2回
2018/06 訪問
最上質の接客に感動 神楽坂から乗り込んできた若き名店
2018年6月4日に神楽坂から移転したお店。
最高級の接客と料理で世に知られる、ミシュラン三ツ星の「石かわ」の大将石川秀樹氏の愛弟子である三科惇氏が腕を振るう。
まずはお店のアプローチが秘密めいている。通りには店名を出さず。モダンでシャープな印象の金属庇に繊細な格子戸、そして切れ長の地窓がお店の所在を示すアイコンだ。引き戸を開けると壁に光る小さな蓮のサイン。足元にはモダンな造りの長方形の池が。優雅に水と金魚で客を出迎えるスタイルは「石かわ」「虎しろ」と共通する手法だ。吸い込まれるように水を打った石の階段を降りて木戸を開けてもまだ店内ではない。柔らかな障子の灯に浮かび上がる落ち着いた廊下が伸びている。そこで和服の女性スタッフに出迎えられて、カウンター席や個室に案内される。上質なプライバシーが保たれたこの仕掛けは銀座客にも重宝されるだろう。
当日は個室を利用させて頂いた。ゆったりとしたテーブル、そして絶妙な空間の広がりに緊張が解け、料理を楽しみながら落ち着いた会話ができる。テーブルの造りが凝っている。天然木のテーブルトップの縁の下にスカートのように布が下がり足元を隠す工夫が成されている。その細やかな気遣いと上質な質感が一流を感じさせる。ただ、テーブルトップが重いせいか、肘をついたりすると揺れて食器やグラスが鳴る。
料理は流石の超一流。
梅雨明けを待つ気持ちを表現した素材や演出が粋だ。季節を代表する素材を独創的に調理してみせるところも挑戦的で楽しい。しかし、味わいには和食の伝統の礎が感じられ、上品な安心感は損なわない。
神楽坂から乗り込んできた新進気鋭のお店が、銀座客に心服される日も近い。
■蒸し鮑を肝たれで
■ふっこの造り
■鱧の炙り刺を玉ねぎのソースで
■きんきの煮物
■鮎のかき揚げ
■スッポンの照り焼き
■蟹と冬瓜の腕
■じゅん菜と雲丹にキャビアを乗せて
■蓮根餅
■鰻のしぐれ煮
■土鍋炊きご飯
■揚げの味噌汁
■甘味
2018/06/30 更新
オープンしてはや8ヶ月。
その名は洗練された最上質な料理やサービスと共に瞬く間に食通の間に知れることとなり、今や予約困難なお店になってしまった。
神楽坂でミシュラン三ッ星に連続して選ばれるあの「石かわ」の大将、石川秀樹氏が絶大な信頼を置く三科惇氏がこの店を仕切る。
以前伺った時と比べて少し落ち着いた様子だが、料理にかける情熱や創意工夫の深さは不変に思えた。
サービスは若い弟子達が担う。礼儀正しく気持ちが良い。料理の説明も作り手側の人間らしくとても詳細だ。愛想よくお客にお酌もするのだが、やはりここは和装の女性給仕係の方が雰囲気だな。
料理はもちろん期待してきた以上のもの。オーソドックスな見栄えの中に半端のない創意工夫が込められているような、静かに熱く燃える料理人魂が込められたような、そんな迫力を秘めてるように感じた。接待や会合で利用する場面が多いが、一度でいいから無言で自分のペースで心ゆくまでその魂を味わってみたい。
◆河豚の白子焼き
◆ずわい蟹のしんじょうの白味噌
◆平目のお造り、ズワイ蟹のみそ
◆焼き新筍
◆鰆の揚物
◆鴨の焼物
◆ズワイ蟹ジュレ
◆カマスの
◆土鍋炊きご飯
◆カレーライス
◆クチコと珍味数種
◆わらび餅の甘味