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Ca'del Bosco Cuvee Prestige Franciacorta
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Alsace Marcel Deiss Riesling
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Vie di Romans Dessimis Pinot Grigio
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さまざまな文化が、時代を経て交錯する場所、シチリア島。
もちろん、そういう場所はシチリア島だけではない。
しかし、シェフがずっと料理を通じて長く関わってきたシチリア料理を
もう一度見つめ直し、再構築し、あるいはその上で挑戦する――
そうして創り出された一皿一皿はアート作品なのだとはシェフの言。
このたび、期間限定の「まじわる」をテーマにしたコラボメニューということで、期待を抱きつつ訪問した。
「まじわる」の中にも皿ごとにテーマがあるようだ。
イタリア渡航によって、それまでに培ってきたシチリア料理に対する概念が大きく変わったと言うシェフ。
シェフが体感したシチリア料理を表現したズッパ、＜つなぐ＞。まずここから沢藤ワールドが幕開けする。
アーモンドの濃厚なスープに冷たくほろ苦いコーヒーのアイス、レモン、りんごのゼリーが、
それぞれの風味とビジュアルで彩りを添えている。
クスクスとカレーパウダー、ムール貝、浅利、鶏肉のそれぞれの持つ香りが
素晴らしく際立っている＜きざし＞。
自家製キターラの多少コキコキした食感が面白く、カジキとケッパー、オリーブでまとめた、
シンプルかつ王道の組合せながら文句なしに旨い＜かなめ＞。
三種類のきのこの詰まったラビオリーニにバターソース。
そこに甘酸っぱいナスとセージがアクセントを添える＜けはひ＞。
かつおと鶏のレバー、その上に洋ナシ。かつおは赤身肉に見立てて真空・低温調理。
やわらかに熱を通されたかつおは、レバーと同じねっとりとした食感に仕立てられ、
不思議な一体感がある＜解放＞。
セコンド・ピアットの2皿目を飾る＜發身＞は、白ワインで煮た豚肉と帆立を合わせ、
クロケット風にまとめた逸品。
ビーツの濃厚なソースと相俟って、口にした途端ファンファーレが響きわたり、
濃密な旨みが重奏のごとく押し寄せる。
ドルチェなど甘いものは普段口にしないが、甘さの中にも濃淡があり、
トマトのソルベなどややしょっぱいものまで含めた組合せの妙が面白い＜閃門＞。
今回のコースはそれぞれの皿にテーマが設定されていることから、硬軟織り交ぜられというか、
奇をてらわない直球勝負の皿もあれば、それぞれの要素が個性を発揮し
主張をする皿もあり、とても楽しかった。
“ラルテ”と店名に冠しているだけに意外な食材同士の組合せと
思わぬ“ケミストリ”に着目されがちのように思うが、
決してそれだけではないことがよくわかった。
素材の持ち味を熟知し、それを活かす技術が確立されているからこそ、
絵画で例えるなら古典的な宗教画は勿論、前衛的で進取な作品も描けるのだと思う。
それぞれの皿にアクセントとなる仕掛けが用意されていたりして
それが意外性につながっているものの、結果としてそれは必然性につながり、
どこかの次元で調和しているのだと感じた。
沢藤シェフの培われた経験と磨かれた感性により繰り広げられるアートの数々。
目で、鼻で、舌で向き合えば、ラルテ流のシチリア料理を体感することができるはずだ。