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蚕糸(さんし)会館1Fアピシウスの看板から階段を降りる
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ペリエ・ジュエ・ベルエポックとノンアルコールのデュク・ドゥ・モンターニュ・ロゼ
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ベルナール・ビュッフェ
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アミューズ
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ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・プリュリエ・ファヴレ
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パン(シャンピニヨン)
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雲丹とキャビア、カリフラワーのムース、コンソメゼリー
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仔羊のエッセンスと黄色トマトのヴルーテ
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小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ、シェリー風味
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桜鱒と帆立貝のナージュ、ルバーブとヴェーヌの香り
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デザートワゴンから。大倉陶園の特注の皿。
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プチフールのワゴン
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見事な生花
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日本交通7/5000の確率(東京都内タクシーとすれば7/44000)
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妻と二人でたまに東京に行く機会がありそういう時にはできればレストランでディナーをと心がけているのです。この日もそういう理由でアピシウスを予約していました。特に記念月だからと意識していたわけではありません。しかし食事中の一瞬の会話からそれを察した給仕さんがデザートのプレートに(頼んだわけではないのに)素早くメッセージプレートを入れてくれました。つまりそういうことです。この店の最高な部分は接客にあります。
近頃の高級レストランでは最後にシェフが出てきて挨拶をしてくれます。それはそれで嬉しく得した気分になるのですが、この店でそれは必要ありません。本来シェフは美味しいものを作るのに専念し、給仕が気持ちの良い接客をすれば良いのであってそういう基本的な部分がちゃんとできている店だからなのです。ここまで気持ちの良い接客はレストランではユカワタンぐらいしか記憶にありません。
平日の夜ですがほぼ満席の店内。お客さんたちは皆さんきちんとした格好で品があり気持ちが良いです。自分たちが一番高齢かどうかはわかりませんが年齢層は高めだと思います。BGMはありません。でもお客と店員の会話がうるさくなくて心地よいBGMとなるのです。きっと店の構造や温かみのある照明、豪華な生花(2つの花屋に同価格で月替わりで担当してもらいクリスマスシーズンにはプレゼンまでさせて選んでいるとのこと)、本物の高額絵画、いかにも高そうなアールヌーボーのテーブルランプなどがその雰囲気を作っているのでしょう。会話の中身は聞き取れませんがその雰囲気で、常連さんが多いのだろうなという印象です。この気持ちの良い雰囲気を求めてリピートされているのでしょう。入店した瞬間から帰りのタクシーに乗り込むまで隙がなかったです。
最初にアンチョビ入りのオリーブが出されます。これがとても美味しくて何度も口に運びます。デザートの前に下げられます。シャンパンをグラスで。アピシウス40周年記念としてペリエ・ジュエ・ベルエポック2014(5,500)が出されます。妻はノンアルコールのデュク・ドゥ・モンターニュ・ロゼ(1,320)。あまり飲めない私はグラスはあと1杯にして、今回の料理の内容からは白だろうが赤が飲みたいのだけどとリクエストしてピノのニュイ・サン・ジョルジュ・レ・プリュリエ・ファヴレ2013が選ばれました(3,300)。水も注文(1320)。
アミューズとしてノーザンルビー(北海道産のピンク色のじゃがいも)のビシソワーズと烏賊で囲ったテリーヌ。上品な味です。パンは初めにキノコの形をしたフランスパン、シャンピニオンがきました。また後ほど別のものを選びました。
とにかく一見さんなのでアラカルトでこの店のスペシャリテを食べるつもりで来ましたし、少食なので少なめにして途中で足りなくなったら追加したいとその旨、給仕さんに相談して選んでいきます。なにしろこういう最高級のレストランでは、どうしたいのかを気兼ねなくリクエストすればいいんだと思います。
前菜はもちろん37年来の味「雲丹とキャビア、カリフラワーのムース、コンソメゼリー(9,200)」ということになります。これはSサイズがありません。想像通りの味でした。コンソメゼリーとキャビアの部分の塩味が濃く、薄味の好きな妻にはやや濃すぎたようです。
スープは私はもちろんスペシャリテの「小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ、シェリー風味 Sサイズ(3,900)」妻は「仔羊のエッセンスと黄色トマトのヴルーテ Sサイズ(3,300)」。このように多くのメニューにSサイズが設定されているは親切ですね。ウミガメのスープは有名で書くまでもないでしょうが、年間135頭と捕獲数が決められていて、アピシウスではその10%を仕入れています。この時期は特に新鮮なものを使用できるので最も美味しい季節と言えましょう。感想は、想像通りとても上品な味。コラーゲンのほのかなとろみも感じられます。先の前菜とコンソメという意味では被るのですが、給仕さんもおっしゃってました通り全く別物なので問題ありません。
魚料理は「桜鱒と帆立貝のナージュ、ルバーブとヴェーヌの香り Sサイズ(6,400)」。夫婦で同じものを頼んだのはたまたまですが、同じものであれば後で感想を言えると思ったのもあります。これも想像通りの味で、ソース部分に酸味がありますが強くないので上品な味となっています。
ここでまだお腹に余裕がありますが、これからデザートへ進みますので追加注文はしませんでした。デザートはデザートワゴンから選ぶことにします。一切れ1,530円ですが、少なめにカットしてもらって3種類注文しそれで1カット分にできますか?とオーダーしもちろんですとのこと。紅茶を注文し、なくなったらまた注いでくれます。その後さらにプチフールもワゴンで登場しました。こちらは無料なのですが、好きなだけどうぞとのことでいくつか頂きました。
私たちの席の背景画を聞いたところベルナール・ビュッフェとのこと。ブッフェと言えば硬質で直線的な暗い絵を連想しますが、彼らしくない明るいタッチでむしろよかったです。
ちなみにこちらに来るときに利用したタクシーから降りる際、めちゃくちゃ丁寧な運転手さんから「お客さん、このタクシーは都内に7台しか無いラッキータクシーなんですよ(日本交通5000台、他の会社を合わせると44000台のうちの7台)。お客さんにラッキーなことがありますように」とカードを頂きました。アピシウスもそのラッキーなことの一つだったのかもしれません。