鈴木ファンドさんが投稿したエメ・ヴィベール(東京/麹町)の口コミ詳細

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鈴木ファンドの東京フレンチガイド

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移転エメ・ヴィベール麹町、半蔵門、市ケ谷/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2011/07 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

ガストロノミーを体感「エメ・ヴィヴェール」

■ エメ・ヴィヴェール(二番町・フレンチ)について/23.7.18
 
 千代田区ニ番町にあるグランメゾン「エメ・ヴィヴェール」。(ミシュラン東京2011二つ星)
コンセプトは、パリ郊外=イル・ド・フランスに点在するメゾンを東京二番町に再現したとのこと。
レストランの前を通るたび、優美な石造りの洋館に目を奪われ一度は行ってみたかったレストラン。
今回、念願叶って初めてディナーで訪問させていただきました。
場所は、女子学院の真向かいにあり、麹町駅あるいは市ヶ谷駅どちらからでも歩ける距離ですが、市ヶ谷駅から向かうと500m弱の上り坂を登らなければならないので、身だしなみも考えれば麹町駅から向かうべき。
また、土日は数ヶ月前から結婚式等のパーティーで埋まってるので、早めの予約が必要でしょう。

1.雰囲気について
 店の入口には、すでにお店の方が立っており、名前を告げるとまずはウェイティングルームに案内されます。
暫くの間、優美な店の雰囲気を楽しんでいると、頃合を見計らったようにメインダイニングに通されました。
メインダイニングは、広く開放的で、各テーブル間の距離がかなり広めにとられており、ゆったりとした気分で食事が楽しめます。
内装は、シャンデリアなどの高価な調度品や絵画が飾られまさに豪華絢爛。
また、天井や壁面にガラスが多用されているのが特徴的で、ディナータイムは日が沈む光景を眺めながらの食事となるため、非常にロマンチックな雰囲気になります。
店の外は、ライトアップされた庭園にバラが咲き誇るという幻想的な世界。
まさに非日常の世界で食事が味わえるレストランといえるでしょう。

2.料理について
 ディナーのコースメニューは下記の2種類で、メニュー構成は同じですが、選択肢が異なります。
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■ MenuA:アミューズブーシェ+前菜+魚料理+シャンパーニュのグラニデ+メイン+フロマージュ+        デザート+小菓子+食後の飲み物(¥10,500)
■ MenuB:アミューズブーシェ+前菜+魚料理+シャンパーニュのグラニデ+メイン+フロマージュ+        デザート+小菓子+食後の飲み物(¥15,750)
※ 上記金額は消費税込で、この他にサービス料が10%かかります。
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私は、メニューAをオーダー。
料理の全体的な印象としては、クラシカルな王道フレンチを昇華させたもで、素材の良さ、ソースの秀逸さを楽しむことに主眼が置かれており、忠実な技法を背景に、どの料理も完成度が高く、安定感があります。
その安定性の反面、メニューを見ただけでその料理のおおよその味と風貌が想像でき、意外な食材の組み合わであるとか、曲芸レベルの火入れの料理等、サプライズ的な要素はありませんが、だれでも耳にしたことがある王道の料理が、あたり前のように美味しい。
それが、この店のレゾン・デートルであり、4年連続ミシュラン2つ星を獲得している所以なのでしょう。
個々の料理の感想は下記のとおり。

(1)アミューズ:ガスパッチョ
 アミューズとして供されたのは、小さなグラスに注がれたガスパチョで、中にボイルされたタコとカリフラワーが入っているというシンプルな料理。
ガスパチョは、酸味を押さえ、トマトの優しい旨みだけを引き出したもの。
また、タコやカリフラワーも素材本来が持つ、自然な旨みや甘みを味わうもの。
それぞれの食材によって異なる甘さや食感が楽しめ、またそれが三位一体となって1つの料理として見事に調和しているという優れた一品。

(2)前菜:オマール海老とサーモンのマリネと茄子のアスピック
 前菜は3択で、オマール海老のマリネと茄子のアスピックをオーダー。
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■ オーマール海老のマリネと茄子のアスピック
■ 生雲丹とそのクレーム フヌイユのバヴァロワ仕立て
■ ランド産フォワグラのコンフィ いちじくのチャツネと自家製ブリオッシュ
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 運ばれてきた料理は、オマール海老、茄子、オクラをブイヨンで固めたアスピックを中心に、オマール海老、フルーツトマト、ルッコラなどの野菜が配され、その周囲にオリーブのソースを敷かれたという美しい料理。
この料理は、茄子のアスピックが絶品。
茄子には、ブイヨンのコクが染み渡り、それだけ頂いてもワインが何杯もいけてしまうくらい美味なもの。
また、オマール海老と茄子、オクラと茄子を一緒に口に含むことにより、それぞれの食材に奥深い味わいを加え茄子がソースのような役割も果たしている。
何種類もの食材をちりばめたテリーヌも好きですが、これだけ少ない食材でもじっくり楽しませてくれる技量の高さに関心。

(3)魚料理:天然・真鯛のグリエとオレンジの香るフヌイユ ソースヴェルジュ
 お魚料理は2択で真鯛のグリエをオーダー。
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■ トラウトサーモンのコンフィ クレソンのピュレ
■ 天然・真鯛のグリエとオレンジの香るフヌイユ ソースヴェルジュ
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 この料理は、焼き目をつけてグリルした真鯛の上にフヌイユをのせたという立体的な構造。
ソースはヴェルジュソースがたっぷりお皿に敷かれ、ニンニクとコリアンダーを散らしたというシンプルなもの。  
真鯛の火入れは、ふっくら感を重視したもので、弾力がありプリプリした歯ごたえです。
素材も新鮮で、シンプルな料理だからこそ、その良さが引き立っています。
ソースは、酸味が強いヴェルジュソースで、散らされたニンニクも相まって食欲が増してきます。
ただ、美味しい料理であることには間違いないのですが、如何せん味や食材の使い方がシンプルすぎて感動が薄く、冷静に見ればそこら辺の美味しいビストロでも供されるレベル。
2つ星のレストランが供する料理としては、物足りなさが残る印象。

(4)メイン:ブレス産ミニパンタドーの一羽塩パイ包み焼き フォワグラのソテーと
 メインは6拓で、鶏のパイ包み焼きをオーダー。
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■ エルブのファルシ フランス産ウズラの一羽ロティとジロル茸のソテー
■ ラパンの肩肉のかるーいブレゼ 二種のオリーヴと
■ 骨付き仔羊の背肉のロティとフェーヴ アイユの香り
■ ブレス産ミニパンタドーの一羽塩パイ包み焼き フォワグラのソテーと(2人~)
■ 和牛フィレ肉のポワレとレギュームグラッセ 甘酸っぱいソース(+2,100円)
■ ドーバーソールのアンティエ ムーニエール(2人~)
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 この料理を選択すると、料理としてお皿で運ばれてくれる前に、まず焼き上がった鶏を目の前で切り分けれくれるというプレゼンテーションで楽しませてくれる。
料理はと言うと、シャンポン種というブレス産の最高級のホロホロ鳥をパイで包み塩焼きにしたもので、ソースはバルサミコソースを使用し、カリカリにソテーされたフォアグラと一緒にいただくというもの。
この料理は、何と言っても鶏が旨い。
鶏は比較的脂肪分が高いタイプで、口に含むとミルクやバターのようなクリーミーさが味わえる。
また、数種類の香草と一緒に焼かれているためか、味にしつこさはなく、軽い味わいに仕上がっている。
美味しいフォアグラが添えられているのですが、その存在を忘れさせてくれるほど鶏肉の旨さに魅了されます。
最高級の鶏肉の旨さを最大限に引き出した料理。

(5)デザート   
 デザートは下記の5択で、桃のシブストとマンゴーのクレームをオーダー。
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■ 桃のシブストとマンゴーのクレーム
■ カシスのムースといちじくのジュレ グアヴァのソルベ
■ ココナッツのムースグラッセとパイナップルのコンポート
■ クリオロ種をつかったミルクチョコレートのムースとクルミのパフェ
■ ゴールデンパインのココットロティ バニラのソースと牛乳のアイスクリーム(2人~)(+1,050円)
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 お皿一面に敷かれたマンゴーのソースの上に、桃のシブスト、アイスを配したという贅沢なデザート。
桃のシブスト・マンゴーのソースともにネットリ凝縮感のある仕上がり。
また、フルーツの青臭さがなく、果実の外側のみ使用して作れたものだということが容易に分かる。
デザートも料理に劣らずクオリティーが高い。

(6)チーズ   
 ワゴンで数種類のチーズが運ばれてきて、好きなだけ切り分けてくれるというスタイル。
このお店のチーズは、コースの中に含まれていて、別料金がかからないというのがうれしい。
ただ、今回は満腹状態でしたので、手を付けることが出来ませんでした。

(7)小菓子
 小菓子もワゴンスタイルで運ばれてきて好きなだけ食べることが出来る。
種類は、エメヴィベールのロゴの入ったチョコレート、紅茶/キャラメル/フランボワーズの3種のマカロン、ヌガーグラッセ、ワインのゼリー等々目移りしそうな多彩なデザートの数々。
前述したとおり、満腹状態でしたので、何とかマカロンを少々いただきました。

3 ワインについて
 食前にシャンパーニュ、前菜に合わせてグラスの白、肉料理に合わせてグラスの赤をオーダー。
グラスのシャンパーニュは2,100円、グラスワインは、2,000円前後の価格設定。
その他ボトルワインは、お店のHPに掲載されています。
個々の感想は下記のとおり。(シャンパーニュ忘れてしまいましたので除く)

(1)グラスワイン白:ピュイ・ヒュメ(¥1,890)
 グラスワインは、下記の4種類(聞き取れた情報のみ記載)で、ピュイ・フュメを選択。
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■ アルザスのリースリング
■ ソーヴィニヨンブラン
■ ピュイ・ヒュメ
■ ピュイ・ヒュッセ07
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ピュイ・ヒュメは、よく火打ち石に例えられますが、このワインもその特徴どおりスモーキーなニュアンスのする白ワイン。
 前菜とお魚料理にいただいたのですが、抜群の相性とまではいきませんでしたが、無難にマッチし、少し個性のあるワインを堪能させていただきました。

(2)グラスワイン(赤):ヴォーヌロマネ(¥2,310)
 グラスの赤は3種類でヴォーヌ・ロマネをオーダー
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■ ヴォーヌ・ロマネ07
■ カベルネソーヴィニヨン
■ サン・ジョセフ06
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  ヴォーヌ・ロマネは、万能型のブルゴーニュワインで、酸味と果実味のバランスが素晴らしい。
  また、ジュブレ・シャンベルタンの力強さ、シャンボール・ミュジニーのエレガントさも兼ね備えており、ワインだ
  けでも楽しめます。
  無論ホロホロ鶏との相性は抜群でうっとりしてしまいました。

4.接客について
  接客は、スマートでありながら暖かみがあるもので、スタッフ全員から感じ取れます。
 料理の説明は、簡潔で分かりやすく、お客の会話の邪魔をしないという配慮が感じ取れる。
 店を退出する際も、見送りをしていただき、接客に関しては言うことなく素晴らしい。

5.コストパフォーマンスについて
  最高のシチュエーションでいただくディナーを1万ちょっとでいただけるのは、かなりハイパフォーマンス。
 食事に関していえば、どの料理も美味しいのは前述したとおりですが、チーズがコースに含まれており好きな
 だけいただけること、また小菓子も好きなだけいただけることを考えれば、かなりのお得感を感じました。

6.総評
  雰囲気・料理・接客すべての面において、高いレベルで、4年連続2つ星というのは納得。
 あえて、重箱の隅を突付けば、料理にサプライズと感動が薄いということ。
 結婚式場も兼ねているレストランということもあり、誰もが美味しいと感じる料理をつくらざらるを得ないかもしれ
 ませんが、料理だけを食べに来た人の立場からすれば、少しは斬新な要素も見てみたいというのが本音。
 ただ、それを差し引いても、この雰囲気のなかで食事を楽しむことは、他のレストランは味わえないこと。
 ガストロノミーをじっくり体感させていただきました。
  

  • 外観

  • アミューズ

  • 前菜

  • 魚料理

  • 肉料理

  • デザート

2012/01/02 更新

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