2回
2017/03 訪問
才能あふれる料理人
夫の岩手転勤が決まり、まず伺ってみたい!と思ったのがこちらです。
岩手の拠点から徒歩数分のところにありました。
少なくても前日までの完全予約制であること
お昼は税別4500円、夜は税別7000円と10000円のコースのみと
このエリアにしてはお値段的にちょっとハードルが高かったこと、
またみなさんのレビューに店内の写真は禁止とありましたので、訪れることを少し躊躇していましたが
夫に「いつ行くの?!まだ予約してないの?!」と背中を押され
伺う前日に予約を入れ、翌日の夜に伺いました。
カラカラと戸を開けてお店に入り名前を告げると
「お待ちしておりました」と個室のテーブル席に案内されました。
この日のお客は私達だけ。ご主人がおひとりで対応して下さいました。
お料理は予約の際、10000円のコースをお願いしていました。
ドリンクのメニューから夫はエビス(瓶)を私はウーロン茶をお願いし乾杯!
「お料理のお写真を撮るのはダメですよね?」と伺うと「良いですよ」と笑顔で返されビックリ@@
「ただネットへの掲載は・・」ということでしたので
お料理のお写真は撮らせて頂きましたが掲載は見送らせて頂きます。
さあ お料理のスタートです。
先付
グラスに入ったお料理は一番下にお出汁のジュレ、
その上にうすい豆で作ったお豆腐?(寒天で固めたような)とっても色鮮やかな緑で綺麗~。
トッピングは塩水に浸された雲丹をたっぷりと。甘くて嫌なニオイが一切ない美味しい雲丹です。
磯の香りが高く、うすい豆との相性も抜群! 次のお料理が楽しみになる1品でした^^
椀物
3月にちなんで蛤のしんじょう
お椀の真ん中のしんじょうは蛤とお出汁を封じ込めていらっしゃいます。
しんじょうの手前に筍とこごみ、しんじょうの上には細く薄く切った独活と
ほんのりピンクに染めて桜の花びらを模した大根。
お出汁は薄目のお味にしていらっしゃるのですが
ふわっふわの柔らかなしんじょうを崩して食べ進むと
中から蛤が顔を出し、封じ込まれていたお出汁が徐々に広がっていく仕組みです。
うわぁ~上等な蛤をそのまま頂いているような旨みに包まれます。これ 凄いですよ~!
夫は早くもビールから日本酒(冷酒)に切り替えました。
向付
河豚 本鮪の赤身 みる貝 車海老
お醤油とポン酢2つで頂きます。
器も骨董を使っていらっしゃって、目で見ても美しい1品。
「河豚はわざとぶつ切りにしています。この方がより河豚の美味しさを味わって頂けると思うので」とご主人。
思わず夫と顔を見合わせました。京都の祇園 大渡さんが2月に伺った時に
同じことをおっしゃってぶつ切りで供されたので あ・・同じように考える料理人の方がいらっしゃるんだと。。
アメリカで揚がったという本鮪は少し水っぽく旨みが少なかったけれど
先程まで生きていたという車海老はぷりっぷり! みる貝は旨味がたっぷりで大満足です。
焼き物
あいなめの幽庵焼き(1人小ぶりの2切れ) 河豚の白子 あしらいにフルーツトマトと酢蓮根。
プリっとしたあいなめは 程よいタレのお味を含んでいて甘みを感じます。
白子はプリップリで濃厚。
軽く塩をふっていらっしゃいますが、白子自体が濃厚でとろみがあるので
もう少ししっかり塩をしたほうが、我が家は好きです。
炊き合わせ①
アマダイ・帆立・わかめ
基本のお出汁が優しく美味しいので、お箸がすすみます♬
たらの芽とホワイトアスパラの黄身酢掛け
軽く塩ゆでされて緑鮮やかになったたらの芽は柔らかだけど コクっとした食感が楽しい。
ホワイトアスパラガスは しっかりと太さがあり、甘味を感じます。
炊き合わせ②
干し鮑・干し蕨に空豆を添えて
1人に1つ干し鮑が出てきました@@
鮑も蕨も干したものなので、戻すのにも相当な手間が掛かっていらっしゃると思います。
とろみのあるお出汁でまとめていますが、鮑の香りが強い事@@
食べやすいように半分にして 包丁も入れていらっしゃるし、柔らかく煮ているのでとても頂きやすい^^
お食事
ご主人が「お茶漬けでご用意させて頂きました」とおっしゃって運んで下さったお椀の中には
まんまるのおにぎりがお出汁の中に鎮座しています。
このおにぎり、一旦焼いて海苔を巻いたもの。大人のこぶし大の大きさがありました。
おにぎりの上には何と!!炙って厚めにスライスした自家製の唐墨が3枚も@@
別の小皿には切り落とした小さなかけらの唐墨が沢山!!!何て贅沢でしょう~。
夫は「これでまだ1合は軽くイケる。。」と言いましたが既に3合頂いていたので今日はストップ(笑)
この唐墨とっても美味しいのですが、これだけで頂くと少し塩が濃い目。
でもお出汁の中に入れておにぎりを崩すとちょうど良い塩梅に。
おにぎりに巻いた海苔がまた良い香り~。
椀物もそうですが、全てを合わせた時に最高のお味になるように考えられたお料理なんですよね。
かなりお腹がいっぱいでお茶漬けを見た時には「食べ切れない」と言ったのに
あまりの美味しさにお箸が進み 完食~。
私が残すと思っていた夫は自分が食べようと思っていたらしくガッカリ(笑)
この後 お煎茶とデザートが出てきました。
デザートは丸みを帯びたグラスに4層になったものが入っていました。
一番下はヨーグルトとバナナをミックスしたもの、その上にせとか、その上に苺、トップに香りづけのジュレ。
お写真をご覧いただけないのが残念なのですが、苺が信じられないくらい細かくカットされていて
たっぷりと入っていました。
夫も「旨いなぁ~」と感心しきり。
お食事の後 店主の寺沢さんとお話する時間を持てたのですが
修業は花巻にある小さなお店だけなのだそう。
「え?!ホントに??」とビックリ。
あとはご自分で著名な料理人の方の本から学んだのだそう。
まだまだお若く、とっても男前のご主人なのですが
きっと生まれ持った料理人としての才能が豊かな方なのだと思います。
他の方のお料理のお写真も拝見しましたが、盛り付けも使っていらっしゃる器も
以前よりずっと洗練されていると感じました。
これだけのお料理が1万円(税別)で頂けるということにもビックリ。
ドリンクメニューにもお値段が明記されていてお会計も明朗です。
夫は「1人でふら~っとコースじゃなくてもカウンター利用が出来れば、近いし通うんだけどなぁ」
と呟いていましたし、仕事がら仙台・岩手で接待の席に招待されることも少なくないのですが、
「今まで訪れた東北のお料理屋さんの中で一番良かった」とも申しておりました。
いや~凄い!
美味しかったです♬
ご馳走さまでした^^ また伺いたいと思います。
*こちらのお料理は月替わりではなく、市場へ行って良いものを仕入れ献立を考えるそうなので
同じ月でも同じお料理が頂けるかどうかは分からないそうです。
*お写真に関しての許可は、あくまでも必ずその場でご自身で行って下さい。
いつも許可頂けるとは限らないかもしれません。
2017/04/04 更新
コロナの影響だと思いますが、SNSをチェックしていると
岩手県NO1の寺沢さんも時折テイクアウトのお弁当をされています。
いつもされていらっしゃる訳ではないのでSNSをチェックしないとですが
美味しいご飯の上に色々なお惣菜がぎっしり!
お値段1850円だったかな?
昨年のことで家計簿を付けたりレシートをとっておく習慣がないので間違っているかもですが
1つ2000円でお釣りがあったのは確かです。
大きな海老天の他にも鮭・牛肉・帆立に玉子焼き、たらこに梅干し・薩摩芋等々・・
とても食べでがある美味しいお弁当は寺沢さんならでは。
夫は晩酌のアテに・・なのでご飯ナシだともっとありがたいと申しておりましたが
いやいや・・普通はご飯がないとでしょ(笑)
店内は改装されカウンター席も出来たようなので
機会を見つけて夫が赴任中の数年間のうちに伺いたいな・・と思っています。
ご馳走様でした~。