鈴木ファンドさんが投稿した山玄茶(京都/祇園四条)の口コミ詳細

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鈴木ファンドの東京フレンチガイド

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山玄茶祇園四条、三条京阪、三条/日本料理

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2017/04 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

まっとうな日本料理と祇園の空気感を気兼ねなく堪能できる名店

☆ ★ ☆ 三玄茶(京都・祇園/懐石料理)について ☆ ★ ☆

 京都は祇園にある【ミシュランガイド京都・大阪2017】1つ星の日本料理店「三玄茶」
滋賀県八日市にある料亭「招福楼」で、20年間修行をされた増田氏が、2007年に祇園の地に開店させたお店です。
数年前に京都に赴任中に初訪問して以来、1年に1度は必ず訪れており、今回はディナーで利用させていただきました。
場所は四条花見小路を2本上がったところを右に入り、奥まった細い路地の突き当りまで進むと、左手に趣深い灯りがあり、そこが三玄茶の玄関となります。

1 雰囲気について
店舗は、近くの花見小路とは対照的な閑静な場所にあり、祇園の細い路地を散策しながら店へと向かうアプローチは、何回訪れても高揚感が高まるもの。
玄関をくぐると、店舗入口までは細い屋根付きの路地を進むのですが、その途中に厨房があり、そこで声をかけられ中へと案内されます。
店舗の中に入ると、目の前には掘り炬燵式のカウンター席が10席ほど用意され、右手は、個室がある2階への階段となっています。
今回は2階の個室を利用したのですが、個室は4畳半ほどの広さで、よく手入れされた坪庭を上から望むことができます。
いずれの席も利用したことはありますが、気さくな大将との会話や料理人の巧みな包丁捌きを楽しみながらカウンターで料理を楽しむのも良し、祇園を空気感を個室で占有しながら料理を楽しむのも良しです。

2 料理について
料理のコースは次のとおりで、今回利用したディナー(18,000円)のコースは、先付+椀物+お造り&お寿司+お凌ぎ+焼き物+八寸+揚げ物+炊き合わせ+ご飯&止め椀&香物+水物+和菓子といった構成です。
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◇ ランチ
・ 5,500円のコース
・ 8,500円のコース
◇ ディナー
・ 13,000円のコース
・ 18,000円のコース
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あまり日本料理には詳しくないので、的確なコメントはできませんが、料理の方向性としては、9割直球、残りの1割変化球といった感じで、まっとうな懐石料理を提供してくれます。
高級食材を余り多用せず、見た目的には平凡ですが、旬の食材と料理人の巧みな技法により、しっかりと味覚で楽しめせてくれます。
また、ごちゃごちゃ食材を使わず、焦点が定まった料理が多いので、何に主眼をおいて料理を提供するのか、分かりやすい料理が多いのが特徴かと思います。
なお、いずれのコースを選んでも、ボリューム的には大満足で、価格も周辺のお店と比べても相対的にお安く、コスパ的も抜群なので、ついついリピートしてしまうお店です。個々の料理の感想は次のとおりです。
(1)先 付
涼しげな四角いお皿に盛られて供されたのは、鮑、ミル貝、雲丹に一寸豆をのせたもの。ほのかに柑橘系の果汁が感じられ、爽やかさと貝の瑞々しさが感じられる一品。
この日は暑かったこともあり、見た目と味わいの清涼感が心地よい。
(2)椀 物
あぶらめとぜんまいの湯葉巻きに、葉山椒が添えられた一品。
出汁は限りなく薄味でありながら、「あー美味しい」と思わず声が出てしまいます。
出汁が薄味ゆえに、旬のあぶらめの繊細な味わい、葉山椒の香りが引き立ち、それぞれが相乗効果を生み出しマリアージュ。他の料理でも言えることですが、三玄茶は出汁が旨いです。
(3)お造り
鯛、サヨリ、ケンサイカ、トリガイ、エビのお造りに中トロの握りが添えられた一品。
お造りは、醤油、塩、マスカルポーネチーズ入りポン酢でいただきます。
お造りに関しては、季節的に好みの魚がないためか、普通に美味しいといった感じ。
マスカルポーネのポン酢に関しては、遊び心で洋風アレンジしたものと思われますが、この手のものは、そこら辺のビストロのマリネのソースの方が一枚上手なので、中途半端なものを出すことにより、逆にチープな感じが否めないので、個人的には否定的。
(4)お凌ぎ
いくらご飯が供されました。
いくらの漬け加減が絶妙で、醤油に頼らない味付けが素晴らしいです。
ほんの一口程度のお料理ですが、良い食材、良い仕事が伺える一品です。
(5)焼き物
焼き物はのどぐろの木の芽焼きで、大根おろしと柴漬けを和えたものが添えられ、醤油でいただく一品。皮目がパリッとしていて火入れは完璧で、木の芽による香り付けも巧妙。大根おろしに和えた柴漬けが良い味を出しており、脂が強い魚でも後味あっさりです。
(6)八 寸
ゼンマイ、タコ、毛ガニの醤油ジュレがけ、スナップエンドウ、あわび、エビ、玉子のくし刺し、タイの白子。
圧倒的なボリュームと種類、そして美しさに驚かされますが、それぞれ手が込んでいるのがまた驚きです。
(7)揚げ物
 タラの芽、鯛のキャベツ巻きに白味噌餡かけたもの。
鯛とキャベツの優しい甘みを餡がふんわりと包み、極めて上品で優しい料理。
 コース終盤に来て、優しい白味噌は胃に染みわたる美味しさです。また、変化球っぽい醤油のジュレも、味わい・舌ざわりが美味しさに直結するので、これは良いと思います。
(8)炊き合わせ
タケノコ、わかめ、わらび、桜エビのしんじょ。
タケノコ、桜エビが季節感を感じさせます。
この料理も出汁が秀逸で、極めて薄味に仕上げているため、逆にタケノコのほんのりした香りと甘み、桜エビの磯の香りが引き立つ一品です。
大そうなことは言えませんが、三玄茶の出汁をいただくことによって、日本料理における出汁の役割が、蘊蓄を聞くことなく理解出来た様な気がします。
(9)ご飯+香物+止椀
ご飯、漬け物、八丁味噌のすまし汁仕立て。
大抵の店は、ご飯になると〆の気分になりますが、三玄茶はここで最後のクライマックスを迎えます。
ご飯は、大将の地元、滋賀の近江米のコシヒカリを使用し、土鍋で炊かれたものを目の前でよそってくれ、初めは白米だけでいただき、次はお塩をかけて、その次は酒と山椒で炊いた由比ヶ浜産のおじゃこで、後は1膳分残して香物でいただくという流れ。1膳残したのは、最後の〆に「カルボナーラ風卵かけごはん」か「うなぎのお茶漬け」を別途調理してくれるからで、今回はうなぎのお茶漬けにしました。
 ご飯は柔らか目に炊いており、同じく柔らか目に炊いたおじゃことの相性が良く、ごっそりおじゃこをいただきました。
なお、止椀は、八丁味噌で作った味噌汁の上澄みだけを使用した贅沢な味噌汁で、風味は八丁味噌の味噌汁そのものですが、後味がすっきりしており、非常に上品な味わいでした。
(11)水物&和菓子
水物はパッションフルーツ、和菓子はわらび餅とよもぎ餅の選択で後者を選択。
パッションフルーツが瑞々しく、美味しかったです。

3 飲み物
 飲み物のメニューは掲載写真のとおりでビールと赤・白ワインをいただきました。
ワインは、赤・白それぞれ3択で、提供される銘柄はあまり変動がない模様。
正直ワインに関しては、品揃の種類や供される料理との相性を考慮するとラインナップは貧弱。日本酒と合わせるのが主流だとは思いますが。。。

4 サービス
 大将の気さくな人柄が素晴らしく、そんな大将と接しているからか若い料理人の接客姿勢も素晴らしく、ハキハキしていて気持ちが良いです。
また、カウンターに飾られている「一期一会」を体現すべく、初めて訪問した時も、常連の方と分け隔てなく接していただきましたし、若輩者ですが、周囲と同様に接していただき、京都に来て、京都の方と接する最も心地よい場所となっています。
 京都の飲食店というと、「一見さん」という言葉を意識せざるを得ませんが、三玄茶に関しては、その心配は皆無です。

5 総 評
 京都・祇園の飲食店というと、「一見さんお断りという」フレーズが脳裏をよぎり、敬遠しがちですが、三玄茶は接客が素晴らしく、気兼ねすることなく店の雰囲気や祇園の空気感を楽しめるということがまず大きいです。
 また料理は、ご飯に白米を提供するなど、飾り気より食べて美味しいのか?にということに趣を置いているような感じで、個人的にはこのような実直なところが好み。
 季節感も満載な料理が多いので、季節が変わる度に訪れたいお店です。

  • 外観

  • 2階個室

  • 2階個室からの眺め

  • カウンター席

  • ドリンクメニュー1

  • ドリンクメニュー2

  • ドリンクメニュー3

  • ドリンクメニュー4

  • テーブルセッティング

  • ビール

  • 先付

  • 椀物

  • お造り

  • お造り

  • 白ワイン

  • 凌ぎや

  • 焼き物:のどぐろ

  • 焼き物

  • 八寸

  • 赤ワイン

  • 滋賀の近江米

  • ご飯

  • じゃこ

  • うなぎのお茶漬け

  • パッションフルーツ

  • 和菓子

  • 帰路の白川

2017/06/08 更新

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