レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2012/02訪問 2012/05/06
秋田の日本酒と郷土料理が味わえる
「日本一の至福居酒屋」です。
季節毎の美味しい郷土料理と
秋田の甘めの日本酒が穏やかで
優しい時間を創り出します。
古民家のようなお店に入り、くつを脱ぎ、
しゃれたのれんをくぐると、
長めのカウンタがあります。
そこに座れば、『大きな古時計』に
出てくるような時計の下、
今宵の時間が始まります。
まず最初に突出しの6品が出てきます。
これだけで日本酒が3合飲めます。
どの一品も秋田郷土料理の傑作です。
見た目も美しいです。
6個の小皿の並びや色使いにも工夫を
こらしていることが感じられます。
一品一品を大事にゆっくり味わいます。
実に優しく滋味溢れる味です。
そしてここではやはり日本酒です。
カウンタの中の方に日本酒をお任せ
でお願いすると、注文した料理も見ながら
順番に出して頂けます。
ちなみに冷蔵庫の中には、相当たくさん
の種類の日本酒があり、おそらく全種類は
飲めないくらいの数です。
そして嬉しいのが、秋田の地酒ばかりと
いうことです。
秋田郷土料理には秋田のお酒が一番です。
秋田の日本酒は少し甘めです。
これがいぶりがっこなどにとても合います。
そしてお刺身を頼みます。
今回は、だだみとたらのこぶ〆です。
だだみとは秋田ではたらの白子をさします。
これが、新鮮でとても美味しい。
日本海の冬のたらは身も白子もとても
美味しいです。
特に酒盃さんのものは見た目も工夫され
五感で楽しめます。
そしていぶりがっこや、かきあげ、貝焼きや
くみ上げ豆腐、比内地鶏の燻製や
はたはた寿司など秋田料理の
オンパレードを楽しませて頂きました。
これには「雪の茅舎」や「美稲」、能代の
「田身の酒」などの秋田日本酒が
とてもとてもマリアージュします。
今回も随分と時間を過ごしてしまいました。
最後にご主人と少し話させて頂き、
今宵のお礼させて頂きます。
本当に素晴らしいです。
秋田の料理と日本酒に感謝です。
そして酒盃さんと同じ時代を
生きていることを感謝します。
いつまでも続いてほしい名店です。
P.S
(100投稿目はこちらにさせて頂こうと
決めていました)
3位
1回
2012/05訪問 2012/08/19
梁山泊というのは、『水滸伝』に出てくるお話。
日本では、「優れた人物たちが集まる場所」、
「有志の集合場所」という意味ですが、
何となくアウトローで豪放磊落な武闘派が
集結するイメージですよね。
さてこちらの田吾作さんは、まさに、
「居酒屋梁山泊」(太田和彦さんのお言葉)
という以外表現しようの無い、現代日本が生んだ
驚異の居酒屋では無いでしょうか。
島根の益田という失礼ながら観光するところが
なかなか思いつかないところにあります。
(ごめんなさい)
そんな街に梁山泊があると聞いて伺いました。
街から中心とは反対側へ歩いて行くと住宅地
があり、大きな池が現れます。
その池からはウシガエルの大きな鳴き声が。
こんなところにお店があるのか、と思ったところ
にありました。
まずは案山子さんがお出迎えです。
お店の中は木造りで立派です。
大きな階段を下りて行くとそこには水槽が
ありお魚がたくさんいる様子です。
とにかくこちらは建物の造りが大きい。
まさに豪放磊落です。
玄関から階段を下りていくと厨房があり、
その前にカウンタ席が。
今宵もカウンタ席に座ります。
カウンタの前に大皿料理が6種類。
いかにも田舎のお惣菜系郷土料理が
山盛りになっています。
何を頼もうかと考えているとところで、
突出しが供されます。
その大皿から少しづつ全部盛られています。
これは素晴らしい。
まずはビールでのどを潤してから、一口
料理を頂きますが、実に素朴で美味い。
フキの煮物やタケノコの酒粕煮など、
いかにも郷土の田舎料理です。
厨房の中では、他のお客さんの料理で
お忙しそう。ふと上を見上げると弥栄の
どぶろくの文字が。
弥栄とはこの近所の地方の名前で、どぶろく
特区としてどぶろくづくりが盛んとのことです。
ここは当然それを注文し、一口飲むと、
これはうまい。良くできています。
さてここからが本番。
名物の「いかの活造り」を頂きます。
ちょうど今日入ったところでした。良かった。
いかは透き通っており、まだ動いています。
氷とのコントラストがとてもきれいです。
一口食べてビックリ。
身の部分は甘く、ゲソや内臓はコリコリです。
このように新鮮なイカは初めてです。
他にもお魚を頂きたいので厨房の若い方
にお勧めを聞いてみます。
まずはかさごの唐揚げをお願いします。
これが、一度揚げられてストックされている
ものを2度揚げします。
大きな魚ですが白身のところはほこほこで、
外側はパリっとからからで舌触りが良いです。
頭から全部食べ、何も残りませんでした。
カウンタですので厨房を眺めつつ頂くのですが、
この厨房がまたアウトロー的造りなのです。
雑然として、これまた大きな造りで、その中を
若いご主人が動き回ります。
そしてお店の奥へ行くと、お花が整然と飾って
あり、造りの違う整然とした個室がいくつも
あります。
大正時代のような丸テーブルや座椅子の部屋
など落ち着いた趣きです。
さてお食事ですが、「さざえの造り」はこれまた
大きく新鮮。「豆腐」は地元の大豆の濃厚な味が
楽しめます。「地の冷やしトマト」も氷の上に
のせて頂きます。
地元の素材で田舎料理を頂くのは贅沢ですね。
その後もいくつか料理を頂きますが、このお供
は、お店のラベルのついた日本酒「田吾作」。
益田のお酒なのですが、スッキリ美味しいです。
地元益田のお酒というのが良いです。
今宵はこれ一本、4合瓶で行きます。
その後もいくつかお料理を頼み、最後に
「鯛の頭の煮つけ」をお願いしましたが、
これこそ武闘派そのもの。
とにかく大きな頭に大量のごぼうがついて
5人前かと思いました。
これが程よい煮つけのたれと絡まり、箸が
止まらず、骨を残してすべて食しました。
お店の方々は親切で、お店の成り立ちや
家族経営の変遷などをお伺いしながらお話
して、いよいよ帰宅です。
外は真っ暗で相変わらずカエルが泣いてます。
これは想像以上でした。
まさに交響曲のイメージ。
既成の概念を越え、交響曲に合唱が入った
あの大作を彷彿とさせます。
「居酒屋交響曲 第九番 梁山泊」
益田の郷土料理とお魚による居酒屋交響曲。
なんべんも味わいたい大作です。
4位
1回
2016/10訪問 2016/10/23
おすしのおいしさとは一体何なのでしょうか。
ネタの新鮮さ、シャリのつくり、私はあまり
詳しくないのですが、ここのおすしは自分的
には日本で一、二を争う旨さであると思います。
ただしこのお店は寿司では無く、鮨です。
魚本来の味を究極に見極めて、それを
鮨という料理に最大限生かしています。
魚が旨いから鮨。
ここは鮨料理の最高峰です。
長岡の駅から歩いて5分くらい。
瀟洒なガラス張りの玄関、最初にカウンタ
があり、コの字で10名くらい座れます。
ネタのケースにネタの名前が書いてあるので
それを見て刺身にしたり握ってもらいます。
端正でプロの雰囲気を漂わせるご主人。
でも気さくで注文しやすいです。
まずはがすえびとタコをつまみで頂きます。
タコを一口、もうあ然です。あまりに新鮮で
おいしい。とろけるタコは初めてです。
がすえびも甘くてこちらもとろけます。
でも驚くのはまだ早かったです。
目の前に白子があったので、白子の
軍艦巻を頂きました。
これが香りと言い、食感と言い、今まで
経験したことの無い感動的おいしさです。
その後も、いか、アジ、ほっき貝、も一回
タコを握りで、等々次から次へと注文
しましたが、どれもとてもおいしい。
何と言うのか、本当においしいお鮨
というものはこういうものか、と感動しました。
おそらく銀座や新地などで何万円も出せば
もっと仕事を施したお寿司(鮨で無く寿司)
が頂けると思いますが、リーズナルな価格
(感覚的には安いくらい)でこれだけの
お鮨を頂けるのは、素晴らしいです。
カウンタでネタを見ながら最高においしい
お鮨を日本酒熱燗と一緒にゆっくりとやる。
何とも幸せな体験でした。
長岡という街は私の中では鮨芳さんの
ある街という記憶になりました。
5位
1回
2012/04訪問 2012/08/16
岩手宮古市におじゃましました。
普通に見える風景の中に、とても大きな
傷跡が残されており、早くの復興を祈る
ばかりです。
昼は浄土ヶ浜で遊覧船に乗りました。
こちらの遊覧船は、景色もさることながら、
船上にてガイドさんが、海上における津波
の傷跡など説明して下さいます。
例えば海の中の小島のがけの色が洗われて
きれにになったことなど。
岸壁のコンクリートも海中にあります。
観光船もしばらく休止で仕事が無かった
とのこと。早く人が戻ることを祈ります。
さて夜の宮古の街ですが、私がマイレビュアー
に登録している方が一押しの、こちらよし寿司
さんに伺いました。
ホテルから少し歩いて到着です。
いわゆる繁華街からは少し離れています。
お店はきれいで清潔です。
カウンタに職人さんが4人くらいいて、握り
や時によっては出前なども作っています。
もちろんカウンタに座り今宵の宴開始です。
食べることで支援。この際普段食べられない
ものも注文するつもりです。
まずはつまみでお刺身を何点か。
いかも、たこも、ほたても、まぐろも。
やはり三陸のお刺身は新鮮でおいしいです。
うれしいことにわさびも本わさびのすりおろしです。
本格的なお寿司やさんは、わさびが本物で
嬉しいです。全然味が違いますもんね。
そしてカウンタの中のメニューを見ると塩辛
が3点ありました。
「いかの塩辛」「えびの塩辛」そしてとしる、
と言われる「あわびの塩辛」です。
これは珍しい。全種類注文ですよね。
まずは「いかの塩辛」良く食べますが、いかが
新鮮でおいしいです。
私は添加物のソルビットが大嫌いです。
実は市販の塩辛の味はソルビットの入れすぎ
でソルの味なのです。
(私はソルっていると表現していますが)
居酒屋でもたいていソル入り塩辛を出しています。
なので、他ではあまり頼まないのですが、
こちらはもちろんソルの味は全くしません。
いかと墨と塩だけで作ってある味です。
塩味がちょうどよいです。
日本酒に合いすぎます。
「えびの塩辛」もえびのぷりぷりした感じが
塩辛の風味とあいます。
これは初めて食べました。
そして、「としる」と言われるあわびの塩辛。
予想に反し色が真っ黒です。
あわびの肝を塩辛にしているようです。
これまた食べたことの無い味です。
生臭さが全然なくて、あわびの肝味が
微妙にします。
こういう地方独特の海産物の食べ方が
楽しいです。日本は奥深い。
さて次はお寿司を注文です。
ネタケースの中にはたくさんのお魚があり
どれもこれも美味しそう。
そいやヒラメなど白魚が種類たくさん。
でもこちらの一押しはどんこのようです。
確かにどんこのお寿司は珍しい。
あまりにおいしく、3回注文してしまいました。
北寄貝や赤貝など貝の種類も豊富です。
またアワビもさきほどのとしるの肝の部分
を寿司にして頂けます。
かなりの種類頂いた後に、他のお客さん
やお店の方々とお話を。
お店の方のお話では、このお店も波が
1メートルくらい押し寄せ、一部再建したとの
ことです。結構海辺から距離があると
思われますが、想像もできません。
ご苦労されたとは思いますが、何はともあれ
このように再開できてよかったです。
本当に素晴らしいお寿司でした。
唯一残念なのは大好きなホヤが無かった
ことです。これだけは復活するのに
あと2年くらいかかるらしいです。
これだけは待つしかないですね。
岩手三陸のよし寿司さん。
宮古に来たら何回でも行きたいです。
ありがとうございました。
6位
1回
2012/11訪問 2014/07/12
日本に生まれた特権のひとつは様々な地方、様々な種類の日本酒が気軽に頂けること。
最近は日本酒自体の消費量も落ちて来ている。そう日本酒は飲まれなくなってきています。特に若い人に。
でも日本酒の奥深さ、しかも地方に行けばその地方で醸し出されたお酒をその地方の郷土料理で頂くことの愉悦を知って欲しいです。
さてこちらの真酒亭さんは、まさに日本酒を愛し、日本酒の奥深さを伝道する頑固親爺さんがやられているお店です。
どこが頑固かというと、
①日本酒の飲む量は最初に決められる。1人3合というとそれ以上は飲めない。そして4合以上の飲酒は禁止。
②基本的に銘柄と順番はお任せ。富山の日本酒とか大枠のリクエストをして後はお任せが基本。
③どこかで飲んで来て2軒目以降の場合は、銘柄が絞られる。微妙な味わいのみゃあらくもんなどのお酒が推薦候補から外れる。
④純米酒で無いものは出さない。醸造酒や三倍増しなど糖類を添加したものは論外と書いてある。
⑤温度管理は12度となっており、注いで頂き飲む頃に15度となっている。これが井戸水の温度で日本酒をもっとも美味しく頂けるとのこと。
ということで、こう書くと怖くて落ち着けない感じもしますが、いやはやこれが日本酒味わい用の背筋が伸びて、とても美味しく頂ける雰囲気を醸し出しているんです。
頑固ですが、日本酒を好きな人にはとことん優しいです。
お任せでお願いする日本酒は種類豊富ですが、私はこちらでは富山の日本酒をメインに頂いています。富山の日本酒は辛口ですが濃厚さもあり、北陸の料理に良く合います。
日本酒の出てくる順番はさっぱり系から濃い味へと順番をお任せする意味がわかります。
料理の種類も豊富です。シンプルな和食や魚料理がとても日本酒に合います。特に豆腐は特別な美味しさで、湯豆腐で日本酒など頂くのが良いです。
料理を作るのは奥さんのお仕事。裏方として厨房で様々な料理を作っています。
頑固親爺にお店を好きなようにやらせているのは、やはりここでも奥さんであろうと推測されます。(笑)
特筆すべきは真酒亭さんにはオリジナルの日本酒があるんです。これが「みゃあらくもん」と「呑喜呆酊」。
「呑喜呆酊」これは何と読むか。「ドンキホーティ」なんです。これ最初に知ったとき、親爺は造語の天才かと思いました。
名前もしかりですが日本酒をオーク樽で半年寝かして、樽の香りが漂うなんとも言えない味わいです。ここでしか飲めません。
店内はテーブル席もあるのですが、やはりカウンタで親爺さんと会話しながらお任せでお酒をお願いするのが良いかと。
あと、カウンタでは落語が流れており、これを聞きながら呑むのもおつなものです。
親爺さんは、日本酒の会も催しており、特に若い人たちに日本酒の魅力を知って欲しいと言っています。
いつまでも日本酒文化を守って頑固に頑張って欲しいです。
7位
2回
2018/03訪問 2018/04/01
八戸の夜は屋台街など活気にあふれた楽しい場所です。
その八戸の夜を過ごすのはやはり昔からやっているこちらのばんやさんです。
今は女将さんが仕切る店ですが、昔から全くスタイルは変わりません。
薄暗く落ち着ける空間のカウンタには郷土料理のメニューが数品並びます。
メニューは無いので、その大皿の中身を聞いて選びます。
今回は馬肉の煮物、なめたけ三升漬けのあえもの、かすべの煮物、いかごろなどを頂きました。
日本酒はもちろん青森の地酒、八仙や稲生などが揃います。
青森の地酒と濃い味付けの郷土料理が良く合います。
このお店のカウンタでこの料理とお酒を飲めるのが何よりも幸せです。
八戸で青森郷土料理をいただきたい時はやはりこちらが良いですね。
青森県は八戸へ参りました。
八戸と言えば青森郷土料理のばんやさんです。
こちらへ伺うために八戸へ来ました。
ばんやさんは、青森の郷土料理のお店です。
青森の郷土料理は、素朴で保存食で、素材
を大事にしています。
代表的な郷土料理を頂けることに加えて、
お店の雰囲気の郷土料理屋感がすごいです。
何と言うか青森を体現しているんですね。
ばんやさんはやはりカウンタが一番です。
予約はできないので、カウンタ座るため開店
そうそうお店に入ります。
カウンタの前の大皿を眺めながら、ご主人
にそれが何なのかを伺いながら、何を頼むか
決めるひととき。
この時が一番幸せですね。
本日もずらりと数種類の郷土料理が並びます。
「にしんの燻製」
「馬肉のしぐれとごぼうの合わせだき」
「大根おろしであえたお魚焼き」
「こんにゃくと山菜のあえもの」
「お魚の煮付け」
などなど、最初は選んだのですが、結局
最後は全種類頼んでしまいました。
またお刺身なども八戸港からあがる新鮮な
お魚を刺身で頂けます。
そして青森郷土料理とくれば当然日本酒です。
嬉しいのは青森の地酒ばかりです。
豊盃など有名なものから八戸地元の地酒
まで青森のお酒がそろっています。
何を選べば良いかはもちろんご主人に
お任せです。
お店はご主人と奥さんとアルバイトの方の
3人でやられておりますが、一番働いて
いるのは奥さんのようです、(笑)
ご主人は常連さんとお話したり、カウンタの
我々とお話したり日本酒決めたりで楽しそう。
ご主人あってのこのお店という雰囲気
は良く伝わってきます。
お店の中は古くて静かで心地よいたたずまい。
木造りの天井には、乾されたお魚が吊るされ、
提灯みたいなものがつるさげられたり、と
東北の雰囲気が満点です。
日本地図を思い浮かべて、本州の上の方、
八戸の場所を思い浮かべ、そして店の中を見渡し、
日本酒に一瞥して、大皿料理を見渡す。
これは幸せな気分になりますね。
ばんやさんは、日本そして青森を体現している
とても心地よい場所です。
8位
1回
2012/04訪問 2014/07/12
愛媛の夜。
22:00くらいの遅い時間となりましたが、
温かく迎えて頂きました。
お店の中は、水槽だらけ。
魚がスイスイと泳いでいます。
全体は木造りの店内。
冬はかき用の小屋もあります。
2Fがあったり、段差があったり、水槽
があったりしていて雑然としているよう
ですが、実は秩序だっていて幾何学的で
清潔です。何か落ち着けます。
我々は丸太の下の丸いテーブルへと。
早速メニューを見るとお魚だらけ。
水槽から引き揚げて刺身や煮物、焼物、
なんでもやって頂けるようです。
期待に胸が高まります。
中でもさばはお刺身でもしゃぶしゃぶでも
食べられるようです。
さばの刺身は珍しいですね。
でも食べるとシコシコして新鮮で美味しい。
脂の部分が甘くておいしいです。
と、ここで気づきました。
甘いのは魚だけでは無く、やはり醤油が
甘いです。
そうでした。ここは私の学説による
「甘いものベルト地帯」の中心地です。
中国の上海から長崎を通り、愛媛から香川まで。
このベルト地帯の醤油は甘いのです。
お店の方に確認すると醤油の容器を持ってきて
下さりました。やはり砂糖の文字が。
でも愛媛の方はこの醤油の味が普通だそうです。
我々も郷に入っては郷に従えです。
さて刺身を4種類注文しましたが、どのお魚も
とても新鮮で美味しいです。
さすがに水槽から揚げてきただけあります。
しかも1品ずつ舟盛になっていてサービス満点。
この水槽の真ん中で、周りを見渡しながら
地のお魚を頂き愛媛の地酒を飲むのは
雰囲気満点です。
これまたお店の方に教えて頂きましたが、
お魚は宇和島のほうで獲れたものとのこと。
愛媛のお魚は締まっていて美味しい。
さよりの天ぷらや揚げ出し豆腐など温かい
もの系もお願いしましたが、これまたお酒と
合い胃にも優しく美味しいです。
最後にもう一品お店の人に推薦して頂いた
のが「うまずらはぎ」の塩蒸し。
大量の塩で固めて焼かれてきます。
塩の塊を割ると中には蒸された魚が
顔を出します。
白身魚に塩味が少し、魚の旨みと香り、
塩の風味。すべてがマッチして久しぶりに
魚の本質を味わうことができました。
飲み物ですが日本酒は愛媛の地酒を
頂きます。愛媛の日本酒はあまり知られて
いませんがスッキリとしていて、お米の味が
良く香り、魚の味を引き立てます。
なお、ふぐのひれ酒もあり、これはこれで、
とても良いものです。
お店も閉店時間を過ぎましたが、店の方と
店の成り立ちや愛媛の醤油のお話。
お魚についてなどなど、いろいろとお話を
聞かせて頂きました。
すごく皆さん親切で優しい。
最後に甘い醤油まで頂いてしまいました。
これが砂糖を入れず煮物に使うとちょうど良い。
本当にありがとうございました。
松山市内から少し歩きますが、タクシーでも
ワンメーターで行きます。
本当のお魚が食べたい居酒屋好きには、
とてもとてもお勧めです。
実はこの日は愛媛武道館に行きました。
3人娘のライブです。
愛媛武道館、木造りで立派。
ライブは年配者から子供まで幅広く、
男も女も半々くらい。全員超盛上がり。
3人娘は風邪ひいていたらしいですが、
ダンスは完璧シンクロ。すごい。
でも帰りはタクシー難民に。
松山タクシー少なすぎ。(泣)
歩きに歩いてこのお店に着きましたが、
愛媛はお魚も人情も最高。ライブも最高で、
心が弾み和んだ一夜を過ごさせて頂きました。
9位
1回
2013/12訪問 2014/07/12
SAKE DINING穂のかとありますが、
まさに「SAKE DINING」という言葉が
ピッタリのお店です。
お店の雰囲気や出される料理、
日本酒の提供の仕方など日本酒を
楽しめるよう繊細に工夫されています。
日本酒への想いが伝わってきます。
今日もカウンタ席に座りメニューを見ると
日本酒がたくさんあります。
日本の北から南までまんべんなく揃っています。
そしてお料理のメニューも秀逸。
お刺身や肴や和食の他にチーズホンデュー
のように創作料理風で日本酒に合いそうな
メニューがあります。
さてこちらの日本酒へのこだわりは、
①ビールは小瓶のみ。
ここでは日本酒を飲むので
ビールは最低限で良いですよね。
②瓶の開封日が書いてある。
いつ開けたものか、って意外に
気になりますね。
特に発砲系の日本酒の場合は。
③酸度日本酒度や味わいが
丁寧に解説されている。
日本酒は種類が多いので銘柄も
憶えられないし、知らないのも飲んで
みたい人には優しいです。
④飲むサイズが選べる。
180cc、90cc、60ccでサイズが選べます。
いろいろなものを少しづつ飲みたい人にも
配慮。
⑤目の前で注いで頂ける。
一番小さいサイズにしても瓶を持ってきて
頂いて注いで頂けます。
瓶のラベルも見たいのでありがたいです。
⑥仕込み水も美味しい。
お水も酒蔵の仕込み水です。
仕込み水がお酒を細胞に一体化させて、
二日酔いに絶対ならないんですよね。
という具合で、
「わかってるわ。これは」
という感じです。
こういう気遣いのあるお店は料理も
工夫があって美味しいはず、と思っていたら、
やはり来ています。
焼味噌の種類がたくさんあり
3種類の注文は迷います。
米麹や明太子やにんにくや青唐辛子など、
味噌も考慮すると相当のバライエティです。
なんか理科系な感じで楽しいです。(笑)
他の料理も工夫があり、掛け値なく
美味しいです。
どれもこれも飲みたい、食べたいと注文に
迷っていると、ご主人が合いの手を
さしのべてくれます。
そういうサービスもとても心地良いです。
武蔵小山の裏道にある
瀟洒なSAKE DINING。
ほんのりおしゃれなイメージ。
日本酒のためのお料理を
細かい気遣いで頂ける
秀逸なお店です。
10位
1回
2014/08訪問 2014/08/24
【2014.8月再訪】
私、博多へ来たら必ずこちらの屋台バーえびちゃんに寄らせて頂いています。もう大好きでつらいくらい。(笑)
前回来たときは一杯で入れませんでしたが、今回は空いていました。素晴らしい。
中は相変わらずの雰囲気ですね。屋台でカクテルを飲むのは実に楽しい。
いつもの樽ラムとソルティドッグに加えて、オリジナルのカクテルはフローズンカクテルをお任せで。
今回のフローズンカクテルは甘くないパッションフルーツ系です。基本的にカクテルはマスターにお任せですが、実に工夫されたうまいカクテルが出てきます。
そして突出しはいつもの安定のきゅうり一本漬けと濡れピーナッツ。。これが樽ラムのロックに良く合います。
そしておつまみはきびなごの炙りです。もう最高。
いつものように次にお客さんが来たら切り上げる、ということでまたも後ろ髪をひかれるように去りますが、愛すべきこちらの屋台バー、いつまでも訪ね続けたいです。
【2012.9月再訪】
博多の屋台巡り3軒目はこちらです。
実は私こちらのバーは過去何回かおじゃましたことがありますが、今回もぜひ寄りたかったです。屋台なので狭くて隣の人と肩を寄せ合いながらカクテルを飲むひとときですが、普段のバーの上質な雰囲気と違うこの狭さや窮屈さが何とも言えない愉悦なんですね。
さて屋台のバーということですが、メニューも味も本格的です。
まずはお通しが出ますが、このきゅうりと生ピーナッツが最高なんです。特にきゅうりは醤油で漬けてあるのですが、このほんのり薄味で醤油の微かなかおりが、さっぱりしたカクテルやスピリッツに良く合うんです。
さてカクテルの注文ですが、ここは定番ソルティドッグとジントニックを。私良くバーに行きますが、カクテルはバーの雰囲気に合った味と出し方が大事と思われ、その点こちらのえびちゃん様式は屋台風の雰囲気を表していると思います。それはやはり「コースター」効果です。
このコースターはマスターの似顔絵というずっと変わらないデザインですが、これがなんともほのぼのしみじみで雰囲気を作ってます。私必ずお土産に持って帰って家の玄関に飾ることにしています。
屋台のバーなので珍しい、ということだけでは無くこちらにはオリジナルで本格的なスピリッツもあります。それはラム酒です。マスターに聞いたところ焼酎の樽を利用して熟成させているとのことです。少し高い位置から樽を傾けて注いで頂きます。これがラム酒の甘い味と樽の微かなかおりがマッチして素晴らしいです。えびちゃんはカクテルのみならずラム酒もおすすめです。
あとお料理も充実しています。きびなごなど頼みましたが、ベーコンやオイルサーディンなどカクテルやスピリッツに合うものばかりです。
人気屋台なので着いたときには満員でした。でも待つ人がいればさっと切り上げるお客さんのマナーもあり再び訪問できました。我々もひとしきり楽しんだら切り上げます。博多のこういう屋台マナーも好きです。
皆さんから敬愛されているえびちゃん家族で営むこちらの屋台バー、博多を超えて日本でも有数の名物屋台では無いでしょうか。
大好きだった福よしさん。
震災でお店が完全に壊れてしまいました。
YouTubeでその様子が映し出されていました。
魚焼き場の四角いテーブルやたくさんのほやランプもめちゃくちゃに。
会社関係で宮城から来たお客さんに尋ねると、再建を目指されているとのこと。
ずっとずっと気になっていました。
そして、今年の夏にいよいよ復活の知らせが。
機会を得て福よしさんに行くために東北南三陸を訪れました。
気仙沼駅から歩くこと15分。
海岸に近づくと、前に家があった一角は何もありません。
港の桟橋は半分沈んでしまい、使われるべくもありません。
何とも悲しい気分でしたが、そんな中福よしさんの灯りが見えました。
前のお店の前の場所に建っています。
真新しい看板にのれん。
以前は1階でしたが今度のお店は2階でした。
階段を昇る途中で考えます。
お店の中はどうなのか、あの独特な雰囲気の魚焼き場。
そしてホヤで作ったランプ。どうなったのか。
以前は兄弟で経営されていましたが、今度はどうなのか。
玄関をあけてまずは見渡します。
清潔で前よりも広くなった店内。
カウンタに座りましたが、まずはお店の中を見て廻ります。
ありました。四角いテーブルの魚焼き場。
前よりも小さくなりましたがホヤランプも。
きっと残ったものを集めたのでしょう。
前より少し明るくなった気もしますが、この雰囲気は福よしさんです。
嬉しくなりました。涙が出ました。
さてカウンタに座りお任せで料理を頂きます。
まず最初に出たのは「烏賊の肝和え陶板焼き」
私の大好きで愛して止まないこの逸品。
これは本当に美味しい。烏賊と肝の新鮮さが違う。
火が通るのを待ちます。
その間に日本酒を注文です。
こちらでは4合瓶飲みきりです。その銘柄は「福よし」です。
さて火が通り、コピリンコと日本酒を頂きながら烏賊を頂きます。
美味しい。美味しすぎる。日本酒と合いすぎる。素晴らしい。
日本酒「福よし」は気仙沼の酒。濃い味の肝和え焼きに合います。
懐かしの福よしさんの名物料理は健在です。
お任せ、次はお刺身です。
しめ鯖が新鮮、ボタンエビが大きい、かつおがとろけそう。
魚が違います。つぶ貝もコリコリしています。
でもホヤは無し。育つまであと何年かかかるとのこと。
もうひとつタラの白子も頂きます。
もう一口でぼうぜん。新鮮で筋がなくとろけます。
気仙沼の豊かな海の豊かな幸は大丈夫なようです。
そして牡蠣フライ。
さすがにつぶは小さいのですが、濃厚な牡蠣の旨みが染みます。
そして真打は焼き魚です。
いろいろな魚がありますが、ここは喜知次を選びます。喜知次とはきんきのことです。
あの四角い焼き場でじっくりと焼き上げられた喜知次が登場です。
一口食べると温かな蒸気が上がり、しっとりとした白身の旨みが舌に広がります。
喜知次の焼きがここまで美味しく頂けるとは。
福よしさんの焼き魚はもはや文化財の領域です。
これは店主の息子さんが今は担当されているとのことです。
カウンタで横の地元の方にいろいろお話頂きました。
地震のこと、津波のこと、気仙沼のこと、そして福よしさんのこと。
皆さんが本当にご苦労され、その中で福よしさんを応援し、今ここにお店が復活し、また地元の方々で盛り上げている。
今日もお店は地元の方で一杯です。
そんな姿を見聞きして、及ばぬことながら心の中で気仙沼全体が早く完全復旧できることをお祈りしました。
ちなみにお店は店主ご夫婦と息子さん、店主の弟さんでやられているとのこと。皆さん元気そうで良かったです。
福よしさん、お店再開できて本当に良かったです。今日もとても美味しかったです。心が温まりました。
日本で最高の居酒屋です。まだまだ大変と思いますがいつも応援しております。