2回
2018/01 訪問
今年も正月特別献立、頂いて来ました。クエ、ふぐ、すっぽん、鮑、唐墨、干し数の子…絶品料理の数々…
2018年1月2日、友人3名と訪問。
今年の外食始めは、やはりこちらから。
恒例の正月特別営業の訪問です。
武蔵小山から、こちらに移転しての初めての正月特別営業になります。
通常、『お任せコース』は、8800円(税・サ別)ですが、『新春特別献立』は、16000円(税・サ別)です。
豪華食材をおもいっきり使って、リミッターを外した衛藤さんが腕を振るってくれます(笑)
武蔵小山時代より、すべてがブラッシュアップされていて、お店もより落ち着いた雰囲気となり、お正月料理を頂くのにぴったりのお店になりました。
『新春特別献立』(16000円税・サ別)
まずは、お屠蘇代わりの日本酒、『鳳凰美田 ワインセル純米吟醸』で乾杯です。
この日本酒は、ワイン酵母仕込みで、葡萄の香りのする吟醸酒です。
【祝飯】
・鯛赤飯、焼き唐墨のせ…
もちもちのお赤飯の上に焼いてほぐした真鯛の身が乗せてあり、更にその上に自家製の炙った唐墨が乗せてある贅沢な逸品。
唐墨は、バーナーではなく、わざわざ炭火で焼いてます。
【付出】
・鮑の肝煮…めちゃめちゃ柔らかく煮た鮑に肝が和えてあります。
日本酒飲むっきゃないです。
・車海老…お正月らしく美しい。
・菜花…早くも春を感じます。
・干し数の子…戻すのに1週間掛かったそうです。
一般な塩数の子と歯応えが違います。
・田作り…丁寧に煮てあります。
・ちょろぎ…素揚げしてあります。
箸休めにぴったり。
・くわい煎餅…歯応えと香りが良い。
・すっぽん煮…生姜で甘辛に煮てあります。
美味しい。
・黒豆…丁寧に綺麗に煮上がっています。
【御椀】
丸雑煮…すっぽんのお雑煮です。
内臓からぺら(甲羅)までが、余すとこなく旨味が出ています。
【造里】
・天然とらふぐ…旨味の塊です。
・ふぐ煮こごり…上品な味わい。
白醤油か、透明で美しい。
・黒むつ…脂の乗りは、赤むつ(のどぐろ)に負けていません。
【揚物】
ふぐの白子と筍の天婦羅、蕪餡掛け…これ以上の贅沢な揚げ物はありません。
上品な餡は、繊細なとらふぐの白子の旨味を最大限引き出しています。
【焼魚】
真名鰹西京焼き、蕪添え。
程よく西京味噌に漬け込んだ、真名鰹が皮目をパリッと、身はジューシーに焼いた逸品。
※真名鰹の語源は、“真似”鰹、鰹の揚がらない瀬戸内地方で、鰹に見立ててこう呼ばれたとか。
鰹とは違う種。
【止め鍋】
クエのしゃぶしゃぶ、京水菜。
幻の高級魚クエは、お初でした。
11㎏超えの魚体だそうです。
店主が、目の前で丁寧にしゃぶしゃぶして取り分けて頂きました。
クエは、淡白ですが旨味がたっぷりで、身はプリップリで弾力があり、噛み堪えがあります。
クエに合わせた自家製のちり酢も爽やかな酸味で美味しい。
【食事】
・お吸い物…クエの骨から取った出汁を使った滋味深いお味。
・ご飯…羽釜炊きの魚沼産こしひかりです。
これはもう凄すぎます。
もっちりとして甘味があり、今まで食べてきたお米で、一番美味しいご飯です。
炊きたての香りに思わず泣きそうになりました。
ご飯のお供は、
・本鮪の赤身、中とろ、葱とろ…摺ったばかりの山葵の香りも良く、言うことありません。
・卵の黄身の味噌漬け…赤身と相性がぴったり。
・焼き海苔….焙りたてでパリッとしている厚い海苔です。
香の物は、
・赤蕪、山芋、山牛蒡、ちしゃとう(茎レタス)の糠漬け。
・昆布。
【菓子】
すべて女将の手作りです。
・和菓子3種、アイスクリーム3種から選びます。
自分は、苺の最中アイスクリームを頂きました。
パリッとした最中の皮も最高です。
・抹茶…お正月料理の〆は、店主の奥様が立てたお抹茶です。
頂いた飲み物は、
『琥珀ヱビス』(660円)
『奈良萬 (福島)純米生酒』(1合930円)
『春霞(秋田)特別純米』(1合1100円)
『知多ハイボール』(600円)
『ザ・ニッカ12年ハイボール』(860円)
普段のおまかせコースも十二分に美味しかったのですが、お正月特別献立は、とにかく贅を尽くした食材を使うのですから間違いありません。
おまけに武蔵小山時代のお正月特別献立より更にレベルアップしています。
鯛、唐墨、ふぐ、すっぽん、鮑、クエ…贅沢過ぎますね。
多分、こちらではなく、六本木や銀座にお店があったら、お値段も倍近くはするのではないでしょうか。
なのでCPは抜群です。
お聞きしたところ、今年の正月特別営業も満員御礼だとか。
年々予約が取りづらくなって来ています。
やはり武蔵小山から、蒲田に移転してしまいましたが、至宝と言って良い名店です。
年々極みに近づいています。
ごちそうさまでした。
先付
車海老と鮑の肝煮
すっぽんの生姜煮と梅人参
田作りと揚げちょろぎ、クワイ煎餅
黒豆と干し数の子
鯛赤飯器
鯛赤飯、自家製炙り唐墨
丸雑煮
造里
黒むつ、ふぐ煮こごり、虎ふぐ刺身
虎ふぐ白子と筍の天ぷら
虎ふぐの白子と筍の天ぷら、蕪餡掛け
真名鰹西京焼き
クエのしゃぶしゃぶ
水菜とクエのしゃぶしゃぶ
店主に調理して頂けました
ぷりぷりのクエ
クエの出汁の吸い物
羽釜で炊きたてのご飯
もっちりとしてこれ以上の贅沢はありません
ご飯のお供
苺の最中アイスクリーム
お抹茶
琥珀ヱビス
奈良萬 純米生酒
春霞 特別純米
知多ハイボール
ザ・ニッカ12年ハイボール
鳳凰美田 ワインセル純米吟醸
新春特別日本酒メニュー
日本酒メニュー
ドリンクメニュー1
ドリンクメニュー2
珍味メニュー
鏡餅
看板
外観
2018/01/05 更新
2017/10 訪問
武蔵小山の至宝が、蒲田の至宝に。お料理も佇まいも更に極みに向かっています…
2017年10月3日、友人と2名で移転後の初訪問。
日本料理の衛藤さんは、今年の春まで我が武蔵小山の至宝でした。
それが移転されると聞いて大ショック。
4月に閉店され、こちらに6月に再オープンされました。
武蔵小山時代、衛藤さんを訪問したのは、かれこれ7、8年前になります。
初投稿から、あれよあれよと、食べログのポイントも3.7を越えて、人気店になり、御正月の特別営業にも何度もお邪魔させて頂きました。
ご主人は、あの恵比寿の『賛否両論』の笠原将弘シェフと、新宿の『正月屋吉兆』時代の兄弟弟子です。
11年修業ののち、笠原シェフは、創作和食の道へ行かれ、ご主人は、正統派の日本料理『衛藤』さんを武蔵小山に構えられました。
それから、12年。
ご主人の地元の大田区蒲田へ移転されました。
お店の場所は、JR蒲田駅と京急蒲田駅の中間地点で、大通りの路地を少し入った所あり、落ち着いた佇まいです。
武蔵小山の時よりかなり高級感が増して、知っていると自慢できる“隠れ家”になりました。
店内は、入って左側に、4名用の個室が2室。
仕切りを外せば、8名の小宴会も可能です。
奥には、カウンターが7席。
あちこちに生け花や盆栽などが飾ってある落ち着いた雰囲気に、居心地凄く良いです。
頂いたのは、
おまかせコース(8800円)
武蔵小山時代の最後が、5000円でしたので、かなり価格が上がったようですが、雰囲気も食材もかなりブラッシュアップされていますが、CPは相変わらず素晴らしいです。
【先付】
・原木舞茸天婦羅…一品目から、いきなりの揚げ物にびっくり。
でも頂いてみて納得。
貴重な原木舞茸の天ぷらです。
舞茸本来の風味は、人工栽培の舞茸とまったく別物です。
食事の最初の味覚がまだ覚醒する前に、ぴったりの逸品。
・ワタリガニとお浸し…菊の花などで色とりどりに盛られて美しい。
ワタリガニ、味が濃いです。
春菊の飯(いい)和え…鮒鮨に使われているのお米を和えてあります。
【お凌ぎ】
新銀杏の飯蒸し(餅米)…十五夜の前日らしく、兎の器に盛られた蒸した餅米です。
甘味があって、もちもちしていて美味しいです。
【御椀】
御椀代わりの土瓶蒸しです。
松茸(ブータン産)、十分に香りが立っています。
今年は国産松茸が不作で、20万円/㌔もするそう。
焼いた甘鯛が入っています。
ふっくらとしていて、めちゃくちゃ美味しい。
粟麩も滑らかで良い舌触りです。
土瓶蒸し定番の薬味は三つ葉。
お水にも拘りがあって、白神山地の湧水を使っています。
元々日本は軟水ですが、白神山地の湧水は、超軟水で、昆布出汁が良く出るそうです。
【造里】
真鯛(石巻)…プリっとした歯触りです。
真蛸(石巻)…新鮮で甘みがあります。
鮪(長崎県壱岐)…ねっとりとした歯触りが心地良いです。
赤ほや(北海道産)…漬けです。
真ほやの8倍の甘味と旨味だそうですが、磯臭さはまったくありません。
日本酒のあてには最高に贅沢な逸品です。
【焼物】
赤むつ(のどぐろ)…土瓶蒸しの甘鯛もですが、衛藤さんでは、遠火の炭火でふっくらと焼き上げています。
脂が最高に乗っていて、言うまでもなく美味しいです。
【揚げ物】
秋刀魚が二種。
・肝ソース…サクッと揚がった秋刀魚です。
肝ソースは、やや苦みがあって大人の味。
・幽庵揚げ…白胡麻が香ばしい。
骨煎餅と枝豆が添えてあります。
【焚合】
万願寺唐辛子、里芋、茄子、赤オクラ(沖縄県産丸オクラ)…大変上品に焚いてあります。
かと言って、薄味という訳でもないので、日本酒に凄く合います。
【食事】
衛藤さんのご飯は、以前もとても美味しかったです。
より高見を目指し、銅製羽釜を使いたかったそうですが、ガスのバーナーの口に限りがあったので、前のお店では、断念していたとのこと。
今回の新しいお店では、厨房も広くなって、バーナーの数も増えたので、その夢が叶ったそうです。
有機栽培の魚沼産コシヒカリは、つやつやもっちりで、涙が出るほど美味しく炊けていました。
そしてご飯のお供は、茸の醤油煮の上にいくらの醤油漬けがたっぷり乗った小鉢です。
ご飯にぶっかけたら、そりゃもう…!
お味噌汁は、赤だしで、具は栃尾の油揚げと岡山ねぎ。
美味しいなぁ~。
【香物】
みずの実(ミズムカゴ)
昆布
きゅうりと山芋の糠漬け。
どれもさっぱりしていて美味しい。
【菓子】
・かりんとアイス最中…パリッパリの最中に入ったアイスクリームです。
かりんとうが練り込んであり、まるでカラメルの様な風味です。
友人は、
・栗の和菓子…季節の手作り和菓子です。
甘さを抑えた小豆と栗の風味が豊かに味わえます。
お味見で、
・味噌アイス、蒲田の黒豆の甘納豆の和菓子
レモンを入れると、レアチーズケーキ!めちゃくちゃ美味しいです。
ハーゲンダッツで出して欲しい!(笑)
菓子は、すべて衛藤さんの女将の手作りです。
年々腕前を上げているが良く分かります。
頂いた飲み物は、
『サッポロ 琥珀ヱビス』(660円)
『十四代(山形)純米吟醸』(グラス890円)
『たかちよ(新潟)しぼりたて生原酒』(610円)
『田从~たびと(秋田)山廃純米』(670円)
『萩の鶴 メガネ専用(青森)特別純米』…10月1日はメガネの日らしく、洒落の利いた限定酒。
全員メガネ蔵人が作りましたって(笑)
『果実酒(柚子)鳳凰美田 炭酸割』(600円)
日本酒のチョイスは、相変わらず素晴らしかったです。
やっぱり衛藤さんは、凄い!、このひと言に尽きます。
仕事の丁寧さ、季節感を大切にした食材、おもてなしの温かさ…どれをとっても一流です。
自分は、バブル時代、円山町、新橋、神楽坂から、京都の宮川町まで、料亭さんを数えきれないほど巡りましたが、お料理は衛藤さんが一番です。
しかもCPの差は歴然。
もし、お店が麻布や銀座でしたら、間違いなく倍以上されていても納得するでしょう。
まだ、オープンして間もないので、客足には波はあるようですが、そのうち予約が取れないお店になる日も遠くないと思います。
訪問するならば、食べログのポイントが低い今のうちです。
予約は営業日の営業開始時間の17時まで。
お勧めは、カウンター席。店主と料理談義に花を咲かせるのが楽しいです。
衛藤さんは自分が食べログを始めるきっかけのお店でもあります。
また季節の変わり目にお邪魔したいと思います。
原木舞茸の天婦羅
ワタリガニのお浸し
付け合わせは、鮒鮨の飯(いい)を和えた春菊
新銀杏飯蒸し(餅米)
土瓶蒸し
松茸、三つ葉、甘鯛
甘鯛が美味しい
お造里
鮪(長崎県壱岐)、真鯛(石巻)、真鯛(石巻)
赤ほや(北海道産)漬け
秋刀魚、唐揚げ肝ソース、幽庵揚げ
苦味のある肝ソースは、秋刀魚にぴったり
赤むつ(のどぐろ)焼き
脂がたっぷり
焚き合わせ
里芋、おくら、万願寺唐辛子、茄子
銅製羽釜
ふっくらつやつや
もっちり甘い
香の物&いくらの醤油漬けと茸の醤油煮
ご飯に乗せたら…
お味噌汁、具は栃尾の油揚げと岡山葱
かりんとう入りアイス最中
かりんとうの風味はキャラメル
栗の和菓子
味噌アイス、レモン添え
琥珀ヱビス生ビール
たかちよ(新潟)と十四代(山形)
蒲田きりこのグラス
田从(たびと)秋田、純米
萩の鶴(青森)メガネ専用特別純米
果実酒 柚子 鳳凰美田
単品お品書き
店主は、素晴らしい料理人
廊下
カウンター7席
落ち着いた店内
店内は、生け花や盆栽があちらこちらに
個室
外観
2017/10/15 更新
日本料理の隠れた名店が、武蔵小山から蒲田へ。
予約の取れないお店になる日も近いです。
2018/01/05 更新