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1位
1回
2015/12訪問 2015/12/17
【銀座】全てのネタのパワーが凄い!銀座の飛び切り粋なお鮨屋さん。
この店に行くのは久しぶり。
ダイエットを始めて以来、好物でもあり炭水化物爆弾でもある鮨を遠ざけてはいるが、それでも月に一度くらいは食べたくなる。
12月のこの時季は大間の本まぐろがとっても良いとくれば、もうこの店以外考えられなかった。
「随分お痩せになりましたね〜」と大将、ダイエットを始めて以来久しぶりに会う人の反応はだいたいこーゆー具合だが、やっぱり嬉しいもんだね。
この日、大将が出してくれた酒は黒龍の「龍」という大吟醸、黒龍らしくとても爽やかでスッキリしていて美味かったな〜。
肴は『平目、鯛、縞鰺、生いくら、小肌、蒸しあわび、みる貝、赤貝、まぐろをいろいろ、平目潮汁』、握りはそれらの幾つかに『うに、車海老、煮はまぐり、穴子』が加わった。デザートは『たまご焼き、干し柿』だ。
やはりどれも美味い。
本来は肴と握りでネタがダブルのは好きではないが、何と言ってもネタの持つパワーが凄いのとシャリがこの上なく美味いので全く問題ない、と言うかむしろ大歓迎だ。
どれも凄かったが、やはりまぐろが素晴らしかった。
とろだけでもじゃ腹やカマや背ビレ下などいろんな部位を食べさせてくれた。
脂具合も熟成具合も申し分無し、甘さといい香りといい素晴らしいまぐろだった。
う〜ん、やっぱしこの店の鮨は最高だ。
大間が終わる前に来て大正解だった。
(2014,8月)
今日は友人が地方から上京、彼と東京で会う時はこの店で鮨を食べてから銀座でクラブ活動が定番コース。
とくれば、今夜だけはダイエットは小休止、思いっきり食べて飲むことに致しましょう。
ダイエットを始めて以来マトモな鮨を食べるのは初めてです。もう味も忘れかけてたカモ。
しかし旨いっ!やっぱし旨いっ!
俺が大好きな鮨の最高峰はやっぱしコレですね〜。
流行りで人気の鮨屋のようにネタ数が多いワケじゃないしコジャレた肴があるワケじゃない。
あるのは最高な素材と必要最低限な仕事だけ。
それが大好きです。
噴火湾のまぐろは冬の大間に負けず劣らずの濃厚な味、赤身、中とろ、大とろをそれぞれ部位を変えての波状攻撃にノックアウト寸前。
季節のネタとしては新子と新烏賊。
3枚付けや4枚付けの小さ過ぎる新子は見た目は良いが味が浅い。これくらいの大きさが新子としてはベストではないかと思う。
仕込んだばかりの若い新子と少し熟れた新子の2種類、どちらも旨い。
新烏賊はその極上な食感が真骨頂、天使のホッペタのようだ。新烏賊の下足も出してくれた。
そして、まぐろと並ぶこの店の代名詞である穴子、染み渡るな〜。
この日の白身は星ガレイとマコガレイ、ワタシは白身の王者はマコガレイだと信じて疑わないが、極上の星ガレイは別格かも知れないな。ただ、関東では極上の星ガレイを安定的に仕入れるのは不可能、やはりこのネタは関西ならではなのだろう。この夜のように極上モノにお目にかかれればラッキーだ。
この日大将が出してくれた酒は黒龍のしずくと八海山の非売品の大吟醸。
この店の繊細この上ない素材の味を引き立てるのにこれ以上ない淡麗な美酒、これを2人で痛飲しました。
イヤ〜、旨かった、久しぶりのきよ田、久しぶりの本物の鮨、旨い酒、もう最高です。
すると、この店の御手洗いの扉などが少し新調されているのに気が付いた。
聞けば、この店の先代からの常連である向島の職人さんの作だそうだ。
どこまでも粋、御手洗いの扉に見惚れてしまうなんて初めてだった。
(2014,2月)
鮨好きの友人が上京、「旨いモン食べてガンガン飲もうぜ〜」と気合十分、「よっしゃ〜、なら銀座を制覇するか〜」とワタシ、とくれば先ずはこの店で下地作りです。
旨い酒、旨い肴、旨い握り、友人や大将との楽しい会話、銀座の夜はこうして始まるのが良いですね。
解禁になったばかりの白魚、この上なく甘く爽やかな香りのミル貝とミル貝の貝の子、極上の味わいの鯛と平目、春の風のような赤貝、こはだ、車海老、煮はまぐり、烏賊、雲丹、蒸し鮑、穴子、そして日本海のまぐろ、、、。
「最高」では無い物は無い。全てが最高。
圧巻は握りに入ってからのまぐろラッシュ。赤身、中とろ、大とろ、さらに部位を変えまぐろを味わい尽くしたというカンジ。
今までは「ソレは何処産?」とか「熟成して何日目?」なんて聞いていたが、最近は聞こうとも思わなくなった。
この上なく旨いのだからそれで良いじゃないか。
聞いてどうなる?
信頼する料理人が自信を持って出してくるのだから、ただ黙って食べれば良いだけだ。
「しかし旨いな〜」と唸りながら食べる我々、それをにこやかに見守る大将、「良い時間」が静かに流れる極上の空間だ。
大将が出してくれた酒は黒龍の3種類、この店の澄み切った味わいの鮨にはぴったりの酒。
食べ終わると大将が「今日はこれからどのクラブにご出陣ですか?」と聞くので、「イヤ〜、候補は2~3あるんだけど、どこから攻めるかまだ決めてないんだよね〜」というと、「それなら私が気に入ってるクラブに案内しますよ。お二人なら絶対に気に入りますから。」という大将、会計を済ませるとその店まで連れてってくれました。流石は大将、ストライクでしたよ〜。
(2013,9月 再投稿)
大間の本まぐろの季節がやって来ましたね〜。
まぐろは鮨ネタの王者、その理由はシャリに最も良く合いシャリと一つになる事でその旨さが何倍にも膨らむのがまぐろだからだとワタシは思ってます。
同じまぐろでも刺身で喰うのと握りで喰うのとでは旨さがゼンゼン違います。
まさしく鮨の為にあるような魚、そんなまぐろの中でもこれからの時期に大間で揚がる物は極上です。
まぐろとくればこの店、なのでさっそく友人と味わいに行きました。
『赤身、中とろ、大とろ』をそれぞれいろんな部位で楽しませてくれました。
旨い、旨すぎる。
ねっとり濃厚でありながらとても爽やか、甘くてホンの少し酸っぱくて、香りも極上です。
相変わらずクッキリと冴えたシャリとの相性はこれ以上ないくらいバッチリです。
その他の利尻の平目を始めとするネタの数々も素晴らしい。
九州のこはだも新しい物と仕込んでしばらく経った物を2種類、肴と握りで楽しませてくれました。
そして徐々に脂が乗ってきたアナゴも、まぐろと並んでこの店を代表するネタです。そして旨すぎる。
この日はお酒も二種類、黒龍の他に非売品の八海山もありました。
この酒がまた凄い。
綺麗で強くて、まさしくこの店の鮨とバッチリ合う旨い旨い酒でした。
ふぅ〜、もう満腹、大満足です。
次回はもう少し秋が深まった頃に来ようかな。
さらに脂が乗ったまぐろ、今から楽しみです。
(2013,4月 再投稿)
二ヶ月ぶりに友人と行きました。
頂いたのは『まぐろ、マコガレイ、白魚、鯵、縞鯵、生とり貝、赤貝、ハマグリ、蒸し鮑、雲丹、こはだ、車海老、穴子、玉子』を肴と握りでいろいろ頂きました。
やっぱしどれも旨かった〜。そしてサンザン飲んじゃいました。
普通、こーゆー鮨屋で肴と握りでネタがカブるのはあんまし好きでは無いのですが、この店だけは全く別で大歓迎です。
全てのネタのパワーが凄くって、例えば雲丹や赤貝などは普通は塩か煮切りが欲しいところですが、この日のそれらのネタは塩も煮切りもなんにも要りません。旬のネタが持つパワーの凄さに脱帽です。
この日のまぐろは高知産、いろんな部位を7~8箇所ツマミや握りで頂きました。春のまぐろ特有の素晴らしい香りです。
旬のマコガレイはワタシが白身で1番好きなネタ、特に縁側は絶品で、縁側としては平目よりよっぽど好きです。いつものようにアラから取った潮汁、絶品です。
ハマグリはなんと今や幻の江戸前です。なるほど、コレがホントのハマグリの味ならば、世間一般に出回ってるモノとは明らかに別物ですね。
縞鯵はアラを塩焼きにしてくれました。コレ、泣けるほど旨い。
名残りの白魚は雄雌2匹づつ、雌は卵をいっぱい持っていてまた独特の味わいです。
そして、この店では今期今日からスタートしたと言う生のとり貝、コレがまさにスペシャルな逸品でした。
物凄くデカいけどとても繊細な味と鮮烈な香り、全身が爽やかさで包まれます。
イヤ〜、旨かった〜!喰って飲んでサイコーです。
やっぱしお気に入りの鮨屋は良いですな〜。
これで勢いついて久しぶりに銀座のネオン街で明け方まで暴れちゃいました。
「俺もまだまだイケるな〜」と妙にご満悦なオッサン2人です。
(2013,2月再投稿)
四ヶ月ぶりに友人と訪問、極上の酒と肴を楽しみました。
この店に来ると何時も『まぐろ』の旨さに驚かされますが、今回特に『隠岐の本まぐろ』にはひっくり返りました。
中でも『とろの漬け』にはビックリしました。旨い!旨すぎる‼
極上の味わい、極上の香り、こんなに爽やかでこんなに味が濃いとろは食べた事がありません。最高のまぐろをギリギリまで熟成させた結果、こんなにも旨くなるんですね。改めてまぐろとこの店の凄みを思い知りました。
同じまぐろの『赤身』や『赤身の漬け』や『漬けてないとろ』も同じ、とにかく「旨い!」としか言葉が出ませんな。
その他『閖上の赤貝、蒸し鮑、蒸し鮑のヘソ、生とり貝』等をツマミで、『佐島の真鯛、白魚、アオリ烏賊、車海老、雲丹、コハダ、穴子』などをツマミと握りで味わいました。
色々なネタを出すような鮨屋では、普通ツマミと握りでネタがダブるのは好きでは無いのですが、この店に限っては大歓迎です。
この店はそんなに多くの種類のネタがあるわけではありません。しかし、それらのネタはどれも極上中の極上です。鮨ネタはシャリと一緒になる事でさらに旨くなるので、先ずはツマミで楽しんで、その後で同じネタをニギリとして楽しんで、そんな楽しみ方が出来る数少ない鮨屋ですな。
イヤ〜、旨かった旨かった、もうサイコーです。
この友人とは、何時も食事した後にはクラブにレッツゴーなんですが、この店で食事するとその後の戦意が大きく削がれるんです。あまりに満足しちゃうので他の欲求が萎えちゃうんですな〜。モチロン飲みには行きますが、2人ともまるで聖人君子みたいになっちゃいます。
我々のスケベ心まで削ぐとは、改めて「きよ田、恐るべし」ですな〜。
(2012,10月再投稿です)
青森のくろまぐろが旨い季節がやってきましたねぇ〜。
ヒカリモノもいいし白身もいい、貝や穴子もいいですが、やっぱし鮨ネタの王者は冬のクロですな〜。
まだ少し型は小さいのですが、待ち切れずに友人とこの店にやって来ました。
大将が出してくれた本まぐろのいろんな部位の赤身と中とろ、もう最高でした。
確かに旬真っ盛りの味わいと比べると「あと一歩」ってカンジですが、それでも香り、甘みは素晴らしい。
冬の青森産特有の深い味わいはタマリませんね。
あと1~2ヶ月経ったらどれだけ旨くなるのか、想像しただけで震えて来ます。
さらに、この日大将が自信満々で出してくれたのが『佐島の真鯛』です。
コレまたスゴい鯛でした。
背の身の刺身、塩で食べても良し、塩&山葵も良し、モチロン煮切りでも良しです。同じ身の握りは昆布締めで、もう泣けます。さらにこの鯛の砂ずり部分を刺身で、ワタシはこれほど旨い鯛の刺身を食べたコトが無い。脂が乗っているんですケド、兎に角ソレが爽やかで、熟成された香りと極上の甘みと合いまってもう気絶ものの旨さでした。鯛1匹から4~6切れしか取れないので、常連の特権ですな。
トドメはこの鯛の骨とアラから取った『潮汁』で、コレはもう即死ものの旨さです。
この他『鮑酒蒸し、いくら醤油漬け、締め鯖、小肌、雲丹、烏賊、大車海老、赤貝、穴子、かんぴょう巻き、たまご』などをツマミで握りでいろいろ食べました。モチロンどれも最高の味わいです。
酒もサンザン呑んだなぁ〜。『八海山 大吟醸』と『黒龍 大吟醸』を取っ替えひっかえどんだけ呑んだだろう。最後の方は記憶が定かではないのですが、何故かその後行ったクラブの記憶はバッチリなのが不思議です。
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(2012、8月再投稿です)
友人とエクストラコールドでノドを潤した後、食事は銀座で行きつけのこの店です。
先月行ったばっかしなので、ネタは殆ど同じです。
しかし、その中でも8月ならではの驚きの味わいと出会えました。
この店の代表選手の『まぐろ』、この日は入店直後から大将が「今日は最高のまぐろがありますよ~」とおっしゃっていたように、冬の極上の大間に匹敵するような最高のまぐろが楽しめました。
『北海道噴火湾産のまぐろ』、これをじっくり熟成させたまぐろはまさしく極上中の極上です。『赤身』はネットリ濃厚、『中とろ』は美しくて細かいサシがまんべんなく入っていて、『大とろ』に至っては白く輝いています。
味わいが最高なのは当然ですが、旬の大間が持つあの独特の崇高な香り、それが一層強くなって口の中に甦りました。
夏のまぐろと言えばどちらかというと爽やかさが身上ですが、この時期にこんなまぐろと出会えるなんて、さすがわ「きよ田」、全面降伏です。
もう1品は『大車海老』です。
コレ、なんと『秋田産』だそうです。
秋田の車海老、あまり有名ではありませんが、実はこの時期だけ最高の大車海老が数は少ないのですが揚がる事があるのだそうです。
大将が築地で目ざとく見つけて、その中でも最高の物を選り分けてきたのだそうで、それをサっと茹でて出してくれました。
何より、その色合いの美しさに圧倒されました。
燃えるような赤、透き通るような白、最高に美しいです。
その味わいは、、、上手い言葉が思いつきませんが、旨みが倍、甘みも倍、そして、これは良い鮨ネタに共通して言える事ですが、何より香りが素晴らしいの一言です。
ワタシの携帯のカメラでは、まぐろといい大車海老といい、その美しさを全く捉えられないのが残念です。
その他のネタもやはり秀逸、新子、〆鯖、とこぶし、紫雲丹、真子鰈、星鰈、縞鯵、穴子、、、、、。
さらにこの日は大将がまたしても旨い酒を出してくれました。
『黒龍』の杜氏の名前を冠した大吟醸、名前は忘れちゃいましたが、淡麗そのもののさけを友人と2人でメチャクチャ飲んじゃいました。
ワタシにとっては最高の鮨屋、そこで気心知れた友人と飲む酒は何より最高です。
大将、いつもありがとうございます。次は秋が深まった頃、極上の大間を味わいに伺います。
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(2012、7月再投稿です)
このお店、5点の昇格です。
友人と訪れ旨い肴と握りの数々を堪能し、もうコレ以上は望めないだろうと思い昇格させました。
この店のスペシャリティーは『まぐろ』『小肌』『穴子』です。
この時期のまぐろはもう終わりに近づいた「佐渡」産です。
最高の熟成具合、香りも味も絶品、特にまぐろはシャリ」と一緒になって何倍にも旨くなる。この日は握りで『赤身、中とろ、大とろ、大とろ(蛇腹)、中とろ海苔巻き』を堪能しました。旨すぎて悶絶です。
『穴子』はいつも通りフワトロの煮穴子を「ガッ!」っと炙って死ぬほど熱くなったヤツを決死の覚悟で握ります。ホントに旨いです。
『小肌』は『新子』はつまみと握りで爽やかで若い味わいを楽しんだ後に『小肌』も握られます。この小肌、一週間熟成させたというスゴい旨さ、シャリとの間にオボロが忍んでいました。親子両方楽しめるのは楽しいですが、やっぱし味は親の小肌に軍配ですね。
その他、つまみは『真子鰈、真子鰈えんがわ、真子鰈潮汁、生とり貝、大とろ炙り、蒸し鮑、玉子焼き』です。
この中で特筆すべきは『生とり貝』です。かなり大きいサイズですが、味も香りも最高でした。スイカのような清々しい香りが鼻に抜けます。『真子鰈の潮汁』も相変わらず極上の味わい、鰈の全ての旨みが凝縮されています。
握りはその他は『真子鰈、星鰈昆布〆、赤貝、車海老、雲丹、雲丹巻き』です。
真子鰈と星鰈を両方味わえたのは嬉しかった。ワタシとしては純そのものの真子鰈の方が好きです。
酒は『黒龍 大吟醸』、こーゆー鮨にはやっぱし個性的な酒より淡麗で爽やかな酒が合いますね。
デザートの『桃太郎』という種無しのマスカットも旨かった。皮ごと食べられるんですな。
やっぱりこの鮨屋は最高です。
大将や若い職人さんといろんな話をしながら、友人とゆっくり飲めて食べられる、出される料理は全て旨い。
まさしくワタシ的にトップクラスのお店です。
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(2011、12月再投稿です)
再びきよ田さんです。
友人とゆっくり飲みながら心から寛いで話しが出来る店としては、今やこの店がイチバンです。
そして何より大間のマグロが最高に旨い時期、またしても極上でじっくり熟成されたいろんな部位のマグロを堪能出来ました。
さらにこの日は大将が『黒龍 しずく』を出してくれました。
とても淡麗だけどしっかりと個性もある旨い旨い酒で、マグロにカンペキに合います。
直前なのに無理を聞いてくれた大将、ホントにありがとう御座いました。
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(2011、11月再投稿です)
地方に住む友人が上京したので、前回も一緒に行ったこの店に行きました。
前回彼をこの店に連れて行ったらとても喜んでくれたので、この店の代名詞でもある『黒マグロ』が、特にその近海物が旬を迎えたこの時期にこの店に再訪するコトはもう必然です。
前日の予約だったので初めは「明日は予約でいっぱいです」と言われたのですが、名前を告げると大将にかわってくれて「777さんですか、お久しぶりです。ご希望の時間より少し遅い時間なら席を用意しますよ。最高のマグロが入っているのでゼヒどうぞ」と言ってくれました。
今日では、時期によって多くの地域でマグロは獲れますし冷解凍の技術向上によって外洋産のマグロも通年美味しく食べられるようになりましたが、やはり旬の『大間の本マグロ』の味は格別です。
初夏の頃の軽く爽やかだったマグロが、晩秋になってネットリ濃厚な味わいに変わるこの時期は、まさに「マグロを喰わずして何を喰う」です。赤身の味も濃厚になりますし、タップリのった脂も極上な味わいですよね。
また、マグロは部位によって味わいはマッタク違います。
ひと口に『とろ』と言っても『大とろ』、『中とろ』があって、それも「腹かみ、腹なか、腹しも、背かみ、背なか、背しも、かまとろ、かま」と其々味わいが違います。
さらに「じゃ腹」や「砂ずり」でも筋を入れた方が好きな人、剝して筋が無い方が好きな人と好みも分かれます。
以前、すきやばし 次郎の店主の二郎さんに、「ウチは常連さんには、その常連さんが好みの場所をお出しするようにしているんです。この人は背ビレの下の部位、この人には砂ずりの剝しを、ってな具合です」と伺ったコトがあります。
良い鮨屋の常連になる意味とはこーゆーコトです。店主が最高に旨いと思った部位でも、その人の好みに合わないカモ知れない。お互いに理解し合い尊敬しあえるようになれば、最高の鮨を食べることができるというコトです。
有名店に1度行っただけで「高いだけ」とか、なかなか予約が取れない人気店にタマに行って店主の好みを押し付けられる、それでは「旨い鮨を喰った」とは言えませんからね。
有名店や人気店の鮨をある程度知ったら、あとはその中でも気に入った店を何軒かに絞りそこの常連になる、コレが一番旨い鮨を食べるコトが出来る方法だと思います。
この日はとても親交の深い友人との酒、そして旨い鮨、最高の夜でした。
ツマミは『利尻の平目』(コレ絶品)、『じゃ腹炙り』(泣ける)、『蒸し鮑』、『いくら醤油漬け』、『こはだ』
握りは『まぐろ』(赤身、中とろ、大とろのいろんな部位と巻きもの)、『こはだ』、『雲丹』、『穴子』(コレも絶品)です。
どれもホントに旨かった。
旬の大間って独特の香りがするんです。ちょっと酸っぱくて甘いような香り、これが良いマグロになるほど強くなる。良いマグロを1週間くらい熟成させた丁度食べ頃のマグロの香り、なんとも爽やかで色っぽいです。
そして、何より言えるコトは、「良いマグロはシャリと一緒になってその旨さが何倍にもなる」です。
刺身で食べるより、ゼッタイに握りで食べるべきです。
なのでシャリも重要です。
この店のシャリは、とにかく粒がしっかりクッキリしています。新潟の山奥の小さな田んぼで獲れる米だそうで、まさにこの店のマグロを受け止めるのにピッタシな米ですな。
友人との楽しい酒でかなりいいコンコロモチになってしまったので、写真はあんまし撮れてません。
いろんなマグロの艶やかな姿をお見せしたいのですが、ココの鮨は写真で見るより店で直に見て食べるべきなので、大間が終る前にゼヒお出かけクダサイませ。
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(2011、6月投稿分です)
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銀座に高級な鮨屋は数あれど、かつてここはその中でもトップクラスの店だった。
日本一値段が高い鮨屋、日本一敷居が高い鮨屋、日本一マグロが旨い鮨屋であった。
財界人や文豪たちのサロンのような店だった。
「新津武昭」氏、伝説の鮨職人でありこのきよ田の主だった氏の鮨は、当時まだ若造だった俺には有り難過ぎてよく判らなかった。
やっと自腹で食べられるようになった今、新津氏はもうこの店にはいない。2001年に引退してしまった。今では鮨 青木 西麻布店で不定期で握っていると聞いたが未だ訪問出来ていない。
新津氏は弟子を取らなかったので現在のこの店の主の鮨がどこまで「新津流」なのか、どこまで「オリジナル」なのかは判らない。
新津氏に薫陶を受けたあら輝の鮨の方が近いのかもしれない。
しかし、現在のきよ田の鮨も間違いなくトップクラスの鮨と言える。現在の主も本当に素晴らしい職人で、やはりマグロにかける情熱は誰にも負けないのではと思う。
もしかしたら、以前のきよ田の伝説は現在のきよ田にとって邪魔なのかも知れない。予備知識など持たずにまっさらな気持ちで現在のきよ田を堪能する方がよっぽど利口であり素晴らしい鮨を味わえる、そう痛感しました。
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という前置きはさておき、今日は友人と銀座で食事です。
地方に住む彼が急用で上京すると連絡が入り、慌てて予約しました。
といっても当日になって銀座で彼の希望である鮨屋は、旨い店ほど予約が取りずらい。
銀座で鮨といえばワタシはすきやばし 次郎だが、あそこは握りを食べるだけの店、酒を飲みながら語り合うというのには向かない。
なので、二郎さんのお弟子さんの青空に電話したが満席、あら輝、鮨 水谷、鮨かねさかも同じ、さわ田に至っては店休日ときた。
と、その時この店のことを思い出した。
若い頃連れてってもらって緊張しまくった店。
新きよ田になって1度行ったが、とても美味しかった店。
グルメガイド全盛のこの時代、よく取り上げられる店と比べて地味で目立たないが確実に旨い鮨屋であるこの店があったと思いさっそく予約を取った。
嬉しかったのは、前回この店に行ったのがもう3年くらい前なのに、ワタシの事を覚えていてくれたこと。「ずいぶんお久しぶりですね~」という主の言葉と笑顔がなんとも心地よかった。
この主、とてもソフトで優しい人です。
ツマミからスタート、ビールから冷酒に移り、頃合いを見て握りに移ります。
この日のツマミは『真子鰈、真子鰈縁側、縞鯵、蛸、蒸あわび、大とろ炙り、小肌、雲丹、みる貝、赤身、中とろ、真子鰈の潮汁、玉子焼き』
そして握りが『赤身、中とろ2種類、大とろ、小肌2種類、墨烏賊、生とり貝、穴子、かんぴょう巻き』
この店のカンバンメニューはやはりなんといっても『マグロ』です。
今はマグロがキツい時期だと思ったら、そんなコトは無く、日本海の佐渡付近で獲れる一本釣りの本マグロが最高に旨い時期だそうです。
秋から冬の大間の本マグロのネットリ濃厚なマグロとはちょっと違って、僅かに酸味がある爽やかだけど旨みが強いマグロです。
腹カミの筋の多い大とろを薄くスライスして炙ったツマミは最高の味わいです。
そして、やはりマグロは握りになることでより一層美味しくなる。同じマグロ、同じ部位なのに、握りで食べるとより一層美味しく感じる。
マグロとシャリの相乗効果、「魚を旨くする」と書いて「鮨」とは、まさにこの事を言うのでしょう。
そして主が胸をはるもう一つのカンバンが『小肌』です。
産地の違う2種類の小肌をツマミと握りでそれぞれ食べさせてくれました。
さらに特筆すべきが『真子鰈』の潮汁、具はなく真子鰈の骨から出た旨みだけの汁、最高の味わいです。
そして、『穴子』、炙る必要なんてない最高の穴子をあえて、しかもかなり強めに炙ります。良い鮨屋、旨い穴子を出す店は穴子は炙りません。「炙るのは質の悪い穴子を誤魔化すため」なんて言いますが、この店は違います。これはちょっと珍しい。そしてこれもトビキリ旨い握りです。「ヤケドとの闘いですが、その価値はあるでしょう?」と主、その通りです。
今や「隠れた名店」、ゼヒお試し下さい。
2位
1回
2012/09訪問 2012/09/06
(2012、9月再投稿です)
昨年の1月に友人と行って以来、すっかりワタシの鮨屋ローテーションの中核を担うようになったこの店、場所が六本木なだけに普段は取引先や友人と行く事が多いのですが、この日は虎ノ門で打ち合わせをしていた愛しの相方と合流して行きました。
この店、営業が12時近くまで、なのでスタートは9時を過ぎてもダイジョウブ、仕事で遅くなった時など使い勝手がとてもいいです。
この店のツマミや握りの特徴は、とにかく「丁寧」「繊細」という事です。
どれも日本料理の技法を用いて少~しひと捻りしてありますが、決して鮨屋の領分から出る事は無く、極上な鮨屋の料理として提供されるあたりこの大将の非凡さは大したモンですな。
ツマミは、
『鰹のタタキ』
戻り鰹が日増しに旨くなる季節ですね。脂の乗りもダイブ良くなってきました。しかもこの鰹、おそらく「ヅケ」になってます。焼く前に漬けたのか焼いた後に漬けたのかは判りませんが、とっても濃厚な味わいです。かなり旨い。
『若布の酢の物』
爽やかな若布、酢にひと捻りしてあるようで上品な味わいです。
『鮑の刺身』
肉厚で飴色の身を見て蒸し鮑かと思いましたが、刺身でした。とにかく柔らかい。身自体がとても柔らかい鮑に、とても細かく飾り包丁、隠し包丁が入れられているので、食べるのに歯が要らないくらいです。蒸し鮑の柔らかさと生の鮑の極上な香りが同時に楽しめるスゴい1品でした。
『浅蜊の潮汁』
この出汁もスゴいです。具は浅蜊の剝き身ですが、出汁には蛤も使っているそうです。浅蜊と蛤のコラボ、するとこんなに深い味わいになるんですね~。
『新秋刀魚の塩焼き』
秋刀魚は塩焼きが1番旨い。下手に手を加えてもロクなコトになりません。しかしそこは非凡な大将、旨かったです。骨とハラワタを外してあるので純粋に身の旨さのみ味わえます。ご飯のオカズならハラワタも欲しいところですが、鮨屋の肴としてはコレがベストでしょう。
『ばちこ』
ナマコの内臓の干物で、軽く炙ってあります。酒に圧倒的に合いますな~。
酒 『醸し人九平次 別誂』
通常の九平次の大吟醸よりも、さらに淡麗です。
鮨屋での酒の役割は重要です。肴や握りの旨さを何倍にも高めてくれるのと同時に、次のネタに移る際に口の中を完璧にリセットしてくれるのが旨い日本酒というものです。強いネタの後に繊細なネタを食べても一切影響させなくするのが日本酒という物で、それはビールやワインやシャンパンでは絶対に担えない大切な役割です。
なので、ワタシは鮨屋では必ず日本酒、しかも極力淡麗な物を選びますが、この酒はまさに鮨屋で飲むのに最適だと思いました。旨かった~。
握り 『鯵、平目、赤身づけ、才巻、小肌、新烏賊(墨烏賊)、赤貝、いくら、雲丹、穴子、玉子焼き』
ココの握り、とにかく姿がいいです。そして何よりシャリが旨い。まさしくワタシの好みドンピシャな塩梅です。さらに、この大将はシャリを少しずつ奥から持ってきます。人肌をキープする為でしょうな。握り10~15個分ずつを小さなお櫃に入れて、無くなったらまた奥へ取りに行って、コレを何度も繰り返す。仕事に対してホントに真摯な人なんでしょうね。素晴らしいのヒトコトです。
握りの大きさも丁度いいサイズです。すし匠系ほど小さくない、与志乃系までは大きくない、飲みながら食べる鮨としてはまさしく最適な大きさとバランスです。
ネタとして特筆すべきは、やはり全てですが、中でも「鯵」と「いくら」はこの店の大将らしいひと捻りが際立つ逸品でした。
「鯵」はとっても肉厚で深い味わいでしたが、上にほんの少し「あさつき」が乗せられていました。すると鯵の甘さと香りが一層増すんですな。
浅草の鮨松波の大将は鯵を握る前に手酢に「サッ」っと潜らせますが、すると鯵の甘みが増幅されます。しかし、あさつきを乗せるというのもかなりGOODです。
肉厚の身に、鮑同様キメ細かく隠し包丁、飾り包丁が入れられるので、口に入れるとシャリといっしょにネタまで潔くハラリと解けます。手をかけてより旨くするってまさにこの事ですな~。
「いくら」は軍艦ですが、シャリにいくらを盛る前に、何かをシャリの上に乗せてました。聞いたらソレは細かく刻んだ煮〆た舞茸でした。コレがいくらとの相性がバツグン、いくらの魚卵っぽさが消えて、濃厚な旨みだけが「グワ~っ!」って爆発します。スゴいワザですな~。
「まぐろ」は北海道産の香りのいいまぐろ、「新烏賊」はゲソ乗せ、「小肌」はサイズは大きいのですが味わいは新子に匹敵するくらいソフトで滑らかで鮮烈です。
イヤイヤ、相変わらず冴えた肴、冴えた鮨です。
「魚」を「旨くする」と書いて「鮨」、まさしくこの店のためにあるような文字ですな~。
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(2011、1月投稿分です)
友人と六本木で飲む際、ワタシに与えられた選択権はお食事処だけだった。
(つまり、その後のお店はゼンブ友人のお気に入りのお店ばっかし)
なので、食事は前から気になっていたこの鮨屋にしました。
六本木の鮨屋って、場所柄その多くが「飲める」店というカンジで、カンジンの「握り」に気合が入っている店ってワリと少ない。
デモ、前にこの店に行った知人から、「とにかくツマミも旨いが握りがサイコー」と聞いていたので、とても期待して行きました。
そして、その期待はマッタク裏切られなかった、ホントーに素晴しいお店でした。
この店のご主人、以前は和食の「吉兆」で働いていたんだそうです。
で、鮨は独学、それでコレはホントーに非凡な方ですな~。
お店は。六本木ヒルズ向かいの明治屋の裏手にあります。
中はカウンターだけで10人も入ればいっぱいってカンジの、完全予約制のお店です。
ツマミは「牡蠣の蒸し物」、「アンキモ豆腐」、「金目鯛の煮物」、「ばちこ」です。
まず「牡蠣の蒸し物」、コレがトンデモナク旨い。
酒蒸しって言い切れないようなとっても繊細な味付けです。コレが熱くも無く冷たくも無くちょうどいい具合です。
次に「アンキモ豆腐」、コレ、こうやって書いてしまうとなんだか安っぽく感じられますが、物凄く上品な味です。
フレンチっぽい盛り付けにセンスが出てます。
で、次に「金目鯛」の煮物、一口サイズが4切れ出されますが、コレは今まで食べたどのキンメの煮付けよりも旨かった。
丸ごと一匹貰って白いご飯をかっ喰らいたくなる衝動に駆られました。
そして、「ばちこ」。コレ普通は「くちこ」って言うものだと思います。
酒は「黒龍」、こーゆー繊細な料理やお鮨には、やっぱしこーゆー端麗な酒が合いますな~。
で、いよいよ握りです。
この日食べた握りは「平目昆布締め」「赤身ヅケ」「中トロ×2」「締め鯖」「さより」「雲丹」「穴子」、、、、あと忘れちゃいました、、、。
しっかし旨いっ!
なにより特筆すべきなのはこの店の「シャリ」です。
お米がちょっと小粒でしかもやたら丸っこいお米です。
で、食感はもの凄く「モッチリ」としています。
表面は硬めで中がモッチリ、それを赤酢で合わせてる。
持つと硬めなのですが口に入れると「ハラっ」っと解けるその感触がタマリマセン。
ネタはそのシャリを包むように握られているのですが、けっしてバランスが悪いワケではない。
温度もちょうどいい具合の「人肌」です。
旨い鮨というのは、味の好みは人それぞれですが、シャリはゼッタイ「人肌」でなければなりません。
いやいや、この店の最大の特徴はこの「シャリ」ではないでしょうか、それほど旨い「シャリ」でした。
モチロン、どのネタも味は極上、中トロは若干脂が薄めでしたが、これは好みの問題でしょう。
穴子が普通とは裏返しの、皮が表面を向いて握られますが、コレはよっぽどネタの良さ仕事の良さの自信の表れ、そしてその通り「フワ」っとした極上の穴子です。ツメがかなり控えめな味付けなのも穴子自体の味を楽しんで欲しいからなんでしょうな~。
そして、最後が「玉子焼き」です。
そして、この「玉子焼き」は今まで食べたどの店のソレより旨かった!
これは文句なく名店です。
ご主人はまだ若く職人さんも若いかたばかり、(はじめは誰がご主人なのか判りませんでした)
とても遠慮しながら料理を出します。デモ、これだけ旨いツマミや握りを出すのだからそんなに恐縮しなくてもって思いますが、場所が六本木だけにセルフディフェンスも必要なのかな~って思いました。
3位
1回
2012/06訪問 2012/07/03
(2012、7月 再投稿です)
今日は愛しの相方のバースデー(何回目かをココに書くとブっ殺されるのでソレは差し控えます)、せっかくの記念日なのでタマにはフレンチでもと思いニューオータニのトゥールダルジャンに電話したら、ナント定休日っ!(ホテルのフレンチに定休日があるってどーゆーこっちゃっ!)
朝から本生さんの鮨レビューを見て鮨モードになっていたこともあって、すぐさまモードをフレンチから鮨に変更、当日予約でも入れて旨い鮨とくればココ以外にありません。(地元浅草にはけっこうありますが、せっかくの記念日だしね)
この店は、ランチ営業はしていませんが、夜は電話を入れとけば11時過ぎても入店OK、人気店ですが遅い時間なら当日でも予約を取れちゃいます。この日も8時に入れました。
この店のバックグラウンドに関しては前回書いたので、今回は料理中心に行きます。
せっかくのアニバーサリーなので、ビールじゃなくってシュワシュワ『シャンパン』でカンパイです。銘柄は忘れました。
ワタシ、鮨屋でシャンパンやワインは普段はゼッタイ飲みません。鮨屋で出される料理の悪い所ばかりを引き出すワイン、特に酢を使ったものやイクラ、中でも牡蠣や貝類を食べた後にワインを飲むと本来感じないような生臭さバクハツです。その点、日本酒はそんな短所も長所に変えてくれます。個性的な料理だけではなく、淡白な白身や鮑、タコなども、直後に日本酒を飲むコトによって、その旨みと余韻が何倍にも膨らみます。旨い鮨と旨い日本酒は、まさしく黄金の取り合わせです。
なので、この日も乾杯の為のハーフのシャンパンはサッサと飲んじゃって、スグに旨い大吟醸に移りました。(銘柄は、、、やっぱし忘れちゃいました)
料理は、相変わらず冴えた数々です。
肴の中で特筆すべきは『佐島の蛸』です。次郎では「明石の蛸」しか出しませんが、この親方はそんな掟をサッサと破って自分が旨いと信じるネタを自信を持って出してくれます。このタコが旨かった~。何度も揉んでいるので柔らかく、直前に茹でてくれるので仄かに温かく、味も香りも絶品です。
更に、『黒鮑のシャブシャブ』、自慢の雲丹を溶いた「肝醤油」が絶品で、鮑を食べちゃったあと、先に出された若芽をつけて相方のブンまで全部食べちゃいました。
その他、『鱧のゼリー寄せ』、巨大な『炙りとり貝』、大好物の次郎流『カツオのたたき』、出汁に浸った『炙り穴子』など、秀逸な肴のオンパレードでした。
握りですが、やはり特筆すべきは『新子』でしょう。
この時期、まだとても小さくて、この日はなんと5枚づけです。まだ小さすぎてコハダの味は殆どしません。
「キロ○万円のシンコ、とても小さくて死ぬほど手間がかかる。で、タイシテ旨くないんだから、意地を通すってのもタイヘンだなぁ」と大将に言ったら、「そうなんですよっ!デモ、無いと怒るお客さんもいて、もう意地だけです。味は3枚つけで握れるくらいに大きくならないとダメですね。」と言ってました。
「旨くないから出さない」という二郎さん、「意地で出す」という青空クン、どちらもいいじゃないですか。その熱意に1票です。
そして『蒸し鮑』の握り、相変わらず最高です。「蒸し」と言っても次郎流は「酒煮」です。とにかく香りが良くて、鮑が持つ凄みを100%引き出した旨い旨い握りでした。
この他、『赤身、中とろ、大とろ』を食べたところで相方がグッタリ、どうも嬉しかったせいでペースを忘れて飲み過ぎちゃったみたいです。なのでココで終了しました。まあ、コレも可愛いじゃないですか。
「ゴメンナサイ。また近いウチに出直しますから、その時に美味しい握りを沢山食べさせてクダサイ」とすまなそうに大将に謝る相方、大将はとても爽やかで明るい笑顔で「任せといてクダサイ。おつでもお待ちしてますよ~」、ホントーにいい男です。
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ココは銀座8丁目、日航ホテル裏手の並木通り沿いのビルの3階にある人気のお鮨屋さんです。
鮨好き、クラブ大好きの友人と出掛けました。
気心知れた友人と旨い鮨屋でゆっくり飲む、いいモンですな~。
この店の主「青空」(はるたかと読みます。店主の名前です。)クンとは、まだ彼がすきやばし 次郎で小僧さんをやっていた頃からの知り合いです。
当代きっての鮨職人「小野二郎」さんと、二郎さんのご長男「禎一」さんの元でビシビシ鍛えられていた当時、ピリピリした雰囲気が漂う店内に彼の温和で誠実な人柄が醸し出す優しい雰囲気がとても好感が持てて、当時からすでに人気者でした。
独立してからも「教わった事をやるだけなら見習いと同じ」という二郎さんの言葉を胸に日々精進を続けているコトは、すきやばし次郎の素晴らしい鮨をそのままに、更に独自の創意工夫が垣間見れる彼の鮨を食べれば明らかです。
今では銀座でも指折りの人気店になってしまい、ナカナカ予約がとれなくなってしまいましたが、この日は当日ながら予約がとれたので久しぶりに彼の鮨を堪能することが出来ました。
ツマミは『蛸柔らか煮、平目、鱈白子、細魚醤油漬け、蒸し鮑、鰆たたき、海鼠、寒鰤醤油漬け炙り、クエ湯引き、雲丹2種、平目潮汁』です。
どれも素晴らしいツマミの数々、鮨屋らしく手をかけ過ぎないで素材の味を最大限に引き出した旨いツマミで酒が進みます。
蛸や鮑は味がすきやばし次郎ソックリです。淡い風味が上手に引き出されてます。
クエは東京湾産だそうです。九州などで多く食べられる冬場のクエはタップリ乗った脂が旨いですが、このクエはとてもアッサリ爽やかな味わいです。
鰆のたたきはすきやばし次郎の鰹のたたきと同じ、藁で燻す技法によってとても特徴的な香りがつけられています。
その他、細魚や鰤など彼自身の創意工夫が垣間見れる肴もとても秀逸、更に酒が進んじゃいます。
握りは『墨烏賊、小肌、春子鯛、本まぐろ中とろ、本まぐろ大とろ、〆鯖、赤貝、大車海老、煮蛤、穴子、、、、、』です。ゴメンナサイ、この時点でかなり飲んでいたのであと幾つか食べたのですが忘れちゃいました。
やはりこの時期の大間の本まぐろは最高です。熟成具合もカンペキ。脂の上品な甘み、ネットリとしていながら潔く消える淡雪のような食感、鼻に抜ける清々しい香り、この時期ならではの味わいです。しかも、まぐろというネタは最も鮨に合っている。シャリと一緒になることでその旨みを何倍にも膨らませるネタです。小肌とまぐろは鮨屋の2大看板ですな~。
墨烏賊は、すきやばし次郎では「パキパキ」っとした食感の新鮮な烏賊を握りますが、ココでは熟成させています。なので食感は些か軟らかめ、代わりに甘みが強い仕上りです。
赤貝はゆりあげ産、津波で壊滅的な被害を受けたネタですが、もうすっかり回復して供給されるようになったのだそうです。
大車海老はすきやばし次郎伝統の特大サイズをその都度茹でて、握って、2つに切って出されます。
穴子も伝統の味をしっかり受け継いだ極上のフワフワ感です。炙る必要なんてマッタクありません。
シャリの扱いもとても丁寧、少量ずつ藁苞のお櫃を取替え取替え人肌をキープしています。
握りのサイズは他の与志乃系の鮨店よりも若干小さめ、やはり握り重視の他店と比べて鮨前にも力を入れているこの店ならではですね。
お酒も、他店は「賀茂鶴」1種類なのに比べて、ココには大将コダワリの旨い大吟醸や純米酒が数種類置いてあります。
なのでついつい飲み過ぎてしまうのも仕方ありません。旨い鮨、旨い酒、信頼の置ける友人、これで飲み過ぎなければ男が廃るってモンです。
この店、与志乃系というよりも、やはりすきやばし次郎系です。
二郎さんが作り上げた鮨の美学をしっかりと周到しています。
すきやばし次郎があくまで握り重視の硬派な鮨屋であるのに対し、ココは酒を飲むことを寛容に受け入れて、しかし結局握りで唸らせる、そんな店です。
鮨 水谷が与志乃系すきやばし次郎流を再現している握りを出すのに対し、ココは次郎流を根底に持ちながらも店主の色を多く取り入れた、そんなカンジです。
握りが次郎と比べて若干小さめなので、握りだけを食べると豪快さと満足度においてやはり師匠に軍配が上がりますが、この店でゆったりと酒を飲んで過す時間は何物にも代えがたい、これはこれでとても素晴らしいお店です。
4位
1回
2015/08訪問 2015/08/25
今日は友人と浅草で鮨屋飲み。
つい先日、築地でロクでもない寿司屋に入ってしまったので口直しもしたくて、東京を代表する名職人「松波親方」の鮨を堪能させてもらうことにした。
いつもの『ゴールド賀茂鶴』でスタートしたが、結果的に何本飲んだかは定かではない。それほど旨い肴、握り、会話に酔いしれた夜だった。
食べた物は写真の通り、だがやはり何種類かは撮り忘れてるようだ。
肴で圧巻だったのが『蒸しあわび』、蒸しと言っても酒煮なのが与志乃流だ。
とても大きなあわび、これを薄くスライスして出してくれた。味はもう悶絶ものだが、小さなグラスにその煮汁も出してくれたのが凄く嬉しかった。
子をたっぷり持った旨い蝦蛄は刻んで酢が入ったグラスに沈められて出された。
「私は蝦蛄はこうやって食べるのが一番旨いと思うんです」とオヤジさんは言う。
初めての食べ方だったが、僕もその通りだと思った。
握りもいつもの通りの冴え渡った出来だった。
崩れそうなほどに柔らかい穴子も、優しい味の新子も勿論旨いが、やはりこの店の代名詞は僕的には『赤貝』と『鯵』だと思っている。オヤジさんの真骨頂とも言えるこの2つのネタを食べられて幸せだった。
帰り際、オヤジさんが手作りのまぐろの佃煮をお土産として持たせてくれた。
とっても旨くって、これでご飯を食べるのが今から楽しみでならない。
あぁ、やっぱし鮨屋はこうでなくっちゃね、とても楽しくて美味しい夜をくれたオヤジさんと女将さんに感謝しながら店を出た僕達だった。
(2014,1月)
長かった正月休みがやっと終わり、鮨屋の営業もこの6日からやっとスタート、早速相方と行ってきました。
浅草ですからもちろん正月休み中もやっている店はありましたが、築地が長期休業中なので出てくる鮨がどんなモンかは想像するに容易い。なので正月休み中ずっとガマンをしていましたが、食えないとなると逆により一層食いたくなるのが人情ってモンで、ある日フラっと浅草の回転系の寿司屋に入りましたが案の定食えたモンじゃない。まぐろを店名に謳っているのに特にまぐろが酷かった。なのでこの6日がとても待ち遠しかったです。
店に入ると何時ものように優しい笑顔で迎えてくれる大将、新年の挨拶を済ませると待ちに待った本物の「鮨」ワールドのスタートです。ただし、この日はとにかく握りが食いたかったので肴は少しにしてもらって握りメインにしてもらいました。
〆鯖は酢味噌で、与志乃系の鮨屋の代名詞であるゴールド賀茂鶴と良く合います。
握りは平目、中とろ、こはだ、赤貝、鯵、車海老、穴子、etc,,,,,
やっぱし旨い。コレが鮨です。もう卑しいくらいにガツガツ食べました。
思えば去年の11月から東北での仕事が忙しくなっちゃってお気に入りの鮨屋でゆっくりって出来なかったからね〜。
まあ、実際にはあと何日か経ってからの方が熟成させた方が旨いネタもあるので良いのでしょうが、そしたらまた来れば良いしね。
腹いっぱいに大将の鮨を食べて満足満足、大将に見送られながら店を出たらこの店の前に新しくケーキ屋さんが出来ているのを発見、早速相方と買って帰りました。(その店のケーキはイマイチだったのでレビューはしませんが)
(2013,7月再投稿)
土用丑の浅草はうなぎの香りでいっぱいです。
多くのうなぎ屋さんには行列が出来ているし、和食屋さんもこの日ばかりはうな重を前面に推してお客さんを呼び込んでいます。
うなぎの旬は冬です。「夏バテ防止のために土用丑にはうなぎを食べる」は、夏に客足が落ちるうなぎ屋さんに頼まれて平賀源内が考えた日本最古のキャッチコピーなんだそうですな。
もっとも、天然物しか無かった当時と比べて現代のうなぎは殆どが養殖物なのであまり旬は関係ありません。夏でも旨いうなぎが食べられますから、バテ気味の人は土用丑に限らずジャンジャンうなぎを食べましょう〜。
そんな土用丑の浅草、仕事を終えて我々が目指すのはうなぎ屋さんでは無く浅草の鮨の名店であるこの店です。
うなぎの香ばしい香りで包まれた街を歩いているとどうしてもうなぎを食べたくなりますが、どのうなぎ屋さんも混んでいますからまた今度にした方が賢明です。
なので、うなぎと同様に夏が旬の穴子に頭を切り替え、旨い穴子目当てに松波さんを訪ねました。
いつものように『ゴールド賀茂鶴』でカンパイして『海苔、練り梅、茗荷』のお通しをパリパリやります。
ワタシは鮨屋や蕎麦屋や料亭や割烹などでは「とりあえずビール」はやりません。よっぽど喉が渇いている時は別ですが、そういった店で出される料理の殆どはビールと合わないし、ビールで最初からハラを膨らませてしまうのも良くない。「とりあえずビール」をやめるとそういった店の料理はより一層旨くなりますよ〜。
ツマミは『マコガレイ、まぐろ中とろ、〆さば』です。大のマコガレイ好きのワタシですが、この日のマコガレイは最高中の最高、極上のマコガレイでした。
握りは『新烏賊、さより、新子、鯵、赤貝、生とり貝、蝦蛄、車海老、中とろ、雲丹、穴子、かんぴょう巻、たまご』あたりをお好みでもらいました。
夏の鮨の旨いところをラインナップしたつもりです。
墨烏賊の子供の新烏賊は赤ちゃんのホッペのような柔らかさ、握る直前に酢に潜らせる極上の甘さの鯵、旬の新子は4枚づけ、紐付きで握られる閖上の赤貝、子をたっぷり持った蝦蛄、甘み最大の江戸前の天然大車海老、濃い味わいと極上の香りの利尻の雲丹、ふっくら肉厚でほろほろな穴子、どれもこれも最高です。
しかし、この日ワタシが目を見張ったのは『シャリ』です。
この大将のシャリはいつも旨いのですが、この日のシャリの炊き具合は最高でした。
輪郭がクッキリしていて一粒一粒がとてもしっかりしています。硬いのですが硬くない、柔らかいのですが柔らかくない、こんな旨いシャリはメッタにお目にかかれません。
お鮨屋さんにとって今はシャリがとてもキツい時期です。去年の米は乾燥し切っちゃってるし、そろそろ出始めた新米は水分が多すぎてシャリには向かない。「旨さの7割はシャリの出来で決まる」握りですから、この時期に如何に旨いシャリを作れるかが鮨職人のウデの見せ所ですね。
「どうしたらこんなに旨いシャリが出来るの〜?」って大将に聞きました。
この大将は聞けばなんでも答えてくれます。このシャリの秘けつも余すところ無く教えてくれました。
その秘けつとは、、、、、やっぱしやめておきましょう。
知識よりも食べてみることが何より大切ですからね。
食べた事も無いのに生半可な知識だけで料理を語る事ほど愚かな事はありません。
多くの職人さんが長い経験の中で培った技と言うのは、「飯炊き」という単純な作業においても超越していますね。大将が教えてくれたコツの中には家庭でも使える技がいろいろあったので、さっそくウチでも取り入れてみようと思います。
浅草は今週末は「隅田川花火大会」でこの夏1番の盛り上がりになります。
浅草には旨い店がいろいろありますが、花火の合間にこの店で旨い鮨を摘まんでみたらいかがですか〜?
(2012,12月再投稿)
久しぶりの松波です。
忙し過ぎる12月、夜も連日の忘年会で些か疲れましたがこの日はワタシも相方も早く上がれたので身も心もゆったり寛げるこの店にやって来ました。
鮨が旨いのはモチロンですが、この店や大将&女将さんが醸し出す「癒し効果」は大好きです。
お酒はいつものように与志乃系の定番『ゴールド賀茂鶴』、コレはホントに鮨に合う淡麗で旨い酒です。
桜の花びら型の小さな金箔がグラスに舞います。粋で雅ですな〜。
ツマミもいつものように『海苔、練り梅、茗荷』から始まります。練り梅と茗荷を海苔で巻いて「パリ」っと食べる、熱燗にも冷酒にも合いますな。
少し遅れてくる相方を待つ間、酒と海苔をやりながら大将と世間話です。控えめで上品で粋な大将との会話はいつものようにとても気分がいいです。スカイツリーや六区再開発により人出は増えつつあるけど「らしさ」が失われつつある浅草の現状について2人で憂いている頃に相方が到着、料理が本格的にスタートです。
今回特筆すべきツマミは『平目』と『鯖』と『蒸し鮑』です。
とにかく甘くて香りがいい平目、酢味噌で食べる鯖、冬の味覚ですな〜。
初夏が旬の鮑はこの時期は『トコブシ』ですが、とすると巨大なトコブシです。与志乃系の蒸し鮑はいわゆる「酒煮」ですが、極上の柔らかさと味わいです。エキスたっぷりの煮汁をグラスで出してくれますが、コレは旨いですよ〜。
握りは『小肌、本まぐろ中とろ、車海老、赤貝、みる貝、煮はまぐり、生いくら、雲丹、穴子』辺りを頂きました。
全て特筆に値しますが、中でも「赤貝、生いくら」がいいですな〜。
赤貝はヒモと一緒に握るのが「松波流」です。極上の閖上の赤貝、ヒモと一緒に握ると味わいも香りも食感も格段にアップするんです。
生いくらは塩を一切していないいくらそのものの味が楽しめます。この時期しか味わえない北の海からの贈り物ですね。
この店の握りは与志乃系らしく大きめ、なので女性に出す場合は大将が包丁で真っ二つに切って出してくれますが、コレも古い江戸前の流儀です。まだ握り鮨が屋台で出されていた頃は握り鮨はオニギリサイズでした。なので女性の客には切って出すのが粋だったのですな。
しかし、いつも驚かされるのは大将のウデです。雲丹やいくらの軍艦までもなんの躊躇いもなく「スパ」っと真っ二つです。鮮やかな切り口、見事なモンですな〜。
そのまま食べたい人はそう言えばいいのですが、せっかくこの店に来たのなら大将のこーゆー「粋」な仕事も楽しみましょう。
そしてこの日は大将に無理言ってお土産の『ばらちらし』も作って貰いました。
江戸前のばらちらしはトロや鯛やイクラなんて豪華版じゃあありません。オボロに小肌にかんぴょうに穴子に海老や玉子辺りの仕事モノがメインです。なので実はこのばらちらしにその店の大将の「仕事」が集約されているんですな。
鮨好きにとって自分のお気に入りの店のばらちらしこそ何よりのご馳走なんです。旨いですよ〜。
この店は仕事仲間や取引先なんかと大勢で来てワイワイやる店じゃあありません。信頼のおける人と2人で来てしみじみと過ごすための店です。浅草で静かな夜を過ごしたい方は、是非この店を訪れてみてクダサイね〜。
帰り際、ばらちらしの包みを渡しながら「玉子焼きもお持ち下さい。お茶にもコーシーにも合いますよ〜」と言う大将、ありがとうございました。
(2011、5月再投稿です)
ココはワタシ的に浅草でナンバー1のお鮨屋さんです。
そして、居心地の良さでいえば世界1のレストランです。
大将が醸し出す落ち着いていて、静かで、とても安らげる雰囲気の中、ゆっくりと美味しい鮨と酒と時間を堪能出来る名店、それが『鮨 松波』です。
京橋の与志乃系の鮨屋として、同門のすきやばし 次郎や鮨 水谷、すきやばし次郎出身の青空などが銀座で広く脚光を浴びるなか、浅草の、しかもちょっと繁華街からハズれたところにあるこの松波は目立たない。静かにひっそりと商売を続けている、そんな立ち位置がなんともココの大将らしくって、そこがまたタマラナイ魅力となっているんです。
「久しぶりですね~」とニッコリ笑って迎えてくれる大将、カウンターに座ったその時から「松波劇場」のスタートです。
まずは、『小柱』と『練り梅』と『刻み茗荷』、それと『焼き海苔』が出されます。
そのままツマんでもいいし、焼き海苔に巻いて食べてもいい。特にこの練り梅が旨くって、海苔につけて食べるともうイキナリ冷酒モードに突入です。
冷酒は「賀茂鶴 大吟醸」の金箔入りの小ビンで、これはすきやばし次郎と同じです。
最初に出された『じゅん菜入りもずく酢』がなくなる頃、旬のツマミに入ります。
これもすきやばし次郎同様、酒のためのツマミ料理はありません。鮨屋らしく鮨ネタを切って出すだけです。ワタシもこの流儀には大賛成。鮨屋のツマミに凝った料理などは必要ありません。
『かつお』
『真子鰈』
『鯖』
『蛸』
特に鯖が旨かった。
この大将、特に光モノの旨さを引き出す技術に長けているとワタシは思ってます。
「甘くて爽やかな香り」これが大将の光りモノです。
冷酒も2本空いたところで握りの始まりです。
飲み物をお茶に替えてメインイベントに備えます。
『鯵』
『たいらぎ』
『みる貝』
『赤貝 ひも付』
『赤身』
『中とろ』
『生とり貝』
『青利烏賊』
『小肌』
『雲丹』
『大車海老』
『穴子』
『かんぴょう巻き』
特徴的なネタはいくつかありますが、『鯵』は握る直前にサッと手酢に潜らせます。これで甘みと香りがグっと引き立つ。
『赤貝』は、身とヒモがいっしょに握られます。
海老に『大車海老』を使うのも次郎と同じ、でもアタマ部分の身も出してくれます。
『雲丹』はとにかくデッカイ。そして最高の味と香りです。軍艦で出されますが、この大将、雲丹の軍艦巻きに「トン」って包丁を入れて真っ二つにして出してくれます。女性に出す握りは全て2つに切られて出されますが、雲丹の軍艦を2つに切るのはちょっとやそっとでは出来ないでしょうに。
『穴子』も焼かずとも炙らずとも柔らかくホロホロ、確かな仕事の証です。
何といっても南部鉄鍋で硬めに炊かれた『シャリ』でフワっと握る数々の旨い握り、まさしく醍醐味ですな。
で、締めに『かんぴょう巻き』で終了です。薄味で甘く煮しめられたかんぴょうは最高のデザートです。
とっても優しい松波の大将に全てをゆだねて、素晴らしい鮨の世界をゼヒ堪能してみてクダサイ。
(2010、4月投稿分です)
ここは銀座「すきやばし次郎」「水谷」と同様に、京橋「与志乃」出身の名人が握る浅草が誇る鮨の名店です。
「与志乃」系の鮨店には質実剛健、硬派な店が多いなかにおいて、ここの大将は遊び心があって、良い意味で「色気」を感じさせる仕事と雰囲気を持っています。
モチロン、「与志乃」系の素晴らしい握りの基本は踏まえた上のことです。
赤貝をヒモと一緒に握ったり(大将に「珍しいですね」というと「コレをヒモ付きというんですよ」と言ってニヤっと笑ってました。ホントかな。)、サヨリの握りに練り梅をほんの少し忍ばせたりと、そんな浅草ならではの粋と色気を感じる握りが出されます。
「与志乃」系なので、握りは若干大き目、女性を連れて行くと握りを包丁で二つに切ってくれます。
まだ鮨が屋台の立ち食いだったころ、握りはオニギリサイズの大きなものだったので、女性客には2つに切られて出されていた時代を思わせる、コレも演出です。必要なければそう言えばそのまま出してくれますよ。
実は、握りを綺麗に2つに切るのは結構難しい。これも職人の技術の一つだと思って楽しんだほうがいいでしょう。
あと、女性にだけ小指の爪サイズの超小型の握りを出してくれました。この茶目っ気も楽しい。
向島のお茶屋さんが盛んだった時代はこういう事も喜ばれたんでしょうね。
「久兵衛」系、「なかた」系、鮨好きにはいろいろ好みが分かれるトコですが、浅草の名店にきたら生半可なヘ理屈は忘れて、大将の握り、店の雰囲気を楽しみましょう。
5位
1回
2015/02訪問 2015/02/05
(2015,2月)
いつも拝読させて頂いているレビュアー様のウナギレビューに触発されて、朝からすっかり「う」モードになってしまった。
この日の都内は朝から雪混じりの冷たい雨。
と来れば「色川チャンス」だ。
天気の良い日、浅草の人気店は行列の危険性が高いが、天気が悪い日は観光客もどっと少なくなってすんなり入れる事が多い。
実際、1時ちょっと前に着いたが先客は3人だけだった。
この店に来るのは1年以上ぶり、昨年春にオヤジさんが他界されて以来だ。
今は女将さんと娘さん(?)で昼だけやられているようだ。
ウチワをパタパタ扇ぐオヤジさんとカウンター越しに他愛もない話をしたのが懐かしい。今は女将さんが静かにウナギを焼いていた。
心配していた味は?
フルフルふわふわなウナギ、少し硬めなパリっとした熱々ご飯、濃い目で甘めなタレ、辛めな奈良漬け、香りが強い山椒、どれも前と変わらなかった。
変わったと言えばメニューで、鰻重の種類が「普通」と「たっぷり」といった呼び名になった事くらいかな。
以前はご飯の量はそのままでウナギの量だけ変わったのだが、この「たっぷり」はウナギの量と共にご飯の量も多くなるようだ。
つい「たっぷり」を頼んでしまったが、ダイエッターの僕には多すぎて、ご飯だけ残してしまった。
でも、以前と変わらぬ旨い鰻重に一安心。
浅草が大好き、祭りが大好き、ウナギが大好きだったオヤジさんもこれなら安心だと思う。
オヤジさんの居ない色川、でもその味はしっかり守られている。
そう言えば、ウチのペットのナマズに「色川さん」って名付けた事、オヤジさんに言えず終いだった事を思い出した。
。。。。。。。。。。。。。。。。。
とても残念です。
大好きなオヤジさんの作る大好きなウナギに沢山の元気をもらいました。
ありがとうございました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。
(2013,7月)
若干雨模様の夕方、仕事を終えたワタシは相方と合流して何処かで晩飯を食べて帰る事にした。
何処に行こうか、ほぼ同時に「色川さ〜ん!」と言って決定です。
最近2人同時に夏風邪を引いて元気がなかった事もあるし、何より普段は観光客で混んでるこの店も、天気の悪い平日の夜は空いている事を先刻承知だからです。
ワタシ達が浅草で1番好きなウナギ屋さんであるこの店に行くのは、決まって天気の悪い平日の夜なのです。
店に着いたのは6時半頃、店に入ると空いているどころか客は誰もいませんでした。
コレはラッキー、ゆっくり食べられそうです。
「おう、いらっしゃい、なんだよ、ずいぶん久し振りじゃね〜か」と大将の色川さん、元気そうで何よりです。
ここのところ、仕事仲間で月イチで集まって上野のウナギ屋でパワーランチしているので、それ以外でウナギを食べようとは思えず、この店に来るのがずいぶん久し振りになっちゃいましたからね〜。
「色川さんの顔みたら元気出たよ、先ずはビールと焼き鳥チョーダイ!」と言ったら、「悪いな〜、焼き鳥なくなっちゃったんだよ」と大将、この店で焼き鳥食べながらビール飲むのが大好きだったのに、残念〜っ!
仕方がないので『肝焼き』をもらってビールです。
夏はやっぱし肝焼きにビールがよく合いますね〜、相方と2人グビグビ飲んじゃいました。
そして『鰻重 大』をもらってイッキ喰い。
鰻重はイッキ喰いが基本ですよ〜。
やっぱし色川さんのウナギは旨いね〜。
トロトロふわふわのウナギ、甘めのタレ、硬めで少なめなご飯、奈良漬け、とろろ昆布のお吸い物、なんもかんも好みです。
「いつもありがとなっ、また来てくれよっ!」という色川さんの言葉に送られて大満足で店を出ました。
ウナギ事情が回復して早くまたこの店で『筏』が食べれるようになると良いな〜。
(2012、7月 再投稿です)
『今日の色川さん談話』
ワタシ 「暑いね~」
大将 「おう、暑い中来てくれてアリガトなっ!」
ワタシ 「アレ?メニューから筏が無くなったね?」
大将 「ソレ見てくれよ。(カウンターに昨今の鰻価格の高騰の記事) もうやってらんねーよ。悪りいケド今日は『大』でカンベンしてくれよなっ!」
ワタシ 「鰻事情はヒドくなる一方だね。ワシントン条約にも鰻が入りそうなんだって?」
大将 「あんなアメリカ鰻はウチでは使わねーから関係ないんだけどな、デモ日ごとに鰻の値段が上がりやがるんだよっ!」
ワタシ 「まあ仕方ないよね。せっかく鰻屋の掻き入れ時なのに困るよね」
大将 「夏の鰻ってホントは旨くねーのよ。鰻はやっぱり冬だよな。でもよう、それじゃあ夏が儲からね~ってんで、鰻屋連中が集まって無理やり土用丑は鰻の日って決めやがったのよ。なんのカンケーのねーのにだゼっ!そんでみんな喰いにいくだろ?あんな鰻なんてロクなモンじゃねーのに。ヒデえ店なんか何日も前から作り置きしてやがるんだ。で、当日になるとチョチョイとガスで焼いて出しやがる。そんな鰻なんて喰えたモンじゃねーよ。そんな出来損ないに4千円も5千円も取るんだぜ?俺っちはそんな商売なんて出来ねえよっ!おおっ?もう喰っちまったのか?なんだよ、がっついてやがんな~、デモ鰻はそーやってイッキに喰うのがイチバンなんだよな。ありがとなっ!また来てくれよっ!」
(ウチのペットのレッドテールキャットに『色川さん』って名前を付けた事をまだ言ってない。鰻価格が落ち着いて大将の機嫌が良くなったら言おうかな。今日のところは止めておこう)
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(2011、6月 再投稿です)
『やっぱし色川』
昨日上野でマズい鰻を食べてしまって、今日は朝から「鰻・ストライクバック」なモード。
ホントは昼に仕事抜けだして日本橋の有名店に行くつもりだったけど、こーゆー時に限って忙しいと来てる。
結局抜け出せたのは夕方、もうこーなるとワタシ的鰻の店ナンバー1の色川に行くことに決めた。
ちょっと早かったので浅草雷門の「文扇堂」で普段使いの扇子を購入、その後ブラブラしながらダイソーに行くと農田地の大将とばったり。
一緒に亀の甲羅干し用のケースを物色してるうちに相方と合流、色川に向かいました。
「日曜日に小奇麗な鰻屋でマズい鰻食べさせられたって?ガス焼きの鰻なんて食べる方が悪いね。だいたい、日曜に店やってるなんてヘンだろ?日曜は河岸が休みなんだよ?取り置きした鰻なんて俺っちは出せねーな。だからウチは日曜は休みなんだ。でも、そんな鰻でも旨いっていう客がいるんだから仕方ねーけどな~」と大将節全開で迎えられた。
「だから昨日の今日でさっそく大将の鰻食べにきたんじゃないか」と言うと、「今、鰻の稚魚が不漁でなあ、鰻が高くってしょーがねえ。食べに来られちゃメイワクなんだケドな~。まあ、来ちまったモンはしょうがねえ。ハラいっぱい喰っていきなっ」といつものイセイの良さ。
いつもは『肝焼き』なんだけど今日は『ヤキトリ』、実はこの店、ヤキトリもかなり旨いです。
で、鰻重は『筏』を注文したんだけど昨今の不漁による価格高騰で形が揃わない。なので今日は『特上』です。
そして、やっぱし旨い。
「コレコレ、鰻重の旨さってまさにコレなんだよな~」と言いながら相方といっしょにハフハフとイッキに食べました。
鰻重を食べる時はハナシなんかしないでイッキにガツガツ喰う、コレも重要です。
ホントは都内の有名店をこれから行脚しようかな~って思ってたんだけど、もう鰻はこの「色川」でジュウブンかな~って思えてきた。
それぐらいこの店は全てがワタシのストライクゾーンのド真ん中なんですな。
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(2010、7月 再投稿です)
『土用の丑の日』の次の日の『色川』
別に土用丑だからって鰻を食べなきゃイケないワケじゃない。
その日はどこの鰻屋さんもタブン大繁盛で、きっとサンザン待たされる。
朝ズバで巣鴨の鰻屋さんが出てたケド、朝の5時から鰻を焼いているんだそうです。
ということは、土用の丑の日にもしそんな店に行ったらサンザン待たされた挙句出てくるのは造り置きした鰻、クリスマスのケーキやケンチキじゃあるまいし、そんなコトはゴメンです。
で、一日ズラして色川に行ってきました。
お昼1時半頃行きました。「まだやってるかな~」って心配しながら行きましたが、店の前には数人並んでいました。聞いたらまだダイジョウブとのこと、並んでいたら数分で入れました。
カウンターに座って『筏重』とビールを注文して、大将と今流行の坂本竜馬や西郷隆盛なんかの話をしていて(この大将、ホント博学なんですよね~)気が付いたんですけど、この日はテレビの取材が入っていた。
仕事している大将の姿をカメラで撮っている。同時にビール飲んだり鰻食べたり大将と話しているワタシや相方の姿も撮っている。
「うっとーしーな」と思いながら、デモ文句言ったら大将に悪いと思って無視してたんですけど、店を出たらそのスタッフの1人が追いかけてきて、「テレビ東京と申しますが、あなた方の絵を放送で使ってもいいですか?」ときた。
これにはアタマにきましたね。
「だったら何で撮る前にことわらない?無断で撮影されていい気分すると思うか?誰だってメシ喰ってる姿撮られていい気持ちなんてするワケないだろうが。俺は芸能人でもないし、そんなのうっとーしーだけだ。だからゼッタイ使うなよ」といいました。
浅草のお店で、今まで何度かこういうコトがありましたが、礼儀正しいマスコミの人っていなかったな~。
普通ひとにカメラやマイク向ける時って、事前に許可を得るのが常識ってモンでしょう?
イッペンだって、そんなタメシありません。
いい年した大人なのに、職業柄礼儀は邪魔なだけなんですかねぇ。
せっかくの旨い鰻が、なんか後味悪い思いになっちゃいました。
(って、仕事サボって昼間っからビール飲んでるアナタに言えた義理じゃないよって、相方の一言。
イツモ一番正しいのは相方なんですよね。)
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「ウチの鰻、うめーだろっ」
「美味いっスね」
「普通ならもっと取るトコロをこんな安い値段で出してやってるんだっ」
「安いっスね」
「ベッピンなおネーチャン連れて喰いにきやがってっ」
「ベッピンっすかね」
「俺が死んだらこんなうめ~鰻喰えねーぞっ」
「死ぬんスかね」
「俺、独りモンなんだよっ」
「独りなんスかね」
「くっちゃべってねーで鰻喰えっ」
「は~い」
てな具合の会話が毎度繰り返されますが、鰻重は間違いなく絶品です。
以前は、鰻といえば蒸さずに焼き上げる「関西風」が好きでしたが、40も過ぎるとココのようにいったん蒸してから炭火で仕上げる「関東風」の軽い鰻の方が具合が良くなりました。
ふっくら柔らか、とてもジューシーだけど全然しつこくない。
甘辛のタレもとても絶妙。近所の同じく名店「初小川」が硬派の辛めのタレなのに比べ、ココのタレは万人に好かれるチョット甘めといったところでしょうか。
「初小川」が予約で一杯になると受付なくなってしまうのに比べ、ココはちょと待てば入れるのもいい。
浅草で1,2を争う鰻の名店です。
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4月19日の再訪で評価を改めました。(モチロン上方修正)
社の若い連中を連れて行ったら、大将が彼らにこんな話をしてくれました。
(自己紹介の欄にも書きました)
「ウチは日曜、祝日は休みなんだよ。浅草はその日が人出がイチバンあるっていうのにだ。でも、その日はウナギの仕入先が休みなんだ。取り置けばいいじゃねーかと思うだろ?でも、ダメなんだ。取り置くとここじゃあ水道水で活かしとかなきゃならねえんだが、そうするとどうしてもウナギがカルキ臭くなる。他にもいろんな方法試したけど、やっぱりダメなんだ。違いがわかる客なんて殆どいねーかも知れねーが、1円以上の金を頂戴する以上、納得できない仕事は出来ねえんだよ。」
この、「1円以上の金を頂戴する」ってところにシビれましたね。まさしく商売の基本、職人の心意気溢れる言葉です。
社会人としてまだ経験の浅い彼らにとって、とっても良い勉強になりました。
作るもの、売るものは違っても、商売としていつも心がけておかねばならない「信条」を、この大将は教えてくれました。
実際にトンデモナク旨いウナギを食べさせられた後ですから、彼らは感動しきり、「ありがとうございました」の連発でした。
ワタシとしては、部下にメシを奢った甲斐があった、もうモトが取れました。
大将、有り難うございました。
6位
1回
2016/04訪問 2016/04/10
【浅草】観音堂裏にある静かで美味しくて、とても居心地の良いお鮨の老舗です。
いつもの栄寿司、金曜の夜に相方と訪問。
前回訪問からちょっと間が開いちゃったからなんだか照れくさくて、行く前にこの近くのお気に入りの洋菓子店ベルノートに寄って、大女将や若女将の為にシュークリームのお土産をさげて行った。
いつものように温かく迎えてくれる大将や大女将や若女将、自分の家に帰った時のようなホッとしたカンジ、やっぱし行きつけの店って良いね〜。
酒が本醸造から『七賢』の純米酒に変わっていた。
スッキリしていてとっても良い酒だ。
相方が大好きな『ダイヤレモンサイダー』の瓶も透明なものからグリーンのものに変わっていた。
久しぶりに来るとちょっとした変化があるもんだね。
『たたみいわし』や『蛍烏賊』のお通しの後に貰った肴は『サザエのつぼ焼き』、『青柳の炙り』、『春子鯛と平目の昆布締めのお造り』、『鯵のたたき』、『蛤の煮汁のお椀』。
水槽の中にデッカいサザエがいたのでつぼ焼きにしてもらった。まだ春なのに大きなサイズのサザエはとっても美味しかった。
この店のスペシャリティーの青柳の炙りは相変わらずの美味さ、「お椀は何か出来る?」と聞いたら「蛤を仕込んだ時に取った出汁がありますから、それをお吸い物で出しましょう」と大将、美味かったな〜。
酒をふた瓶開けたところで貰った握りは『車海老、赤貝、赤貝の紐、煮蛤、穴子、栄巻き』
やっぱしこの店の穴子は天下一品だ。
都内の高級有名店の穴子に一歩も引けを取っていない。
殻から剥きたての赤貝の鮮烈な香り、とっても清々しい。
春の鮨屋もまた良いね。
冬の鮨屋では脂を楽しむが、春の鮨屋では香りを楽しむ。
桜も散って青葉の季節を迎えようとする浅草観音堂裏の静かな夜の鮨屋酒でした。
(2015,3月)
いつもの栄寿司、相方と訪問。
この店はご近所寿司として僕が最も頻繁に利用する気楽な店だが、そう言えば去年のGWからダイエットを始めて以来の久しぶりの訪問となった。ダイエッターにとって鮨は「炭水化物爆弾」、好きなだけに遠ざけていたが理想の体重になり「減量」から「維持」の段階に入った今は、また以前のようにフラっと来れるようになった。
冷酒をもらって先ずは肴からだ。
この時季食べたいのが『細魚』、昆布締めと炙りでもらった。
春の味だね〜。とても旨い。
『青柳の炙り』、やっぱし旨い。
握りで目を見張ったのが「赤貝』、その都度貝を開くところから始める赤貝、身と紐を別々で握ってくれた。
ものすごく鮮烈、この上なく爽やかな香りの旨い旨い赤貝だった。
『こはだ』はこの時期にしてはかなり珍しく小ぶりの物が入っていた。
まるで新子のようなサイズ、2枚付けで握ってくれた。
そして『穴子』、コレコレ、これなんだよな〜。
この店に来て穴子食べなきゃ来た甲斐がない。
ちょっとでも気を抜けば崩れてしまいそうなほどフワフワで脂の乗った穴子、旨かった。
そして最後に僕のお吸い物のリクエストに大将が応えて出してくれたのが、この店とっておきのお吸い物の『はま吸い』だった。
はま吸いと言ってもお椀の中にはまぐりの姿はない。
具は豆腐と葱だけだ。
しかし、出汁はまさにはまぐりそのものだった。
煮はまぐりを仕込んだ際の茹で汁を取っておいてお吸い物として出してくれた。
大将、大女将、若女将、皆で楽しく会話しながらほんのりとした春の夜を過ごさせてもらった。
とても気楽なご近所鮨屋、やっぱしいいね。
(2013,12月)
いつもの栄寿司、相方と訪問です。
最近2人ともとても忙しくてお互いゆっくり食事する機会が全く無かった上に、東北巡業が続いて好きな鮨も全然食えていなかった昨今、鮨禁断症状が出始めで「今日は良い白身が入ってるの〜?」と寝言で言っているのを聞いた相方が「コレはヤバい!」と思い連れて来てくれました。
世間ではクリスマスイブのこの日、しかしキリスト教徒でもキリストを神と崇めているワケでも無いワタシ達には全くカンケーの無いハナシ。お気に入りの鮨屋で忙しかった1年を振り返り2人でしみじみする事が何よりありがたい。
クリスマスって、キリスト教徒が主の誕生日を祝い祈りを捧げる日の筈であって、信者でもない者がはしゃいだりカップルがイチャついたりする日では無い。外国人から見ると、クリスマスに日本人がケンタッキーフライドチキンに押し寄せる事が不思議でならないそうです。「何でファーストフード?」、その通りですな。全く日本のクリスマスってバカバカしさのオンパレードです。無視無視。
そんなワケで久しぶりのお気に入りの鮨屋で熱燗と肴と握りを存分に楽しみました。
今年1年で一番利用した鮨屋です。大将、女将さん、若女将さん、お世話になりました。
来年も旨い鮨と楽しい時間を宜しくお願い致します。
(2013,11月)
いつもの栄寿司、この日は相方と訪問です。
熱燗が旨い季節になりましたね〜。カウンターに座るなり「熱燗ちょ〜だい」がお決まりの季節がやって来ました。
多くの人が「とりあえずビール」から始めますが、ワタシはそーゆーのを止めました。ある種の習慣なのでしょうが、そうやってビール飲んでも旨くない。ゴルフ帰りや銭湯帰りなら良いのですが、「酒に移る前の準備」的な意味でビール飲んでも、特に鮨屋のお通しや肴には合わないしムダにハラを膨らませるだけですからね〜。
熱燗(と言うかヌル燗)をチビチビやりながら頼んだ肴は、もはやこの店に来たら外せない『青柳の炙り』と『カワハギ』です。
このカワハギ、兎に角肝が巨大です。身よりも肝が余るほど肝がデカい。旨いですよ〜、濃厚だけどしつこくない肝、トロけます。
握りはお好みで。大将が「何から握りましょう?」と言うので「じゃあバナメイエビから〜」と言う時節柄恐らく多くの人が言うであろうギャグをかましてから『こはだ、締め鯖、まぐろ中とろ、まぐろ大とろ、平目縁側、穴子』辺りを頂きました。
この時期のまぐろはタマりませんね〜。ねっとり濃厚、甘くて酸っぱくてキメ細かくて、旨いです。
そして大将が「今日の穴子はベラポーに良いですよ〜。」と胸を張る穴子、絶品でした。
「ベラポー」と言う言葉も久しぶりに聞きましたが、これだけ旨い穴子も久しぶりです。
「栄寿司で1番旨いネタは?」と聞かれたら、ワタシは迷わす「穴子!」って即答します。
大将が築地の穴子仙人から仕入れる穴子はいつも良いですが、この日の穴子は中でも最高でした。
フワッフワのトロットロ、口に運ぶ間に崩れてしまいそうです。
旨味も脂の乗りもサイコーな穴子、大将に感謝感謝です。
店内に飾られていたざくろとむべ、秋深しですね〜。
女将さんが「どうぞお持ち帰り下さい〜。」と言ってくれますが、どうやって食べたら良いかわからなかったので遠慮しました。
(2013,7月)
いつもの栄寿司、観音堂裏の行きつけです。
そして、いつも安定して旨い鮨を食べさせてくれるこの店ですが、タマにミラクルもおこしてくれます。
そして、この日のミラクルにも驚かされました。
そのミラクルとは『小柴の蝦蛄』のお出ましでした。
江戸前鮨を代表するネタのシャコ、東京湾の蝦蛄の中でも特に小柴産は1番のブランドですが、乱獲に次ぐ乱獲により数が激減、ほとんど獲れなくなっちゃいました。危機感を募らせた漁協は数年に渡り禁漁にしたらしいです。数年間禁漁した後に再開したけどそれでもやはりあまり獲れない。さらに数年禁漁にして、この度少量ではありますが市場に出たのだそうです。
銀座の高級店ならいざ知らず、このネタを引ける辺りにこの店の実力のほどが伺えますね。
店に入るや否や大将が「今日は最高のシャコがありますよ〜。」と嬉しそうに言いました。
良いネタを握れるって職人冥利に尽きるのでしょうね〜。
さっそく、子持ちと子持ちでない物の両方を握ってもらいました。
イヤ〜、旨かった〜。
型はやや小降りですが、身がとても柔らかくて極上の香りと甘みです。
こーゆーネタに思いがけずに出会うと、鮨好きとしてはたまらなくシアワセです。
その他、「穴子仙人」から仕入れる極上の穴子、絶品の鯵、絶品のまぐろ中とろとヅケなど、いろいろ握って貰いました。
そろそろ出始めたシンコは、なんとまだキロ3万円だそうです。味的にはタイシテ旨いモンじゃないシンコをそれだけの値段を出して仕入れるのは、それこそ銀座だけでいいでしょう。なのでもう少し待つコトにしましょう。
お吸い物は平目のアラに加えて、平目のキモと卵も入ってました。コレも旨かった。小さなミラクルですな。
イヤイヤ、今日も満足満足です。
(2013,4月 再投稿)
今日は仕事が早く終わったので相方と何か旨いモンでも食べに行こうと思ったケド、あいにく相方は遅くなりそう。
友人や仕事仲間数人に電話したけどみんな忙しそう。
「ヒマなの俺だけ〜?」ってカンジで、ちょっと淋しくお一人様ご飯です。
となると気心知れたこの店ですな。
冷酒をヤリながら『小柱のみぞれ和え、自家製鯵の干物、平目と細魚の昆布締め』辺りを出して貰いました。
旬の細魚は旨いですね〜。生で食べても旨いケド、昆布締めにすると細魚の甘みが引き立ってかなりGOOD!、酒に合います。
大将や女将さんと『男の遊び』について深く語り合いながら、一人酒を楽しみました。
浅草花街の老舗のお鮨屋さんなので、数々の豪傑な人達のエピソードを限りなくお持ちなお二人、とても楽しいし勉強になります。
握りはお好みで『こはだ、鯖、かつを、春子鯛、まぐろ赤身、まぐろ中とろ、穴子』です。
やはりどれも旨かったのですが、まぐろが特に良かったですね〜。春のまぐろらしく極上の香り、赤身はキリっとした漬け、中とろはかなり深い霜降りでした。脂の甘さにウットリです。
しかし、この日のNo,1は穴子でした。
この店の穴子は何時も旨いのですが、この日の穴子は最高でした。築地の「穴子の仙人」と呼ばれる人から入れているとの事でしたが、脂のノリ具合がサイコーで、油断すると口に運ぶ途中で崩れちゃいそうになるくらいフルフルです。口に入れるとサワークリームのように「アッ」っと言う間に溶けちゃいました。この日食べた穴子は、恐らく人生最高の穴子でした。
そろそろ帰ろうかと思っていたところに相方から電話が入りました。「やっと終わったよ〜。今何処〜?え〜、栄寿司ぃ〜?いいな〜、私ご飯まだだからオミヤお願い〜。」と言うので一人前を包んで貰いました。
家に帰って相方から少し貰った『栄巻き』、やっぱし旨かった。
大将、女将さん、何時もありがとう御座います。
(2013,4月 再投稿)
いつもの栄寿司です。
この時期の天気ってわからないですよね〜。「暖かそう」と思って朝出かけると、夕方から急に冷え込んだりして。
この日も出先から浅草に戻ったらとても寒かった。急に熱燗が恋しくなってこの店に一直線です。
何時ものように優しく迎えてくれる大将と女将さん、「ホっ」っとしますな〜。
程なく相方も合流して春の夜の静かなお酒を楽しみました。
出してくれた肴はお通しの『白烏賊の沖漬け、畳イワシ』、『青柳の炙り、江戸前の真蛸、平目のアラ汁』です。
派手さは無いけど旨くて品がある、それがこの店の料理の良いところです。
烏賊の沖漬けもそんなに辛く無くてしみじみとした味わい、酒が進みます。
タコの刺身は1切れづつ違った味で楽しませてくれる辺りはニクいですな〜。
握りは『平目2種(生と昆布〆)、春子鯛、鯵、〆鯖、小肌、赤身漬け、穴子』です。
どれも旨かったのですが、この日のNo,1は何と言っても穴子です。
肉厚でフワフワで脂の乗りも申し分無い、まさかこの時期にこんな旨い穴子が食べれるなんてビックリです。
「コリャ旨い穴子だね〜」って大将に言ったら、「そうなんですよ。私も開いてみて驚きました。」って言ってました。
あんまし旨いんでおかわりしました。この店の穴子はワリとしっかり目に炙ります。だからこれだけ脂が乗った穴子は握ると物凄く熱くて職人さん泣かせなのは承知の上なのですが、それでもどうしてもおかわりせずにはいられません。
それどころか、この日初めてこの店に来たという2人連れのお客さんにも、「今日は絶対穴子を食べて下さい。今日の穴子は食べなきゃソンですよ〜」って勧めちゃいました。ゴメンね、大将。
気候の変化は鮨屋泣かせですね。
1番ダメな時期のハズの穴子がこんなに旨い代わりに、今年は旨いかつをがありません。
この店の大将も「今年はまだダメなんですよ〜」と言っていましたし、先日行ったすきやばし 次郎の二郎さんも「かつをは獲れているし市場にもありますが、ウチで使えるかつをはありません。アレらはただかつをってだけの代物です。」と言ってました。
かつをはワタシの大好物です。早く旨いかつをが食べたいなぁ〜、、、。
(2012,12月 再投稿)
今年の鮨の食べおさめとして、何処にしようかいろいろ考えましたがやっぱしご近所の行きつけのこの店に相方と行きました。
この店の営業も今日(29日)まで、今年一年いつでも旨い鮨を食べさせてくれた感謝も込めて沢山食べなくちゃなりません。
冬は貝も旨いですね。この店のスペシャリティーの『青柳の炙り」も肉厚でフワっとして甘い極上の味わいです。
同じく『平貝の磯部焼き』、下手に遠慮せずかなり醤油っ辛いタレに江戸前の粋を感じます。
『雲丹の貝焼き』、コレは実は今年始めてです。熱を入れた雲丹ってあんまし好きでは無いのですが、なんと言っても今年の鮨の食べおさめですからいっとけってなモンです。
『活車海老』は『塩焼き』で貰いました。小ぶりなサイズですが甘くて旨いです。殻ごとバリバリですな。
そしてこの店で大好きなメニューの一つの『平目のアラ汁』です。アラ汁なんてネーミングですが、とても上品で平目の旨味がシッカリ出たお吸い物です。
そして「今日の逸品No.1」は『金柑』です。女将さんが「お口直しにドーゾ」と言って出してくれました。コレ、そのまま丸ごとカジるんですな。とても爽やかな香りと仄かな甘みがまさに口直しにピッタシです。
握りは『赤貝、赤貝ヒモ、〆鯖、まぐろ赤身づけ、まぐろ中とろ、鯵、いくら醤油漬け、穴子』です。
いっぱい食べると言っておきながら相変わらずタイシテ食べられません。お酒も結構飲んでいましたからコレでハラいっぱいになっちゃいました。情けな〜い。
まあ、でもこれで満足です。鮨の食べおさめは無事終了ですな。
また来年も旨い鮨を沢山食べるぞ〜っ!
(2012,11月 再投稿)
毎度お馴染みの栄寿司、何時ものように相方とフラっと寄りました。
大将が「今日はいい鯵がありますよ〜。時期ハズレですがとても旨いです。」と言いました。
ソレを刺身でもらいましたが、確かに旨かった〜。真夏の鯵に負けてませんな。
熱燗のアテに最高です。
握りもいろいろもらいましたが特に旨かったのが『しめ鯖』と『本まぐろ カマの炙り』です。
冬に脂が乗る魚の濃厚な旨みはタマリマセンね〜。良いネタが良い仕事を施されて極上な味わいに昇華する、江戸前鮨の醍醐味ですな〜。
旨いツマミや握りで熱燗をやりながら大将や女将さんと他愛も無い会話をしていましたが、その中で浅草六区の古い映画館が取り壊されて、全国チェーンの大手パチンコ店が入るレジャービルが出来る事を知りました。
映画館通りと言われるあの一帯、確かに今の時代には絶対ムリだと思われる古臭い映画館が並んでいますが、壊されるとなると淋しいですな。
何よりザンネンなのが、後に入るのが日本全国何処でも見掛けるチェーン店だという事です。
飲食店も、古くからやっている個人経営の店が無くなって、全国チェーンの店が増えてくる、浅草らしさがドンドン無くなってきています。
まあ、土地価格の高騰による家賃や固定資産税や相続税の関係など止むを得ない事情もあるのでしょうが、他所からおいでになる観光客の方も、何も浅草に来てまで何処にでもあるようなチェーン店なんか観たく無いでしょうに。
組合や町内会にはゼヒ頑張って浅草らしさを残す努力をして欲しい、そう思います。
この店がある観音堂裏はまだ浅草らしさが色濃く残った場所です。
浅草花柳界の雰囲気はまだ壊れていません。
とても「ホッ」とするエリアなので、ゼヒみなさんも機会があったらお出掛け下さいね〜。
(2012、9月 再投稿です)
地元で行きつけのお鮨屋さん、相方とちょっと遅い夕食に行きました。
この日のチョイスした肴は『かわはぎ造り』と『戻りがつお刺身』です。
どちらも最高の味わいでした。
『かわはぎ造り』
輝くような白身とタップリの肝、まずは肝を白身で包んでモミジおろしポン酢で食べます。濃厚な肝と白身の甘み、最強ですな~。
しかし、ワサビ醤油に肝を溶いて、ソレをソースのようにして白身にタップリつける大将オススメの食べ方もかなり旨い。日本酒との相性はコッチの方がいいかな。「旨い旨い」と、2人でアっと言う間に食べちゃいました。
『戻りがつお刺身』
これから旬に向かう戻りガツオ、どんどん旨くなる魚ですね。
カツオ好きには「初がつお好き」と「戻りがつお好き」とがいますが、ワタシは圧倒的に「戻りがつお」派です。
この店では、かつおの「赤身、中とろ、大とろ」と、それぞれ3つの部位が楽しめます。
戻りがつおの身上ははネットリ濃厚な赤身と軽くてタップリ乗った脂、これを別々に楽しめるのはいいですよ~。
タレは「生姜ですか?ニンニクにしますか?」と大将に聞かれますが、ワタシスペシャルはそのミックスです。ネギと生姜とニンニクを細かく刻んでタレに入れてくれますが、コレが最高です。初がつおには生姜だけがいいのですが、戻りがつおにはニンニクもマゼた方が好きですな。ゼヒお試しクダサイ。
握りもいろいろ食べましたが、この日特筆すべきは『小肌』です。
新子の季節が終り、やっと旨い小肌の季節が来ましたな~。
この日は、今日仕込んだ小肌と3日前に仕込んだ小肌の両方がありました。
当然食べ比べです。
どちらもそれぞれ旨いです。キリっと爽やかな仕込みたての小肌も旨いのですが、ワタシ的にはすっかり熟れた3日前の方が好きかな~。
大将と女将さんの連携もバッチリ、静かで落ち着けて何より旨い、ホントーによい店です。
秋の夜の酒をしみじみ相方と楽しみました。
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(2012、7月 再投稿です)
ワタシが浅草で行きつけのお鮨屋さん、今日も相方と夕食に伺いました。
この日のお通しは『山芋短冊 練り梅』と『煮とこぶし』、このとこぶしがなんとも旨かった。
柔らかく磯の風味タップリで肝もいいカンジの渋さです。
「やっぱし夏は貝だね~」と舌鼓を打ちながら横の水槽に目をやると、そこにはなんとも旨そうなアイツらを発見。
いつもは活きのいい才巻が入っている水槽に、この日はなんともカタチのいい『さざえ』と『鮑』が元気に動いていました。
まずはさざえ、最初は『壺焼き』でお願いしたのですが、大将が中身を引っ張り出すと、「アレレ、コレ白ですよ」と言う。
どうやら「白」とはさざえの雄の事のようで、本来深い緑色の肝の部分が真っ白のヤツのことです。
「だいたい5~6杯に1個の割合でいるんですが、こんなに白いのは久しぶりだなぁ。せっかくだから壺焼きは身の部分だけにして、白の部分はサっと湯引きしてポン酢で行きましょうか?」と大将が言います。
さざえの白子は初めてですが、コレがとっても旨かったです。濃厚なんだけど爽やか、まさに旬ならではの味わいですな。
『鮑』も旬まっさかりの味わいでした。
半分をお造りに、半分をバター焼きにしてもらいましたが、どちらも旨かった。
鮨屋で鮑といえば、ワタシはやっぱし「蒸し鮑」「酒煮」が好きなのですが、タマにはこーゆーのもいいですな。新鮮なお造り、スイカのような爽やかな香りと、決して硬いワケではないのですが「コリコリ」っとした食感が楽しいです。
バター焼きもいいですな。鮑は少しでも火を通し過ぎるとスグに硬くなっちゃいますが、コレも絶妙な具合でした。
握りは『新子、中とろ、白烏賊、穴子、車海老、蛸』をもらいました。
今年は新子が異常に高値、スタート時にはキロ10万円の値を付けた新子ですが、今ではダイブ落ち着いたようで、今月上旬に食べた新子より型も大きくなって味も乗ってきました。新子としては今の時期が一番いいかも知れません。
握る直前に水槽から取り出して茹でられる車海老、とっても甘くって「大将、これオボロとか忍ばせてないよね?」と、思わず再確認しちゃいました。ホントに旨い車海老です。
今が旬の白烏賊は塩と酢橘です。墨烏賊のパキっとした食感が好きなワタシですが、白烏賊の爽やかなネットリ感もいいですね。
この時期は日本海の中とろですが、相変わらずしっかり熟成させた旨い中とろです。
穴子は、炙る必要無い穴子を、それでも大将が炙って、アツアツを必死に握ってくれました。今が旬の穴子、脂が乗っているので熱いでしょうな~。その甲斐あってこの店の穴子もこの店を代表する逸品です。
いつ来ても冴えた鮨です。
鮨と言うのは鮨好きの中でもいろいろ好みが分かれますが、ワタシはこーゆーのが大好きです。
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少し肌さむいこの日、まずは『焼酎お湯割り、梅入り』です。シソまで入っていて雅ですな~。
相方はこの店の大将が子供の頃から慣れ親しんだというナゾの『ダイヤレモンサイダー』、サッパリしたサイダーで旨いです。
美味しいお造り、相変わらず冴えた握り、やはりこの店はホントーに素晴らしい。心から寛げる地元の大切な名店です。
半世紀以上に渡り浅草を見続けてきた女将さんの話も楽しい。特に場所柄浅草花柳界に詳しくて、そんなハナシを聞きながら一杯ヤルのも楽しいですよ~。
(2011、10月 再投稿です)
連休に韓国に行って暴飲暴食暴遊びをしてきたので、胃腸の具合がグッタリなワタシ。
本場の韓国料理はどれも旨いのですが、いろんな料理に使われているニンニクが日本のソレよりもゼンゼン強烈なので食べ続けると胃腸がヤラれます。
なのでリセットするために行きつけの鮨屋に行きました。
お目当てはこの店のスペシャリティー『平目の吸い物』、平目のアラがタップリ使われた吸い物は弱った胃に浸み渡ります。
しかし、この日出された『戻りカツオのお造り』はとんでもなく旨かった。
脂がタップリのった戻りカツオ、カツオの脂ってゼンゼンしつこくないのでホント旨いです。
で、こーなると薬味に「にんにく」は必須です。
大将が「じゃあニンニクやめてショウガだけにしときましょうか~?」と言ってくれたのですが、初カツオならともかくこの戻りカツオにニンニク無しなんて有り得ない。ショウガとニンニクを混ぜたこのタレはバツグンに旨い。なので元のモクアミ覚悟の上で「モチロン、ニンニクミックスね~」と言いました。
アっと言う間にカツオを食べちゃって、でもこのタレでもっと食べたかったので『アジのお造り』ももらってタレで食べました。
どうやら韓国で発症した「ニンニクシンドローム」はしばらく続きそうです。
この他、『いくらの醤油漬け』、この店のスペシャリティー『青柳の炙り』、で、結局日本酒を飲んじゃいました。
握りは軽めに『中とろ、平目昆布〆、穴子』、で、やはり外せない『栄巻き』で終了です。
相変わらず冴えた鮨です。
いくら海外で旨いモンを喰って来ても、やはり鮨がイチバンです。
日本にはこんなに旨いモンがある。日本人として誇れるコトですな~。
(韓国旅行の感想を日記に書いたので、ものスゴーク暇だったら見てみてクダサイ)
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(2011、6月 再投稿です)
ココの鮨はホントーに旨い。
目立たない店だけど確実で秀逸です。
そして静かでなんとも居心地がいい、ダンナ衆や芸者衆に支持されている理由がよく判ります。
今日はこの近くの歴史ある銭湯「曙湯」で夕方の風呂を楽しんで、その足でココに向かいました。
古くて趣ある「曙湯」、久しぶりに行ってみたら改装されてました。
キレイになったのはいいんだケド、以前の鄙びた雰囲気も好きだったな~。
店に入るといつものように優しい女将さんとその息子さんである大将が笑顔で迎えてくれます。
ビールで風呂上がりの渇いたノドを潤して、その後冷酒。
ツマミはまず、『胡瓜、エシャロット、金山時味噌』と『たたみいわしの炙り』です。
この『金山時味噌』がまた旨い。そんじょそこいらの「もろ味噌」とはワケが違います。
『お造り』は『赤貝、とり貝、白烏賊、〆春子鯛』です。
そしてこの店の逸品『青柳の炙り』、塩が軽く振られていて、これにスダチをちょっと絞って食べます。
青柳の旨みと甘みが口いっぱいに広がります。
よく冷えた冷酒にぴったり、最高の味わいです。
『平目のあら汁』という名前ですが、かつお節でキチっと出汁を引いた極上のお吸い物です。よく鮨屋で味噌汁を出されますが、アレはマッタク良くない。鮨に味噌汁は合わない。デモ、こーゆーちゃんとしたお吸い物を出す鮨屋は関東では少ない。そしてこの店自慢の平目です。
ツマミから握りに変わる時にこのお吸い物はピッタシです。
握りは順番はよく覚えてませんが『とろ、赤身漬け、小肌、真鯵、車海老、平目、穴子、雲丹、いくら、栄巻き』でした。
特筆すべきは、まずは『とろ』
しっかり熟成された本マグロです。ネットリした食感で甘くて香りもいい。この時期銀座の高級鮨店でもこれだけのとろはなかなか食べられない。そして、良いとろはシャリと一緒になって旨さが何倍にもなる。まさに職人さんの目利き、努力の賜物です。
普通、鮨屋では白身は夏は鰈になりますが、ここは通年『平目』です。この平目の握りには紫蘇が忍んでます。この紫蘇が平目の儚い旨みを広げるようで、夏でも旨い平目の握りです。
『車海老』は、店内の水槽で活けてあるものを取り出してその場で茹でます。なんとも色鮮やかなで、このサイズの車にしては旨み、甘みがとても強い。鮨屋の海老は色ばかりで味はイマイチという場合が多いですが、活きのいい海老の茹でたてで握る鮨は別物の旨さです。
『穴子』は炙ったものです。炙らなくても十分に柔らかい穴子をあえて炙って、甘からず辛からずの丁度いい塩梅のツメが塗られます。
『栄巻き』は、いわゆる「とろたく巻き」です。デモ、最高の状態のとろを巻くのですからコレも別物です。もう50年このスタイルで出している年季の入ったスペシャリティーです。
この店、知る人ぞ知る名店です。
できればあんまし有名になって欲しくない。
銭湯帰りにフラっと行って旨い鮨を喰える店、ワタシにとっての宝物のようなお店です。
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(2010、4月投稿分)
ココは雷5656会館のちょうど裏手にある地味な佇まいのお鮨屋さん。
このあたりは、鮨店の激戦区です。有名店、高級店、大衆店とさまざまありますが、握りの旨さで言えばこの「栄寿司」はトップクラスの名店です。
まだ若い大将を実の母親である大女将がサポートします。実の母子だけど店内ではお互い敬語で言葉を交わしているのがとても良いカンジです。
ツマミは「烏賊の醤油漬け」「山葵の葉の醤油漬け」という2種類のお通しの他に、「雲丹の煮きり焼き」と取りました。甘くて香ばしくてとっても美味しい一品です。
握りは「春子鯛」「平目の昆布締め」「穴子」「車海老」「赤貝」「トロ」「赤みのヅケ」、で最後に「かんぴょう巻き」で締めました。
全てが特筆に値しますが、特に「平目」。この時期「真子鰈」に移行する店が多いですが、昆布締めならやはり「平目」でしょう。この店は握る時にほんの少し細かく刻んだ「紫蘇」を忍ばせる。コレがなんともいいアクセントになってます。
次に「車海老」。コレはカウンター横の水槽から活きた海老を取り出してその都度茹でるので、甘み、香りとも最高です。
次に「赤貝」。コレも注文の度に貝を開くところから始めます。とにかく鮮烈で上品な香りが最高です。
浅草の老舗というと、多くの方が「ブッキラボウ」「ガサツ」「古臭くてゴチャゴチャした店」なんてイメージを持たれているようですが、実際そういうイメージに甘えて為すべき努力を怠っている老舗も沢山ありますが、本当の浅草の老舗とは、この店のように、「見かけは地味で古臭くても、掃除は行き届いているし、接客は大袈裟ではないけど誠意が溢れてる。常連だろうが一見だろうが区別することなく、訪れた人みんなに浅草のことを好きになってもらいたい」という店のことを言います。
そして料理は歴史に裏打ちされた良いものをドンドン出す。
こういう店がいつまでも残って欲しい、心からそう思います。
7位
1回
2012/11訪問 2012/11/20
この店は虎ノ門のアメリカ大使館向いにあるビルの1階にあります。
ただ、このビルはいわゆる「競輪ビル」、あまり一般人が来る場所では無いので、ビルの入口自体ヒジョーに解り難いです。ビルの外にこの店の存在を示す看板等は何処にも無いのでこの店に用が無い人はこのビルの前を何度通り過ぎてもこの店の存在は知り得ないでしょうな〜。
カウンターだけ7人でいっぱいの小さな店です。聞けは店全体で5坪だそうで、ワタシが知る限り高級鮨店の中でも最も小さな店です。
なので予約状況も凄まじく、この日同席した他のお客さんが次回の予約を入れてましたが「次は2月はもういっぱいなので3月になります。」なんて言われてました。
そんな先の都合やその日に鮨気分になるかどうかも解らないので1週間以上先の予約を取る事がニガテなワタシがなぜ来れたかと言うと、都内の人気鮨店を網羅している「アジア好き」様が誘ってくれたからです。有難いハナシですな〜。前回も、同じく予約が取れない人気鮨店の日本橋橘町 都寿司に連れて行ってくれたし、何時も有難うございます。
料理は全てオマカセでツマミから始まり握りが出されます。
ツマミは『生いくら、蛸柔煮、蒸鮑、蝦蛄、鱈白子、鰹、烏賊下足、あん肝、のどぐろ塩焼き』、握りは『平目、鰤、こはだ、まぐろ赤身、中とろ、大とろ、墨烏賊、車海老、鯵、赤貝、雲丹、穴子塩とつめ、いくら手巻き』、それとお土産の『ばらちらし』です。
全体的にとてもオーソドックスなツマミやネタです。手を加え過ぎる事なく素材の持つ旨みを最大限に引き出して味わってもらおうという大将の気合が伝わって来ます。
ここの鮨の特徴はシャリにあって、砂糖が使われていません。こーゆーシャリは好みが別れますな〜。
あくまでワタシ個人の好みの問題ですが、甘みの無いシャリは淡白な白身や貝には合うのですが、まぐろや鰤などの強いネタには些か物足りなさを感じます。
特にまぐろはシャリと一体となって旨さが何倍にも膨らむネタなので、コレには少しシャリに甘みが欲しいトコロだと思う反面、平目や車海老等はネタ本来の甘みがこのシャリだと引き立ちます。特に車海老の甘さにはビックリでした。
ただ、シャリが柔らかい。もう少し硬めでクッキリとしたシャリが好きなのでちょっと後半ダレてしまいますな。でも、シャリは少量づつ奥から運んで来るので最後まで人肌のまま味わえます。
全体の印象として「とても真面目な鮨」というカンジです。
ワタシの好みの鮨屋と比べると、すきやばし 次郎のような迫力、さわ田のような艶っぽさ、きよ田のような粋はありませんが、高級なネタを使った慎重で丁寧な鮨に徹しているという印象で、コレはコレでジャンルの一つとも言えますな。逆に個性的とも言えます。
コレはまだ大将が若いからでしょうかね〜、場所柄もあるでしょう。遊び人や粋人がフラっと来る場所では無いし、客層も何ヶ月も先の予約を取って味わう事のみを目的とした人が多いようなので仕方無いかな。ワタシのような人間にはこの店の鮨は些か固っ苦しく感じますが、デモ今後が楽しみなお店である事は間違いありません。
8位
1回
2012/10訪問 2015/11/11
ココは東日本橋にある人気のお鮨屋さんです。
なんでも数ヶ月先まで予約がいっぱいなんだそうです。
店側の都合に客であるコッチが支配されるのがイヤなので1週間以上先の予約が取れないワタシは、こーゆー人気店に行けるコトは無いだろうと思っていましたが、嬉しいコトに、親しくさせて頂いているレビュアーの『アジア好き』様が誘ってくれました。
同じ鮨好きですが、銀座や浅草の行きつけの店5~6軒をローテーションしているワタシと違って、彼は都内の人気店や有名店をいろいろ食べ歩いています。この店の大将ともスッカリ顔見知りです。マメさと行動力にはアタマが下がります。お陰様でこの店にも来るコトが出来ました。有り難い限りですなぁ〜。
この店の特徴は2つあります。
「ハイCP」である事と「大将の人柄」がとてつもなく良い事でしょう。
単純にツマミや握りの味だけを考えれば、そんな何ヶ月も先まで予約がいっぱいになるほど「とてつもなく旨いっ!」ってワケじゃない。何と言っても飲んで食べて@1.5万円の店なのでやはりネタ自体の種類や質は高級有名店よりも若干落ちます。旬の素材そのものが持つ力強い旨みを堪能したいという事については、やはりソレらの店には及びません。
しかし、ネタに工夫して手を掛けて旨くしようという熱意はとても伝わって来ます。
ツマミで出された『筋子』と『平貝』はなんと味噌漬けでした。西京味噌をメインに大将自らブレンドした味噌の風味がとてもいいカンジです。
『ミル貝下の炙り』、コレは初めて食べましたが、通常捨てられてしまうミル貝の本体の部分を炙ったものです。とても淡白で食べ易い味でしたが、コレが本来の味なのか手を掛けてそうしているのかは解りません。しかし酒に合います。
握りでは『真鯛』や『金目鯛』に工夫が見られました。厚めに切って熟成させて皮を湯霜にした真鯛、強めに炙って脂を全面に押し出した金目鯛(脂の味が強すぎてキンメ本来の味が消えてしまっているので、もう少し炙り抑え目の方が好みかな〜)、さらに春が旬だと思っていた『春子鯛』や『鰆』などもなかなかオツな味わいでした。
ただ、素材自体の味が大きくモノを言う『まぐろ中とろ』や『大車海老』は旨み、甘み、香り共に若干希薄でした。やはりこの辺りはコストの壁かな〜ってカンジですな。でも、『まぐろ赤身』はなかなか濃厚な味わいで、丁寧に熟成させた様子が伺えます。
『こはだ』はかなり強めな、しかし短時間な〆方のようで、こーゆーこはだは大好きです。
シャリもいいですね〜。少し大き目のクッキリしたシャリは個性的に仕上げられたこの店のネタにピッタシですな。人肌をキープするために少量ずつ小さなお櫃で運んで来る事もヌカりはありません。
酒の品揃えも大したモンで、『黒龍』『十四代』『磯自慢』『国権』といった大御所が揃ってます。ココの料理には好物の黒龍よりも静岡の名酒磯自慢が合うかな〜。
そして、何よりこの店でイチバン素晴らしいのが大将の人柄ですね。
丁寧で真摯で優しくて、常連も一見も関係なく客をもてなそうという姿勢は素晴らしい。
カウンターだけ10人も入ればいっぱいになってしまうキャパですが、ツケ場を大将一人で取り仕切っているのでコレが限界でしょうね。それぞれの客のペースを見極めながら滞りなく提供されるので居心地がとてもいいです。3時間くらいいましたが、そんなカンジは全然しないです。
それに比べてフロア係りのスタッフが、酒やお茶のお代わりの提供が若干遅くて少し気になりました。
ともあれ、やはりこの店はとても良い店で人気の理由も解ります。
安価なネタでも工夫と努力で旨い鮨に仕上げる、コレこそ江戸前鮨の真骨頂です。
浅草の鮨 橋口や根津の鮨 かじわらなど、高級店と大衆店の中間に位置するこーいった店も増えてきましたね。ココはまさしくそーいった店のトップを走る名店だと思いました。
お誘い下さった「アジア好き」様に心より御礼申し上げます。
9位
1回
2012/10訪問 2012/10/13
ココは東村山の駅から歩いて5分くらいの住宅地の中にある古民家風な佇まいのお蕎麦屋さんです。
店のすぐ前を流れる小川には小さな魚が沢山泳いでいたりして、池袋からほんの2~30分なのに、なんだかとってもカントリーなキブンですな。
今日はいつも拝読させて頂いているレビュアーの「オヤジギャク大好き」、、、じゃなかった「車大好き」カップル様にご招待頂いてやって来た次第です。
ココは彼の庭、この店は彼の離れのようなモンなので、全て彼にオマカセですな。そーいえば彼は志村けんに似てると言えなくもないし、、、。
この店の料理について詳しくは写真と彼のレビューをご覧下さい。彼と食事するとどーしても飲み過ぎちゃうので、料理の詳細は詳しく書けません。
しかし、出された料理がどれも素晴らしかった事はハッキリ覚えてます。
この店の料理はどれも一見「素朴」ですが、しかしその実はとても手間が掛かっているようです。
容姿や素材は和食ですが、技法の随所にフレンチっぽさが伺えます。
さらに、料理の一つ一つにインパクトがあります。アッサリした味なんだけど一口目にインパクトを与える工夫があるように思えました。
特に目を見張った料理は、名前は忘れちゃいましたが、『じゃがいものアンかけまんじゅう』でした。鴨のそぼろをとってもクリーミーなマッシュポテトで包んだ逸品、感動しました。
これほどポテトをクリーミーに仕上げるには、一体どれだけの時間をかけて捏ねたのか、そして優しくて豊かな味わい、素材の味を引き出す才に長けた職人、ちょっとした「ロブション」ワールドですな。
蕎麦もとても良く出来た田舎蕎麦です。
ちょっと意外だったのが『ツユ』で、コレはかなりの辛口でした。辛さで言えば地元浅草でよく行く並木藪蕎麦の上を行くんじゃないかな〜。塩味を強く感じたので、並木藪ほど返さないのかも知れません。かなり硬派なツユにガツンとやられましたが、この店に蕎麦だけ食べに来る人はあんましいないでしょうから、インパクトの強い料理に負けないこの強さで〆るのもいいカモ知れない。
ご主人から「また来てね〜」って言われてる気がしました。
お酒の品揃えも料理に負けず劣らず個性的でした。強い個性のお酒ばかりでしたが、確かにココの料理に淡麗な酒は合わない、しかもとっても綺麗で楽しくて心配り細やかな車さんの相方さんの手酌とくれば言うことナシですな。
サテサテ、ホントに楽しくて美味しい食事会でした。
御二方には心より御礼申し上げます。
お陰様で東村山をスッカリ気に入りました。iPadに東村山音頭を早速ダウンロードします。メアドも「じゃがいもまんじゅう」に変えようかな〜。
次回はゼヒ浅草でご恩返しさせて下さいね〜。
10位
1回
2016/06訪問 2016/06/30
『鮎と冬瓜のお椀』
今日の晩御飯は相方とお気に入りのこの店に。
前回の訪問からそう日が経ってないからメニューにそんなに変化がなかった。
僕は別に全然かまわなかったのだが、大将が気にして特別に変化をつけた料理を作ってくれた。
『鰯の和風マリネ』『鱧の子の玉子とじ』『鮎と冬瓜のお椀』『穴子2色』、それに『夏のお造り』を戴いた。
鰯の和風マリネ、一見「創作料理」的だが、この大将のウデにかかるとちゃんと美味しい和食になるから流石のヒトコト。
しっかりと引かれた上質な出汁が根底にあるから決して安っぽくならずに美味しいマリネだった。
この日仕入れた鱧は子持ちだったとかで、その内子で作ってくれた玉子とじ。
鱧の子は初めて食べたが珍しくて興味深かった。
しかし、この日の僕の1番のお気に入りは鮎のお椀。
鮎のお椀ってそういえば初めてだったが、これはとてつもなく美味しかった。
素揚げした鮎と冬瓜、あとは出汁だけなのだが、これがものすごく美味しかった。
鮎ってお椀の具にもなるんだね。
ワタもしっかり入っていてこの苦味がまた良い。
そして何より出汁が美味い事美味い事、師匠の道場六三郎譲りの命の出汁、これと鮎がバッチリ合って、これなら鱧のお椀の上を行ける。
改めて和食の凄さを思い知らされた一品だった。
鮎の頭と尾はお椀には見栄え的に合わないので予め落として別にそれだけを出してくれた。天婦羅屋の車海老のアタマのような出し方だったがこれもまたサクサクっと食べることが出来て美味しかった。
〆は『稲庭うどん』を温かいツユで作ってもらった。
稲庭うどん自体には興味が無かったが、ツユを大将が一から出汁を引いて作ると聞いて即決した。
この大将の引く出汁の凄さはもう十分分かっているので、それならば是非食べてみたくなったからだ。
そして、案の定美味い美味い稲庭うどんだった。
やっぱし和食は出汁だね~。
うどんなんて年に2~3回しか食わないけど、こんなうどんならしょっちゅう食いたいと思えた。
相変わらずキレキレの大将の料理、いやはや参りました。
(2016,5月)
今日の晩御飯はお気に入りのこの店に相方と。
大将や女将さんの頑張りに加えてメディアにも多く取り上げられたこともあり、最近は満席の事も多く、予約が嫌いでフラっと行くタチの僕は前回行ってから2度ほどフラれている。この日はなんとかカウンターに座ることができた。
人柄は良いしウデは良いし雰囲気は良いし値段も良心的なので人気が出るのは当然なんだけど、せっかくのご近所の名店なのでさびしくもあるね。
この日戴いた料理は『お通し』『鱧の湯引き』『季節のお造り(平政、鯛、鰈、夏フグ、烏賊)』『鱧とジュンサイのお椀』『うどと若芽の酢味噌』『大浅利の潮汁』『ミンククジラの皮と水菜の煮浸し』。
僕の大好物の鱧が帰って来たね~。
まだあまり大きくないがそれでも特有の仄かな風味はバッチリで今後さらに楽しみだ。
刺身も美味い。
夏に美味くなる魚をキチっと揃えてる。
予算無制限の高級料亭と違うから、誤魔化しの効かない刺身で満足させる大将の努力と技術の賜物だね。
ハリハリ鍋風と言って良いのかな?ミンククジラの皮の爽やかな脂と大将渾身の出汁の相性は最高だった。
鱧の椀、浅利の椀、そしてこの煮浸しと汁物が重なったが、夏の和食はそれでも良しだ。
イヤイヤ、いつものごとく美味かった。
飲んだ酒は『黒龍 純米大吟醸』『獺祭 純米大吟醸』、そして秘蔵の『新亀 べっぴん』。
この新亀は、新亀の大旦那が初孫の誕生に舞い上がって出した酒だそうで、真っ赤なラベルと金の文字にその舞い上がり具合が伺える。
大辛口と言っていたが、辛さよりも爽やかさが前面に出たすごく美味しい酒だった。
(2016、3月)
今日は相方と久し振りに高はしに行った。
相方の祖母の暮らす街を津波が呑み込んでからこの日で5年。
震災直後に行ってみたけど、かつての賑やかな港街の姿は無く、見渡す限りの瓦礫と静寂だけが広がっていた。
あの怖いくらいの静寂は、家族の安否を思い、僅かばかりの可能性にすがる家族の希望をもかき消した絶望のしるし。
東北の人達は皆明るく元気に暮らしているが、今だに静寂を怖がる相方と同様に皆が心に癒し得ぬ傷を負っている。
「絆」「日本は一つ」「東北を元気に」、震災直後にあちこちで聞かれたそんな欺瞞に満ちた安っぽい言葉はあの瓦礫と同じ。
皆が被災者の気持ちを分かったふりをして、そして皆が直ぐに忘れてしまった一時のブーム。
もう2度とあの街に行きたくないと相方は言う。
だから僕達は何時ものように何時もと変わらぬ生活を送りながらしみじみとこの店で酒を飲む事にした。
春の食材と春の酒が揃って出迎えてくれた。
季節限定の酒は『萩の露(純米吟醸)、佐州正宗(純米吟醸)、姿(純米吟醸)、秀鳳(純米大吟醸)』
グラスで一杯づつ全部飲んだ。
特に山形の秀鳳が美味しかったかな〜。
料理はアラカルトで『お通し(春の新筍と蛍烏賊)』『烏賊ワタのルイベ風』『塩辛』『新じゃが芋の唐揚げ』『お造り(まぐろ赤身と中とろ、烏賊、鮎魚女、桜鯛、みる貝)』、『真鯛と蕪のお椀』、『稚鮎の天ぷら』。
どれも美味かった。
ルイベは仕入れた烏賊のワタがあまりにも立派だったからメニューにはせずに自分用の酒の肴にしようと思って作ったものだそうだが、コレは最高に酒に合う美味いルイベだ。
じゃが芋の唐揚げは、唐揚げと言うより素揚げに近い。
出汁で炊いた新ジャガに薄く衣を付けて揚げたものだが、じゃが芋の新鮮な風味が何とも嬉しい味わい。
何時ものように包丁が冴えたお造りもどれも美味いが、やはり中では鮎魚女に軍配かな〜。
稚鮎の天ぷらも天ぷらと言うより素揚げに近い衣の薄さ。
儚い稚鮎の風味を活かすならコレが一番、琵琶湖産の半天然だそうだがとても美味しかった。
僕的にこの日の一番は鯛と蕪のお椀。
大将が引く道場六三郎譲りの出汁は何時も美味しくて僕は大好きだが、蕪は別に鶏皮を加えた出汁で炊いたそうだ。そうすると風味と柔らかさが増すそうで、なるほどコレはホントに美味しい美味しいお椀だった。
桜の花びらや百合根も桜の形にしてあって、凄く春を感じる一品だ。
最近は鮨屋や蕎麦屋でもちょっとした小料理を出す店が多いが、やはりしっかりと和食の店で料理修行、包丁修行した職人の和食は一味違うと改めて思った。
この大将、また一段と腕を上げた。
繁華街でもっと高い値段を取れればもっとランクの上の食材を仕入れる事が出来て、するとアッと言う間に有名店になれるだろう。
でも、湯島でもなく浅草でもなく向島でもない、稲荷町で、稲荷町の客の懐に合わせて腕を振るう大将の漢気は僕は大好き。
今後も稲荷町の名店として精進を積んで欲しい素敵な大将と、そんな大将を全面的に支える綺麗な女将さん。
5年前の事を語っても直ぐに笑顔に戻れる、愛が溢れた店とはまさにこの店の事を言うのではないかな。
(2014,12月)
世間でいうところのクリスマスの夜。
アンチ宗教派な僕と相方は久し振りにここでしっぽり飲んでいた。
前回この店に来たのは今年の春、ちょうどダイエットを始めたばかりの頃だ。
あの頃86kgあった体重も今では65kg、大将も女将さんも初めは僕だと判らなかったらしい。
久し振りに会った人のそーゆーリアクションが何より嬉しい。
ダイエットが成功してる証だから。
「ひょっとして不治の病ですか?」なんて言われたらキスしたくなってしまう。
今日は先日行った八ヶ岳の山行(高見石小屋)の反省会と次回の計画立案をここで飲み食いしながら相方と行った。
もう一人、八ヶ岳に一緒に行った友人は、八ヶ岳のどこかで携帯を失ったらしく、パニック状態だったので来れなかったのが残念だ。
何時ものようにコースではなくアラカルトでもらった。
『お造り盛合せ(まぐろ、平目、鰆炙り、烏賊)、すっぽん土瓶蒸し、広島産牡蠣の天ぷら、クエ小鍋仕立て、烏賊の塩辛』。
酒はみかんのツブツブが沢山入った酒をソーダで割った物でカンパイした後は拘りの冷酒を何種類か貰ったが銘柄は忘れてしまった。
しかし旨い。
また一段とウデを上げたようだ。
包丁が冴えた造り、鰆が入っているのが心憎い。和食の粋とは旬のものに加えて名残のものと季節を先取ったものを上手く取り入れるところにあると思う。もちろん、この日食べたのはコースではないのでそこまで望むのはエゴというものだが、それでもお造りに鰆を入れてくれた事に大将の和食の料理人としてのプライドを感じ取れて嬉しかった。旨みだけを見事に出したすっぽん、旬のクエも場所柄そう高級な物は出せないのだろうが十分に旨かった。
本当は大将が心血を注いだコースを食べてあげたいのだが、元来少食である上にダイエッターでもあるのでそれは無理、些か申し訳なく思う。
コースの最後の食事は『炊きたての銀シャリ』、新米が旨いこの時期はそのまま食べてもらいたいというなんとも彼らしいチョイスで、彼の事だからきっと旨い米を食わせてくれるのだろうが、そこを我慢するのがダイエッターの心意気、料理を食べて酒も飲んで、この上に炭水化物まで食べようだなんて贅沢にも程がある。
この店でコースを注文するのはまだもう少し先、今はグっと堪えて「また来るね~」だ。
(2014,5月)
ひさしぶりに相方と訪問。
この日のイチオシは『すっぽんの土瓶蒸し』でした。
コレ、かなり旨い!
すっぽんって店によって味付けが色々あって、醤油っ辛いのや生姜がキツいのやあるいは味付けが薄すぎて臭みを感じたり。特に下らないグルメ漫画でメジャーになった京都の大市など、あまりに味が濃すぎてまるで佃煮食ってるみたい、何が良いのかさっぱりわからない。
まあ人それぞれ好みがあるでしょうが、するとこの店で出されたこの『すっぽんの土瓶蒸し』の味付けは正しくワタシの好みド真ん中でした。薄目の味付けですが生臭さなどは全く無い。だからと言って醤油や生姜がでしゃばる事も無い、ナンもカンも丁度良い塩梅でした。
「旨い旨い」と言いながら食べていたら、チョイでぶになりつつある大将が仕込み中の大鍋を見せてくれた。「コレはまだ煮込みが足らなくて、明日にはお出しできるかなっていう段階です~。」と言ってました。
ダイエット中なので天ぷらを食べるワケには行かない。若鮎の天ぷらにはかなり惹かれたが、ココはグッとガマンして「焼き物は何か無い~?」と大将に言うと、「そうだっ!さっきお造りでお出ししたかんぱちのアタマがあるから、それをお出ししましょうか?」ときた。
そうそう、そーゆーのにありつけるとなんだか「ラッキー」って気がします。悲しきダイエッターにはこーゆーのが良いんです。
でも、タイテイの魚って、アタマも旨いでしょ~?特にワタシが気に入ったのが脳天の部分。たぶん殆ど筋肉なんだろうけど旨かったな~。
(2013,5月)
最近はワタシより相方が行きつけになったこの店、今日は久し振りに2人で行きました。
今年も『鱧』が始まったのでソレが1番のお目当てです。
それと『稚鮎』、コレは鍋で出してくれました。
「鮎の鍋〜?」、と思いましたが、「まあ食べてみて下さい」と自信満々の大将、言葉通り旨い鍋でした。
素焼きした稚鮎、具としても旨いのですが、コレからなんとも旨い出汁が出るんですね〜。味と香りが若い鮎そのもの、旨い出汁でした。具は他に若布と竹の子、まさに春から初夏にかけての旨い鍋でした。
そして、フロアに若くて可愛い女性スタッフが新たに配置されてました。
徐々に充実してきましたね〜。
皆さんもゼヒ一度お試し下さいね〜。
(2012,12月31日再投稿です)
2012年最後の投稿は最近行きつけの稲荷町のこの店です。
今日は大晦日、この店の営業日ではありませんが、この店の大将をはじめスタッフ一同ウデにヨリをかけた『おせち料理』を予約したのでお昼過ぎに取りに行って来ました。
内容は以下の通りです。(さあ、頑張って書くぞ〜)
壱の重『鮑柔らか煮、イクラ醤油漬け、黒豆金箔、数の子、巻海老旨煮、紅白蒲鉾、伊達巻、田作り、松前漬け、栗きんとん、紅白なます、小鯛の酢〆、ズワイガニの砧巻、唐墨、長老喜、つくば根』
弐の重『鰆の西京焼き、穴子昆布巻、鰻の八幡巻、花蓮根甘酢漬け、フォアグラ赤酒漬け、クリームチーズ西京焼き、鶏松風焼き、金柑蜜煮、蛸柔らか煮、網笠柚子、はじかみ、高はしオリジナル江原ハーブ豚未来赤味噌ワイン煮、合鴨ロース、鶏肉西京焼き、煮しめ』
どうです?
ナカナカのモンでしょ〜?
まだ若いのにしっかりと修行した大将の技の集大成です。
まだ新しいお店、しかも場所が稲荷町というコトもあって、予算に糸目を付けない社用族が多く来る店では無いので、仕入れる食材もそう高級なものではありませんが、それでも常に「少しでも美味しい料理を」と苦心する大将、こーゆー料理や商売に対する真摯で誠実な彼の店に行く事は、ただタンに「居心地がいい」だけではなく、自分に対する戒めにもなります。「自分よりも若い者がこんなに頑張っているのだからクタビレてる場合じゃないぞ!」という元気と気合をもらいに行くというスンポーですな。
そんな想いを胸に、これまでも今後もこの店に通おうと思ってます。
忙しかった年末、このおせち料理をツマみながら正月は家でゆっくりと疲れを癒して決して展望が明るいとは言えない新年に挑もうと思います。
今年一年、この食べログを通じて多くのレビュアー様と交流を持てた事はとても楽しかったです。ホントーにお世話になりました。
皆様方の益々のご多幸とご健勝を祈念致します。
2013年も何卒宜しくお願い申し上げます。
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(2012,11月再投稿)
晩御飯の自炊をサボって、いつものように相方と稲荷町の高はしヘ。
どちらかと言うとシンプルで素材勝負な和食が好きなワタシ達ですが、この日は大将が工夫を凝らした料理も食べました。
『ギンヒカリ 秋の三宝盛り』
高崎産の鱒ギンヒカリ、刺身で食べても旨いのですが、少し洋風に手を加えてもイケますね〜。女性好み!
『江原ハーブ豚の赤味噌ワイン煮』
コレ絶品!見た目も味もビーフシチューに近いのですが、より軽くて旨い。ご飯のオカズでもイケます。
『京都産海老芋の素揚げ蟹あんかけ』
京都『芋棒』でお馴染みのこの野菜、甘みが最高です。都内でこんな旨い海老芋が食べられるとは嬉しい!
『あん肝の天麩羅』
あん肝の天麩羅ははじめてです。アツアツなので香り旨みが強いですね〜。
『広島産大粒牡蠣の磯辺天麩羅』
牡蠣は天麩羅で食べるのがイチバン好きです。青海苔との相性もかなりいいようですな〜。
どれも旨かった。
中でも赤味噌ワイン煮と海老芋は感動モノです。
赤味噌と白味噌をブレンドしてワインをベースに煮込むと、ビーフシチューよりも美味しいビーフシチューになるんですね〜。
味噌の香りは仄かに立つ程度です。「コレ、ランチで出してもイケるんじゃない?」って言いましたが、酒のアテにもご飯のオカズにもぴったしです。
海老芋は、ソレ自体は大好きなのですが棒鱈はあんまし好きではありませんでした。コレなら海老芋だけを純粋に味わえます。蟹のあんは控え目な塩梅で味付け程度、あくまで主役は海老芋です。ホロっとした甘みが堪えられない1品です。
まだまだ多くの引出しを持つ大将、期待を裏切る事がありません。
今後も宜しくお願いしますよ〜。
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ワタシは冬の味覚の代表格である『フグ』というものに、あんまし興味はありません。同じタンパクな魚でも夏の鱧は大好きなのですが、冬のフグにはあんまし惹かれるものがありません。
ただ、最近街中でよく見かける店頭の水槽でフグを泳がせている店でヤツらを眺めていたら急に食べたくなってきた。
家でレッドテールを飼っているので、こーゆーサイズの魚を見るとついつい話しかけちゃうという、ハタから見たらアブないオッサンそのまんまなワタシですが、フグたちが「旨いでっせ〜」「早よ食べてくれへんやろか〜」とせがむので、最近行きつけのこの店に電話を入れて「今晩行くね〜。フグやでぇ〜」と言いました。
「今日の今日だと刺身と唐揚げまでですけどいいですか?」と電話の向こうの若衆、「モチロンそれでいいよ〜。フグ鍋には何の興味もないから」とワタシ。で、夜に相方と行きました。
しかし、その前に銭湯です。
この店の近くには銭湯が2つあります。そのうちの1つがワタシ好みの熱い湯のお風呂、45度のお湯に浸かってキリっとしてから店に行くのがワタシ流です。番台にはいつも着物をビシっと着た女将さんが座ってます。この辺りの銭湯には貸しタオルや一回分のせっけんなんかも用意されているので手ぶらで行けますよ。銭湯に入ってから浅草の夜をスタートさせる、オススメです。何と言っても最初の生ビールが死ぬ程旨くなりますからね〜。
店に行くと大将が「お昼に777さんから電話を貰って、その後なんとか丸のままのいい天然のとらフグを一匹仕入れましたよ〜。まだ時期が早いので白子はダメですが、それ以外なら何でも出来ますよ〜」と言いました。
マッタク、泣かせる男です。
こーゆー個人でやっている小さな店なので天然とらフグのような高級食材を常備しておく事はナカナカ出来ないでしょう。先日行った時に「前もって電話するね〜」と言っておきながら当日言い出すワタシに、それでも何とか満足してもらおうと八方手を尽くして用意する、これぞ「ご馳走」ですな。こーゆー誠意溢れる料理人って大好きです。ガイドブックに載ったりテレビに出て喜んでる料理人にツメのアカを煎じて飲ませてやりたいキブンです。
出してくれた料理は、何時ものように手を掛け美しく仕上げた『八寸』に始まり『フグ刺し』『焼きフグ』、『フグ唐揚げ』です。
先にも書いた通り、鍋は興味がないので断って、その分を焼きと唐揚げに乗せてもらいました。
興味が無いと言いながらもやっぱし旨いですな。
フグは脂が乗る魚ではないので解禁になったらスグにでもOKな食材です。独特の儚い旨味は熱を加える事で増幅されるので唐揚げか焼きがいいです。個人的には焼きが好きかなぁ〜。
冬が深まって白子が大きくなる頃にまたお願いしようと思います。
しかし、やっぱし『ヒレ酒』はサイコーですな。「まだヒレ酒用の器を用意していないんですよ〜」と言う大将、熱燗用の口の広いトックリにアルミホイルでフタをして作ってくれました。
大将、いろいろとありがとう。とっても旨かったです。
またヨロシクね〜。
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今日の夜は仲間と麻雀、なのでその前に軽くノッケたくてお気に入りのこの店に相方と寄りました。
目的は「呑み」じゃなくて「食事」、なので「ビールとオカズとご飯ね〜。」と大将に頼みました。
まず出してくれたのは『お造り』(鯛、まぐろ赤身、ギンヒカリ)、次に『焼魚』(秋刀魚、天上鰤)です。
脂がタップリ乗った秋刀魚、旨いですな〜。刺身で出す天上鰤の塩焼き、真冬の寒鰤と違ってとても軽い味わいですが、コレはコレで独特の旨さです。
それらを肴にビールをヤった後に出してくれたご飯が『生いくらのあんかけご飯』でした。
熱を加えるとスグに白くなってしまういくら、そのギリギリ手前の温かさの旨い出汁のアンを絡めてご飯に乗せたものです。
コレは旨かった〜。まさしく秋の味覚ですな〜。
突然行って「ご飯食べさせて〜」と言っても期待以上の仕事をしてくれる、ワタシにとってはとってもありがたいお店です。
麻雀やめてココで腰を据えて飲みたくなりますな。
まあ、近くココでフグをやってもらうので、その払いをカセぎに行きますかな。
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ご近所に出来たお気に入りの割烹です。
数日前にビールを飲みに寄った際に大将と鱧の話をしていたら、「鱧には二度旬があるんです。初夏の鱧はモチロン旨いですが、産卵後少し経って落ち着いた頃の秋鱧も旨いんですよ〜。言って下さればいろいろと用意しますよ。」と大将が言いました。
ウもスもなく予約して、昨日相方と行きました。
もうスッカリ大将とは疎通が出来ているので何も言わずとも旨い料理が次々と出て来ます。
先ずは『八寸』、いきなりどれも旨かった。内容は「鰯の梅煮、鮑の肝と鱧の浮袋の和物、鱧と鱧の子の煮凝り、フォアグラ、クリームチーズの西京焼、炒り銀杏」です。一口にも満たない小さな料理にも、それぞれに渾身の力を注ぐ、ホントーに若いながら素晴らしい大将です。特に三日かけて炊いたという鰯は骨のズイまで柔らかくて極上の味わいです。
次に『葛打ち鱧と松茸のお腕』です。コレコレ、これなんだよな〜。もう何もいう事はありません。
『お造り』は「鱧の焼き霜、鱧の湯引き、平目、鮑、天上鰤、ギンヒカリ」です。
天上鰤とは富山に下る前のまだ北海道沖にいる鰤のことで、軽い脂の乗りと爽やかな香りの若くて旨い鰤です。
ギンヒカリは大将が産地の群馬の奥まで確認に出向いた鱒なのだそうで、これは初めて食べました。
『揚げ物』は「鱧と松茸の天婦羅、鱧のフライ』です。フライには梅ドレッシングを用意してくれました。
そしていよいよ『鱧と松茸のしゃぶしゃぶ』の登場です。
鱧の骨から丁寧に取った出汁、大きくて厚い鱧をサッと潜らせて、もうサイコーです。
鱧の旨みを余すところなく味わうのにこれ以上の料理法は他に無いでしょうな〜。
純粋な鱧の旨みを損ないたくなかったので、才巻や蛤も出されましたが使いませんでした。
入れる野菜も松茸と三つ葉と生麩だけ、アッと言う間に食べちゃいました。
具を食べた後はホントーは雑炊なのですが、鱧の骨から取った出汁にしゃぶしゃぶをやってさらに鱧の旨みと松茸の香りが加わってサイコーのスープになっています。なので雑炊にしちゃうのは勿体無い。酢橘と塩を貰って極上のお吸い物としてそのまま全部飲んじゃいました。
酒はいつもの通り『黒龍』の吟醸から始めましたが、大将オススメの『越乃寒梅』の燗酒に移りました。
お燗にすると醸造酒の雑味が消えてとっても飲みやすくなるんですな。コレも旨かったです。
この大将、やっぱしナカナカ非凡な男です。近所に出してくれて「アリガト〜っ!!!」ってカンジです。
次は天然のトラフグです。もう少ししたら始めるそうなので絶対食べに行きます。
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稲荷町に新しく出来た割烹です。
仏壇屋が並ぶ浅草通りから清洲橋通りを入谷方面に向かってしばらく歩いたところにあります。
銀座線の駅で1日の乗降客数が最も少ない駅「稲荷町」、しかしその名前が付く町は現在はありません。駅の住所は台東区東上野3丁目です。銀座線が出来た当時の住所が下谷区南稲荷町だったので、駅がこの名前になり、現在でも古い地元の人はこの辺りを稲荷町といいます。ちなみに、「稲荷町」の「稲荷」とは、この駅のスグ近くに在る「下谷神社」のことです。
この辺りって飲食店の数が少なく、旨い店もあんましないので、ご近所さんとしてはこーゆー店が出来たコトは嬉しい限りです。
まだ若い店主ですが、とってもカンジが良くって料理のウデもセンスも良い、お店の雰囲気もいいのでこれからは頻繁に利用出来そうです。
何より「稲荷町」を店名の最初に付ける心意気がいいですな~。昭和を代表する粋な江戸前の落語家で「稲荷町の師匠」と呼ばれていた「八代目 林家正蔵」師匠もきっと喜んでいることでしょう。師匠が住んでいた長屋があったのもこの店の近くです。
酒は好物の『黒龍』、お通しの盛り合わせも手を掛けた料理で、特に『いくら醤油漬け』が旨かった。こーゆー塩梅が重要な料理で好みに合うって嬉しいですな。料理人の塩梅と自分の好みが合うって大切ですからね~。
鱧の季節もそろそろ終わり、そこで今日は鱧を中心に『鱧の湯引き』、『鱧と松茸の天麩羅』、『子持ち鮎の山椒煮』、『鱧と松茸の小鍋』をもらいました。食事はワタシが『海苔茶づけ』、相方が『梅茶漬け』です。
鱧料理としては、本当はもっと肉厚で大きな物の方がすきなのですが、しかしこの値段を鑑みればココの料理は大したモンだと思います。
稲荷町という場所柄、あんまし高価な食材を使って高い値段は取れませんからね~。
鮎も良かった。煮浸しの塩梅も絶妙です。
大将に、「コレだったら銀座や麻布とかのアップタウンでも十分通用しただろうに、何で稲荷町なの~?」と聞きましたが、「それも考えましたが、家から近いし、何より街の活性化の役に立ちたいです。」と言ってました。ますます嬉しいですね~。
ならば、ご近所さんとして協力しなければなりません。若くて誠実な男性はなにより相方好みですしね~。
「これから太刀魚、そして冬になったらフグもやります。楽しみにしていてクダサイ。」と言う大将、モチロン楽しみにしていますよ~。
鮨が好物なのでどうしても鮨屋中心のランキングになってしまいました。
ワタシは鮨屋に限らず、飲食店全般においてあんまり以前から予約をするのが嫌いなので、どうしても浅草や銀座などの行きつけ中心のレビューでしたが、今年はこの食べログで知り合った沢山のレビュアー様達にお誘いを頂き、なかなか予約が取れない鮨屋や、コダワリの蕎麦屋に行くコトが出来ました。それらの方々には心よりお礼を申し上げます。
また、浅草の飲食店に関するお問い合わせや、ワタシがレビューした店に行ってみたら美味しかったなどのメッセージも多数頂きました。元々、有名だけど高かったり美味しくない店が浅草には多くて、浅草に遊びに来る方達が飲食店でハズレを引かぬように、少しでも役に立てればという想いで始めた食べログだったので良かったと思います。
途中、この食べログがあまりにも商業主義的に偏って、有料店舗会員集めのために我々レビュアーが利用されているとしか思えなくなり、しばらくレビューを中断した事もありましたが、そういった方々からのメッセージを頂きまして「感謝してくれる人がいるのなら、まあぼちぼち続けようかな〜。」って思う事が出来ました。
しかし、浅草のお気に入りの店は殆どレビューしちゃったので、再レビューや他所の地区のレビューが今後増えると思いますが、その点ご了承下さい。