1回
2016/06 訪問
【稲荷町】 季節の素材を大事にする素晴らしい割烹です。
お通し
鰯の和風マリネ
鮎と冬瓜のお椀
鮎の頭と尾の炙り
夏のお造り(鱧、まこがれい、赤烏賊、河豚など)
鱧の子の玉子とじ
穴子二種
稲庭うどん
獺祭 純米大吟醸
新亀 べっぴん
お通し
鱧の湯引き
鱧のお椀
夏のお造り
ウドと若芽の酢味噌
大浅利の椀
ミンククジラと水菜の煮浸し
お通し 春筍と蛍烏賊
塩辛
烏賊ワタのルイベ
新じゃが芋の唐揚げ
真鯛と蕪のお椀
お造り
稚鮎の天ぷら
すっぽんの土瓶蒸し
ツブツブみかん、お酒です。
塩辛には大吟醸
冬のお造り
広島産大粒牡蠣の天ぷら
九絵の小鍋仕立て
八寸
お椀
お造り
手前がギンヒカリ、奥が天上鰤
揚げもの
鱧と松茸のしゃぶしゃぶ
果物
八寸
フグ刺し
焼きフグ
フグ唐揚げ
ヒレ酒
おにぎり
ギンヒカリ三宝盛り
牡蠣の天麩羅
あん肝の天麩羅
海老芋
ハーブ豚の赤味噌ワイン煮
2013年のおせち
2013年のおせち
2013.5月 稚鮎鍋
2013.5月 稚鮎鍋
ここから2014,5月です。
お造り さわら、かんぱち、烏賊
鱧 炙りと湯引き
生湯葉
すっぽんの土瓶蒸し
2016/06/30 更新
『鮎と冬瓜のお椀』
今日の晩御飯は相方とお気に入りのこの店に。
前回の訪問からそう日が経ってないからメニューにそんなに変化がなかった。
僕は別に全然かまわなかったのだが、大将が気にして特別に変化をつけた料理を作ってくれた。
『鰯の和風マリネ』『鱧の子の玉子とじ』『鮎と冬瓜のお椀』『穴子2色』、それに『夏のお造り』を戴いた。
鰯の和風マリネ、一見「創作料理」的だが、この大将のウデにかかるとちゃんと美味しい和食になるから流石のヒトコト。
しっかりと引かれた上質な出汁が根底にあるから決して安っぽくならずに美味しいマリネだった。
この日仕入れた鱧は子持ちだったとかで、その内子で作ってくれた玉子とじ。
鱧の子は初めて食べたが珍しくて興味深かった。
しかし、この日の僕の1番のお気に入りは鮎のお椀。
鮎のお椀ってそういえば初めてだったが、これはとてつもなく美味しかった。
素揚げした鮎と冬瓜、あとは出汁だけなのだが、これがものすごく美味しかった。
鮎ってお椀の具にもなるんだね。
ワタもしっかり入っていてこの苦味がまた良い。
そして何より出汁が美味い事美味い事、師匠の道場六三郎譲りの命の出汁、これと鮎がバッチリ合って、これなら鱧のお椀の上を行ける。
改めて和食の凄さを思い知らされた一品だった。
鮎の頭と尾はお椀には見栄え的に合わないので予め落として別にそれだけを出してくれた。天婦羅屋の車海老のアタマのような出し方だったがこれもまたサクサクっと食べることが出来て美味しかった。
〆は『稲庭うどん』を温かいツユで作ってもらった。
稲庭うどん自体には興味が無かったが、ツユを大将が一から出汁を引いて作ると聞いて即決した。
この大将の引く出汁の凄さはもう十分分かっているので、それならば是非食べてみたくなったからだ。
そして、案の定美味い美味い稲庭うどんだった。
やっぱし和食は出汁だね~。
うどんなんて年に2~3回しか食わないけど、こんなうどんならしょっちゅう食いたいと思えた。
相変わらずキレキレの大将の料理、いやはや参りました。
(2016,5月)
今日の晩御飯はお気に入りのこの店に相方と。
大将や女将さんの頑張りに加えてメディアにも多く取り上げられたこともあり、最近は満席の事も多く、予約が嫌いでフラっと行くタチの僕は前回行ってから2度ほどフラれている。この日はなんとかカウンターに座ることができた。
人柄は良いしウデは良いし雰囲気は良いし値段も良心的なので人気が出るのは当然なんだけど、せっかくのご近所の名店なのでさびしくもあるね。
この日戴いた料理は『お通し』『鱧の湯引き』『季節のお造り(平政、鯛、鰈、夏フグ、烏賊)』『鱧とジュンサイのお椀』『うどと若芽の酢味噌』『大浅利の潮汁』『ミンククジラの皮と水菜の煮浸し』。
僕の大好物の鱧が帰って来たね~。
まだあまり大きくないがそれでも特有の仄かな風味はバッチリで今後さらに楽しみだ。
刺身も美味い。
夏に美味くなる魚をキチっと揃えてる。
予算無制限の高級料亭と違うから、誤魔化しの効かない刺身で満足させる大将の努力と技術の賜物だね。
ハリハリ鍋風と言って良いのかな?ミンククジラの皮の爽やかな脂と大将渾身の出汁の相性は最高だった。
鱧の椀、浅利の椀、そしてこの煮浸しと汁物が重なったが、夏の和食はそれでも良しだ。
イヤイヤ、いつものごとく美味かった。
飲んだ酒は『黒龍 純米大吟醸』『獺祭 純米大吟醸』、そして秘蔵の『新亀 べっぴん』。
この新亀は、新亀の大旦那が初孫の誕生に舞い上がって出した酒だそうで、真っ赤なラベルと金の文字にその舞い上がり具合が伺える。
大辛口と言っていたが、辛さよりも爽やかさが前面に出たすごく美味しい酒だった。
(2016、3月)
今日は相方と久し振りに高はしに行った。
相方の祖母の暮らす街を津波が呑み込んでからこの日で5年。
震災直後に行ってみたけど、かつての賑やかな港街の姿は無く、見渡す限りの瓦礫と静寂だけが広がっていた。
あの怖いくらいの静寂は、家族の安否を思い、僅かばかりの可能性にすがる家族の希望をもかき消した絶望のしるし。
東北の人達は皆明るく元気に暮らしているが、今だに静寂を怖がる相方と同様に皆が心に癒し得ぬ傷を負っている。
「絆」「日本は一つ」「東北を元気に」、震災直後にあちこちで聞かれたそんな欺瞞に満ちた安っぽい言葉はあの瓦礫と同じ。
皆が被災者の気持ちを分かったふりをして、そして皆が直ぐに忘れてしまった一時のブーム。
もう2度とあの街に行きたくないと相方は言う。
だから僕達は何時ものように何時もと変わらぬ生活を送りながらしみじみとこの店で酒を飲む事にした。
春の食材と春の酒が揃って出迎えてくれた。
季節限定の酒は『萩の露(純米吟醸)、佐州正宗(純米吟醸)、姿(純米吟醸)、秀鳳(純米大吟醸)』
グラスで一杯づつ全部飲んだ。
特に山形の秀鳳が美味しかったかな〜。
料理はアラカルトで『お通し(春の新筍と蛍烏賊)』『烏賊ワタのルイベ風』『塩辛』『新じゃが芋の唐揚げ』『お造り(まぐろ赤身と中とろ、烏賊、鮎魚女、桜鯛、みる貝)』、『真鯛と蕪のお椀』、『稚鮎の天ぷら』。
どれも美味かった。
ルイベは仕入れた烏賊のワタがあまりにも立派だったからメニューにはせずに自分用の酒の肴にしようと思って作ったものだそうだが、コレは最高に酒に合う美味いルイベだ。
じゃが芋の唐揚げは、唐揚げと言うより素揚げに近い。
出汁で炊いた新ジャガに薄く衣を付けて揚げたものだが、じゃが芋の新鮮な風味が何とも嬉しい味わい。
何時ものように包丁が冴えたお造りもどれも美味いが、やはり中では鮎魚女に軍配かな〜。
稚鮎の天ぷらも天ぷらと言うより素揚げに近い衣の薄さ。
儚い稚鮎の風味を活かすならコレが一番、琵琶湖産の半天然だそうだがとても美味しかった。
僕的にこの日の一番は鯛と蕪のお椀。
大将が引く道場六三郎譲りの出汁は何時も美味しくて僕は大好きだが、蕪は別に鶏皮を加えた出汁で炊いたそうだ。そうすると風味と柔らかさが増すそうで、なるほどコレはホントに美味しい美味しいお椀だった。
桜の花びらや百合根も桜の形にしてあって、凄く春を感じる一品だ。
最近は鮨屋や蕎麦屋でもちょっとした小料理を出す店が多いが、やはりしっかりと和食の店で料理修行、包丁修行した職人の和食は一味違うと改めて思った。
この大将、また一段と腕を上げた。
繁華街でもっと高い値段を取れればもっとランクの上の食材を仕入れる事が出来て、するとアッと言う間に有名店になれるだろう。
でも、湯島でもなく浅草でもなく向島でもない、稲荷町で、稲荷町の客の懐に合わせて腕を振るう大将の漢気は僕は大好き。
今後も稲荷町の名店として精進を積んで欲しい素敵な大将と、そんな大将を全面的に支える綺麗な女将さん。
5年前の事を語っても直ぐに笑顔に戻れる、愛が溢れた店とはまさにこの店の事を言うのではないかな。
(2014,12月)
世間でいうところのクリスマスの夜。
アンチ宗教派な僕と相方は久し振りにここでしっぽり飲んでいた。
前回この店に来たのは今年の春、ちょうどダイエットを始めたばかりの頃だ。
あの頃86kgあった体重も今では65kg、大将も女将さんも初めは僕だと判らなかったらしい。
久し振りに会った人のそーゆーリアクションが何より嬉しい。
ダイエットが成功してる証だから。
「ひょっとして不治の病ですか?」なんて言われたらキスしたくなってしまう。
今日は先日行った八ヶ岳の山行(高見石小屋)の反省会と次回の計画立案をここで飲み食いしながら相方と行った。
もう一人、八ヶ岳に一緒に行った友人は、八ヶ岳のどこかで携帯を失ったらしく、パニック状態だったので来れなかったのが残念だ。
何時ものようにコースではなくアラカルトでもらった。
『お造り盛合せ(まぐろ、平目、鰆炙り、烏賊)、すっぽん土瓶蒸し、広島産牡蠣の天ぷら、クエ小鍋仕立て、烏賊の塩辛』。
酒はみかんのツブツブが沢山入った酒をソーダで割った物でカンパイした後は拘りの冷酒を何種類か貰ったが銘柄は忘れてしまった。
しかし旨い。
また一段とウデを上げたようだ。
包丁が冴えた造り、鰆が入っているのが心憎い。和食の粋とは旬のものに加えて名残のものと季節を先取ったものを上手く取り入れるところにあると思う。もちろん、この日食べたのはコースではないのでそこまで望むのはエゴというものだが、それでもお造りに鰆を入れてくれた事に大将の和食の料理人としてのプライドを感じ取れて嬉しかった。旨みだけを見事に出したすっぽん、旬のクエも場所柄そう高級な物は出せないのだろうが十分に旨かった。
本当は大将が心血を注いだコースを食べてあげたいのだが、元来少食である上にダイエッターでもあるのでそれは無理、些か申し訳なく思う。
コースの最後の食事は『炊きたての銀シャリ』、新米が旨いこの時期はそのまま食べてもらいたいというなんとも彼らしいチョイスで、彼の事だからきっと旨い米を食わせてくれるのだろうが、そこを我慢するのがダイエッターの心意気、料理を食べて酒も飲んで、この上に炭水化物まで食べようだなんて贅沢にも程がある。
この店でコースを注文するのはまだもう少し先、今はグっと堪えて「また来るね~」だ。
(2014,5月)
ひさしぶりに相方と訪問。
この日のイチオシは『すっぽんの土瓶蒸し』でした。
コレ、かなり旨い!
すっぽんって店によって味付けが色々あって、醤油っ辛いのや生姜がキツいのやあるいは味付けが薄すぎて臭みを感じたり。特に下らないグルメ漫画でメジャーになった京都の大市など、あまりに味が濃すぎてまるで佃煮食ってるみたい、何が良いのかさっぱりわからない。
まあ人それぞれ好みがあるでしょうが、するとこの店で出されたこの『すっぽんの土瓶蒸し』の味付けは正しくワタシの好みド真ん中でした。薄目の味付けですが生臭さなどは全く無い。だからと言って醤油や生姜がでしゃばる事も無い、ナンもカンも丁度良い塩梅でした。
「旨い旨い」と言いながら食べていたら、チョイでぶになりつつある大将が仕込み中の大鍋を見せてくれた。「コレはまだ煮込みが足らなくて、明日にはお出しできるかなっていう段階です~。」と言ってました。
ダイエット中なので天ぷらを食べるワケには行かない。若鮎の天ぷらにはかなり惹かれたが、ココはグッとガマンして「焼き物は何か無い~?」と大将に言うと、「そうだっ!さっきお造りでお出ししたかんぱちのアタマがあるから、それをお出ししましょうか?」ときた。
そうそう、そーゆーのにありつけるとなんだか「ラッキー」って気がします。悲しきダイエッターにはこーゆーのが良いんです。
でも、タイテイの魚って、アタマも旨いでしょ~?特にワタシが気に入ったのが脳天の部分。たぶん殆ど筋肉なんだろうけど旨かったな~。
(2013,5月)
最近はワタシより相方が行きつけになったこの店、今日は久し振りに2人で行きました。
今年も『鱧』が始まったのでソレが1番のお目当てです。
それと『稚鮎』、コレは鍋で出してくれました。
「鮎の鍋〜?」、と思いましたが、「まあ食べてみて下さい」と自信満々の大将、言葉通り旨い鍋でした。
素焼きした稚鮎、具としても旨いのですが、コレからなんとも旨い出汁が出るんですね〜。味と香りが若い鮎そのもの、旨い出汁でした。具は他に若布と竹の子、まさに春から初夏にかけての旨い鍋でした。
そして、フロアに若くて可愛い女性スタッフが新たに配置されてました。
徐々に充実してきましたね〜。
皆さんもゼヒ一度お試し下さいね〜。
(2012,12月31日再投稿です)
2012年最後の投稿は最近行きつけの稲荷町のこの店です。
今日は大晦日、この店の営業日ではありませんが、この店の大将をはじめスタッフ一同ウデにヨリをかけた『おせち料理』を予約したのでお昼過ぎに取りに行って来ました。
内容は以下の通りです。(さあ、頑張って書くぞ〜)
壱の重『鮑柔らか煮、イクラ醤油漬け、黒豆金箔、数の子、巻海老旨煮、紅白蒲鉾、伊達巻、田作り、松前漬け、栗きんとん、紅白なます、小鯛の酢〆、ズワイガニの砧巻、唐墨、長老喜、つくば根』
弐の重『鰆の西京焼き、穴子昆布巻、鰻の八幡巻、花蓮根甘酢漬け、フォアグラ赤酒漬け、クリームチーズ西京焼き、鶏松風焼き、金柑蜜煮、蛸柔らか煮、網笠柚子、はじかみ、高はしオリジナル江原ハーブ豚未来赤味噌ワイン煮、合鴨ロース、鶏肉西京焼き、煮しめ』
どうです?
ナカナカのモンでしょ〜?
まだ若いのにしっかりと修行した大将の技の集大成です。
まだ新しいお店、しかも場所が稲荷町というコトもあって、予算に糸目を付けない社用族が多く来る店では無いので、仕入れる食材もそう高級なものではありませんが、それでも常に「少しでも美味しい料理を」と苦心する大将、こーゆー料理や商売に対する真摯で誠実な彼の店に行く事は、ただタンに「居心地がいい」だけではなく、自分に対する戒めにもなります。「自分よりも若い者がこんなに頑張っているのだからクタビレてる場合じゃないぞ!」という元気と気合をもらいに行くというスンポーですな。
そんな想いを胸に、これまでも今後もこの店に通おうと思ってます。
忙しかった年末、このおせち料理をツマみながら正月は家でゆっくりと疲れを癒して決して展望が明るいとは言えない新年に挑もうと思います。
今年一年、この食べログを通じて多くのレビュアー様と交流を持てた事はとても楽しかったです。ホントーにお世話になりました。
皆様方の益々のご多幸とご健勝を祈念致します。
2013年も何卒宜しくお願い申し上げます。
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(2012,11月再投稿)
晩御飯の自炊をサボって、いつものように相方と稲荷町の高はしヘ。
どちらかと言うとシンプルで素材勝負な和食が好きなワタシ達ですが、この日は大将が工夫を凝らした料理も食べました。
『ギンヒカリ 秋の三宝盛り』
高崎産の鱒ギンヒカリ、刺身で食べても旨いのですが、少し洋風に手を加えてもイケますね〜。女性好み!
『江原ハーブ豚の赤味噌ワイン煮』
コレ絶品!見た目も味もビーフシチューに近いのですが、より軽くて旨い。ご飯のオカズでもイケます。
『京都産海老芋の素揚げ蟹あんかけ』
京都『芋棒』でお馴染みのこの野菜、甘みが最高です。都内でこんな旨い海老芋が食べられるとは嬉しい!
『あん肝の天麩羅』
あん肝の天麩羅ははじめてです。アツアツなので香り旨みが強いですね〜。
『広島産大粒牡蠣の磯辺天麩羅』
牡蠣は天麩羅で食べるのがイチバン好きです。青海苔との相性もかなりいいようですな〜。
どれも旨かった。
中でも赤味噌ワイン煮と海老芋は感動モノです。
赤味噌と白味噌をブレンドしてワインをベースに煮込むと、ビーフシチューよりも美味しいビーフシチューになるんですね〜。
味噌の香りは仄かに立つ程度です。「コレ、ランチで出してもイケるんじゃない?」って言いましたが、酒のアテにもご飯のオカズにもぴったしです。
海老芋は、ソレ自体は大好きなのですが棒鱈はあんまし好きではありませんでした。コレなら海老芋だけを純粋に味わえます。蟹のあんは控え目な塩梅で味付け程度、あくまで主役は海老芋です。ホロっとした甘みが堪えられない1品です。
まだまだ多くの引出しを持つ大将、期待を裏切る事がありません。
今後も宜しくお願いしますよ〜。
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ワタシは冬の味覚の代表格である『フグ』というものに、あんまし興味はありません。同じタンパクな魚でも夏の鱧は大好きなのですが、冬のフグにはあんまし惹かれるものがありません。
ただ、最近街中でよく見かける店頭の水槽でフグを泳がせている店でヤツらを眺めていたら急に食べたくなってきた。
家でレッドテールを飼っているので、こーゆーサイズの魚を見るとついつい話しかけちゃうという、ハタから見たらアブないオッサンそのまんまなワタシですが、フグたちが「旨いでっせ〜」「早よ食べてくれへんやろか〜」とせがむので、最近行きつけのこの店に電話を入れて「今晩行くね〜。フグやでぇ〜」と言いました。
「今日の今日だと刺身と唐揚げまでですけどいいですか?」と電話の向こうの若衆、「モチロンそれでいいよ〜。フグ鍋には何の興味もないから」とワタシ。で、夜に相方と行きました。
しかし、その前に銭湯です。
この店の近くには銭湯が2つあります。そのうちの1つがワタシ好みの熱い湯のお風呂、45度のお湯に浸かってキリっとしてから店に行くのがワタシ流です。番台にはいつも着物をビシっと着た女将さんが座ってます。この辺りの銭湯には貸しタオルや一回分のせっけんなんかも用意されているので手ぶらで行けますよ。銭湯に入ってから浅草の夜をスタートさせる、オススメです。何と言っても最初の生ビールが死ぬ程旨くなりますからね〜。
店に行くと大将が「お昼に777さんから電話を貰って、その後なんとか丸のままのいい天然のとらフグを一匹仕入れましたよ〜。まだ時期が早いので白子はダメですが、それ以外なら何でも出来ますよ〜」と言いました。
マッタク、泣かせる男です。
こーゆー個人でやっている小さな店なので天然とらフグのような高級食材を常備しておく事はナカナカ出来ないでしょう。先日行った時に「前もって電話するね〜」と言っておきながら当日言い出すワタシに、それでも何とか満足してもらおうと八方手を尽くして用意する、これぞ「ご馳走」ですな。こーゆー誠意溢れる料理人って大好きです。ガイドブックに載ったりテレビに出て喜んでる料理人にツメのアカを煎じて飲ませてやりたいキブンです。
出してくれた料理は、何時ものように手を掛け美しく仕上げた『八寸』に始まり『フグ刺し』『焼きフグ』、『フグ唐揚げ』です。
先にも書いた通り、鍋は興味がないので断って、その分を焼きと唐揚げに乗せてもらいました。
興味が無いと言いながらもやっぱし旨いですな。
フグは脂が乗る魚ではないので解禁になったらスグにでもOKな食材です。独特の儚い旨味は熱を加える事で増幅されるので唐揚げか焼きがいいです。個人的には焼きが好きかなぁ〜。
冬が深まって白子が大きくなる頃にまたお願いしようと思います。
しかし、やっぱし『ヒレ酒』はサイコーですな。「まだヒレ酒用の器を用意していないんですよ〜」と言う大将、熱燗用の口の広いトックリにアルミホイルでフタをして作ってくれました。
大将、いろいろとありがとう。とっても旨かったです。
またヨロシクね〜。
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今日の夜は仲間と麻雀、なのでその前に軽くノッケたくてお気に入りのこの店に相方と寄りました。
目的は「呑み」じゃなくて「食事」、なので「ビールとオカズとご飯ね〜。」と大将に頼みました。
まず出してくれたのは『お造り』(鯛、まぐろ赤身、ギンヒカリ)、次に『焼魚』(秋刀魚、天上鰤)です。
脂がタップリ乗った秋刀魚、旨いですな〜。刺身で出す天上鰤の塩焼き、真冬の寒鰤と違ってとても軽い味わいですが、コレはコレで独特の旨さです。
それらを肴にビールをヤった後に出してくれたご飯が『生いくらのあんかけご飯』でした。
熱を加えるとスグに白くなってしまういくら、そのギリギリ手前の温かさの旨い出汁のアンを絡めてご飯に乗せたものです。
コレは旨かった〜。まさしく秋の味覚ですな〜。
突然行って「ご飯食べさせて〜」と言っても期待以上の仕事をしてくれる、ワタシにとってはとってもありがたいお店です。
麻雀やめてココで腰を据えて飲みたくなりますな。
まあ、近くココでフグをやってもらうので、その払いをカセぎに行きますかな。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ご近所に出来たお気に入りの割烹です。
数日前にビールを飲みに寄った際に大将と鱧の話をしていたら、「鱧には二度旬があるんです。初夏の鱧はモチロン旨いですが、産卵後少し経って落ち着いた頃の秋鱧も旨いんですよ〜。言って下さればいろいろと用意しますよ。」と大将が言いました。
ウもスもなく予約して、昨日相方と行きました。
もうスッカリ大将とは疎通が出来ているので何も言わずとも旨い料理が次々と出て来ます。
先ずは『八寸』、いきなりどれも旨かった。内容は「鰯の梅煮、鮑の肝と鱧の浮袋の和物、鱧と鱧の子の煮凝り、フォアグラ、クリームチーズの西京焼、炒り銀杏」です。一口にも満たない小さな料理にも、それぞれに渾身の力を注ぐ、ホントーに若いながら素晴らしい大将です。特に三日かけて炊いたという鰯は骨のズイまで柔らかくて極上の味わいです。
次に『葛打ち鱧と松茸のお腕』です。コレコレ、これなんだよな〜。もう何もいう事はありません。
『お造り』は「鱧の焼き霜、鱧の湯引き、平目、鮑、天上鰤、ギンヒカリ」です。
天上鰤とは富山に下る前のまだ北海道沖にいる鰤のことで、軽い脂の乗りと爽やかな香りの若くて旨い鰤です。
ギンヒカリは大将が産地の群馬の奥まで確認に出向いた鱒なのだそうで、これは初めて食べました。
『揚げ物』は「鱧と松茸の天婦羅、鱧のフライ』です。フライには梅ドレッシングを用意してくれました。
そしていよいよ『鱧と松茸のしゃぶしゃぶ』の登場です。
鱧の骨から丁寧に取った出汁、大きくて厚い鱧をサッと潜らせて、もうサイコーです。
鱧の旨みを余すところなく味わうのにこれ以上の料理法は他に無いでしょうな〜。
純粋な鱧の旨みを損ないたくなかったので、才巻や蛤も出されましたが使いませんでした。
入れる野菜も松茸と三つ葉と生麩だけ、アッと言う間に食べちゃいました。
具を食べた後はホントーは雑炊なのですが、鱧の骨から取った出汁にしゃぶしゃぶをやってさらに鱧の旨みと松茸の香りが加わってサイコーのスープになっています。なので雑炊にしちゃうのは勿体無い。酢橘と塩を貰って極上のお吸い物としてそのまま全部飲んじゃいました。
酒はいつもの通り『黒龍』の吟醸から始めましたが、大将オススメの『越乃寒梅』の燗酒に移りました。
お燗にすると醸造酒の雑味が消えてとっても飲みやすくなるんですな。コレも旨かったです。
この大将、やっぱしナカナカ非凡な男です。近所に出してくれて「アリガト〜っ!!!」ってカンジです。
次は天然のトラフグです。もう少ししたら始めるそうなので絶対食べに行きます。
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稲荷町に新しく出来た割烹です。
仏壇屋が並ぶ浅草通りから清洲橋通りを入谷方面に向かってしばらく歩いたところにあります。
銀座線の駅で1日の乗降客数が最も少ない駅「稲荷町」、しかしその名前が付く町は現在はありません。駅の住所は台東区東上野3丁目です。銀座線が出来た当時の住所が下谷区南稲荷町だったので、駅がこの名前になり、現在でも古い地元の人はこの辺りを稲荷町といいます。ちなみに、「稲荷町」の「稲荷」とは、この駅のスグ近くに在る「下谷神社」のことです。
この辺りって飲食店の数が少なく、旨い店もあんましないので、ご近所さんとしてはこーゆー店が出来たコトは嬉しい限りです。
まだ若い店主ですが、とってもカンジが良くって料理のウデもセンスも良い、お店の雰囲気もいいのでこれからは頻繁に利用出来そうです。
何より「稲荷町」を店名の最初に付ける心意気がいいですな~。昭和を代表する粋な江戸前の落語家で「稲荷町の師匠」と呼ばれていた「八代目 林家正蔵」師匠もきっと喜んでいることでしょう。師匠が住んでいた長屋があったのもこの店の近くです。
酒は好物の『黒龍』、お通しの盛り合わせも手を掛けた料理で、特に『いくら醤油漬け』が旨かった。こーゆー塩梅が重要な料理で好みに合うって嬉しいですな。料理人の塩梅と自分の好みが合うって大切ですからね~。
鱧の季節もそろそろ終わり、そこで今日は鱧を中心に『鱧の湯引き』、『鱧と松茸の天麩羅』、『子持ち鮎の山椒煮』、『鱧と松茸の小鍋』をもらいました。食事はワタシが『海苔茶づけ』、相方が『梅茶漬け』です。
鱧料理としては、本当はもっと肉厚で大きな物の方がすきなのですが、しかしこの値段を鑑みればココの料理は大したモンだと思います。
稲荷町という場所柄、あんまし高価な食材を使って高い値段は取れませんからね~。
鮎も良かった。煮浸しの塩梅も絶妙です。
大将に、「コレだったら銀座や麻布とかのアップタウンでも十分通用しただろうに、何で稲荷町なの~?」と聞きましたが、「それも考えましたが、家から近いし、何より街の活性化の役に立ちたいです。」と言ってました。ますます嬉しいですね~。
ならば、ご近所さんとして協力しなければなりません。若くて誠実な男性はなにより相方好みですしね~。
「これから太刀魚、そして冬になったらフグもやります。楽しみにしていてクダサイ。」と言う大将、モチロン楽しみにしていますよ~。