moiutyaさんが投稿した和やまむら(奈良/新大宮)の口コミ詳細

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=美味しい料理に美味しいお酒 大切な人との語らいのひと時=

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和やまむら新大宮、奈良/日本料理

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.4
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.4
      • |酒・ドリンク 3.8
1回目

2015/03 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.4
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

寛いで頂く秀逸な懐石料理

 奈良に勤務してほぼ一年が経過した。色々なお店にお邪魔したが、ここらで一つ、思い出に残るようなところで食事がしたいと思い、食べログ等を参考にして選んだのが、こちらのお店。予約を入れようとするも、中々入らない。やっと3週間前に予約を入れることができた。

場所は新大宮駅から歩いて2、3分、住宅街の中にある。中に入るとカウンターとカーテンで仕切られた四人掛けのテーブルが四つ程。他にも座敷席があるとのこと。照明は明るく、柔らかな雰囲気。我々はテーブル席へ案内される。午後7時で店内は満員。

この日は、1番安い6000円のコースを予約しておいた。まずはビールで乾杯する。きめ細やかな泡が立つように丁寧に注がれたビールは、感動する位旨い。

料理だが、まずは先付八寸が用意される。丸い盆の上に緑と桜色と白ね紙が重ねて敷かれ、そこに蛤の器で胡麻豆腐、飯蛸含め煮、車海老、一寸豆、カステラ卵焼が、盃ほどの小さな器で貝の煮付けが、六角の器で明日葉の酢味噌和えが、それぞれ美しく設えられて供される。

胡麻豆腐は、葛餡がかかっており、出汁の風味と胡麻の香りがよく調和している。飯蛸や車海老は素材の甘味、旨みが引き立っている。一寸豆や春を感じさせ、カステラ卵焼は、力強い味の深さ。酢味噌和えも貝煮付けも風味豊か。どれも驚くほど日本酒によく合う。旨い。

煮物椀は、しんじょうと海老色の白玉、菜花。しんじょうは中にイタヤ貝が入っていて、柔らかなしんじょうとイタヤ貝の食感との調和が楽しい。菜花のほろ苦さもいい。何より出汁加減が素晴らしい。熱々の時には儚げなのに、食べ進むにしたがい、味も香りも立ち上がって来て、食べ終わった時には満足感に包まれる。懐石の花形と言われる椀が旨いととても嬉しい。

向付は、鮃、アオリ烏賊、本鮪赤味の三種。これに食用菊等があしらわれている。

鮃は脂の乗りも程よく白身の旨みが堪能することができた。また、アオリ烏賊も優しい甘さと儚げな歯触りが楽しい。鮪もきめ細やかな味わい。いずれもおいしく頂いた。

焼物は、真名鰹幽庵焼き。蕗の梅煮と辛子菜お浸しが添えられている。

真名鰹は皮目の飾り包丁仕事も美しい。その身はコックリした旨みに溢れ、少しだけ濃い目の味付けは、酒を楽しむのにもってこいである。また、添えの辛子菜や蕗梅煮はとても爽やかで、真名鰹とよく合う。

炊合せは、筍、南京,小芋。筍には山椒があしらわれている。

 出汁が素材の味を引き立てる薄味の仕上げで,山椒の香りとともに筍を頂くと,その旨さに思わず顔がほころんでしまう。南京はその甘さが引き立ち,また小芋は中まで出汁が染み,ほっこりした味わい。最後は,行儀悪いが出汁まで飲んでしまった。

 ここで,小鉢料理三種が運ばれる。あらかじめ,おから,セロリ酢の物,ポテトサラダ,ツブ貝酒煮,和牛肉ワイン煮,地鶏塩焼きの中から好きな三品を選ぶことができる私は,おから,和牛肉ワイン煮,地鶏塩焼きの三種を選んだ。同行者も銘々好きな物を選ぶ。

 おからやポテトサラダ,セロリなどは皆で少しずつ交換して食べてみる。どれも,少し手の込んだ小料理屋のアテ,という味つけでホッとする旨さ。逆に和牛ワイン煮は洗練された香りと牛肉の甘みが素晴らしく,地鶏塩焼きはしっかりとした歯ごたえと濃厚な旨みが口の中で品よく広がる。どれも日本酒によく合う。この小鉢料理を選べてゆるゆると日本酒を飲める,というのが,この店の一つのウリなのかもしれない。とても楽しい心遣いである。

 〆のご飯は,豌豆ご飯と山椒ちりめんご飯から選べる。それになめこの赤出しとこんぶと白菜の漬け物。豌豆ご飯には錦糸卵で覆われている。豌豆の春の香りと甘さ,これに錦糸卵の柔らかな風味が調和してとても旨い。淡泊なご飯には風味豊かななめこの赤出しやこんぶがよく合う。

 お代わり自由ということで,次は山椒ちりめんご飯をお願いする。山椒を利かせて炊きあげたちりめんは,思いの外ふんわりと柔らかく,高貴な香りが立ち上がり,ご飯によく合う。これまた旨い。

 最後の水菓子は,苺の寒天寄せ。赤の鮮やかな苺を透明の寒天を包み込んだ,目にも美しい出来映え。苺は爽やかな酸味と柔らかな甘さで,最後を飾るのにふさわしい一品。

 料理は,どれも素材を活かした味付けと薬味を上手に用いて香りが楽しめるものが多かった。一番安いコースだったこともあり,とびきり高級な食材は使用されてないが,料理の基礎となる出汁が旨い。特に懐石料理の花である煮物椀は出汁の味や香りの加減が秀逸であった。また,選べる小鉢料理などの演出も楽しかった。
 
 店内の雰囲気は,我々の席がテーブルだったこともあってか,さほど張り詰めた雰囲気ではなく,寛いで料理と酒,そして会話を楽しめるような空間だと感じた。

 また,大将を初め女将や若い店員の方も過不足ないサービスで,帰りには大将らが店前まで出てきてくださり挨拶して頂くなど,最後まで気持ちよく過ごすことができた。
 
 以上の料理を頂き,生ビール四杯と松の司あらばしり四合,久保田千寿二合を頂いて,合計3万5100円。料理内容やサービス,雰囲気等から考えると,とてもお値打ちである。また是非近いうちに訪れて,次はもう少し上のコースの料理をカウンターで頂きたいと思う。

2015/04/14 更新

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