『偉大なるレボン・ヘルム、ありがとう、さようなら。』asakusa777さんの日記

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(主に)浅草の良い店美味しい店メモ(現在レビュー活動を物凄くスローペースで再開中です)

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日記詳細

 『 The Night They Drove Old Dixie Down』  by THE BAND

Virgil Caine is my name and          俺の名はバージル・ケイン
I drove on the Danville train           ダンヴィル鉄道の運転手だった、
’til Stoneman's cavalry came        ストーマン将軍の騎兵隊がやってきて
and tore up the tracks again          線路を壊すまではな。
In the winter of ‘65, we were hungry,    65年の冬、俺達は腹を空かせて
just barely alive                   命からがら
I took the train to Richmond that fell     リッチモンド行きの列車に乗った。
It was a time I remember, oh, so well     あの時のことは忘れられないよ。

The night they drove old Dixie down    ヤツら(北軍)がオールドディキシー(南軍)を追い払 
And all the bells were ringin’         った夜、全ての鐘が鳴り響いた。
The night they drove old Dixie down    あの夜、
And all the people were singin’        みんながこんな風に歌っていたっけ、
They went, “Na, na, na, na, na, na, …. ”    「ナ、ナ、ナ、ナ、ナ・・・」

Back with my wife in Tennessee       女房とテネシーに戻ったら
And one day she said to me,          ある日彼女は俺に言った。    
“Virgil, Quick! Come see!            「バージル、急いでこっちに来て見てよ。
There goes Robert E. Lee.”            ロバート・E・リーが行くわ。」
Now I don’t mind, I’m chopping wood    俺は気にしちゃいない。木こりが大して
And I don’t care if the money’s no good  儲からなくてもね。
Just take what you need             お前が要るだけ取って、
and leave the rest                  後は残しておけばいいよ。
But they should never have           大事なものは北軍が全て
taken the very best                 持って行ってしまったからね。

The night they drove old Dixie down
And all the bells were ringin’
The night they drove old Dixie down
And all the people were singin’
They went, “Na, na, na, na, na, na, ….. ”

Like my father before me, I’m a working man     オヤジのように、俺は働き者だ。
And like my brother before me,I took a rebel stand アニキのように反乱軍側だ。         
Oh, he was just 18, proud and brave           彼は18歳、誇り高く勇敢だったが、
But a yankee laid him in his grave            ヤンキーどもが彼を殺した。
I swear by the blood below my feet            俺の足元の土は彼の血が浸みている。 
You can’t raise a Cane back up              負けたら何にもならないんだよ。
when he’s in defeat

The night they drove old Dixie down
And all the bells were ringin’
The night they drove old Dixie down
And all the people were singin’
They went, “Na, na, na, na, na, na, ….. ”

去る4月19日、偉大なミュージシャンがこの世を去りました。
彼の名は「レボン・ヘルム」、伝説のロックバンド「ザ・バンド」のボーカリストでありドラマーでした。
60年代前半、ロニー・ホーキンスのバックバンドとして活動したホークス、その後ボブ・ディランのバックバンドとして活動しましたが、ディランの怪我による活動休止を受けてバンド名を「ザ・バンド」として独立し活動を始めました。
68年に発売された彼らのデビューアルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」は、彼らが当時ウッドストックで住んでいたピンク色の壁の家がモチーフになっていて、ジャケットはディランの手描きの絵になっています。
以降、76年にスコセッシ監督の映画で有名になった「ラストワルツ」解散コンサートで活動を休止するまで、絶大な人気を博し、多くのミュージシャンに影響を与えました。
彼らの音楽はひと口に言えば「サザンロック」、ロックにR&B、フォーク、カントリーなどを融合させたアメリカ南部っぽいサウンドです。しかし、このバンドでアメリカ出身はレボンだけ。後のメンバーは全てカナダ人です。
しかし、見た目はみんなアメリカのダウンタウンで酔っぱらっていたりビリヤードしていたりしているようなちょいワル、っていうかかなり悪そうなカンジです。
しかし、その曲と演奏はホントーに素敵です。
天才的なロビー・ロバートソンのギター、軽快なリック・ダンコのベースとボーカル、かなりアブない雰囲気とホンキートンクなピアノのリチャード・マニュエル、最後部で身体を左右にゆすりながらオルガンを弾くガース・ハドスン、そしてガンガン歌いながらドラムを叩くレボン・ヘルム
沢山大好きな曲がありますが、レボンがボーカルを取った曲として真っ先に浮かぶのが、この「The Night They Drove Old Dixie Down」でした。
南北戦争をテーマに、仲間同士で闘う事の虚しさを歌ったプロテストソングとも言えますが、彼らの曲の歌詞は全般的に難解で、ロビー・ロバートソン自身「僕らの曲の歌詞に大した意味なんかないよ」と言っているくらいです。
解散後もロバートソンを除くメンバーで再結成したりツアーしたりしていましたが、86年にマニュエルが自殺、99年にダンコが死去、そしてザ・バンドの代名詞ともいえるヘルムの死去により、ザ・バンドはもう完全に終焉を迎えたといえるでしょう。

こーゆー個性的で才能溢れるバンドの出現は、もう今後は望めないでしょう。
多くの偉大なるミュージシャンを輩出した50~60年代、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、マディー・ウォータース、ヴァン・モリスン、ニール・ヤング、ロニー・ホーキンス、ニール・ダイアモンドetc,素晴らしいミュージシャンが勢ぞろいの「ラストワルツ」、まだ観ていない方はゼヒ一度ご覧になってみて下さい。
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