2回
2010/11 訪問
天使のエビ~! 岩中ブタ~!
【再訪2010.11】
嬉しいことにまた大森で仕事。
入船のランチがまた食べられる~♪
今回の日替わりランチは、月曜日なので岩中豚のポークソテー。
岩手県の中部で飼育している豚だそうです。
そして今回もおばあちゃんのアドバイス。
「肉に脂身がずいぶんあるでしょう?これも食べてね」
うん、脂身が甘いんです。
肉ももちろん、繊維が細やかで、柔らかくて美味しいです。
脂身もその肉に負けない美味さがあります。
甘い、コクがあり、でもしつこくなくさっぱりと脂が溶ける。
「せっかく美味しいのに、脂身残す人いるからね」
いや~、おばあちゃんのアドバイスは素直に聞きましょう。
今回も、おばあちゃんのご指示通りで十分堪能させていただきました^^
次回は水曜日のビーフカツになんとか大森の仕事を組み込みたい^^;
【最初のレビュー2010.06】
大森でお仕事となりました。
それならお昼ごはんは、前から一度行ってみたかったこの店です。
通りを歩いて行くと、目立たない一軒家のような家のところに「洋食入船」の文字。
本日のメニューの看板も通りに出ていました。
メニューの看板がないとうっかり通り過ぎてしまうかもしれません。
時間は11時40分まだ早めの時間なので、先客はビール片手に談笑中の2人連れの方のみ。
「いらっしゃいませ~」と出迎えていただいたのは、娘さんでしょうか?まだお若い方でした。
メニューを見せていただくと、この日の日替わりランチは「天使のエビ」!
明日の「ビーフカツ」も気になるところですが、「天使のエビ」の日に訪問できるとはラッキー!
迷わずいただくことにしました。
10分ほど待つと小さなカップのスープが運ばれてきます。
クリーミーなボタージュスープですね。
夏向きでなのしょうか、少しあっさり目の味になっています。
さらに5分後、来ました来ました、大きなエビフライが頭付きで3尾お皿の上に盛られています。
エビフリャー好きの名古屋の人なら大喜びしそうな、シャチホコのような盛り方ではありませんか。
迫力ありますね~。
さて、ここで登場はみなさんのレビューでもお馴染みの噂のおばあちゃん。
「このエビフライは初めてですか?」と質問されたので、素直に「そうです初めていただきます」と答えると、「頭から尻尾まで全部食べられますからね」とアドバイスをしてくれます。
ほうほう、全部いけちゃうんですか、そうですか。
もともと、私、エビフライもエビ天も尻尾まで全部食べちゃう人なんですが、おばあちゃんのこのアドバイスは、とても自信があふれています。
では、ナイフを入れて頭と胴体を切り離し、アドバイス通りタルタルソースをつけて頭からいってみましょう。
パリパリと軽やかな殻の食感。
さらに噛んでいくと、なんとも言えないコク。
きっとミソの部分でしょうね。
それにエビに甘みがあります。
甘みとコクとパリパリとが口の中で踊ってます。
揚げ方も程よいレベル、パン粉の香ばしさも、口の中の踊りに加わります。
次に胴体のところいってみましょう。
おおっ、頭の時に感じた甘味が凝縮されて、ど~んと口の中に直球を投げ込んできます。
甘くてプリプリ~。心地よい弾力感です。
尻尾のところはもう書かなくても分かりますよね。
間違えありません。
さすがは天使のエビさんです。
食べ終わってお勘定をしながら、おばあちゃんに、エビ甘いですね~、とお話しすると、「そうでしょう、この甘さが天使のエビなんですよ」と、昔の東京の言葉のアクセントが残る語り口で教えてくれました。
頭もコクがあって美味しいですね~、とお話しすると、「そうでしょう。だから初めての人には全部食べられますよって説明するんです。そうしないとせっかく美味しいところを残していっちゃいますからね」とのこと。
いや~、おばあちゃん、ご親切なアドバイスありがとうございます。
そうですよ、こんな美味しい頭を残すなんてもったいないですよ。
おばあちゃんのおかげで、天使のエビ、しっかり堪能させていただきました。
ごちそうさまでした。
おばあちゃん、いつまでもお元気でね。
2018/01/07 更新
昨年の年末、ずいぶん久しぶりに大森で仕事。
何気に大森は美味しい店の多い街。
迷った結果、7年ぶりにこの店にやってきました。
11時30分開店。
10分後に来たときにはすでに先客6人。
お一人様は必ずここになる、入口すぐの2人前の席に座らせてもらったすぐ後から続々お客さんがご来店。すぐに満席になってしまいました。
予約していたお客さんは、「お座敷にどうぞ」と奥の座敷席へと案内されます。
この辺りは昔の三業地ですから、座敷席があるというのはその頃の名残でしょうね。
予約していないお客さんは、「申し訳ございません、ただ今満席でございます」ということになっていました。
いやいや危ないところ、盛況ぶりは相変わらずです。
相変わらずの様子なのですが、以前に来店した時とちょっとだけ雰囲気が違います。
このお店のアイドルだったおばあちゃんの写真が厨房の前に飾られていたのです。
あれっ?いくら人気者のおばあちゃんでも前はあそこに写真はなかったような、と思って、おばあちゃんはどうされてますか?とお店の方に質問すると、「この前の2月に…、寂しくなりました」というご返事。
7年のご無沙汰のうちに、残念ながらおばあちゃんは別の世界に旅立たれてしまいました。
天使の海老の海老フライをいただいたときは、「頭から尻尾まで全部食べてね」、岩中豚のポークソテーをいただいたときは、「脂身まで全部食べてね」とアドバイスしてくれたおばあちゃん。
「美味しいところを残すなんてもったいない」と、優しい笑顔と自信を持った口ぶりでお話していたおばあちゃん。
今回はどんなアドバイスをしてくれるかな、とお会いすることも楽しみにしていたのにとても残念。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
おばあちゃんを偲びつつ、今回いただいたのは広田湾の牡蠣を使ったカキフライ。
カキフライライスにせず単品にしてもらって、オムライスを別にいただくことにしました。
食材にこだわるこの店の今年の牡蠣は、岩手県の広田湾産。
森の栄養をしっかり溜めこんだ牡蠣がいただけます。
お皿の上には大ぶりのカキフライが5個に自家製タルタルソース。
ナイフで切ると、牡蠣の身にしっかり弾力があることが刃先から伝わってきます。
プリンプリン。
だらしなくデレッとすることのない身の締まった牡蠣。
それでいて旨味のある牡蠣のジュースはちゃんと中に閉じ込められています。
オムライスは薄焼き卵でくるんだオーソドックスなタイプ。
中はケチャップ味のチキンライス。
黄色い卵の上にかけられたケチャップの赤が鮮やかです。
鶏とケチャップの旨味を感じる安定的なオムライスでした。
この牡蠣フライやオムライスをいただくときに、おばあちゃんだったらどんなアドバイスをしてくれたかな?
昭和と平成を生きて、この店を支えてきたおばあちゃんに敬意と弔意を表して、7年間の歳月とゆく年を想いながらランチをいただいた2017年の暮の一日でした。