2回
2014/06 訪問
松本さんは人物かもしれない
このお店の評判は友人から聞いていましたし、食べログでの評判も良いようで、いつか行ってみたいと思っていましたところ、旧友との会食の機会が訪れましてこの店を選択しました。初めて食べログを通してのネット予約をしてみました。希望日に「少し空きあり」とのことで予約を入れましたところ、「空きなし」に表示が変わりました。つまり私たちで満席になったのだな、と思いました。ディナーは8,000円からとのことですが、その8,000円(税サ抜)のコースが自動的に選択されました。
お店の場所は、池下から桜通に向かうセントラルガーデン沿いの道で仲田の交差点近くだと認識していましたが、いざその辺りに行ってみてもそれらしいお店がありません。しかたがないので電話を入れましたところ、しばらくしてからお店の方が出られました。その時間差から、おそらく忙しいのだろうと思いました。感じの良い応対で、目の前のビルの2Fで、通りに看板が出ていないので分かりにくいと説明されました。2Fに上がりますと、他の方の写真にありますような行灯様の看板がありました。
最近移転されて新装されたというお店の中は、新しい白木による内装で明るく清潔感があります。おや? 連れの二人はもう到着しているようです。テーブル席しか選択できなかった予約画面でしたが、靴を脱いで上がる個室に居ます。それに店内にはまだ他にお客は居ないようです。電話に出た人らしいお店の方が出迎えに来られました。そしてその方がのちのちすべての料理を運んでこられて、私たちのリクエストに応えて記念写真を撮ってくれたり、そして会計もされ、一人でホールをこなして大変だなと思っておりましたが、頂いた名刺には松本善隆さんの名前があり、ああ、オーナーシェフだったんだなと最後に気がつきました。つまり自分で作り、それを個室まで運んで来られていたのです。その日のお客は私たち3人以外にはテーブル席の2人だけ。つまり何らかの事情でその日は一人できりもりしなくてはならなくなり、予約を制限されていたのでしょう。それで空いている個室も使わせてくれたのでしょう。そういった事情も一切お話にならず、感じのよい応対もされていたので、思い起こしてみるとなかなかの人物なのかなと思いました。
まあしかしそういう事情もあってか、7時スタートの会食が終わって店を出るときには10時半頃になっていました。17年ぶりの友達3人で話に花が咲いていたので、それほどの時間が経っていたとは感じられませんでしたけど。料理は写真のような品々で、見た目はシンプルでもどれもが一工夫あり、素材は新鮮で、口取りからデザートまで、美味しいものばかりでした。お酒はビールと冷酒を頂きました。日本酒の好みを言いますと持ってこられたお酒は写真の品で、他の方のレビューにもありました「醸し人九平次」です。パリの三つ星レストランでも採用されているとのことで、その三つ星のお店の名前は? と尋ねますと「ルドワイヤン」など3軒ほどあげてくださいました。確かにまろやかでコクがあってフルーティさも感じられるよいお酒でした。次回は家内と二人で、賑やかな店内も見てみたいものです。
2014/06/13 更新
昨夜は歳の近いご近所さん夫婦とのディナー。10,000円のコースに、唎酒師の女将が料理に合わせた日本酒をセレクトして出してくれました。なかなか手に入らない8種類の日本酒を頂きましたが、いずれも美味しい酒でした。一回の食事でこれだけの種類の日本酒を頂いたのは初めてです。私は「裏鍋島」が一番だったかな。アルコールがだめな妻は特選のジャスミンティーを。これも香りが素晴らしいものでした。桜海老のご飯、蛤のお椀、泡醤油で頂く赤貝や金目鯛の造り、ノレソレ(穴子の稚魚)と雲丹、フルーツトマトと平貝などを最中で挟んで手づかみで頂く一品、殻ごと出されるトリ貝とブリのシャブシャブなど、どの料理も素晴らしいものでした。
私はビールやワインほどには日本酒の銘柄の違いがわかりません。しかしさすがに専門家の目利きによって料理に合わせてセレクトされた日本酒の旨さはわかりました。「蛤の出汁の味が残っているうちにこの天狗舞を口に含んでください」「お造りには今や日本を代表する酒となった磯自慢と、それとは異なるクセのある雄町を用意しました。磯自慢はガラスの器、雄町は木曽檜の器で飲み比べてください」「ぜひ飲んで頂きたいと思って用意していましたのが鍋島の希少品、裏鍋島です」などなど、全ての酒は事前に味見をしてセレクトされたようです。この日本酒マリアージュは一人3,000円ほどでとても良心的な値段でした。