過ぎてしまうかもしれません。
時間は11時40分まだ早めの時間なので、先客はビール片手に談笑中の2人連れの方のみ。
「いらっしゃいませ~」と出迎えていただいたのは、娘さんでしょうか?まだお若い方でした。
メニューを見せていただくと、この日の日替わりランチは「天使のエビ」!
明日の「ビーフカツ」も気になるところですが、「天使のエビ」の日に訪問できるとはラッキー!
迷わずいただくことにしました。

10分ほど待つと小さなカップのスープが運ばれてきます。
クリーミーなボタージュスープですね。
夏向きでなのしょうか、少しあっさり目の味になっています。
さらに5分後、来ました来ました、大きなエビフライが頭付きで3尾お皿の上に盛られています。
エビフリャー好きの名古屋の人なら大喜びしそうな、シャチホコのような盛り方ではありませんか。
迫力ありますね~。

さて、ここで登場はみなさんのレビューでもお馴染みの噂のおばあちゃん。
「このエビフライは初めてですか?」と質問されたので、素直に「そうです初めていただきます」と答えると、「頭から尻尾まで全部食べられますからね」とアドバイスをしてくれます。
ほうほう、全部いけちゃうんですか、そうですか。
もともと、私、エビフライもエビ天も尻尾まで全部食べちゃう人なんですが、おばあちゃんのこのアドバイスは、とても自信があふれています。

では、ナイフを入れて頭と胴体を切り離し、アドバイス通りタルタルソースをつけて頭からいってみましょう。
パリパリと軽やかな殻の食感。
さらに噛んでいくと、なんとも言えないコク。
きっとミソの部分でしょうね。
それにエビに甘みがあります。
甘みとコクとパリパリとが口の中で踊ってます。
揚げ方も程よいレベル、パン粉の香ばしさも、口の中の踊りに加わります。

次に胴体のところいってみましょう。
おおっ、頭の時に感じた甘味が凝縮されて、ど~んと口の中に直球を投げ込んできます。
甘くてプリプリ~。心地よい弾力感です。
尻尾のところはもう書かなくても分かりますよね。
間違えありません。

さすがは天使のエビさんです。
食べ終わってお勘定をしながら、おばあちゃんに、エビ甘いですね~、とお話しすると、「そうでしょう、この甘さが天使のエビなんですよ」と、昔の東京の言葉のアクセントが残る語り口で教えてくれました。
頭もコクがあって美味しいですね~、とお話しすると、「そうでしょう。だから初めての人には全部食べられますよって説明するんです。そうしないとせっかく美味しいところを残していっちゃいますからね」とのこと。
いや~、おばあちゃん、ご親切なアドバイスありがとうございます。
そうですよ、こんな美味しい頭を残すなんてもったいないですよ。
おばあちゃんのおかげで、天使のエビ、しっかり堪能させていただきました。
ごちそうさまでした。
おばあちゃん、いつまでもお元気でね。

  • カキフライ
  • オムライス
  • スープ

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4位

手打ちそば にはち (武蔵関 / そば、うどん)

1回

  • 夜の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2016/03訪問 2016/05/05

【再訪】シャイなご主人はそばで自己を主張する

【再訪の再訪:2016.03】
恒例のオフ会。
今回の幹事さんが選んでいただいたのはこの店。
何度か既に来ていましたが、何度来ても美味しく蕎麦屋酒が楽しめるお店。
フライングで入店されていた方々ともご挨拶してスタートは開店時間の午後6時でした。

ビールで乾杯。
お供には蕎麦味噌。
蕎麦味噌なめながらの一杯は蕎麦屋酒のスタートにふさわしいです。
わらびとゆばの煮浸し(450円)、丹波黒豆(380円)、焼なす胡麻和え(450円)も登場。
黒豆の皮に皺一つないつやつやの出来栄えがさすがです。
さっぱりしたゆばの煮浸しと、胡麻の風味が濃厚な焼なすの味が好対照。
こりゃもう日本酒にいくしかありません。

今回は、日置桜(750円)、豊盃(780円)、いづみ橋 恵(780円)、睡龍(680円)を2合ずつ。
あっ、一番旨味の強く甘味のあった豊杯は好評だったので3合飲みましたね。
いずみ橋はさっぱり系、睡龍は燗の方がよかったかもしれません。

そんなお酒が出てきてしまうと、お酒の飲めない幹事さんはすかさず、玉子焼(780円)、わさび芋(400円)、鴨焼(1200円)を追加投入。
玉子焼きは、いつもながらかえしの味を効かせて甘味のある仕上がり。
これ、酒がさらに進んでしまう危険な味なのです。

〆の第一弾は、田舎(930円)を2人前。
田舎にしてはちょっとスリムかもしれませんが、そこは十割の蕎麦だけに蕎麦の風味はかなりしっかりしたもの。
コシもあって、スリム感ゆえか喉ごしのいいところも特徴。
ご主人相変わらず、そばで自己主張します(^_^)/

さらにうどんも食べたいというリクエストが上って、うどんもり(730円)を2人前追加。
色白の艶やかで喉ごしのいいうどん。
小麦の風味が香り、これまたご主人はうどんでも自己を主張します(^^)v
うどんとそばのつゆが違うところもこの店の仕事の丁寧さを物語ります。
蕎麦つゆの方が濃いめのしっかりした味、うどんのつゆの方がやや甘く、出汁の味を感じる仕上がりのように思いました。

そしてこのうどんがさらに我々の食欲に火をつける結果に。
やっぱり細打ちが食べたいという声が上がり、もり(880円)を2人前再追加。
こちらも十割なので蕎麦の風味はしっかり。
食べ応えのある味わいでしたが、勢いづいた我々7人の胃袋に難なく収まってご馳走さまでした。

けっこう飲んだのに、一人3,300円の勘定は、えっいいの?という感じです。

ご主人の丁寧なお仕事はますますその主張に磨きがかかっていると思います。
そぅいえば、この日はお嬢ちゃんがお店にきていました。
私が初めてこの店に来たときは、まだ奥さんのお腹の中にいたのに、ずいぶん大きく成長されていました。
お子さんの成長と共にご主人の腕前も成長されているということなのでしょう。
これからも蕎麦屋酒を楽しみたい一軒です。

そして幹事さん、ご参加のみなさんご一緒させていただいてありがとうございました。
3種類の麺が同時に味わえて充実したオフ会でした。


【再再訪2013.12】
メキシコ料理を10人でいただいた後、まだ時間のあるメンバーはコロタンさんのご案内で喫茶店で一休み。
すると時間は5時を回る頃となりました。
すでにラーメンと餃子を食べた方や家庭のご都合のある方とはそこで別れ、残った3人で「蕎麦屋で一杯」ということでこの店にやってきました。

昼間の店とは打って変わって和の空間。
いずみ橋や豊杯といった日本酒をいただきながら、店内の短冊に書いてあった、「浸し鞍掛豆」、「ゆばと白菜の酢味噌和え」、「栗の渋皮煮」、「大根しょうゆ漬け」、「焼き茄子胡麻和え」といったところをアテにいただきました。
浸し豆は東北の料理ですが、今回の鞍掛豆というのはなかなか珍しい豆だそうで、皮の模様が馬に鞍を掛けたように見える(みたいです)ので「鞍掛豆」というのだそうです。
豆の味がしっかりしてます。
栗の渋皮煮は、栗の甘味がさっぱり上品で甘くても酒のお供になる一品。
これらは常備菜的に作られているようで、注文するとすぐ出していただいたのですが、いずれもきちんと手をかけている一品で一同納得の出来栄えでした。

玉子焼きの味も相変わらず。
だし巻ではなく、甘めでかえしの味のしっかりした蕎麦屋の玉子焼き。

〆は三者三様。
もり蕎麦の方、かけそば、かけうどんの方、それぞれの好み。
いつももり蕎麦ばかりだったので、今回はかけそば。
最後までコシがしっかりしているのがさすがの蕎麦。

シャイなご主人は今回も奥で料理に専念。
でもやっぱり蕎麦と料理できちんと自分の存在を主張されています。
今回もご主人の腕前をしっかり堪能させていただいて、一同満足して店を後にしたのでした。
ご一緒させていただいたみなさんお疲れさまでした。


【再訪2010.11】
やはりここの蕎麦は美味しいです。
今は新そばの季節。
甘味があって、香りがあって、そばつゆなしで半分ぐらいそのままか薬味の辛み大根と一緒に食べてしまいます。
もちろんこちらのそばつゆは、力強さがあって美味しいですよ。
今回は冷酒で、アテにはささみと三つ葉の胡麻和え。
あっさりしたささみがお酒を引き立てます。

そして、今回もう一つ食べてみたのが、うどん。
蕎麦と同様にご主人の手打ちです。
ツヤのいいピカピカのうどん。
喉越しもツルツルで、まるで抵抗感なくお腹に収まります。
上州の地粉を使っているそうで、ご主人の修業された先が、水沢うどんを作る店だったので、そのやり方を踏襲しているのだそうです。
蕎麦同様に、うどんもご主人の気持ちが込められている美味しいうどんでした。
ちなみに、うどんのつゆはもちろん蕎麦のつゆとは違います。
うどんのつゆの方があっさりさっぱりした味になっています。


【最初のレビュー2009.12】
故杉浦日向子さんが、ソ連のみなさんと訪れたことを著書にも記している店の一つが、この「にはち」。
シャイなご主人と奥さんのお二人で(今日は奥さんがおらずアルバイトの方でした)やっているお店です。

こちらに夜来ると、いつも焼酎のそば湯割りからいただきます。
そば湯は粉を溶かして作ってくれるので、濃厚タイプ。大きな土瓶に入って出てきます。
ちなみに今回のそば粉は、常陸秋そばです。
焼酎はそば焼酎。これはとっくりに入って登場です。
最近は夜は冷えるので、熱いそば湯で割る焼酎は体が温まります。まあ体内にガソリン入れて中で燃やしてるようなもんですからね^^;

焼酎を注文すると、ちょっぴりのそば味噌が付いてくるのですが、ここはやっぱりもっとたくさん食べたいので、改めてそば味噌を注文。
この店はそば味噌は焼かずに小さなお皿に盛って出してきます。胡桃(?)が入った甘辛い、やや辛口のそば味噌は、焼酎と相性がピッタリです。

さらにここで、白菜と湯葉の酢みそ和えも注文してしまします。
こちらは定番のおつまみに加えて、季節ごとのおつまみも何品か用意しています。
牡蠣の天ぷらもあったのですが、お値段の点もありこちらに^^;
湯がいて水分を絞った白菜と戻した湯葉が酢味噌に絡まって美味しいです。白菜のザクっとした食感と、湯葉のちょっと噛みごたえのある食感が混じって面白いつまみです。

焼酎をもう一杯追加して玉子焼きを注文。
少し甘めで濃いめの味付けの玉子焼きは、焼酎をきっちり受け止める力強さがあります。

だいぶ体もガソリンが入って温まったところで、締めのもりそばへ。
こちらは十割そばです。
十割なのでそばの風味が強いです。やや甘い香りの風味とコク。細打ちタイプなので、もちろんすっと口の中へ入っていくのですが、食べ応えがあります。量は多くありませんが、そばがちゃんと存在を主張しているという食べ応えです。
また、つゆが力強いです。枕崎産の本枯節を使ったというつゆはかなり濃口。
半分かできれば3分の1ぐらいつけて食べるとそばの味を立たせてくれる、できた女房といった趣。
そばを食べ終わってそば湯で割っても美味しいですね。

美味しいですね、とご主人に言うと恥ずかしそうに「そうですかありがとうございます」と控えめのお答。でもそんなシャイなご主人のそばはしっかりと自己主張してくれてます。

  • もりそば
  • うどん
  • 田舎蕎麦

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5位

一喜 (保谷、ひばりケ丘、西武柳沢 / そば)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.6
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2016/08訪問 2016/08/18

【再訪】二八と十割の食べ比べ

【再訪 2016.08】
夏休みの間に市役所に行く用事があって、家族と共に諸手続き。
運転手役の息子が美味い蕎麦が食べたいと言うので、一家3人で再訪。
お盆期間中でも営業していたので助かりました。

12時少し前に入るとすでに先客が2組、10分後にはもう満席となってしまいました。
ご近所の方、近くでお仕事中の職人さんなどで賑わいます。

夏季限定のメニューは鱧天せいろ(1,680円)。
こりゃ注文しない訳に行きません。
運転手役は、子どもの頃から好物だった鴨せいろ(1,555円)。
大蔵大臣は、なめこおろし(1,120円)。
さらに、運転手役がタクシー代替わりに天ぷらも食べたいと言い出したので、穴子天ぷら盛り合わせ(1,855円)と大蔵大臣の許可を得てちゃっかり来福純米吟醸を追加。
もちろん運転手に飲ませるわけにはいかないので、ドリンクは独り占めです(笑)

夏場でもこの店の蕎麦は美味いですね。
コシもきちんとあって風味もしっかりしてます。

鱧の天ぷらはしっとり感とふわりとした食感を併せ持ってなかなか美味し。
対して穴子の天ぷらはほっこり感。
夏の天ぷら2種の食べ比べもまた楽しめました。
もちろんすっきりした甘味と旨味の来福との相性もピッタリでしたよ。


【再訪 2014.03】
店の前に新しく作られている道路が、東伏見稲荷から市役所横の保谷新道まで通行できるようになりました。
なので、うちから歩いていくのもたいへん便利。
その道路を歩いてある日ランチに再訪しました。

春らしいメニューで、白魚の天ぷら盛り合わせとせいろ蕎麦。
白魚、茄子、ふきのとう、れんこんの天ぷらの盛り合わせ。
白魚は軽くて上品な味で、ホロッと口の中で潤びれていきます。
ふきのとうの軽い苦味も春の味ですね。

せいろ蕎麦は二八。
喉ごしがいいです。
それにここの蕎麦は甘味があるんですよね。
そのまま食べるよりつゆにつけた方が甘味が立つのは前回同様です。
つゆが蕎麦の味をふくらませているんでしょうね。
相変わらずいい仕事をされてます。


【最初のレビュー 2010.04】
西東京市役所保谷庁舎のすぐ近く、新しい道路建設現場のすぐ脇にお店があります。
18席の小さな店内。2007年に南大泉からこの場所に移転してきました。
某有名そば店で修業をされてきたご主人と、奥さんのお二人でやっていらっしゃいます。

注文したのは、穴子天せいろと追加の十割もり、相方はなめこそばです。
すべての料理をご主人が一人で作るので、混んでいるときは注文してからそばが出されるまでちょっとだけ時間がかかります。この日は10分ぐらいでした。
その間は香りのいいそば茶と、いろいろとそばの解説が載っているメニューでも見ながらのんびりと待ちましょう。ここのそば茶は、香りがよくてかなり美味しいです。

まずは、薬味から出てきました。
わさびとねぎと大根おろしです。
ちょことそばつゆが出されて、まず二八のせいろがやってきました。
まずは一口何もつけずに手繰ってみます。
あま~い、です。
そばの風味がしっかりします。
口の中で鼻へ抜けていくようなふっくらとした風味。
あんまり甘くていい風味なので、3分の1ぐらいそばつゆなしで食べてしまいました。
そばつゆは濃い方ではないと感じましたが、出汁のしっかり利いたつゆ。
そばの甘さを立たせるつゆですね。
つゆにつけて食べると、一層のど越しの良さが引き立ちます。

その途中で穴子天ぷらが出てきました。
穴子が丸ごと一本と、オクラ、ふきのとう、わらびの天ぷらです。
こちらの店では季節感も重視しているようで、今回伺った時は子持ち白魚の天ぷらもありました。白魚は後から気がついたので、今度来たときに食べたいと思います。
ふきのとうは程よい苦味、わらびはかすかな甘みがあります。
穴子はふっくらホクホク。
こちらの天ぷらは、ちょっとごま油強めの香りを強調した天ぷらです。
揚げあがりは外がカリッと、中はふっくらという感じで、揚げのテクニックも上手だと思います。

そして、追加の十割もりです。
香りが二八より断然強いですね。
しっかりした噛みごたえ。
のど越しの点では二八に軍配が上がりますが、そば本来の味を楽しみたい方にはこちらがいいかもしれませんね。
二八がしなやかな甘い女性的なそばとすれば、十割は武骨な質実剛健な朴訥な男性的なそばですかね。

なめこそばもなめこがたくさん入っていて、そばもしっかりとした味であったとのことでした。
こちらは、お土産にそばを持ち帰ることもできます。
持ち帰りのそばをお客さんに手渡す時、奥さんが「今日のそばのゆで時間は55秒です」と説明されていました。
55秒! なんと細かい時間指定。それにおそらくその日の具合によってゆで時間が変わるのでしょう。
ご主人はかなりのこだわりを持って、そばを打っていらっしゃるようですね。

そば前もお酒もなかなか豊富。いい日本酒も揃っています。
この日は、後に買いものとか用事がなければ、絶対飲んでいただろうと思います。

  • せいろ
  • 鱧天
  • 穴子天盛り

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6位

奈佳一 (武蔵高萩、笠幡 / そば、うどん、天ぷら)

2回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2017/04訪問 2017/05/03

【再訪】変わり蕎麦もまた美味し

家族でこの近くまで所用があってやってきました。
運転手役の息子に、何が喰いたい?と聞くと「蕎麦」という返事。
酒をあまり好まないのは親に似なかったようですが、蕎麦好きのところは似たようです(笑)

土曜日なので12時ちょっと過ぎに到着すると、ちょうど満席になったところ。
20分ほど待ってようやく掘りごたつ式の大きなテーブル席に案内されました。
古民家風の天井の高い落ち着いた店内であることは変わっていません。

今回もお目当ては三色そば(1,250円)。
車海老と穴子の天ぷら(1,810円)を合わせて注文。
温かい蕎麦がいいという財務省は、玉子とじそば(1,070円)にわらび餅(430円)という組み合わせを選択しました。

蕎麦の提供までは15分ほどかかりました。
まあここまで来ちゃえばのんびり待つしかありません。

そばつゆ、薬味、箸、蕎麦猪口のしつらえが整ったところで、最初に「さらしなでぇす」と真っ白なさらしな蕎麦がやってきました。
今回もふんわりした甘さ。
そのまま食べるより、つゆをちょっとつけた方が蕎麦の甘味が引き立ちます。
続いて「並蕎麦」。
細打ちの二八です。
ほんのり甘味があり、風味と喉ごしの良いそば。
さらに「田舎」。
食べ応えのしっかり感は相変わらずです。

玉子とじそばには丼一面にふんわりとした玉子で蓋がしてあるようなルックス。
海苔と三つ葉がまた色のアクセントになっています。

天ぷらは、穴子に大きな車海老にかぼちゃに蕗の薹。
胡麻油の風味がする天ぷらです。
海老がプリプリ、蕗の薹には爽やかな苦味があり、穴子はホックホク。
季節感もあり、穴子のホクホク感がお見事という感じでした。

さて、お腹はかなりいっぱいになったのですが、今回もう一つ食べてみたかったのは、変わりそば。
訪問した4月初旬は季節に合わせて「さくら」の変わりそばがあったのです。
さくらの香りがして、春を感じさせる風味豊かな変わりそば。
この時期だけの味を楽しめて、春の一日、つかの間の休息となることができました。
たまたま近所まで知人の車に乗って来ていたとき、中の一人が突然蕎麦が食いたいなあと言い出しました。
道の途中に蕎麦屋の看板がいくつかあったからでしょう。
でもこんなところまで来てはずれの店だと最悪。
どこがいいかと携帯で検索すると、この蕎麦屋が付近ではダントツに点数が高いことから訪問をしてみました。
サイボクから約1キロ奥、圏央道の脇に店を構えています。
バスもここまでは来てないし、車がないと不便ですね。

店内は落ち着いた雰囲気。ジャズがBGMに流れています。
掘りごたつ式の席でゆったり食事ができますね。
お酒も置いてあるって、アテにもなかなか魅力的なメニューがあるのですが、昼間なので飲むのは我慢。
三色そば(1210円)に上天ぷら(1730円)、それとお試しにということで合鴨つくね焼きも頼んでみました。

最初に登場したのは合鴨つくね焼き。
大根おろしをたっぷりつけていただくと、すご~い弾力。
そしてジュワッと口の中に広がる合鴨の旨味。
ここに日本酒があったら最強コンビの一つになるのは間違いありません。
ふた口目は山椒が効いたこのお店の七味唐辛子をぱらり。
この唐辛子、合鴨の味をズイ~っと膨らませてくれます。
それにしてもこの合鴨美味い!

上天ぷらも出てきました。
「一つで2人前ぐらいありますよ」というスタッフの方の説明がありましたが、なるほど、海老がデカイ!
大きな車海老が2本、あんまり大きいので半分に切ってあります。野菜は、かぼちゃにシイタケにししとう。
海老が大威張りでメインを務めている天ぷらです。
それにこの海老がプリプリ。弾力感たっぷりです。
ゴマ油を混ぜた油で揚げた、さっくりとした衣の天ぷら。
こっちはビールに合いそうです。

さて、続いて1枚目の蕎麦。更科です。
色が真っ白きれいですね~。
一口頬張ると、甘~い。上品な甘さですね~。
蕎麦つゆはよく出汁の味がする濃い目でやや甘めの汁。
でもその濃いめ汁にも、更科蕎麦はその存在が負けてません。コシだってちゃんといいコシつきしてます。
さらにわさびだけで食べてみると、蕎麦の甘みとわさびの辛味が混然一体。
これまたいい相性を示しています。

2枚目は並蕎麦。
一般的な二八のせいろそば。
やや緑がかったそばは、こちらもそのまま食べると甘みがふんわり。
「今は新そばになってますから、甘味も強いです」とスタッフの方。
やっぱりそばはこの時期がいいですね~。
汁との相性もいいです。

3枚目は田舎そば。
こちらはもう重量級の存在感。
もぐもぐと食べて、途中から先ほどの七味唐辛子だけをかけて食べてみると、おっとこれまた味の七変化。
重量級の蕎麦がちょっと軽やかになるからあら不思議。
あの七味なかなかただ者じゃありません。

蕎麦が食べたいと言い出した本人は、なぜか気が変わって合鴨うどん。
でもこのうどんがまた美味しかったのだそうです。

この蕎麦なら、わざわざここまで食べにくる価値は十分。
みなさんの高評価も納得です。
この日は平日だったので、さほど混んでいませんでしたが、土日はきっと近くのサイボクと合わせてドッと人が来そうです。
またなんとか平日に、こそっと来てみたい店ですね。

  • さらしな
  • さくらの変わりそば
  • 並蕎麦(二八)

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7位

ハタダベーカリー (東伏見、西武柳沢 / パン)

2回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.6
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2020/05訪問 2020/06/27

天然酵母の街の小さなパン屋さん

「先代が亡くなって3年ですね」。
跡を継いだ2代目のご主人が話してくれました。
おしゃべり好きな先代はよく、「息子がなかなかセンスが良くてね、お菓子系が得意なんだよ」と話していたのを思い出します。
この地域では早くから天然酵母パンに取り組んできた先代の跡を、以前からこの店でパン作りをしていた2代目がしっかり引き継いでいます。

4月5月はCOVID-19の影響で休んでいたようですが、5月の後半から再び店を開けていました。
近所に所用があった際に久しぶりに寄った日が、ちょうど店の再開日だったようです。
まだ店に出ている先代の奥さんはフェイスガードをして接客されていました。
自分にとって、転居する前はこの店がいつもパンを買う店だったのです。

この日はまだ作る量がいつもより少なかったのか、午後2時頃に行くと残っているパンはかなり少な目。
ともかく食パンの確保が大事だったのですが、いつも買っていた通常の食パンはもう売り切れで、残っていた胚芽の食パンとぶどうパンを確保しました。
さらに、以前もよく買っていたチーズプチパン、お菓子系のミックスサンドケーキ、そしてシナモンロールも購入しました。

食パンは6枚切りで、次の日の昼に自家製ピザトーストを作って食べました。
GW期間中に今住んでいるところの近くにあった天然酵母パンの店が閉店してしまったので、しばらく別の店でパンを買ってピザトーストを作っていたのですが、久しぶりにこの店のパンでピザトーストを作ってみると、家人の反応は「やっぱりこの店のパンは美味しいね」。
パンの旨味というか小麦感というかがやっぱり違う感じがするんですよね。
胚芽のパンだったからなおさらだったのかもしれません。

ぶどうパンも柔らかな美味さが口の中に広がっていきました。
実に喜ばしい味わい。
個人的にはぶどうパンもトーストにして軽くパターを塗って食べるのが好きなんですが、熱を加えた方がこのパンの旨味が活性化するような気がします。

ミックスサンドケーキはお茶うけにいただきます。
洋酒の風味があるしっとりした生地の中には林檎、レーズン、胡桃などが混ざっていました。
胡桃のカリッとした食感が柔らかな生地と好対照。
シナモンの香りもするこの生地を、サクっとした食感を持つ薄い生地で挟んだもの。
「お菓子が得意」と先代が評していた2代目の腕前が発揮されるケーキパン。

先代は、「息子はお菓子系が得意なんだけど、シナモンロールだけはまだ任せらんないなぁ」と言って、先代が亡くなった直後はしばらく姿をみなかったシナモンロール。
先代が作っていた形とちょっと違った仕上がりになっている気がするのですが、シナモンの風味はしっかり効いていいて、甘さが少しすっきりした印象になって登場しています。
もうこれは2代目のオリジナルの味なのでしょうね。

フランスパン生地にチーズを練り込んだ一口サイズのチーズプチパンは、香ばしさと旨味のパン。
これ、意外にビールのお供にいいのです。

久しぶりに食べたパンの味はやっぱり美味しい。
2代目もしっかり先代の味を引き継いで、さらに自分のオリジナリティを発揮していました。
また近くに用事ができたときは、パン買って行こうと思います。

*なお、店内写真のパンは3年ぐらい前に写したものですから、値段が現在とは違うものもありますのでご注意。
【再訪2010.12】
この日は休日出勤。
朝8時には店が開いているので、お昼ご飯用に総菜パンを買って行きます。
この日は、ハムカツパン、魚フライパン、ヒレカツパン、ピザパンの4種。
総菜パンは、コッペパンにそれぞれの総菜を挟んだもの。
昔ながらの手作り感にいっぱいの総菜パンです。
ピザパンは、ズッキーニ、玉ねぎ、パプリカ、ナス、ベーコン、コーンなどが乗った野菜たっぷりのパン。
休みの日は職場の近くの店も休みが多いので、そんなときにも重宝します。


【再訪2010.05】
我が家でパンを買うのは、いつもここです。
食パンにフランスパン、あればクロワッサンとエピパンがいつもの定番。
食べると口の中が喜ばしくなるような、自然のパンの味がします。
1週間に1回買いに行くのですが、3日もするともうなくなってしまいます。
今回は、店内に並ぶパンの写真を許可をもらって写したのでいくつかご紹介します。


【最初の投稿2009.10.24】
田無、保谷、小平あたりでは、一番初めに天然酵母を使ったパン屋さんは花小金井の丸十製パンさんと言われますが、ここハタダベーカリーも比較的早い時期から天然酵母を使ったパンを作っています。
大将の納得がいくパンができるまで、ずいぶん天然酵母を育てる苦労されたようですが、今ではしっかり納得のいく出来栄えだそうな。
クロワッサンが秀逸。焼きたての時間を狙っていくと、熱々で外はカリっと中はしっとりして、バターのすごくいい香りのクロワッサンに出会えます。買って帰る途中につい、歩きながら口の中に放り込んでしまうくらいです。
フランスパン、バターロール、食パンといった基本系のパンにこの店の真価が出ます。
ソーセージパンやコロッケパン、メンチカツパン、ハムカツパン、カレーパン、バラエティナン、ピザパン、サンドイッチなどの総菜パン系も出しています。
コルネ、シナモンロール、よもぎパン、アンドーナツ、ケーキドーナツ、甘食、クリームパン、ブドーパン、クロワッサンの原型というクレッセントバターパン、ベーコンエピパンなどなど、どれを食べてもしっかりパンの味がします。
クリスマスが近くなるとシュートレンが出てきたり、紅茶ケーキやロールケーキ、かぼちゃケーキやチョコレートケーキにレーズンサンドなどなどの焼き菓子もよく新作が出てきます。こうした焼き菓子系は大将の息子さんが得意なのだとか。アップルパイとかブルーベリーパイとかもありましたね。
家族経営の小さな店ですがパンの種類は40以上はあるでしょうか。でも時間によって売り切れになるパンも結構ありますので、欲しいものがあれば焼き上がり時間を狙って行くといいですね。
それから、この店はよく新作のパンが出ます。それを試してみるのも楽しいです。この前は栗入りのフランスパンが出てましたね。
店番によく出ているこの店の大将はお話し好き。放っておくといつまででもおしゃべりしてくれます。パンに対するうんちくもすごいですので、興味がある人は面白いでしょうね。(そうでないときは買ったら早々に退散しましょう^^;)
この店のパンを食べると、巷にあふれる「焼き立てパン」などと言っている店の多くが、パン本来の味ではなく、いかに香料や何らかの味付けでパンの力のなさを補っているかが分かります。
先の丸十製パンとか、武蔵野市のパンの家とか、千駄ヶ谷のトゥルナージュとかとともに、これからも美味しいパンを送り出してほしい店です。でも人気が出ると売り切れちゃうからちょっと困るんだけどね^^;

  • 胚芽の食パンとぶどうパン
  • ぶどうパン
  • 胚芽の食パン

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8位

京すし (京橋、宝町、東京 / 寿司、海鮮、海鮮丼)

2回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.1
    • | 酒・ドリンク 3.9 ]
  • 昼の点数: 3.6

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 ¥1,000~¥1,999

2017/01訪問 2017/03/25

がっつりスクラムを組むはーふ&ハーフ丼

再開発のために一時閉店をしていた京すしさんが、京橋エドグランのオープンと共にその1階で店を再開しました。
L字型のカウンター8席と奥の個室席だけと、店の規模は以前に比べて少し小さくなりました。
店を仕切るのはかつてのご主人、ではなく、以前の店の時から板場に立たれていた息子さんが跡を継がれたそうです。
先代は多趣味な方でしたので、今頃悠々自適のご様子。
後継者難で閉店する個人店も多い中、しっかり息子さんが跡を継がれたので、先代はひと安心でしょう。

以前はランチタイムにも握り鮨があったのですが、今は丼だけの営業。
鉄火丼、イナダ丼というメニューの中に、以前からの人気メニュー、はーふ&ハーフ丼がありました。
いなだ、あじ、さばの組み合わせなら980円、鉄火との組み合わせなら1,120円というのは、以前と同じ価格なのがうれいいです。

ある日は、鉄火とあじのハーフ丼。
新しいご主人は、注文を受けて一つずつ作業を進めます。
「お椀お願い」の声が出ると、注文の品がいよいよ出てくるタイミング。
丼の酢飯の上に赤身の鮪と、ちょっと軽く酢で〆た鯵がご飯を覆うように並んでいます。
切り身の数は8枚ずつ。
ちょうどセンターでスクラムを組むように並んでいます。

では鯵チームの左プロップの位置からいただきましょう。
脂がのっているのが分かる鯵。
浅く酢で〆られているので、さっぱりと食べられます。
続いて鉄火チームの右プロップから。
しっとりした鮪の赤身、噛むとジワッと脂が出てきます。
魚の旨さは前と変わらないかな。

次の時には、かんぱちとあじのハーフ丼。
かんぱちが7切れにあじが9切れ乗っていました。
あじチームはスクラムハーフまで入って、かんぱちチームはシンビンで一人退場でしょうか(笑)
かんぱちにはほんのり脂がのり、あじは前回同様さっぱりしています。
それにこの時は玉子焼き(200円)も追加。
甘味のある玉子焼きは、夜なら酒の肴としても十分役割を発揮しそうです。

ハーフ丼はがっぷりとスクラムを組み合うような2種類の美味い魚が楽しめるところがやはり魅力。
酢飯には、以前と同じく、刻み海苔と刻んだガリが乗っています。
こういう一仕事がちゃんと受け継がれているところがいいですね。

難を言えば、ご主人お一人で調理しているので、提供までの時間がちょっとかかること。
以前の店は、若い衆がいましたからね。
今度は一人ですべてをこなすから、この時間は致し方なし。
まあ、丁寧な仕事の反映と解釈しておきましょう。

夜はお任せでやってくれるそうです。
以前の店は夜もかなりお得にいいものがでてきたので、新しいお店はどうなるのか、機会があれば夜に来てみたいものだと思っています。
【再訪2012.12】
すでに半年も前に閉店してしまった店のことを書くのはどうかと思うのですが、この店の夜を書かれている方が少なかったので、こんな店だったということを残すためにちょっとご紹介だけ。

夜に伺ったのは閉店の一か月ほど前のこと。
その時は全然そんな雰囲気もない、普通の営業の様子でした。

お通しは鮑の肝です。
ねっとり旨味が凝縮した肝、スタートからハイレベルです。
まずはちょっとつまみを切ってもらいたいとお願いすると、目の前につまが置かれました。
今日のお勧めを伺うと「カンパチがいいですよ」とご主人。
脂がのっているのにさっぱりして、身にピンと張りと弾力があります。
続いては、「今日はタコですね」。
身に甘味があります。歯でサクッと切れる柔らかで適度な弾力の歯ごたえ。
モノもいいと思いますが、茹で加減もこの店の技でしょうね。
一緒に注文した玉子焼きは、ほんのりした甘味でさっぱりとした後味のだし巻。
もうちょっとつまみをと言うと、「鯵のたたきなんかいかがでしょう」。
鯵を細く切って刻んだ小口ネギと合わせて出していただきました。スダチをかけて食べます。
ちゃんとひと手間かけていただけるところがこの店の技。

この店オリジナルの「きょうはし」という冷の純米酒は、こうしたつまみの味をじゃましない、ちょっと甘味のある飲み口のいい酒です。

さて、それでは握りへと変更。
すると、「もう握ってよろしいですか」と確認したご主人は、つまを片付け、小さな手桶に入った温かい手拭を出してくれました。
寿司をつまんだ指先を拭くためのご配慮です。
こういう気遣いは心憎いばかり。

まず、「今日はこれで終わりです」という北寄貝を一貫。
柔らかで甘味と貝の旨味がしっかりします。
赤酢を使ったしゃりは小さ目、手に持っているときはきちんと整っているのに、口に入れるとほろほろと自然に潤びれていきます。
こういうきちんとした握り方は、回る寿司屋の機械では絶対できない技ですね。
こはだは締め加減の塩梅が優しさを感じます。でしゃばらずそれでも存在をちゃんと出しているほんのり甘味を感じる酢の加減。
鮪の赤身はしっとりとした旨さ、対してヅケになった赤身は旨味が凝縮されたねっとりした旨さ。
穴子は、ふわふわでトロリ。濃口のツメがいい味を出してます。同行の知人は穴子は好きじゃないと言ってたのですが、これならもっと食べたいと穴子嫌いを解消したようです。
海老は、「茹でただけで別に何の味もつけてませんよ」というのに、なんでこんなに甘いの?と聞きたくなる味。
巻物になったトロは、文句なしに蕩け、海苔はパリパリです。
かんぴょう巻は、しっかりした味付けで最後にしっかり満足感を残します。

「やっぱり江戸前の寿司っていうのは、こはだと穴子と後は煮ハマが勝負だと思います」と「私で四代目なんですよ」というご主人。
こはだと穴子はそんなご主人の気持ちがこもってました。
「今日は蛤がいいものがなかったので仕入れができなくて申し訳ありません」とのこと。確かにネタの種類が豊富ではないのですが、きちんといいものを売切れる分だけ仕入れて提供しようという姿勢が感じられます。

やっぱり夜も来てよかったなあと思いました。
一人10,000円しなかったし。
閉店する前にこの店の真価が分かってよかったです。
どこかで再開してくれないかなあ。


【再訪2011.11】
京橋でお仕事だったので、久しぶりに京すしさんでランチ。
今回は鉄火いなだ丼(1,120円)。
鉄火6切れ、いなだ6切れの計12切れが乗った丼です。
酢飯の上に刻んだガリと刻み海苔が散らされているのはどの丼も共通。
鮪の赤身は上品な脂加減ですねえ。
しっとりしてじわっと鮪の脂が沁み出す赤身。
いなだに甘味があるのは相変わらずです。
いなだは、腹身、背、胴の真ん中の部分からそれぞれ切り身を切ってバランスよくどんぶりの上に乗せる仕事の細やかさ。
職人の顔をしたご主人が、帰り際にごちそうさまと言うと、最後ににっこり微笑んで「ありがとうございました」と言ってくれるのが印象的です。


【最初のレビュー 2010.03】
丸の内方面で午後から仕事。
で、その前に腹ごしらえで八重洲へ。
みなさんの評価の高いこの店に初めておじゃましてみました。

あじ丼、さば丼、いなだ丼は980円、鉄火丼は1260円。
今回はいなだです。
モジャコ、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと、関東では順番に呼ぶ出世魚。
関西ではハマチにあたるサイズの頃だったと思います。

つけばに立つご主人の仕事は早いです。
サッと注文の魚を引いて、酢飯の盛られた丼に乗せ、素早く提供してくれます。
店は満席ではありませんでしたが、それでもカウンターに10人、テーブルに4人座っていたのに、注文から丼が出てくるまで5分待ちませんでした。

どんぶりのご飯が見えないくらい、たくさんの枚数が敷き詰められた、いなだ丼です。
14枚の切り身が乗っています。
醤油にちょっとつけて、まずはいなだを1枚。
あま~い^^
脂がとっても甘い、いなだです。
美味しいですねえ。
脂がのっているのに、ブリほど脂がきつくなくて食べやすいほどほどの脂です。
酢飯もいいですねえ。
やや甘みがあって、魚の味が膨らむような酢飯。
酢飯だけで食べても美味しいですが、魚と一緒に食べると相性がいいです。
いなだをめくると、酢飯の上には刻み海苔がかかっています。
その下にはガリ。
ガリは控えめの味ですが、アクセントとしてはいい役目をしています。

みそ汁はしじみ汁。
しじみの味が汁にしっかり出ている美味しいしじみ汁。
昼間から充実した食事でした。
夜も、資金があったら来てみたいですね。

別の日、夜に来れないのでランチに再び。
次は、あじといなだの丼です。
なんと、いなだの切り身が9枚、あじが11枚乗っています。
今回は大盛りだったので、100円増しの1080円。
切り身がこんなに乗ってこの値段は、素晴らしいの一言です。
いなだは脂がのって美味しいのは変わらず、鯵は軽く酢でしめて仕事がしてあります。
甘みは抑えたあっさりめの〆方。いい味だと思います。

こちらの丼は、酢飯を丼にドンと入れたら、その上に大きめに刻んだガリを全面に散らします。
その上に刻み海苔をまた全面に散らし、そこに切り身を乗せてわさびを真ん中に盛ったら出来上がり。
ご主人や職人さんの仕事ぶりを見ているのが、楽しくなるような作り方です。
酢飯はやや赤味を帯びていますから、赤酢を使っていらっしゃるのかもしれませんね。
夜もぜひ来たいと思いました。

  • 鉄火とあじのはーふ&ハーフ丼
  • かんぱちとあじのはーふ&ハーフ丼
  • 玉子焼き

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9位

川蝉 (宇都宮、宇都宮駅東口 / うなぎ、日本料理、居酒屋)

2回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 3.9
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2019/11訪問 2023/06/19

この店の流儀というものがある

今年はCOVID-19のおかげで、毎年恒例の宇都宮出張が中止になってしまいました。
ということはこの店に行くチャンスも今年はなくなってしまいました。
なので、昨年行った時のレビューです。
2010年に初めて伺って以来、何度か伺っていたのに、今年は行くことがかなわず残念です。

18時前に入るなら電話で予約を受け付けてくれるのですが、それ以降の時間になると予約ができないのです。
出張するといつも仕事が18時30分ぐらいまでかかるので、その前2年間はその時間に電話をしても満席で入れませんでした。
もうすっかり人気店なのです。
そのため、昨年は昼前に店に直接行って、18時30分過ぎになるけどいい?と聞くと、いつも笑顔の女将さんが顔を覚えていてくれて、快く「よろしゅうございますよ」と仰っていただいたのでした。

時間に間に合うように仕事を切り上げ暖簾をくぐると、「お久しぶりですね」とカウンターの向こうからご主人が声をかけてくれました。
3年ぶりですからね。それでも覚えていてくれるところがありがたい。
カウンター席の端に座らせていただき、まずはビール。
いつも通りのヱビスです。
お通しには、干しシイタケと大根のすり流しが出てきました。
刻んだベーコンが乗り、干しシイタケの旨味とともに、ちょっと洋風の味付け。
若旦那の作品だそうです。
東日本大震災の後に、東京の修行先から戻ってきた若旦那も今やお店の中心的存在。
食べログのこの店のトップページにも、「料理人」として紹介されてますね。

いつも通り、刺身盛り合わせをお任せでいただきます。
今回は、かんぱち、ひげたら、さより、さわらの4種。
皮目を炙ってあったり、隠し包丁が入ったりという一仕事がされているところは、いつもながらさすがです。

日本酒に切り替えて飲み始めたところに、「ちょっとだけですけど」といただいたのは、蕎麦の実、鴨、桜海老を合わせた小鉢。
蕎麦の風味、鴨の旨味、桜海老の甘さが混然一体となった味。

この日はうなぎの肝串もいただいてみました。
ほろ苦さとしっかりしたコク、弾力もあってミディアムレアぐらいの焼き上がりなので、トロリとした味わい。
もちろん酒がホイホイ進んでしまいます。

3年ぶりなのでもう一品欲しいなと思ったら、タラの白子と湯波のみぞれ煮を出してくれました。
この料理、初めてこの店に伺った時に出していただいたもの。
実は得意料理なのだそうです。
みぞれは大根ではなく、聖護院蕪を使うところがこの店の流儀。
湯波には厚みがあり、蕪には独特の風味と甘みがあるところが特長で、それぞれの素材の味を邪魔しない出汁がしっかりまとめています。

すっかり料理を堪能したところで、いよいよメインの鰻。
さすがにうな重の値段は上がりましたね。
それでもせっかくなので「松」をいただきます。
注文を受けてから鰻を裂いて作り始めるので、いつも帰りの新幹線の時間を目安に出してもらう時間を先に伝えておきます。
お重の蓋を取ると、ご飯をほぼ覆う感じで一尾分のかば焼きが乗っていました。
つやつやした照り具合。
箸を入れるとふわっとした感覚が伝わってきます。
もちろん食べてもふんわりした柔らかな食感。
口の中でほとびれていきまきました。
蒸しの工程を経ているので、脂も適度に落ちて食べやすく仕上がっています。
品のいいさっぱりした甘みのあるタレも変わらぬ味。
プリッとした肝の入った肝吸いや、味のしっかりした奈良漬けを挟みながらしっかり味合わせていただきました。

地元の方にとってはこの店は「日常」の店なのでしょう。
昔は、旦那衆の集まりなどでよく賑わったそうです。
「今はそういうのはなくなりましたねぇ」とご主人。
その頃の名残を今に残す店。
「私らは変わりようがないんですよ」と最初に訪問した時に仰っていたご主人の仕事ぶりは、その丁寧さがいささかも変わっていませんでした。
ご主人や若旦那の料理も、女将さんの気持ちのいい接客もまだまだ伝えていってほしいと思います。
【再訪 2014.06】
またまた今年もこの時期に恒例の宇都宮出張にやってきました。
宇都宮といえば、私にとってはこの店。
連絡を入れるといつも電話に出てくれる女将さんではなく、若旦那が出て席を確保してくれました。
はたして、この日は女将さんは、「喉が痛いと言って休んでいるんです」とのこと。
今頃はもう回復されたでしょうか、いつもお元気にでいていただきたいと思います。
ちゃきちゃきっとしたおもてなしの女将さんがいらっしゃらなかったのは残念でしたが、ご主人と弟さんのご兄弟による料理の方は、今回もとても充実していました。

ビールの後の白隠正宗純米吟醸と花垣純米吟醸に合わせた刺身はすずき。
さっぱりした白身、でも噛むとジワリとした旨味があります。
とこぶしの酒蒸しには煮切り酒のタレをつけていただきます、
この辺りが、この店の仕事の丁寧なところ。
貝の旨味をこの煮切り酒のタレがさらにふくらませてくれました。
鯛のすりながしは、鯛の風味と旨味がしっかり汁の中に溶け込んでいます。
白焼きは前回同様、脂分を落としてさっぱりふっくら。
〆のうな重も、固めに炊かれたご飯と相性のいいふっくら感のある鰻。
今回もしっかり堪能させていただきました。
毎度ごちそうさまでございます。


【再訪 2013.06】
宇都宮出張があれば必ずと言っていいくらい訪問する川蝉さん。
女将さんもご主人もお元気そうで、いつも通りの温かいおもてなしで迎えていただきました。

ふっくらした柔らかな鰻のうな重もいつも通り。
刺身の盛り合わせは、たいら貝、鯛、いさき、ひらまさ。

そして今回は初めて白焼きもいただきました。
いつも頼もうと思って忘れてたんです。
だいぶ脂を落としたふっくらとした仕上がり。
仙禽や山形正宗、賀茂金秀といった日本酒が進んでしまいます。

年に一度の宇都宮でのお楽しみ。
女将さんとご主人には、また来年も元気な姿でお会いしたいと思います。


【再訪 2012.03】
前回訪問したのは、震災の一週間前のこと。
久しぶりに訪問すると、女将さんもご主人もお元気そうで一安心しました。
地震の時はかなり揺れたそうですが、幸い店に大きな被害はなく、今は通常通り営業しているとのことでした。

女将さんやご主人の、温かみのあるもてなしぶりはいささかも変わりません。
ふっくらとした鰻の美味しさも前回同様。
盛り合わせにしてもらったお造りは、鯛・金目鯛・さより・鯵。
この時期に来るといつもさよりが入りますね。

今回いただいたお酒は、全国16の蔵が協力して製造し、売り上げの一部を被災地にカンパして愛も届けるという「KANPA+I」という名前の酒。
製造は天狗舞の車多酒造でした。

今年からは、東京の料亭で修業していた息子さんが戻ってきて店を手伝っていらっしゃるとか。
女将さんもなんとなく、安心した表情をしています。
「あと何年やれるかと思ってるんですよ」という女将さんですが、跡取りも戻ってきたことだし、まだまだお元気で心和む接客を続けていただきたいものだと思います。


【再訪 2011.03】
宇都宮に出張となると、もうこの店で一杯やってから帰るのが楽しみになってしまいました。
これまで、3回訪問させていただきましたが、女将さんやご主人のホスピタリティに溢れた客あしらい、季節のものを活かした丁寧な肴、そしてもちろん柔らかくふんわりと焼きあげられた鰻、ここにくるといつも心がくつろいだ気分になって帰ることができます。

刺身にしても季節感豊か。
6月に訪問した時はあいなめや金目鯛などを出していただきました。
今年の3月には、あら、アンコウの肝などが入っています。
3月の時は2人で行ったので種類も多めに出してくれました。
こちらの都合に合わせて、その時の旬のものを中心に見つくろってくれるので、いつもすっかりご主人にお任せです。

その他の肴も季節によって変わります。
6月はとこぶしの煮貝や青柳でした。
貝類は産卵前のこの時期が一番身が太ってますからね。
とこぶしの煮貝は海のない地方独特の保存食でもあります。
コリっとした歯ごたえがあり、貝の旨味は凝縮され、薄味の醤油で煮込まれていて言うことなし。
この時は思わず、地元の日本酒の惣誉という、さっぱりした飲み口の酒を頼んでしまいました。
もちろん青柳もぷりぷりで、日本酒との相性は抜群です。

今年の3月に訪問した時はせりの胡麻和えや蕗味噌が出てきました。
ホントに季節感のあるその時々のものが楽しめます。

こちらの鰻は背開きして蒸しあげてから焼く関東風の仕事。
注文を受けてから鰻をさばくので、出来上がりには30分以上かかります。
「関西から来たお客さんから、蒸さずに焼いてくれと注文されたこともあるんですが、それはできませんとお断りしたんですよ」、とご主人。
「私はこのやり方しか修行してきてないんで、他のやり方はできないんです」と語ります。
この店の流儀をきちんと守られた、丁寧なお仕事。
それがふっくらと柔らかくっ仕上がった鰻だけでなく、いつも楽しませていただく料理全体に表れていると思います。

それに、女将さんの接客はいつも心のコリがほぐれます。
いつもにこやかで、客の要望をよく聞いていただいて、いいものを勧めていただいて、料理や地元のこともいろいろ教えていただいて、一見も馴染みも関係ない、ホントに気持ちのいい接客にはいつも感謝です。

また宇都宮行った時は寄りますので、美味しい鰻と季節の肴でゆったりとした時間を過ごさせていただきたいと思っています。
そういえば、まだ初回に食べそびれた白焼きも食べてないし^^;


【最初のレビュー 2010.03】
「うなぎにもその店その店のやり方がありましてね」と語るのはご主人。
「35年やってます。周りはいろいろ変わるんですが、私たちは変わりようがないんです」とのこと。
いやいや、ずっと変わらずこちらのやり方を通してこられたというのは、とっても大事なことだと思いますよ。
こちらは、うなぎだけでなく、そのほかの酒の肴も豊富。
「栃木は海のない県ですから、少し珍しい魚も扱おうと思って出してるんですよ」と、おかみさん。
ではまず、適当にみつくろっていただきましょう。

まず、「すこしずつ3種ほどお持ちしました」という刺身の盛り合わせを出していただきました。
あら、ほうぼう、さよりの3種盛り合わせです。
この3種、さよりははまだ東京でもたまに出ますけど、あらやほうぼうは、そうは見ません。
「少し珍しい」ではなく、かなり珍しい魚が出ていると思います。
ほうぼうは、歯ごたえがこりこり、淡白であっさりしていますが、噛むと旨みが染み出てくるような刺身です。
あらは、ほんのり脂が乗って少し濃厚感があります。でも軽い脂でしつこさは全然ありません。
さよりは、この時期だけの春を告げる魚。透き通る白身で淡白、あっさりしています。
あらは、九州では鍋にすると取り合いになる高級魚。
今回刺身で出していただいたあらは、10キロの目方のものだそうです。
「あらとクエ似てますが違うんですよ。あらはスズキの仲間です。クエは養殖できますがあらは天然ものしかありません」とご主人。勉強になります。

次に出てきたのは、タラの白子と湯波のみぞれ煮。
湯葉ではありません、ここは栃木、だから湯波です。
しっかりとした厚みのある湯波。食べ応えがあります。
白子はちょうどよい炊き具合。旨みがしっかり閉じ込められています。
それにこのみぞれ煮のみぞれ、大根ではなく、聖護院かぶらなんです。
だからカブの甘みがいっぱい。出汁もよく効いてやさしい味になっています。

さらに春の息吹を感じる蕗味噌などで一杯やって、ちょうど4杯目の焼酎のグラスが空く頃、いよいよ真打のうな重が登場です。
普通は注文して30分ぐらいで出されるそうです。ちゃんと作っていただいている訳ですね。
頃合いを見計らうように、ちょうどグラスとつまみが空になった頃に出していただきました。
お重に一匹分、うなぎが横たわっています。
早速一口。
こちらのうなぎは、あっさり仕立てですね。
ふっくら柔らか、口の中でやさしく身がほとびれていきます。
脂っぽさが抑えられて、軽い焼きあがりです。
真ん中の身の厚いところはホクホク、尻尾の方はややカリッとして、食感の違いも楽しめます。
たれは、品のいい甘さをもったあっさり味。
ご飯と相性いいですね。
静岡は吉田のうなぎだそうです。今の時期は養殖ものしかでません。
夏場になると天然ものも出せるそうですが、値段は3倍違うそうです。

こちらの接客も、とても素晴らしいものでした。
飲んでいる途中で上着を脱ごうとすると、さっと後ろで手伝っていただいたり、一見の客なのに、とても丁寧に説明をしていただいたり、でもけっしておせっかいや押しつけがましさもなく、おかみさんもご主人も、とても気持ちのいい方でした。
「私たちはこのやり方なので、この味がよいと思う方に来ていただければいいと思ってます」というご主人。
これからも、長くここでお店を続けていただきたいて、また寄らせていただきたいと思います。
今度来るときは、今回食べるのを忘れた白焼きをいただかなくては。

  • うな重松
  • うな重松
  • 刺身盛り合わせ(かんぱち、ひげたら、さより、さわら)

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10位

だあしゑんか (四谷三丁目、曙橋、四ツ谷 / ダイニングバー、ビアバー、ヨーロッパ料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.6
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2010/03訪問 2016/05/05

チェコの人もやってくるチェコ料理専門店

我々がテーブル席で食事をしていると、大きな体をした外国人の方が店に入ってきました。
「神田の洋書屋さんでこの店のことを聞いてきました~、私たちはチェコ人で~す」と片言の日本語で自己紹介。
食事をしながら、店長氏や隣の席のお客さんたちとチェコの話をした後、チェコ語で「乾杯」と言いながらビールとスピリッツを飲んで帰って行きました。
昔々、神谷町に「キャッスルプラハ」というチョコ料理専門店があったのですが、そこが閉店したのち、本格的なチェコ料理が東京で食べられるのは、表参道の「ano」さんと、こちらの店だけと言われています。
とてもこじんまりした店内には、本棚にチェコの絵本がたくさん並んでいます。食事をしながら自由に眺めてもいいそうです。でも残念ながらチェコ語分からないんですけどね^^;
時には、チェコ語の講座、またはチェコの映画会、さらにはチェコの絵本の朗読会など、チェコの文化を紹介する拠点にもなっています。

言葉は分からないので、我々は料理と飲み物でチェコを理解したいと思います。
まずは、チェコと言えばビールです。何と言ってもピルスナーの発祥地ですからね。
エーデルピルスという、樽生ビールでの乾杯からスタートです。
泡のきめが細かいビールですね。色はやや薄めのゴールド、甘みもあってコクもあるホップ100%のビールです。
すぐに出てくるおつまみで注文したのは、カマンベールチーズのマリネ。
カマンベールチーズがスパイスとたまねぎと一緒にオリーブオイルに漬け込まれたもの。クラッカーとローレルがついてきます。
漬け込んであるのでカマンベールは締まって固くなっていて、ナイフで切りながらいただきます。塩気もあって、ビールのつまみ向きの一品ですね。

続いて出てきたのは、ブランポラーク。
マジョラムというハーブとにんにくを入れた、ジャガイモのパンケーキです。
タルタルソースを付けていただきます。
ふかふか、モチモチの歯触り。にんにくが効いています。ビールとはぴったりですね。

続いては、ビール煮込みのグラーシュ。
チェコ風ビーフシチューですね。
牛肉と玉ねぎを煮込んだものだそうで、デミグラス風のソースで煮込まれているのですが、ビールがたっぷり入っているのが食べると分かります。
ビールの風味がすごいので、なんとなくさわやかな感じのシチューです。
クレドリーキという茹でパンにつけて食べるのですが、ビールのつまみにビール味のシチュー。相性が悪くない訳がないです。

そうそうビールの2杯目からは、本日のお勧めのビールに変更。
本日はベルナルドというビールがお勧めだそうです。
黒ビールのラベルは悪魔、ラガーのラベルは司祭です。
ここは悪魔からですね。
コクがあって苦みの少ない美味しい黒ビールでした。
司祭よりも悪魔の方が好みの味。自分の性格にあっているかもしれませんな…

さらにこの日食べたのは、ウトベネッという白ソーセージにピクルスを挟んだもの。
さっぱりしてなかなかイケます。
それから、牛すじのピコスという、牛すじ肉とニンジンやシイタケなどの野菜をザワークラウトと白ワインで煮込んで水分をなくしたもの。
これは、肉と野菜の旨味が凝縮されてます。酸味はありません。軽い食べ応えのシチューを水分がなくなるまで徹底的に煮込んだという感じのものでした。
黒パンをもらって、それにつけて食べるといい味ですね。

最後に自家製ケーキと紅茶をもらって、2人でほぼ1万円。
お腹の中でかなりチェコを理解できた、ような気がします。
これからも、日本とチェコの関係が発展して、チェコ料理がもっと広まるといいですね。
派手ではないですけど、美味しい料理でした。

  • ビール煮込みのグラーシュ
  • エーデルピルスとカマンベールチーズのマリネ
  • ブランポラーク

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