レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2016/10訪問 2016/12/31
平成28年10月訪問
いつものように1ヶ月以上前に華やぎコースを予約して来訪。
先付は,栗豆腐と車海老,各種きのこの餡掛け。八寸は、鴨,衣かつぎ,銀杏,嫁菜と菊花のお浸し,海月と茸の霙和え,小柱の白和え,鯖寿司。次が椀代わりの玉地蒸し。向付は間八,鰈。障泥烏賊,鮪。焼物は,鱒の塩焼きイクラ添え。煮物鉢は,茄子饅頭。飯物が栗ご飯。赤出しと香の物。水菓子はカスタードプリンと葡萄、抹茶風味。
日本酒は,飛露喜 特別純米,新政純米にお勧めで冨近田純米吟醸を頂く。
やはり,何を食べても旨い。東京へ行くたびに必ず寄せて頂くなじみの店である.女将もとてもかわいい。これからも訪れたい。
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平成27年9月訪問
東京での仕事が入ったため,こちらのお店に1ヶ月前に華やぎコース(7000円)を予約して訪れた。前回の来訪時には,素晴らしい料理を堪能した。今回も期待一杯で訪れた。
先付は,雲丹と茸のジュレ和え。雲丹は甘いし,茸は旨み溢れ,ジュレは出汁の香りが素晴らしい。何より美しい。
次の八寸は,鯖寿司,丸中甘露煮,銀杏塩焼,子持ち鮎,アオサ半平いくら添え,鮟鱇肝,鱈白子,稲穂唐揚げ。やはり息を飲むほどの美しさ。また,どれも大変旨い。酒にも合う。
椀は定番の内子、雲丹、鱶鰭の玉地蒸し。これはやはり秀逸な一品。雲丹の甘さ,鱶鰭の丸み等,やはり驚くべき一品。
次いで,箸休めに戻り鰹。芥子で頂く。鮮烈な赤みに程よく乗った脂の旨さがとてもいい。
向付は,大トロ,墨烏賊,鰆焙り。どれもレベルが高い。日本酒によく合う。ここで特別に店主から鮪赤身を比べて食べてください,として赤身を出して頂いた.赤身の方は,爽やかな血の旨みと身の細やかさが素晴らしい。
焼き物は,鱧白焼きと焼き松茸,焼き舞茸。これは文句なく旨い。松茸の香り,鱧の品のいい味わい。松茸と違ったジューシーな舞茸の旨みが一体となって攻めてくる。これまた驚きの一品。
煮物鉢は,蓮根饅頭。むっちりとした饅頭に,鶏ミンチなどが入り出汁を利かした餡の旨みが絡まり,生姜の爽やかさが全体を包み込む。これまた旨い。
最後に,焼き松茸と焼き秋刀魚の土鍋御飯。かりかりの小梅を刻んだものが振りかけられ,貝割れが盛られている。松茸や秋刀魚,そしてそれらの味がしみこんだ濃厚な旨みたっぷりの御飯に,かりかりの小梅が爽やかなアクセントとしての役割を与えられており,これまた文句なく旨い。人参,胡瓜のぬか漬けや奈良漬け等の香の物も御飯によく合う。
水菓子はリンゴのコンポートとプリン。最後まで品よく楽しく頂けた。
今回の料理も,とても素晴らしいものばかりで,前回訪れた時と同じ,いやそれ以上の喜びと驚きを与えてくれた。日本酒も色々頂いたが,いいものが揃っている。コストパフォーマンスも素晴らしい。また,前回の来訪を覚えてくださっていたようで,それもうれしい。男前の大将もいい。何より,女将の美しさ,かわいらしさには,料理同様,驚きを禁じ得ない。また,東京に来る時には,必ず来訪したい。今回の訪問で点数を総合4.4に変更する。
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平成27年2月訪問
以前、東京に行った時に、この四谷三丁目界隈をぶらつき、細い路地がある落ち着いた街並みに魅せられた。今回、東京出張が決まった時、この界隈の店で是非食事したいと思い、食べログで検索して見つけたのが、こちらのお店。一ヶ月以上前に予約して訪れた。
地下鉄四谷三丁目駅から歩いて5分はかからないが、表通りから一本入った細い路地にある割烹。隠れ家のような落ち着いた雰囲気。
カウンターに案内される。午後7時に予約していた。入店した際には半分位の混み具合だったのか、5,6分もすると満員になった。
こちらのお店、ぐるなびで生ビール一杯無料のクーポンがあるので、まずはビールを注文する。きめ細やかな泡が立つよう丁寧に注がれたビールは、香りがくっきり立ち、とても旨い。これだけでこちらのお店の心配りの素晴らしさを感じる事が出来た。
料理は、まず先付けが蕗と白魚の炊合せ。蕗の苦みや香りをうまく残しながら、しっかりと出汁が染みている。白魚も、はかなげな旨みが出汁で更に引き立てられている。出汁加減がとてもいい。
八寸は、のれそれ、牛肉タタキとウルミの酢味噌、空豆、指大根、蛸柔らか煮、菜の花からすみまぶし、鯵棒鮨。息をのむほどの盛り付けの美しさ。思わす日本酒(八海山純米吟醸)を頼んでしまう。
のれそれは、清々しく、牛肉タタキは、とても香りがいいし、ウルミの食感も楽しい。蛸はとても柔らかく、旨みのかたまり。噛み締めながら唸ってしまう。菜の花の唐墨まぶしは、春を先どる苦みと唐墨の贅沢な旨みの調和が素晴らしい。棒鮨は、思わす笑ってしまった位、旨みたっぷり。大根はもろみ味噌で頂く。爽やか。いずれの料理も酒によく合う。
椀は内子、雲丹、鱶鰭の玉地蒸し。内子の濃厚な旨みを鱶鰭が吸い込み、また雲丹の甘さを茶碗蒸しの生地が包み込む。胡麻油が気持ち効いていて素材も中華を感じさせるが、やはり素材の持ち味が生きている事を考えると紛れなく和食。でも、驚きを禁じえない素晴らしい椀てあった。
向付は、墨烏賊、鮎並,初鰹、鮪、寒鰤。墨烏賊や鮎は酢橘と塩で頂く。墨烏賊はねっとりまったりした旨さ。鮎並は白身だけど程よく乗った脂の旨みが口の中に広がる。初鰹も生姜で頂くと優しい脂と清々しい香り。鮪は爽やかな香り。寒鰤も脂がたっぷり乗っていて蕩ける味わい。
焼き物は鰆の照焼き。蕗の薹と芥子菜のお浸し。粗挽きの唐辛子がアクセントで蒔かれている。鰆はほっこりした身と皮目の香ばしさに打たれる。蕗の薹の軽いえぐみや芥子菜の瑞々しさが素晴らしい。
煮物は、初掘りの筍、若芽しんじょう、京人参と独活の炊合せ。出汁が淡いなかにも滋味深く、また、しんじょうも若芽の香りと白身魚の旨みが出汁でまとめられて、さらに京人参と独活の土の香りが追いかけてくる完成度の高い一品。
ご飯は、シラスとえんどう豆の炊き込みご飯。1人なのに土鍋で炊いて下さった。
蓋を開けるとシラスの柔らかな風味清々しい生姜の香りが広がり、口に入れると力強い旨みが鼻腔に喉に駆け巡る。蜆の赤出汁も旨い。香の物は、キャベツ、胡瓜、人参。どれも軽やかでご飯によく合う。
最後の水菓子は赤白の苺。柔らかな甘さが嬉しい。
料理はどれも素晴らしい。ことに出汁加減がいい。また,椀などは気持ちいい驚きを与えられた。これぞ割烹料理である。また,コストパフォーマンスも素晴らしい。お料理とビールに八海山純米吟醸、石川の黒帯悠々 特別純米で1万円でおつりが来る安さ。さらに過不足のない気持ちいいもてなしや,料理のサーブのタイミングなど二も感動した。店を出るときには、女将と大将が雨降りにもかかわらず挨拶して下さった。とてもうれしい接遇出会った。なにより女将がとても可愛くて、よく気働きされていた。料理、サービスともにとても満足した。また東京に来るときにば是非訪れて旨い料理と旨い酒。素晴らしいもてなしを味わいたい。
2位
2回
2019/03訪問 2019/07/01
三月末のことだが、祝い事かあって、家族でこちらのお店に伺うこととした。今回で3回目の来訪。一万円のコースを予約した。
今回は初めての個室。ゆったりと食事と会話を楽しみたいから。落ち着いた雰囲気。
まずは飲み物を注文する。私は、遊穂純米吟醸原酒うすにごり。後の者は、ビールや梅酒水割り、葡萄ジュースなど、好きなものを注文する。
まず運ばれてきた先付は、グリーンアスパラ、スナップえんどうとヤングコーン。胡麻のソースがこれらの野菜にうまく絡み、清々しくて、香り高い。この時期のこれらの野菜は、本当に旨味がしっかりとしている。
次が向付。桜鯛、サヨリ、平貝、みる貝、中とろ鮪の五種。お祝いごとということで、桜鯛を用意してくださったとのこと。少し小ぶりの鯛だったからか、やや旨味が少なくものの、彩りよく、華やかな気持ちになる。他の造りはいずれも食べ頃のものが供されており、いずれも旨い。酒が進む。ここで、冩楽純米吟醸を頂く。
次が、煮物椀。金目鯛と蕨、春菜、しめじに柚子のあしらい。蓋をあけると、ふうわりと広がる優しい香り。熱々を頂く。金目鯛が本当に旨い。出汁加減も秀逸。
やはり和食の華である。
焼物は、甘鯛菜花味噌。唐墨を彩りにしており、美しい。菜花味噌の少しのほろ苦さが、甘鯛の身の甘さを引き立てており、旨い。皆で顔を見合わせる。
続いて八寸。蛍烏賊、若牛蒡、鶏、蕗、分葱のぬた、帆立の酒粕白和えなど。どれも楽しい一品。春を感じるものばかり。酒をちびりちびりやりながら、一つ一つの料理を味わう。
次は若竹煮。筍と若布に鮑が寄せられている。筍の少しだけアクを残しているその風味と食感、柔らかく炊き上げられた鮑、そして優しい若布の食感がすばらしいお出汁で一つに纏め上げられて、これまた秀逸な味わいのお料理。ここで篠峯純米を頂き、次のお料理を待つ。
ここで、留めに鹿肉のステーキが供される。原木椎茸が添えられている。肉を口に入れ噛み締めると、しっとりと肉汁が広がり、野趣溢れる旨味が口の中を支配する。粒胡椒のアクセントも心地よい。ここしばらくの間で頂頂き鹿肉の中で一番の旨さである。もう少し食べたいなと思いつつ、あっという間に全部食べてしまった。
飯物は、土鍋で炊かれた鯛と筍の炊き込みご飯御飯。そして、大蜆の赤出汁に香の物。炊き込みご飯は、筍の風味と鯛の旨味が米一粒一粒までに行き渡り、非常に旨い。子供らは何度もお代わりしていた。また、蜆の赤出汁も旨い。身までしっかり頂ける。濃厚な貝の旨味が広がる。無論、香の物もいい。
最後の水菓子は、苺のムースと蕨餅、ずんだのソースがかかっている。苺の爽やかさとずんだのソースの風味が上手く調和して、絶品の一品である。子供らも絶賛していた。
どの料理も驚きや感動があり、これぞ割烹で頂く和食と感じた。また、いわゆるコストパフォーマンスも非常に良かった。
大将を初め、店員の方の給仕も的確であり、心地よい。店内は清潔で、張り詰めた空気感も感じられる一方で、個室の中は柔らかな雰囲気であった。家族全員が満足した。これからも度々訪れて、旨い料理と旨い酒をいただきたいと思う。
正月以降,なぜか外食では肉をたくさん食べていたような気がする。この日,谷町界隈で会議があり,それが少し早く終わるという予定だったため,是非和食を食べようと思い立ち,以前あまから手帳で紹介されていたこちらの店を予約した。あまから手帳では,コースでなくアラカルトで頼もう,という特集だったが,初めてのお店ということもあり,5000円のコースをお願いしておいた。
当日、会議が終わってからクールダウンするために,谷町4丁目から本町,そこから四つ橋筋へ出て靱公園の横を抜けて、徒歩で30分強の時間をかけてお店を訪問する。白い外壁に「京町堀莉玖」の木札がかかった落ち着いているけど溌剌とした外観。生成りの暖簾をくぐって入店する。すぐに女将が出てこられ,カウンターに案内される。白木のカウンター,その向こうの板場,店全体がとても新しくて清々しい。
カウンターの上には、手書きのその日の料理のお品書きとコースや酒類が既済されたメニューが用意されている。少し長く歩いたので,喉が渇いていたこともあり,メニューの中からビールを注文した。
暫くして,丁寧に注がれたグラスビールが用意される。泡かとてもきめ細やかでクリーミーに立っており,一口頂くと泡のクリーミーさとビールの爽やかさが同時に広がりとても旨い。
ビールを二口程頂いた段階で,コースが始まる。まず先付けは,かます子と菜の花,芽キャベツの黄身酢和え。さっと焙ったかます子に軽くボイルした芽キャベツと菜の花を黄身酢で和えたもの。ほんの少しほぐした唐墨が軽やかなな塩味を添えている。かます子の香ばしさと芽キャベツの甘みそして菜の花の軽やかな苦みがクリーミーな黄身酢でまとまり,春を先取りする軽やかな一品。
向付は,鯛,烏賊,寒鰤,かます焼き霜の造り。藻塩と酢橘、そして醤油が用意される。造りを食べるなら日本酒が飲みたい。そこで,日本酒メニューを眺めると,大好きな黒龍純米吟醸があったのでそれをお願いする。
黒龍がグラスで用意される。口に含んでその香りと味を楽しんだ後,造りを頂く。まずは烏賊。軽く酢橘を搾り,塩で頂く。もっちりとした歯触りと、噛みしめる内に出てくる烏賊の甘みが酢橘によく合う。次に鯛,こちらは塩に山葵を載せて頂く。身はそこそこ活かっているが,旨みがよく引き出されている。これは旨い。食べ終わり黒龍を口に含むと,鯛の旨みが黒龍により皿に増幅されてくる。寒鰤はたっぷりの山葵と目紫蘇,それに醤油で頂く。脂が乗っていて,まったりした旨み。関西人だからか,この時期の寒鰤は鮪より美味しいと感じる。かます焼き霜は,これまた塩と酢橘で頂く。焼き霜の香ばしさと少し濃いめの身の旨みが酢橘や塩で活かされる。酒を飲みながら造りを頂くと,造りの旨み,酒の旨みが互いに引き立ち,至福のひとときを感じる。
煮物椀は,蛤真丈。そこに藪萱草、京人参、大根。あしらいが柚子。椀の蓋を開けると,出汁の馥郁とした香りに柚子の爽やかさがふわっと広がる。しばしうっとりした後,熱々のところを一気に頂く。まずは出汁を一口。淡い中に深みを感じる。蛤真丈は,むっちりした食感に蛤の旨みが凝縮されている。大根や京人参,藪甘草などは単なる彩りだけではなく,それぞれの持つ素材の持ち味が出汁でまとめられており,どれを頂いても旨い。いつも思うが椀が旨いと,この店で食事できてよかったなあ,と感じる。満足いく一品であった。
次の焼き物は,太刀魚。酒盗と卵黄身のソース。ソースの上には,焼き鱈子をほぐしたものが振りかけられており,そこに薑甘酢が添えてある。焼きたてはもちろんであるが、皿まで蒸し器で暖められて供される。その心遣いに感動する。淡泊な太刀魚の身に,酒盗の濃厚な旨みが纏わり付く。でも,決して酒盗の旨みが勝つのではなく,あくまでも太刀魚の旨みが活かされた味わい。素直に旨い。酒にもよく合う。
ここで,日本酒がなくなったので,伯楽星純米吟醸をお願いする。同じタイミングで,八寸が供される。
八寸は, 鯛の子,若牛蒡,鰯山椒煮,もずく酢,嫁菜と赤蒟蒻の胡麻和え,利休麩と蕨の胡桃和えの6品。鯛の子は,ほっこり甘く品よく炊かれており,顔が綻ぶ。若牛蒡は土の香りと根菜特有の甘みが活かされたもの。もずく酢は,爽やかでもずくのシャッキリ感が口の中を洗い流してくれる感じがする。嫁菜と赤蒟蒻の胡麻和えは.胡麻の風味と蒟蒻の歯触りが楽しい。利休麩と蕨の胡桃和えは,蕨のほろ苦さが来たるべき春を感じさせ、利休麩のもちもち感に驚かされる。鰯山椒煮は,甘辛く香りよく,酒にも御飯にもよく合うと思う。ちびりちびり酒を飲みながら,これらの料理を頂くのはとてもいい。
八寸を食べ終わったのを見計らい。蒸し物が供される。金目鯛と胡麻豆腐の湯葉葛餡。焼き目を入れた金目鯛に霰をまぶして揚げた胡麻豆腐,筍,豌豆を湯葉餡で纏めた一品。これまた,出汁と柚子の香りが立ち昇り,鼻腔を擽る。まずは,金目鯛を頂く。下味を付けて焼いてあるそれは、口に入れた途端に、金目鯛の品のいい脂の乗った旨みが広がる。金目鯛の旨さが本当によくわかる。また,揚げた胡麻豆腐も出汁に絡んでとても香ばしい。筍も旨い。加えて湯葉餡の出汁加減がとてもいい。これまた美味しい一品であった。
油物は、穴子,牡蠣磯辺揚げ,薩摩藷,こごみ,蓮根の天麩羅五種。塩と天汁が用意される。穴子は程よく脂が乗りまったりとした旨みが素晴らしい。薩摩芋は優しい甘さ。蓮根はさっくりとした歯触りが心地よい。こごみも塩で頂くと香ばしい風味が口の中に広がる。そして牡蠣磯辺揚げは,噛んだ瞬間に磯の香りとものすごく濃厚な牡蠣の旨みが口一杯に弾けだす。こんなに旨みの塊のような物はあまり頂いたことがない。驚きを禁じ得ない。何とも言えず旨い。酒にもよく合う。残りの酒をここで飲み切ってしまう。
飯物は,鮎の白魚とうるいの粥。それに胡瓜と壬生菜の漬け物と昆布。粥は,鮎の白魚から出た柔らかないい出汁が米に浸み込み,そこにうるみの滑りが加わって,するすると胃の腑に落ちていく。熱々をふうふうしながら頂く。身体に優しい旨さ。
粥を食べ終わったところで,水菓子が供される。林檎羊羹と苺の赤ワインソースかけ。シナモンを少し利かせたリンゴの羊羹は少し甘めだが,赤ワインソースの心地よい酸味と調和が取れて,とてもいい。苺もリンゴの羊羹に負けない甘みを供えている。何より赤ワインソースが素晴らしい。こんなに美味しい水菓子は頂いたことがあっただろうか。
水菓子を食べ終わると,胡麻のちんすこうと玉露が用意される。玉露を頂くと,体中に満足感が染み渡った。
一番お手軽なコースであったが,料理は,どれも満足した。出汁の加減や素材の活かし方,どれをとっても若い大将の瑞々しい感性が活かされつつも,伝統に裏打ちされた技術を大切にしている感じがした。また,日本酒の種類も多くよいものが厳選されて用意されていた。日本酒好きにはとても喜ばしい。加えて,日本酒と共に用意された水や御飯とともに出されるほうじ茶等,脇となるものもとても美味しく頂けた。
大将だけでなく焼き場の美しい女性や女将,若い給仕の女性,男性店員の方々が,銘々一生懸命に仕事をされており,清々しく感じた。給仕のタイミングも適切で心地よく食事を楽しむことができた。それにお料理の内容に比してお勘定も驚くほど安かった。
店外まで見送ってくださった若い大将の旨い料理と心意気,また店の方全員で醸し出される素敵な心配り,そして旨い日本酒を味わいに,是非近いうちに訪れたいと思う。いい店に出会えたと思う。
3位
1回
2016/11訪問 2016/12/31
東京出張の最終日、どうしても鰻が食べたいと思い、いつも伺う江戸川橋のはし本に電話したところ、どうも定休日らしい。そこで急遽、こちらの店にお邪魔することにした。老舗の鰻屋で名前は知っていたものの、なかなか機会がなくて行けなかった店。少しドキドキしながら、電車で向かう。食べログをみると、かなり並ぶらしい。急がないと。
生まれて初めて訪れた南千住駅で降り、やや小走りになりながら店に向かう。およそ5分くらいで店の前に到着する。開店時間の30分前。待っているのは、一人だけ。まだ門は開いていない。仕事の資料に目を通しているうちに次々と後ろに列が出来てくる。門が開く頃には、およそ30人程が並んでいた。
門をくぐるとしばし待たされた後、お店の中に案内される。最初の客から順番に座敷の奥の席に案内される。私は二番目。席に座り、メニューを見ていると、すぐに注文を取りに来てくれる。せっかく老舗に来たのだからと、鰻重の上と肝吸い、そして冷酒を注文する。
しばらくして日本酒が運ばれる。桜正宗本醸造。それと当てにしば漬けの刻んだものが用意されてくる。そのしば漬けを口に含み、日本酒をちびちびとやる。とても楽しいひととき。そうしてちびりちびり日本酒を飲んでいるうちに、座敷いっぱいにうなぎのおいしそうな香りが広がってくる。少しだけ酔いが回り空腹を感じながら、焼き上がりを楽しみに待つ。
おおよそ35分ぐらいして、鰻重が運ばれてくる。そして肝吸いも運ばれてきた。まずは鰻重ふたを開ける。御重いっぱいに鰻が敷き詰められており、香ばしく甘辛い香りが立ち昇る。まずは1口。鰻は柔らかでとろけるような感じがする。口の中いっぱいに旨味が広がる。タレ加減もちょうどいい。
次に、肝吸いの椀の蓋を開ける。出汁の芳しさが広がる。口に含む。思いのほか優しい風味と落ち着いた味わい。柔らかでとろけるような鰻の旨味によく合う。
鰻重に戻り、次に山椒をかけて頂く。鰻の風味と山椒の気高い香りが、互いに引き立て合い、更に深い味わい。あゝ旨い。これぞ至福のひととき。肝吸いをすすり、鰻重をかきこみ、また肝吸いをすすり、鰻重をかきこみして、あっという間に食べ終わった。
こちらの鰻重は、江戸前の鰻の中でも、特に柔らかくてとろけるような食感が特徴だと感じた。タレ加減も、柔らかな鰻の身によく合う。いつも伺ういし橋の鰻重が、もう少し辛口のさっぱりしたものであるのに比べて、こちらのは、柔らかで優しい、みんなが好きな味だと思う。
またこちらのお店は、広い座敷の中でみんなで食べることもあって、非常に親しみ安く庶民的な感じがした。もちろん値段のほうは、決して安くはないが、コストパフォーマンスはとても満足できるものであった。
これからは、はし本だけでなく、こちらの尾川もなじみの店にしたいと思う。
4位
1回
2016/11訪問 2016/12/31
旨いものに目がない先輩と後輩と3人で、洋食を食べようと言うことになり、後輩がこちらのお店を予約してくれた。心斎橋の大阪豊田ビルと言う少し古めのビルの地下にある素敵な洋食屋さん。
午後7時店を訪れる。奥のテーブルに案内していただいた。この日は、色んなものが食べたいということで、小皿定食というコースを予約していた。白ワインをボトルで注文し、まずは乾杯。
最初に秋刀魚のフライに生ハムメロン。生ハムメロンなんて、と思ったが、これが旨い。甘みが強めのメロンと生ハムの塩味がうまく調和してワインに合う。
次が、前菜三種、コールドビーフ、マグロカルパッチョ、レバーペーストバゲット。どれも落ち着いた大人の味わい。
続いてガーリックバゲット。香ばしくてワインが進む。
海老フライとトマトのフライ。タルタルソースが旨い。そろそろワインがなくなって来たので、赤ワインをボトルで注文する。
料理は続く。今度はキノコのサラダ。
カボチャのポタージュ。ホッとする甘さ。
いよいよメインのお料理がいただける。メインは、牛もも肉のたたき、タンシチューなどから選択できる。追加料金がかかるものもあるが、食べたいものが食べられるのが嬉しい。
私が頼んだのは牛もも肉のたたき。にんにくチップを添えて頂くと、赤身肉の旨味とにんにくの力強い風味が口一杯に広がる。とても旨い。ワインが進む。肉の旨さを堪能することができた。
一通り洋食をいただいた後、御飯と豚汁、たらこ、大根の漬物、シラスなどが用意される。このあたりが、うちは飲み屋さんではないぞ、ここは大人が真っ当な食事をするところなんだぞ、という気概を感じるところである。もちろん、どれも厳選されたもので、それぞれに美味しくいただけた。
最後のデザートはバニラというか牛乳のアイス。さっぱりとして、素敵な洋食を締めくくるのにふさわしい一品。なぜか微笑んでしまう。
すべて食べ終えると、コーヒーが供される。なんだかとても落ち着いたひとときを過ごすことができた。一方、なんだか大人のお子様ランチを食べてるような、楽しい雰囲気も味わえた。店の人のサーブも心地よく、先輩らとの会話も楽しめた。まさに大人の空間である。また、機会を見つけてしばしば訪れたい。
5位
1回
2016/10訪問 2016/12/24
仕事で京都を訪れることがあり、京都の友人がこちらのお店に連れて行ってくれた。先斗町にある割烹。当日は雨だったが、店内に入ると白木のカウンターが清々しい。
まずはビールで乾杯。すぐに料理が出てくる。
先付は賀茂茄子煮浸し。いんげん豆、茗荷、海老旨煮と糸瓜。出汁をたっぷりと吸った賀茂茄子は、口の中で旨味が広がり、飲み込むのが勿体無い感じがする。
早くもここで日本酒に切りかえる。竹の器で冷酒が供される。
続く椀物は、鱧と松茸、冬瓜、酢橘。これは京都の定番。蓋を開けると、出汁と柚子の香りがふんわりと漂う。心地よい。それから少し遅れて松茸の香りが立ってくる。まずは一口。出汁は淡いが奥深く感じる。葛を打った鱧をいただく。とても旨い。大振りに裂かれた松茸も香りがいい。熱々を一気にいただく。
続く向付は、鯛、鱧、縞鰺、ヨコワの造り。鱧は梅肉で頂く。椀種の鱧に比べて少し細身で嫋やか。鯛は大将曰く仕入れに力を入れているだけあってやはり旨い。縞鰺やヨコワも旨味が出ている。日本酒とともに堪能する。
お凌ぎは、フルーツトマトの椎茸や蟹の射込み、甘酢あんかけで頂く。酸味は柔らかでトマトの甘みと射込まれた蟹や椎茸の旨味が爽やかに口に広がる。
次は焼き八寸。鰆味噌漬け焼き、焼き茄子、鱧南蛮漬け、粟麩田楽、蟹玉子焼き、枝豆、穴子寿司、蛸旨煮。贅を凝らしたものではないものの、それぞれの素材の良さを活かして巧みに調理されている。酒にもよく合い、楽しい一品。
炊き合わせは、牛スネ肉の霰揚げと賀茂茄子の素揚げ、スネ肉は柔らかく煮込まれてあり、葛餡と絡んでとても旨い。スネ肉をここまで品よくあっさりと仕上げられた料理は初めていただけた。また、食べてみたい一品である。
飯は、鱧雑炊。骨などから取った出汁で作られあ雑炊は、米の中までしっかり鱧の旨味がしみ込み、しかも優しい味わいにとても満足いくものである。香の物は、茄子、大根、胡瓜の糠漬け。普段は食べられない逸品。
雑炊をおかわりする。やはり旨い。
また、丁寧に入れていただいた玄米茶が、とても香ばしくて、ホッとさせられる。
水菓子は無花果に紅葉麩、プリン、甘夏のゼリー。優しい甘みにホッとさせられる。
この日は、ビール小に醴泉純米吟醸二杯、墨江純米吟醸を頂く。少し飲みすぎたかもしれないが、料理のおかげか酒もうまくいただけた。
名古屋出身のオリラジ中田敦ちゃん似の大将は、仕事が丁寧で付かず離れずでも退屈させないように話しかけてくれ、心配りが気持ちいい。また、機会があれば訪れたい。
6位
1回
2016/11訪問 2016/12/31
やたらと肉が食べたくなったので、ランチこちらの店にお邪魔した。北新地にあるステーキハウス。店の前にはかなりの人数が並んでいた。
おおよそ10分ほど待ったところで、入店できた。カウンターに案内される。隣は女性2人。おいしそうに肉をほおばっている。その姿を見て、とてもステーキが食べたくなったので、1番量の多い400グラムを注文した。
注文を聞くと素早く牛肉を鉄板に乗せて焼き始める。焼いている間に付け合わせのキャベツなどが用意される。ほどなくステーキが焼き上がった。およそ1枚あたり100グラムのステーキが4枚。一口大にカットされ、ソースと千切りキャベツとともに供される。後は御飯と野菜の味噌汁、この日は大根の味噌汁だった。
まずはステーキにかぶりつく。それほど固くなくかみしめると肉汁がほとばしる。とてもうまい。赤身なので、かなりのスピードで食べてももたれない。400グラムは多いかなと思ったけど、簡単に食べ切れそう。
もちろんその間に、キャベツをバリバリいわせながら食べたり、ご飯をかきこんだりする。やはり肉だけでは飽きてしまうのかもしれない。キャベツやご飯もやたらとうまく感じる。
結局15分ほどで、ステーキもご飯もキャベツも味噌汁も全て食べきることが出てきた。さすがにおなかいっぱい。なんだかとても幸せ。満足感が高い。
ステーキ肉自体はそれほど分厚くなくまた焼き加減等も指定できないが、それでもおいしく焼けていた。とにかく肉をいっぱい食べたという満足感が体中にみなぎって嬉しい。これからも機会があれば食べに行きたい。
7位
2回
2018/12訪問 2019/01/20
12月末,久しぶりに来訪。5000円のコースを予約しておいた。
午後6時から開店ということだが,1,2分早く着いたので、お店に入ろうとすると,まだ開店前だということで追い出される。6時5分くらいになってやっと入店を許される。
カウンターの洗い場の前に案内される。まずは銘柄は忘れたが日本酒を頼む。この日食べたのは,先付が雲丹の玉地蒸し,八寸が鴨の燻製他6品,椀が蕪と真丈の霙,向付が障泥烏賊,寒鰤,大トロ、焼物が茄子の和風クリームグラタン,煮物が鰤大根,油物が白身魚の霰揚げ,そして土鍋で炊いた牡蠣飯と赤出汁、香の物,水菓子はケーキとラスクのストロベリーソース。
まず何より,料理の提供が遅い。通常2時間のところ,3時間半はかかっている。私だけでなく他のお客もものすごく待たされている。食べ終わっていても器も下げず,次の料理が来るまで2,30分かかっている。隣の二人連れも始めは会話は進んでいたのに、そのうち料理が遅すぎて黙りこくってスマホをいじり出す。人手が足りないため。酒がなくなって注文しようとしても全く頼めない。
また,料理も口に合わない。焼物や煮物はぬるいし,牡蠣ご飯は生臭く,米に芯が残っているのにべちょべちょしている。
さらに洗い場での器の洗い方も気になる。
再訪は絶対にない。
久しぶりに割烹でご飯が食べたくなって、お店を探していたところ、友人がこちらの店を進めてくれたので訪れることにした。
仕事を少し早めに終わらせて、店に電話をして5500円のコースを予約して訪れる。以前の勤務先のすぐ近く。今年の2月に新規開店したてとのこと。白木のカウンターや様々な調度品が新しい。
まず、先付は、胡麻豆腐と雲丹。ガラスの器は氷で作られているようで、とても涼やか。胡麻の香りと雲丹の甘みがまず広がり、その後で、ふうわりと出汁の旨味が広がる。
次は、焼締の大皿に、少しずつ季節のものが盛り込まれた、八寸のようなもの。量はないが、酒のつまみとしてはなかなか楽しい。少しずつつまみながらゆるゆると冷酒をいただく。
八寸を食べ終わると、いよいよ椀が用意される。椀は、鱧と蓴菜、生麩。出汁の加減は悪くない。鱧も美しく、やはり旨い。顔がほころぶ。
向付は、鯛、鰹、アオリイカの造り。あしらいに、生海苔や唐墨粉などが添えられている。いずれも鮮度も良く、うまみも立っている。酒を飲みながら、ゆっくりといただく。
次の焼き物は、鱸の幽庵焼き。インカのめざめとはじかみが添えてある。鱸の淡白な身の旨さと香りがいい。インカのめざめもホクホクして旨い。
次は、黒豚の角煮。意外なもの。でも、割烹料理だけあって、コッテリしすぎず、食べやすい。コースの流れをこわすことなく、美味しくいただけた。
油物は、鱚の天麩羅と何故か和風春巻き。抹茶塩でいただく。鱚は旨い。和風春巻きも、素材が何かはよくわからないものの、皮のパリッとした食感と中のとろみの利いた素材との調和は決して悪くない。
御飯は、枝豆を入れた生姜ご飯。生姜の風味が効いてうまい。色は濃いが、さっぱりした味わい。昆布や香の物といただくと、いくらでも食べられた。また、赤だしもうまい。ほっとした味わい。
最後の水菓子は、抹茶プリン。マスカットやキウイ、アンコなどが乗せられ、スポイトに黒蜜が入ってる。プリン自体は甘さを控えているが、黒蜜が優しく甘くて、食事の〆にぴったり。
大将と若女将の2人で店を切り盛りしているが、息も合っていて、サービスも心地よい。料理もベースがしっかりしていて美味しくいただけた。また、酒は最初にビール。その後は、くどき上手純米吟醸、あたごのまつ特別純米などをいただいた。日本酒の保存状態も良い。
お値段も、3,800円位からコースがいただけるようで、気軽に楽しめる感じ。また機会があれば訪れようと思う。
8位
1回
2016/12訪問 2016/12/15
平成28年12月、寒い日に久しぶりに訪れた。やはり老舗の風格が漂う。店内始め熟年の男女が二組。鰻巻きや鰻ざくをつまみながら熱燗をゆるりと酌み交わしている。
昼酒が飲みたいのを我慢して、鰻丼、鰻巻きと吸い物がセットになった定食(1000円)を注文する。
鰻丼用の鰻を炭火で焼き直し、同時に鰻巻きを焼く。とても手際がいい。
鰻丼は鰻が二切れ乗っている。鰻とタレのしみた御飯を一緒に頬張る。鰻の香ばしさ、旨みが広がる。昔食べたときにはあっさりときには感じたタレも歳を取ったせいかちょうどいい。おいしい。
鰻巻きはとてもふわりと焼き上がり、これまた優しい旨さ。吸い物もほのかに柚子が香り、出汁加減もいい。
とびきりではないが、何だかとてもホッとする旨さ。下町京橋の優しさがにじみ出る味わい。これなら、また来たい。次は夜に寄って、日本酒をちびちび飲みながら、鰻を楽しみたい。
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平成22年来訪
昼食で来訪。京橋駅から歩いて三分位,国道1号線沿いにある下町の鰻屋。いわゆる鰻丼並が1000円以下で頂けるよう。この日は、昼時だけ出している定食850円を注文する。
定食は、鰻丼と肝吸いに鰻巻きと香の物が付いている。鰻丼には鰻が二切れ乗っている。蒸さずに焼いたものを注文を受けて更に焼いたもの。カリッと仕上げられている。たれは少し甘めでかなりあっさりしている。もう少し濃いめの味付けの方が好みである。
鰻巻きは卵二個位使ってあり、鰻も端切れの部分だがしっかり入ってあり、フワリと仕上げられている。ボリュームもありなかなか美味い。
肝吸いは薄味で,三ツ葉の香りがいい。でも肝の姿は見えない。
全体として薄味で上品だが少し物足りないかなと感じた。鰻自身は値段相応の素材と味であったので、もう少し濃いめのタレでお味付けするのがいいのかな、少なくとも私の好みに合うのかな、と感じた。でも昼にこのお値段でしっかり頂けるのは嬉しい。店構えや内装は落ち着いていて、老舗の風格もある。また機会があれば訪れてもいいかな、と思う。
9位
1回
2016/01訪問 2016/11/22
軽い新年会、親睦を図ろうと、鳥好きの後輩が選んだのがこちらのお店。カウンター席とテーブルが6つ位のわりと小箱の焼き鳥屋さん。この日は飲み放題込みで3000円のコースを予約してくれていた。
テーブル席に分散し、挨拶もそこそこにまずはビールやハイボール等で乾杯。ビールが胃の腑に染み渡る。
付き出しは鳥入りきんぴら牛蒡。鳥と牛蒡の甘みが調和して、ビールが進む。
しばらくして、鳥もも肉炭火焼きとシーザーサラダ、温泉卵乗せが運ばれてきた。炭火焼きには山椒を少しかけて頂く。しっかりした歯応え。固いがとても旨い。噛み締めるうちに旨味が広がっていく。こんな鳥が食べたいんだよ、と心の中で叫んでしまう。また、一緒に焼かれた玉ねぎに鳥の旨味が染み、これもいい。赤ワインによく合う。
シーザーサラダも単にロメインレタスとチーズドレッシングだけでなく温泉卵を乗せ、鳥に負けない濃い味主張を行なっている。これもビールやワインに合う。
続いて、手羽開きたれ焼き、ささ身塩焼き柚子胡椒、鳥ももたれ焼き、つくね塩焼きなどが順番に用意されてくる。ここでワインから焼酎ロックに替えて、こってりした手羽たれ焼やモモたれ焼きを頂く。タレ焼きには、甘みのある日本酒やワインより焼酎やハイボールが自分の好みに合う。
一方、ささみやつくね塩焼きは、日本酒やワインにもよく合う。何のことはない。節操なく、焼酎やらワインやらを飲み散らかしているだけのこと。そして、大声で新年の抱負を叫ぶ。周りも一緒。俺もみんなもアホやなあ、としみじみ思う。そして、しみじみうれしい。楽しい時間が過ぎていく。
料理も食べ切り、飲みまくったところで、ドリンクラストオーダーの声がかかる。サワーやソフトドリンクを頼む派閥と、ドリンクワインやら日本酒を頼む派閥とに分かれる。私は後者の派閥に領袖。
ラストドリンクとともに最後の料理、明太子うどんが運ばれてくる。意外に軽くてツルツルと胃の中に落ちていく。鳥の濃さや酒でいたんた胃にとても優しくて美味しい。結局みんな平らげた。
大和地鶏が名産だからか、近鉄奈良駅やJR奈良駅の周辺には、鳥が旨い店がたくさんあり、値段も安いところが多い。。ただ、宴会でしかも安く使えるところは数少ない。こちらのお店は、旨い鳥料理で宴会が安く気軽に開けるので、とても便利だと思う。いわば私好みのお店である。また、これからも気軽な宴会に利用したい。
10位
1回
2016/09訪問 2016/11/04
中学時代の友人からメールが来た。会社のことや上司のことなど何だかたくさん書いてあってよくわからないが、要はストレスがたまっているので飲みに行きたいらしい。どこへ行きたいを聞くと、こちらの店がいいとの返事。それならおまえが予約しろと言ったところ、何故か自分では予約したくないからお前に予約を任せるとのこと。何かあるのかな、と思いつつ、とりあえず予約を入れた。
こちらは、宗右衛門町のビルにある鴨や鶏料理を扱うお店。カウンターに案内される。メニューを見ると、鴨と鶏の陶板焼きコースがある。友人は私の意見も聞かず、このコースを注文する。
まずはビールで乾杯する。友人はもうご機嫌状態。大声で会社や上司の話を始める、周りに迷惑なので、とりあえず叱りつける。そうこうするうちに付出しがくる。付出し三種、ミニ冷奴の肉味噌掛け、鴨皮のオイル漬け、アボカドとなめ茸。鴨の風味がいい。赤ワインを注文し、友人の話に対し、1分に一回位の割合で適当に相槌を打つ。
次が鴨刺身四種。身、ズリ、心臓、肝。肝は胡麻油と塩で味付けされており、そのまま頂く。後は山葵と醤油か塩で頂く。余り量はないが、どれも新鮮で旨い。自分の分を食べてしまい、横で天下国家を論じ出した友人の分も横取りする。
続いて、サラダ。ベビーリーフがメインのもの。柚子ドレッシングが口の中を爽やかにしてくれる。
次は鴨の焼きしゃぶ。たたきのようなもの。口に入れると、旨味が広がり、ワインを求める。やっぱり鴨は旨い。友人もしゃべり疲れたのか無視してるのに気付いたか、それとも鴨が旨いからか、おとなしく黙って食べている。
そうこうするうちに、陶板とコンロが用意される。カウンターの向こうでは、鶏や鴨、野菜などを切って、大皿に盛り付けられていく。そして、陶板から煙が出始めた頃に、大皿が我々の前に置かれた。地鶏もも肉やネック、鴨ロース、それに椎茸や茄子、白葱などの野菜がたっぷり乗っている。そして、醤油タレと塩が用意される。
まずは脂が出る鴨から焼く。しばらくすると、いい香りが立ち昇ってくる。もうたまらない。軽く塩を付けて口に放り込む。濃厚な赤身と更に濃厚な脂の旨味が広がる。やっぱりやっぱり鴨は旨い。
鴨から出た脂で野菜を焼く。葱は甘みが引き立ち、茄子は鴨の脂を吸って旨味を蓄える。椎茸もいい。
次に地鶏が焼く。これまたいい香り。肉質も引き締まり、素直に旨い。ワインをお代わりして、アッという間に食べ尽くしてしまった。
〆に卵御飯が用意される。先程の陶板焼きで使った醤油タレをかけて頂く。濃厚な卵に鴨や鶏の旨味が御飯に絡みつき、美味しく頂けた。
友人も満足したのか、儂が選ぶ店に間違いないやろ、と抜かしている。此奴、旨いものを食べると更にたちが悪くなる。ここで酔っ払われると周りに迷惑なので、勘定を済ませて店を出た。
後で食べログ等を見ると、このコースに飲み放題ものをつけることができたようで、少し残念。でも、鴨や鶏などの看板が旨いのがいい。
店は気取りすぎず、かと言ってくだけすぎず、ちょうどいい塩梅。お客さんも女性が多い印象だった。今度は、アラカルトで鴨たたきをたっぷり食べたいと思う。
この後、たちが悪くなった友人を連れて立ち飲みに向かう。戦いはこれからというところ。
今年は,いろいろな店に行ったものの,何故かあまりレビユーに残すことができなかった。仕事や私生活でばたばたしていたことも一つの原因だが,1日に一食しか満足に食べることができない子供や,貧困と老いのため質素なものしか口にすることができない高齢者の方とふれあう機会が多く,そのような中でなんだかレビューすることに若干の恥ずかしさや厚かましさを感じたからである。
これからも,食べログにレビューを残していきたいが,そんな中,食べられることの喜びと感謝の気持ちを忘れずにいたい。そう感じた1年であった。