2回
2021/11 訪問
祝!食べログ1000軒レビュー!人形町 『麺屋 六』。激渋香港おっちゃんが作る珠玉のエビ雲吞麵。香港輸入の生麺と上質なスープで初めて深水埗に降りた自分の足元を思い出すような店
ついにやってきました。人生で色々なことをやってみたいけど通過点の食べログ1000軒目。
なんか口コミ数とか、行った数とか、スマホとパソコンで両方見れますけども、とりあえず1番多い件数で1000軒目だからいいかと楽観的に個人的に喜んでおきます。
人形町駅。歩いて少しのところに小網神社があってこの周りで少しお腹空いたなと思ったらなんと6時からやっている香港スタイルの雲呑麺屋さんがあるというではないですか…
香港エクスプレスの片道なんとかセール!でアプリからサクサク予約しては香港で週末飲茶したり週末チャーチャンテンを一人でキメては月曜もしくは火曜日に成田からエクストリーム出社を不定期でしていた私にとって、今の『香港』という文字の書いてある飯屋は本当に精神的復活に等しい。
さて前置きが長いのですがそれだけ香港が好きな私。開店時間早々にまって暖簾をかけられた瞬間に入りました。
店内はシンプルな現金の券売機。もちろん蝦の雲呑麺の一択。
麺を待つ間におじさんに香港の雲呑麺がもう懐かしいというのを話すとめちゃくちゃ嬉しそうである。笑い皺をいっぱいにくしゃくしゃにされて、おじさんもそういう人が来てくれると嬉しいですよ!とのこと。
聞けばおじさんは数十年日本にきて長いけど、香港の村から来てとにかく料理人の道ひとすじ。いろいろな道を渡り歩いたがとうとうシンプルに美味しい雲呑麺だけを追求してこのお店を出されたとのこと。日本人ウケに坦々麺もあるけど、やっぱり主役は雲呑麺。
『うちのはエビしか入れてないんだよ。本場の香港スタイルだけど、更に美味しいものを出したいんだ』とのこと。
桜エビを使ったりするのは確かに向こうにはない。名もなき路地裏の麺屋さんがめちゃくちゃ美味いんだけど桜エビはないもんな。
つまり香港日本融合のグルメなのだが、スタイルは香港スタイル、ゼロ100で香港が100。
そうこうしていると着丼。
これはこれは…もう幸せでたまらない…シンプルな香港雲呑麺、雲呑麺ラーメン、わんたんみー…( °̥̥̥̥̥̥̥̥з°̥̥̥̥̥̥̥̥)
スープをひとくち…はぁ…もうどこの麺類よりも大好き。一応食べログ上はラーメン屋に入るのだが、史上最強の麺屋さんだと一口目で確信。そしてこれを自分の食べログ1000軒目にすること決定。
透き通るスープ。これだけで幸せ…さらに麺。ここで本場を発揮。おじさんはこの麺が輸入できなければもうお店厳しいね、とのこと。
香港に行ったことない人はわからないと思うのですが向こうの『日本のラーメン』は出前一丁のインスタントでしてね。
この独特な歯応えのあるのが本場なのです。私は向こうだと銅鑼湾街市で乾麺を大量に買ってきますが、やっぱり生麺は最高です。本場100%…!!
これだけでも幸せなのに雲呑がたっぷり入っている…( °̥̥̥̥̥̥̥̥з°̥̥̥̥̥̥̥̥)しかも一つ一つはぎゅう詰めのエビがほんっっっっとうにぷりぷりで入っており、前の日からの作り置きみたいなことは一切しないとのこと。確かに目の前で空の小さいタッパーを開けておじさんは今夜のお客さんの分だけだね、とまた笑い皺をギュッと寄せながら大事に大事に一個ずつ雲呑を作っている。
この雲呑の一口で初めて香港の深水埗に降りた時の不安な自分の足元を思い出す。
『僕もう全然香港帰れてないね、日本人も働き過ぎたよね、せめて、美味しいものを食べて幸せになって欲しいんだ』
もうノックアウト。雲呑麺ひとつで大袈裟とも言われるかもしれません…しかしこの雲呑麺にはおじさんの人生と、私の脱サラしてから糸の切れた凧としてのアジア旅人生。香港の居心地の良さ、香港人の俺についてこいスタンス、姉御肌の香港友人達…
いろんなものが込み上げてきて、シンプルに美味しさ以上の感動を味わえました…
幸福。口の中が幸福。いまコロナ禍でいろんな人たちがとても厳しい。大なり小なりいろんなことが起こる毎日。でもせめて、ほんの少しでもいいから、こういう素敵なお店で本格香港麺を食べて、美味しさ以上の生きている感謝みたいなのを多くの方に味わってもらえたらいいなと思いました。
2021/12/04 更新
ちょっとぼーっとしたら年末年始の食べログ更新が甘くてこちらの年末のご挨拶を記録しておりませんでした…!!
ありがたいことに初回来店から一か月程度経過しているのに、御店主のおじちゃん、覚えててくださってとても嬉しかった…!!ありがとうございます!
SNSでこの時キャンペーンをやっておられたのと、多忙極まりない年末。心がすさんでくるとどうしても心のビタミンがほしくなるのです…。御店主の柔和な笑顔で、大事につくられたシンプルでストレートな海老雲呑麵・・・。このいっぱいのどんぶりが…寒風吹きすさぶおるたなの心への一灯となるのです…
今回は副菜?として冷静の蒸し鶏もいただく。御店主も私も再開が嬉しく、本当に2回目だろうかと思うほど普通に世間話をしている。香港の方の人懐っこさが本当に懐かしい…。
そしてお話をお聞きすると、ありがたいことにTwitterなどをご覧になったフォロワーさん達も言ってくださった方々がいらっしゃり、また時には土曜日などは混んでしまって驚きましたよとのこと。美味しいなと思ったものを、例えば香港に行ってみたいな、、とか、前はちょくちょく言ってたけど今は行けなくて寂しいけどここにいきたいなとか…心でそう思っておられる誰かに届いたのならとても嬉しく思います…!!
もちろん日本でも香港でも、ラーメンや雲吞麵、中華そば・・・いろいろなお店で食べてきましたが、私にはやっぱりこちらの雲吞麵が一番好きですね。
同じ『麺』でも、例えばひとつの『担々麺』でも同じ材料、同じ温度、同じ副菜などという組み合わせが無いように、ひとつひとつのお店の個性が出るものが飲食店の面白さだと私は思っているので、本場の乾麺ではなく貴重な生麺、香港100%の御店主が作った香港スタイルでも、作っているお水は日本、例えばどんぶりで美しく輝くサクラエビも日本…。
香港100%+日本100%、融合されたスペシャル麺だと思っています。
そんな話をしながら着丼。。。
相変わらず透き通るスープ、サクラエビが可愛く中央に乗りきれいなピンク色をしている。湯気だけでも顔から疲れがほぐれていく。また冷静の蒸し鶏。こちらもキュッとしているのにやわらかく、ふわ~っとした歯ごたえ。それに御店主のおじちゃんの柔和なスマイルだ。
疲れて帰ってきた我が子にご飯を出してくれる母親にあったかのような安堵感がある。
スープをすすり、無言でうなづき、あつあつなのをわかっているけど、雲吞を食べる。そして香港の懐かしい麵。目をつむると貧乏旅行だけどワクワクしながら香港エクスプレスの深夜便に乗って、爆睡して朝の香港、シャムスイで麺をすするあの旅が読みがるようです。
あっさりしているのに濃厚、ほのかに香ばしく芳るこちらの香港蝦雲吞麵。やっぱり今回もおいしくあっという間に平らげてしまいました…!
きっと2022もずっと不定期に食べたくなるでしょう…。今度は担々麺も試してみようかな。あんまり混んでしまうと雲吞や麺がなくなったら売り切れで入れなくなってしまうので食べログに書くか本当に迷いますが、どうかどこかで美味しい雲吞麵を食べたいと思っている方に届きますように…!!