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きぬかつぎ
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甘海老
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まる吸い
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お造り
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子持ち鮎の煮浸し
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鯛の皮
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鯛かぶと煮
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鯛茶漬け
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鯛丼
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このお吸い物は絶品です。
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(ここから2013,9月です)
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鯛かぶと煮定食
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(2013,9月)
久しぶりの鯛ふじ、ホントは夜にゆっくり来たいのですがワタシも相方も忙しくてナカナカ外食のタイミングが合わない。
この店の真価は夜です。鯛だけではない、ご主人が心を込めて作る和食の本道を行く料理を堪能せずして、ランチの焼魚や煮魚定食や丼だけ食べてこの店を語る事は出来ない。
場所が場所だけに夜に接待や仕事仲間で利用するにはチト厳しいが、友人や相方と静かに食事するにはカンペキな店です。
仕事が一段落したら相方と夜に来るとして、今日は1人でランチ利用ですが、せっかくなので『鯛かぶと煮定食』を注文しました。
旨い、やっぱし旨い。
エラ下の弾力ある身、ホホのプリっとした身、目玉の周りのフルフルな部分、人によって好きな場所は様々でしょうが、ワタシは皮と唇の部分が1番好きです。
丁度いい塩梅の甘辛のタレ、タマリマセ〜ン!
酒を煮切って、醤油や味醂も煮切って、ランチ時で忙しいのにキチっと作ってくれますから旨いのも当然です。
骨をチュパチュパしゃぶりながら綺麗に平らげました。
殆どの客が焼魚定食を食べている中、なんだか申し訳ない気持ちになりますが、旨いんだから仕方無い。
鯛をチュパチュパ、ビールをクビグビ、サイコ〜です。
(2011,9月)
「この店にハデさは一切ない。
高級な装飾もない。
タイヤ屋の星とか意味の判らないカリスマとか言われる料理人などと言ったミーハーが好む要素もない。
ただ、真実の料理があるだけだ。」
前回、昼食に行った時に飲んだ「鯛のお吸い物」の旨さに感動してこの店の全ての実力を知りたくて仕方無かった。
そして今回相方と夜に行ってみて出した結論が上記の通りです。
箱崎のシティーエアターミナルの近く、近代的なオフィスビルが立ち並ぶ一画にこの店はある。
場所柄、6時過ぎると辺りに人の気配は感じられなくなる。
「この辺り、夜はホントにサビシイんですよ」と温和な店主は言う。
前回、昼食で飲んだお吸い物があまりに旨かったので今回夜に来た旨を告げると、「ありがとうございます」とニッコリ笑った。
この日の昼に予約の電話を入れた。「夜はオマカセしかやってません」という店主に、「モチロンそれで結構です。デモ、鯛のかぶと煮だけは必ず入れて下さいネ」と言ったら、「かしこまりました」と彼は言った。
「オマカセ」と言っているのに「かぶと煮」をリクエストするのは無粋の極み、しかし、この料理だけはどうしても食べたかった。昼の定食でも食べられるのだが、やはりこの料理にはご飯ではなく酒だろう。そんなワタシの思いをこの店主は快く汲んでくれた。
相方を相方の会社の前で拾い、ワクワクしながらタクシーで向った。
料理を食べるのにワクワクするのは久しぶりだ。
6時半の予約だったが、店に着いたのは15分前。
お昼は混み合うこの店も、この日の夜に訪れた客はどうやら我々だけのようだった。
貸し切り状態で、相方と2人でこの店の料理をこころ行くまで静かに堪能出来たことはこの上ない幸運だった。
料理は『衣担ぎ』『煮とこぶし』『甘海老』といった軽い肴で始まった。
お造りは『鯛、鰹、縞鯵、車海老の踊り』。
鯛の旨さは案の定、この時期の鯛としてはとても上々で、身がダレたところなど一切ない。その他のネタも素晴らしかった。
椀モノは『○吸い』。
まさかすっぽんで来るとは思わなかった。しかし、旨い。
すっぽんの旨みがよく出た出汁、でもエグ味などは一切なく爽やかですらある。
こーゆートコロがこの店主の凄いところ。素材の持つ良さを最大限に引き出して、雑味などは一切消してしまう。
濃くてキツい味付けで消すのは簡単だが、サッパリ味で消すというのは凄いと思う。
煮モノは『子持ち鮎の煮浸し』。
子をタップリ持った名残の鮎、秋の訪れをしみじみ感じます。
揚げモノは『鯛の皮の磯辺揚げ』。
これが旨かった。
パリパリです。
鯛の旨みがタップリ詰まった皮、こーゆー食べさせ方が一番かも知れない。軽く振った塩がより一層鯛の風味を引き立てます。
お造りで出された車海老の頭も一緒に揚げられます。
そして、いよいよ『鯛のかぶと煮』の登場。
出汁と薄口醤油の薄味関西風なのか、濃口醤油の甘辛関東風なのか、どっちの流儀なのかがとても楽しみだったが、やっぱし東京の老舗らしく濃いめの甘辛風だった。
ヒレ付近の脂が乗った部分、ホッペタ付近の引き締った部分、目の周りのふるふるな部分、どこも極上の旨さです。
2キロくらいの鯛の頭は、半分に割られたモノでもけっこうな食べ応え。この時点でかなりお腹はいっぱいに近かったが、2人で一心不乱にチュパチュパと食べて吸いつくしました。
締めは『鯛茶漬け』で終了です。
やはり、思った通り、この店の料理は極上だった。
突飛な料理や技法は無いが、どれも恐ろしく基本に忠実。もの凄く丁寧に作られているのがよく判る。
作り手の誠意がストレートに伝わってくる料理、これが何より料理の真髄です。
なかなか予約の取れない人気の和食の店が湯島にある。料理は見た目も綺麗だし確かに旨いが何故か心に残らない。なにか、温泉旅館の会席風料理を食べてる気分だった。
反して、この店の料理はどれもクラシックな和食、とても素朴だが、しかししみじみ旨い。
この店の店主は恐らくとても非凡な人、なのでこんな言い方をしたら失礼かも知れないが、こんなに旨い料理を食べながら、ワタシは子供の頃の遠足の日にお母さんが作ってくれたお弁当を思い出していた。
「温かい料理」、それが一番ピッタリくる表現かなと思いながら、この上なく満足して相方と家路に着きました。
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(初回訪問時)
いつも拝読させて頂いている「大満足 御馳走様」さまのこの店のレビューを見て以来、とっても気になっていたお店。
今日は京橋で午後から会合だったので、ちょっと早めに出てココで昼食を摂ることにしました。
店に着いたのが12時半、並んでいることもあるという情報にやや不安だったが、行ってみたら店の前に人影は無し。
入ってみたらカウンターに先客が2人いただけでした。
昼食のお品書きの『鯛かぶと煮』がメチャクチャ気になったが、あんまし時間もなかったので『鯛丼』を注文しました。
待つこと5分、鯛丼が出されました。
ナルホド、なかなか旨いです。
ちょっと特徴的っていうか、硬派な味っていうか、江戸風な味付けです。
辛目のタレに漬け込んだと思われる鯛の切り身と、恐らくはそのタレがご飯にもかかっている。ワサビとシソがアクセントとなってとってもいいカンジです。
しかし、しかしです。
ワタシが驚いたのはこの『鯛丼』ではなく、共に出された『お吸い物』です。
このお吸い物、とてつもなく旨かったっ!!!
非常に薄味、具は鯛の身と薬味だけなのですが、鯛の淡い旨みがタップリ出ていて旨いのなんのって、ビックリしました。
恐らく鯛のアラを炊いて旨みを出しているのでしょう。これ以上出汁が出たらしつこくなるし、これ以下だったら物足りない、まさしくドンピシャな(古いか)カンペキな味の引き出し方です。
なので、鯛の旨みを損なわないように塩はギリギリ抑えてあります。
これも、これ以上少ないとお吸い物にならずにただの出汁、これ以上多いと鯛のアラから出た旨みを損なう、まさしくピッタシの塩梅ってヤツですな。
この『お吸い物』をお替りするためだけにもう1000円払ってもいい、このお吸い物を飲むためだけに来る価値がある、そんな味です。
これが和食の持つ「凄み」です。
素材の味を最大限に引き出して、それを経験と卓越した技術によって芸術に昇華させる、素朴だけどどんな豪華な料理よりも旨い、出汁を一口飲んだだけで海を勇壮に泳ぐ鯛の姿がハッキリと頭に浮かぶ、まさしく「よくぞ日本人に生まれけり」です。
その他、お昼の定食に『焼き魚』があります。
この日は『かます』か『銀鱈』でした。
注文を受けるとご主人が金串を通して、炭火で丁寧に焼きます。ウチワを巧みにつかってパタパタと焼いてました。
お昼の定食全てにヌカリ無しです。
脱帽です。帽子を脱ぐくらいでは足らないので、パンツも脱ぎたい気分です。
イヤイヤ、これは素晴らしいお店です。
次は絶対に夜に来て『鯛かぶと煮』で1杯やりたい。
こーゆー店と出会えたコトこそ「食べログやってよかった~」って思える瞬間です。
大満足 御馳走様 さま、ありがとうございました。